バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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第ⅩⅤ門 夕日の彼方へ

~前回の奏で繋ぐ物語~

 

恵衣菜)明久くんが清水美春に刺されたことにショックを受け、私はずっと眠っていた。その間、現実では色々あったみたい。明久くんが早く目を覚ましてくれると嬉しいな。そして、私に・・・・・・ううん、私たちに何時ものように光を照らして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~雄二side~

 

「・・・・・・・・・・」

 

『『『・・・・・・・・・・』』』

 

週明けの月曜、俺は一時的に在籍しているAクラスに登校して朝のHRを待つなか、吉井妹の方を見ていた。いや、吉井を見ているのは俺だけでなく翔子や秀吉、ちょうど来ていた根本たちもだ。

 

「なあ翔子、吉井どうしたんだ?」

 

「・・・・・・わかんない。ずっとあの様子」

 

俺は隣にいる翔子に尋ねた。

翔子もさすがに吉井の様子に戸惑っている感じだった。そこに工藤が。

 

「零華、三年の小暮先輩と一緒に来たんだけど・・・・・・」

 

「来たんだけど?」

 

「なんていうか、小暮先輩が零華を連れてきた感じだった」

 

「は?どういう意味だ」

 

意味が理解できず目を丸くして聞いた。

三年の小暮先輩と言えば、≪清涼祭≫の試験召喚大会で吉井のパートナーだった人物だ。確か、明久と吉井の従姉だったか?

 

「えっとね・・・・・・」

 

「・・・・・・・吉井はまるで正気じゃなかった」

 

言い淀む工藤に変わって康太が答えた。

 

「正気じゃない?」

 

「・・・・・・・(コク)」

 

「一体この三連休に何があったんだ・・・・・・・」

 

俺は目の焦点の合っていない、ただ呆然と座っている吉井を見てそう言わざるをえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館

 

 

 

『これより緊急の全校集会を始めます。学園長お願いします』

 

 

 

時は進んで、俺たちは体育館に来ていた。

 

「緊急の全校集会って何かあったのかしら?」

 

「わからぬ。だが、嫌な予感はする」

 

「・・・・・・同じく」

 

一応Aクラスに在籍している為、俺と康太、秀吉、須川、横溝はAクラスの列に並んでいる。端のほうにはFクラスの面々が見える。そんな中、俺は朝のHRで言われたこの緊急の全校集会について考えていた。

 

「(おかしい・・・・・・。ついこの間、一ヶ月前に全校集会があったばかりなのに、こうも立て続けに全校集会を開くか・・・・・・?それに緊急の全校集会・・・・・・嫌な予感しかしねえ)」

 

そう思考し、俺は体育館の隅で三年の小暮先輩と保険医の小暮教諭と一緒にいる吉井を見た。

確か保険医の小暮教諭と三年の小暮先輩は姉妹なんだったか?

 

「(吉井のあの様子にこの緊急の全校集会・・・・・・まさか明久の身になにかあったのか?!)」

 

今は音ノ木坂学院に通っている悪友にして親友を思い出しそう考える。

 

「(前回も明久の件で全校集会が開かれたな・・・・・・それに先週までいつも通りだった吉井が今日、突然あんな感じになるということは・・・・・・。間違いねえ、この緊急の全校集会は明久絡みだ・・・・・・!)」

 

そう判断するのと同時に、壇上に学園長が登壇した。

 

 

『あー、先月に引き続き何故こうも全校集会を開くのか疑問に思っている生徒が大勢いると思うさね。今回の緊急の全校集会は先週の木曜のある出来事が原因さね』

 

 

学園長の声に周囲からどよめきが起こる。

だが、それを無視して学園長は話を続けた。

 

 

『さて、二年の男子の殆どはしらないと思うが、他の生徒は先月の全校集会の内容を覚えているさね?』

 

 

学園長のさらなるその言葉に事情を知らない二年男子はクラスメイトから内容を聞いたりしていた。

 

 

『今回の全校集会はそれに関係するものさね』

 

 

学園長の声に小さなざわめきが起きるがすぐに静かになった。

 

 

『――――――吉井明久が二年Dクラス、清水美春に刺されたさね』

 

 

「っ!」

 

学園長の言葉にざわめきがさらに上がった。

そんな中俺は、やはりそうかと学園長を見ながら思考した。

 

 

『現在、吉井明久は意識不明の重体さね』

 

 

学園長が重々しくそう言うと。

 

 

「零華ちゃん!」

 

 

体育館の隅からそんな声が響いてきた。

声の発生場所を見ると、吉井がぐったりと倒れている姿が見えた。

遠目だが顔も青ざめて誰がどう見ても様子がおかしいのは明白だった。

 

 

『小暮先生、急いで吉井妹を保健室に!』

 

 

「はい!」

 

 

学園長の早急の指示に吉井を小暮先生が抱き抱え、小暮先輩と一緒に体育館から出ていった。

 

 

『・・・・・・・話を戻すさね。先週の木曜、下校している最中に吉井明久は清水美春に刺され、現在は入院中さね。アタシは生徒が殺傷事件を起こすことが嘆かわしいさね。といっても、そこの二年Fクラスの面々は常日頃から吉井に怪我を負わせているらしいがね』

 

 

学園長の言葉に一斉にFクラスに向けて視線が飛んだ。

 

「な、なによ!」

 

「なんですか!」

 

一斉に向けられた視線に島田と姫路がなにか言うが無視。

 

 

『他にも、清水美春は盗撮していたらしいさね。この事についてはAクラスの生徒と一部の他クラスの協力のお陰ではっきりしてるさね。とまあ、当校始まって以来の大事件になったわけさね。教室に戻ったら親御さん宛に便りがあるさね、各教員は戻り次第それを配布するように』

 

 

学園長の言葉にどよめき生徒間で走る。そんななか俺は学園長に聞いた。

 

「学園長、清水美春に関してはどうなったんだ」

 

俺の問いに一斉にどよめきが静まり学園長のほうに視線が向いた。

 

 

『清水美春に関しては退学処分及び除籍、放校処分にしたさね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aクラス

 

 

緊急の全校集会が終わり、Aクラスに戻ってきた俺たちは学園長が言った内容が頭から離れなかった。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・雄二」

 

静まり返る教室で、隣の席の翔子が心配そうに見てきた。

 

「ああ、すまん」

 

「・・・・・・吉井のこと?」

 

「ああ・・・・・・」

 

俺は翔子に一言そう答えた。

そこに、高橋先生が書類を持って教室に入ってきた。

 

「えー、吉井さんは体調不良のため早退しました。無理もありません」

 

高橋先生は前に立つとそう最後に悲痛の感じを含めて言った。

 

「なお、学園長と相談し、しばらくの間Aクラスの代表は霧島さんが務めてください。また、坂本くんには霧島さんの補佐をお願いします」

 

「・・・・・・わかりました」

 

「わかった」

 

「ではいまから集会の中にあった保護者への便りを配ります。自宅に着き次第、かならず保護者に渡してください」

 

前から送られてくる便りを見ながら俺は姫宮のことが心配だった。妹の吉井がああなのだから恋人の姫宮の心情は計り知れないだろう。

 

「(昼休みにでも学園長に聞いて放課後は明久のお見舞いに行かねえとな)」

 

配られた便りを後ろに回して俺はそう思考した。

 

~雄二side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~穂乃果side~

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

「穂乃果」

 

「絵里ちゃん・・・・・・」

 

週明けの月曜の放課後、私は海未ちゃんとことりちゃんと〈アイドル研究部〉にいた。室内には、明久くんと恵衣菜ちゃん以外のμ's全員が揃っていた。

 

「さすがにこの状態じゃ練習は・・・・・・」

 

「できないやね・・・・・・」

 

絵里ちゃんと希ちゃんが私たちを見てそう言った。

 

「穂乃果たちがここまでなんてね・・・・・・」

 

「無理もないわよ。間近で見たんだもの」

 

にこちゃんと真姫ちゃんがそういうなか私と海未ちゃん、ことりちゃんは椅子に座ってただ呆然としていた。

 

「真姫」

 

「なに?」

 

「明久のお見舞いは行ってもいいのよね?」

 

「ええ。問題ないわ」

 

「穂乃果、明久のお見舞いに行くわよ」

 

絵里ちゃんが真姫ちゃんに確認するとそう言ってきた。

 

「うん・・・・・・」

 

その日は練習はせず、明久くんのお見舞いに行くことになった。

 

~穂乃果side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~絵里side~

 

 

「はぁ・・・・・・」

 

「大丈夫、エリチ?」

 

「大丈夫なの絵里?」

 

「希・・・にこ・・・」

 

明久のお見舞いに病院に向かっている最中、希とにこが心配そうに声をかけてきた。

 

「穂乃果たちの様子を見たら頑張らなきゃ、って思うんだけど・・・・・・」

 

「明久がいないだけでこうも変わるなんてね」

 

「せやね」

 

私は明久がいないだけで学校生活がこうも変わるとは思ってなかった。

 

「聞いた話だと、もう学校中噂になってるみたいよ」

 

「そう・・・・・・」

 

どうやら明久が入院したということはすでに音ノ木坂学院全体に広まっているらしい。この事を知っているのは私たちと理事長そして、先生方のみの筈だがさすがに情報統制はままならないらしい。

 

「まあ、明日理事長が話すらしいわ」

 

「そうなんだ」

 

昼休みに理事長に伝えられたことをにこに伝える。

 

「それより・・・・・・」

 

「どうしたんエリチ」

 

「ちょっと零華と恵衣菜のことが・・・・・・・ね・・・・・・」

 

恵衣菜は現在自宅療養中。真姫の家に恵衣菜のご両親が迎えに来て、自宅に運んでいったのだ。今も恵衣菜は眠っている。真姫のお母さんによると、あまりのショックで精神に。心に異常がきたして意識を失っているのだとか。零華は目覚めているのだけど、明久のことを聞くと体調が悪くなってしまっていた。学校では従姉の小暮葵さんとそのお姉さんの翠さんが零華のお世話をしてるとか。

 

「そうやね・・・・・・」

 

「でも、今回は明久だったけど、もしも私や亜里沙、お母さんやお父さん、希やにこたちだったらとしたら・・・・・・」

 

「エリチ・・・・・・」

 

「絵里・・・・・・」

 

正直、私は怖い。しっかりしなきゃいけないのはわかるけど、もし自分や家族、友達が明久と同じことになったらと思うと怖いのだ。

例え自分じゃなくても、目の前で友達や家族、恋人が刺されたら零華や恵衣菜のようになるのは間違いない。

私は病院に行く道を歩きながらそう思考したのだった。

 

~絵里side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真奈美side~

 

 

「―――ええ。そういうわけだからしばらくこっちにいることになるのだけど大丈夫かしら?―――そう?ごめんね。―――うん―――うん。―――ええ、なにかあったら連絡して―――うん―――それじゃあ」

 

関係者さんとマネージャーに電話して、事情を話ししばらく休むことの旨を伝えると、関係者さんとマネージャーからお大事にと言われた。まあ、マネージャーは明久くんのこと知ってるし、関係者さんも一部は面識がある。それぞれ各所に連絡しスマホを閉じると。

 

「しばらく休むの真奈美ちゃん?」

 

目の前に座っている人に聞かれた。

 

「うん。そっちは大丈夫なの、花音(かのん)ちゃん?」

 

私は目の前に座っている恵衣菜ちゃんの母親にして私の古くからの友達、姫宮花音にきいた。

 

「私のほうは秀夜(しゅうや)くんがやってくれてるから」

 

「そうなんだ~」

 

私の夫、和輝くんの親友の秀夜くんは花音ちゃんの旦那だ。花音ちゃんと秀夜くんは姫宮財団の本社で秀夜くんが代表取締役兼社長、花音ちゃんは副社長兼ファッションデザイナーとして、あちこち飛び回っている。まあ、吉井財閥の本社代表取締役である和輝くんもそうなんだけど。ちなみに玲ちゃんは和輝くんのサポートをしていたりする。

 

「花音ちゃん、恵衣菜ちゃんは・・・・・・?」

 

私の質問に花音ちゃんはふるふると首を横に振った。

 

「もう四日も眠りっぱなしなのね・・・・・・」

 

「仕方ないよ。目の前で明久君が刺されたんだもの。たぶん私も同じ立場だったらそうなると思うよ・・・・・・」

 

「そうね・・・・・・」

 

「零華ちゃんは?」

 

「さっき翠ちゃんからメールがあったの。どうやら零華ちゃん、倒れちゃったみたいなの」

 

「そっか・・・・・・。かおりちゃんたちには?」

 

「美穂乃ちゃんと瑞那ちゃんにも聞いたけど、やっぱりショックが大きいらしいわ」

 

(そら)ちゃんはなんて?」

 

「・・・・・・・つばさちゃんも穂乃果ちゃんたちと同じよ」

 

颯ちゃんはつばさちゃんのお母さんで、私たちの親友だ。

 

「はぁ~・・・・・・ほんと、明久くんはいろんな子から好意を持たされてるよね」

 

「まあ、それが明久君の人徳なんだと思うわよ?私からしてみればさすが真奈美ちゃんと和輝君の子供ってことはあるわ」

 

「それほめてるの?」

 

「ん?褒めてるよ~」

 

少し言ってる意味が気になるが、朗らかに笑いながら言う花音ちゃんの前ではその考えも捨てた。

 

「それで?」

 

「ん?」

 

「真奈美ちゃんが言いたいことってそれだけじゃないでしょ?」

 

「うっ・・・・・」

 

「真奈美って解りやすいのよ?まあ、瑞那ちゃんほどじゃないけど」

 

「瑞那ちゃんとだけは一緒にされたくないんだけどなぁ~」

 

私は昔を思い出して苦笑しながら答えた。

 

「ねえ、花音ちゃん。一つ聞きたいんだけど」

 

「なに?」

 

「一夫多妻ってどう思う?」

 

「ケホッ!一夫多妻!?」

 

私の言葉に花音ちゃんは噎せたように咳き込み聞いてきた。

 

「なんで一夫多妻なの・・・・・・・・・・あー、なるほど・・・・・・そういうことね」

 

花音ちゃんは理解したようにうなずき言った。

 

「いいんじゃないかしら」

 

「あ、いいのね」

 

「ええ。だって、これ、明久くんと恵衣菜たちのことでしょ?」

 

「さすが花音ちゃん!話が早いね」

 

「何年の付き合いだと思うのよ・・・・・・。それくらいわかるわよ」

 

「あはは・・・・・・」

 

「まっ、私は恵衣菜がいいならいいわよ?まあ、あの娘なら真っ先に賛成すると思うのだけど」

 

「ふふふ。花音ちゃんも親バカだね」

 

「いや、真奈美ちゃんだけには言われたくないよそれ」

 

「え~~!」

 

呆れた視線で視てくる花音ちゃんに私は心外だよ~、という風に返したが、花音ちゃんはクスリと笑って来ただけだった。

というかかおりちゃんたちも親バカだと思うんだけどなあ。そんなことを思いながら私は花音ちゃんを見たのだった。

 

~真奈美side~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~つばさside~

 

 

「どうしたのよつばさ。元気ないみたいだけど?」

 

「そう?」

 

「ああ。あんじゅのいう通り元気がないように見えるよ。なにかあったのか?」

 

「なにかあった・・・・・・ね・・・・・・・。あったのは私じゃないけど・・・・・」

 

あんじゅと英玲奈に心配されながら、私は二日前、お母さんに聞かされたことを思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二日前

 

 

「お、お母さん、今なんて・・・・・・」

 

「・・・・・・明久くんが刺されたわ」

 

「じょ、冗談だよねお母さん。エイプリルフールはもうとっくのとうに過ぎたよ」

 

私の言葉にお母さんは首を横に振った。

 

「・・・・・・ほんと・・・・・・なの・・・・・・?」

 

「・・・・・・ええ」

 

お母さんの言葉に私は目の前が真っ暗になった。

 

「つばさ?」

 

「・・・・・・れが・・・・・・・・・たの・・・・・・」

 

「え・・・・・・・・・」

 

「誰が・・・・・・・誰が明久くんを刺したの!」

 

テーブルにバンッ!と大きな音を立てて立ち上がった私は目の前のお母さんに大きな声で聞いた。

 

「お、落ち着いてつばさ」

 

「これが落ち着いていられるわけないよ!明久くんが刺されたんでしょ!私の大切な人が刺されたんだよ!落ち着いていられるわけないじゃん!」

 

お母さんの言葉に私は泣きながら言う。

 

「明久くんを刺した人はもう警察に捕まってるわ。真奈美から連絡が来たの」

 

「そう・・・・・・」

 

私はそう呟くように言うと部屋から出て自室に戻り、扉の鍵を閉めベットに倒れるようにして入り、傍にあった淡黄柄のスマホを持ち画面を開いた。

そこには通知で葵からのLINEが来ていた。中身を見ると、そこにはお母さんが言っていたのと同じ内容と、明久くんの現在の様子が書かれてた。

私はそれを一通り確認すると、LINEから写真のフォルダに画面を変える。そのフォルダには様々な写真や動画が記録されていた。中にはあんじゅや英玲奈たちと撮ったAーRISEの写真や葵との写真など。そして、フォルダの一番上には明久くんの名前が。その下には幼馴染みたちで撮った写真など千差万別が記録されていた。

私はフォルダ名が明久くんと書かれているフォルダと幼馴染みと書かれているフォルダを開いた。その中には私たち幼馴染みの姿があり、明久くんと書かれているフォルダには明久くんの写真がたくさんある。

その写真を一通り見終えるとスマホの画面をブラックアウトして、枕に顔を埋める。

 

「明久くん・・・・・・」

 

枕に顔を埋め明久くんの名前をただ呟くように言った。その声に嗚咽が混じり、願っているようにも聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在

 

 

 

「ごめん、私このあと行くところあるから」

 

「そうなの?」

 

「ええ」

 

「じゃあまた明日つばさ」

 

「そうね」

 

私はあんじゅと英玲奈にそう言うと、明久くんが入院してる病院へと走っていった。

 

~つばさside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~あんじゅside~

 

 

つばさが走って出ていったのを見たわたしは横にいた英玲奈に訪ねた。

 

「ねえ、英玲奈。今日のつばさ、どこかおかしくなかったかしら?」

 

「あんじゅもそう思うかい?」

 

「も、ってことは英玲奈も?」

 

「ああ。授業中もさっきも上の空って感じだった。それにいつもの元気が無かったのにも気になる」

 

「そうね・・・・・・つばさがあんな風になるなんて今まであったかしら?」

 

「いや・・・・・・・・ないな」

 

「そうよね・・・・・・」

 

「そう言えば、休み時間の最中つばさ、明久がどうのこうのって言っていたような・・・・・・」

 

「明久くん?」

 

「ああ。どこか心配している感じだった」

 

「・・・・・・・・もしかして明久くんの身に何かあったんじゃないかしら?」

 

「有り得るな・・・・・・明久が関係しているならつばさのあの様子も納得だ」

 

「ええ。そうと決まったら、葵に効きましょう」

 

わたしは英玲奈にそう言うと、スマホのLINEを開いて葵に連絡を取った。

そして、返ってきたメッセージを見たわたしと英玲奈はあまりの悲痛に口を覆ったのだった。

 

~あんじゅside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その二日後の水曜。それぞれのもとに、明久が目を覚ましたと連絡が入ったのだった。

それは血のように赤く、燃えるような夕陽が彼方へと沈む黄昏時の時間帯の事だった。

 

 

 

 

 

 









次回 『Regeneration』 GO to The Next LoveLive!
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