~前回の奏で繋ぐ物語~
真姫)相も変わらずイチャイチャしている明久と恵衣菜の中に今度は穂乃果たちも入るなんて。しかも零華は実妹なのに・・・・・・・それで良いのかしら。これで頭が痛くなることまず間違いないわね。それより恵衣菜だけじゃなくて穂乃果たちもいいならもしかしたら私も・・・・・・・・・・な、ナンデモナイワ!!
~明久side~
どうもこんにちは。今作の主人公にして絶賛六股している吉井明久です。・・・・・・って、六股言うなあぁぁぁぁぁっ!!
と、ツッコんでいる場合じゃなかった。急いで逃げないと!
何故なら今、後ろから。
「明久くん待てぇぇぇぇ!」
「逃がさないよ明久くん♪!」
「待ってください明久!」
幼馴染みの穂乃果、ことり、海未を筆頭に数人の音ノ木坂生が追い掛けてきているからです。
「ちょっ、だ、ダレカタスケテぇ~~~!!」
花陽の口癖をつい言ってしまうほど、今の僕は切羽詰まっていたのだった。
事の発端は今から1時間半前。
1時間半前
音ノ木坂学院講堂
『え~、今学期も残り僅かになりました。そして、文月学園から来てくれてる吉井くんと姫宮さんがいられるのも僅かです』
朝、僕たちは講堂で理事長のかおりさんの話を聞いていた。かおりさんの言葉に所々から、え~、という声が聞こえてくる。まあ、僕や恵衣菜としても元々今学期の終わりまで、って条件だったからね。
思い出しながらかおりさんの言葉に耳を傾ける。
『そこで、私と文月学園の学園長、藤堂カヲル学園長の提案で今から吉井くん対音ノ木坂学院生徒全員+姫宮さんで試験召喚戦争を行いたいと思います♪』
「はい?」
いきなり予測してなかった言葉が聞こえ、つい小声で聞き返してしまった。
理解が追い付かない中、壇上にかおりさんともう一人、文月学園の学園長の藤堂カヲル。僕のお祖母ちゃんがいつの間にかいた。
あれ、僕は夢でも見ているのかな?
『あ~、ごほん。音ノ木坂の生徒は始めましてだね。文月学園学園長藤堂カヲルさね』
うん、どうやら夢じゃなかったみたいだ。
「(なんでお祖母ちゃんここにいるの?!)」
そんな僕の気持ちを他所に、お祖母ちゃんは話し続けた。
『まずはこの学院が存続することにうれしく思っているさね。音ノ木坂学院の試験召喚については吉井と姫宮からのレポートで知っている。レポートを見て、1技術者として生徒らの熱意には驚いたよ。たが、先程南理事長が言ったように吉井と姫宮は今学期一杯で音ノ木坂学院から文月学園に戻るさね。そこで、南理事長と相談して音ノ木坂の生徒たちの召喚獣の操作がどれくらいなのか観てみようと言うことになったさね』
お祖母ちゃんの話を聞いた僕は脳内で今の話を整理した。
僕と恵衣菜が音ノ木坂から文月に帰る→レポートを見てうれしい→どうせならこの目で音ノ木坂生徒の召喚獣の操作を見よう→僕との試験召喚戦争。
うん、なんで!?
『相手に吉井を選んだのは』
お祖母ちゃんが僕を選んだ理由を溜めて言った。
『その方が盛り上がるからさね!』
「(予想通りだよぉぉぉぉ!!?)」
予想していた言葉が聞こえ僕は項垂れた。
『さらに、これで吉井に勝てたら吉井を1日好きにすることが出来る権利をあげるさね!』
お祖母ちゃんの言葉に周囲から歓喜の声が上がった。
んだけど―――
「ちょっと待ったあああああああ!!!」
さすがにこれは僕もツッコミを入れざるをいられなかった。僕の声に周りのみんなはビクッとなっているけど、隣に座っている穂乃果とことり、海未、恵衣菜は苦笑いを浮かべていた。
『なんだい吉井?』
「学園長!僕が景品って何も聞いてないんですけど!?」
『そりゃ今言ったからね。ちなみに南理事長も承諾済みさね』
「What!?」
お祖母ちゃんの言葉に気が動転して英語で言いながら、かおりさんに瞬時に視線を向けると、かおりさんはとてもいい笑顔でサムズアップしていた。
「(そう言えばことりもこういうサプライズ的なもの好きだったけ?さすが親子、子は親に似るってホントなんだなぁ~)」
かおりさんを見ながら僕は思い出したかのように思った。
『それでは今から1時間後に吉井くん対音ノ木坂学院生徒全員+姫宮さんの試験召喚戦争を始めます。召喚範囲はこの音ノ木坂学院すべて。吉井くんの勝利条件は姫宮さんを撃破すること、生徒のみなさんと姫宮さんの勝利条件は吉井くんを撃破することです』
こうして僕は音ノ木坂学院生徒全員と恵衣菜を相手にするという超無理ゲー試験召喚戦争をすることになったのだった。
現在
「幾らなんでも数が多すぎない!?」
僕は召喚フィールドの形成されている音ノ木坂学院の校舎内を全力で駆けていた。ちなみにフィールドの科目はすべて総合科目で統一している。本来校舎内を走るのはダメなんだけどそうゆうちょな事言ってられない。何せ後ろには―――
「待って明久くん!」
「待ちなさい明久!」
「待つにゃ~!」
「なんで凛とにこまでいるの!?ことりと海未はどこ行ったの~?!」
μ'sの3バカこと、穂乃果と凛、にこの率いる一年、二年、三年の連合部隊がいるからだ。
そのまま走って階段付近に行くと。
「みんな見つけたよ!」
「者共であえであえ!」
「挟み撃ちにするわよ!」
クラスメイトのヒフミトリオが部隊を引き連れて待ち伏せしていた。
「「「ヒフミ言うな!!」」」
彼女たちはいつの間に読心術を得たんだろう!?
そんな驚きはさておき。
「何時からここは武家屋敷になったのさ!!」
そんなツッコミをして僕は二階から一階へと避難した。
あ、召喚獣は勿論出してるよ。けど。
「さすがにこの人数を一人で相手にするのは無理!」
なにせ前から10人。後ろから20人強と合計約30人近い生徒がいるのだ。こんな狭い場所で闘ったらあっという間に袋叩きにされかねない。
「ふ、不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
一階から校庭に出た僕はとある不幸少年の口癖を響き渡らせたのだった。
~明久side out~
~恵衣菜side~
『ふ、不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「明久くん?」
明久くんの絶叫が聞こえたような気がした私は、グラウンドの方の窓ガラスを見た。
そんなところに。
「今明久の声が聞こえたような気がしたのですが」
「ええ。気のせいかしら?」
海未ちゃんと絵里ちゃんが疑問符を浮かばせてやって来た。
「海未ちゃん、絵里ちゃん。どうしたの?」
「いえ、恵衣菜に状況報告をと」
「ああ」
海未ちゃんの言葉に今音ノ木坂学院生徒全員の総大将を勤めていることに思い出した。
「うぅ。前に出て戦いたい」
海未ちゃんから各地の戦況報告。と言っても明久くんの動きと戦闘状況について聞き終えた私はそう愚痴を吐いた。そこに絵里ちゃんが。
「ダメよ、恵衣菜。あなたが出ていったら意味ないじゃない」
そう言ってきた。
「え、なんで?」
「だって恵衣菜が前線に出たら指揮はともかく、誰も明久と戦えないわよ」
「ていうか、うちらが援護出来へんやね」
「あら希」
「希ちゃんまで・・・・・・」
「というか明久に対抗できるのは恵衣菜や零華など一握りの人だけじゃないですか?」
「あ~、う~ん」
海未ちゃんの言葉に私は少し考え込んだ。
「(明久くんに召喚獣で対抗できる人物・・・・・・文月でソロだと私と零華ちゃんに葵ちゃんに坂本君、翔子ちゃん、久保くんぐらい?タッグなら優子ちゃんと美穂ちゃん、根本君と友香ちゃん、横溝君とエレンちゃん、須川くんと綾香ちゃん・・・・・・かな?単一教科で保健体育だと愛子ちゃんと土屋君で古文なら木下君と麗子ちゃんかな?音ノ木坂だと可能性があるのは・・・・・・)」
私は室内にいる絵里ちゃん、希ちゃん、真姫ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃんたちを見た。
「(今のところだと海未ちゃんとことりちゃんのタッグと絵里ちゃんと希ちゃんのタッグかな?あ、真姫ちゃんもかな?あとは
私は明久くんに辛うじて対抗できるであろう人を頭でリストに載せた。まあ、まだ経験が浅いから上手くはいかないと思うけど。
そう考えていると。
『ダレカタスケテェ~~~!!』
どこからかそんな声が聞こえてきた。
「今のって花陽ちゃん?」
「え?!わ、私じゃないです」
真姫ちゃんと一緒にいた花陽ちゃんに視線を向けて聞くと、花陽ちゃんは首を横に降って否定した。
「花陽ちゃんじゃないってことは・・・・・・・・・・」
私は声が聞こえてきた方向に視線を向けた。
その方向はグラウンドで、上からグラウンドを見下ろす形になるが、視界の先には明久くんが何人かの音ノ木坂生と戦いながら逃げまとっている姿が見えた。
「て言うかよく考えてみたらこれって、完全に明久がアウェーじゃないかしら?」
「どうして真姫ちゃん?」
「だって花陽、花陽だったら一人であの人数相手に出来る?」
「・・・・・・ムリです」
「でしょ?どう考えても圧倒的に明久が不利よ」
「あー、たぶん明久くんが苦労するのは私との戦いだと思うよ?」
私は苦笑して真姫ちゃんと花陽ちゃんに言った。
「言っちゃあなんなんだけど、余程のことがない限り明久くんって倒せないんだよね」
「そうなんですか?」
「うん。前の強化合宿の時なんて一人で30人相手して無傷だったから。まあ、それは相手が単調でFクラスだったから、ってのもあるけどね」
強化合宿の時の出来事を思い出して私は苦笑しながら言う。
私の言葉に、対する海未ちゃんたちは呆気にとられていた。そんなところに。
「伝令!前線部隊の第一分隊、7割が戦闘不能!至急応援頼む、だそうです!」
伝令係の女の子が慌てたように言ってきた。
「な、7割!?」
「この短時間で!?」
海未ちゃんと絵里ちゃんが驚いたように言う。
「あらら。第二分隊は第一分隊のフォローに入って!第三分隊は後方支援!戦闘不能になる前に出来る限り離脱して補充試験を受けるように通達!」
「了解!」
一応分隊は五分隊あり、第一分隊と第二分隊は前線、第三分隊は支援、第四分隊は後方。そして第五分隊は私の護衛?やらなんやらで各クラスの代表クラスがいる。ちなみに第一分隊のリーダーはヒデコちゃんで、第二分隊は紫原先輩が。第三分隊はことりちゃん、第四分隊は海未ちゃんがリーダーとなっている。まあ、私は一人でいいんだけど・・・・・・。
伝令係の女の子にすぐさま作戦立案を通達して私は次の手を考える。
「ことりちゃん。ことりちゃんたちは第一分隊と第二分隊のフォローをお願いね。あ、でも決してムリしないでね」
「うん♪まかせて恵衣菜ちゃん!」
ことりちゃんはそう言うと、自分の部隊を率いて教室から出ていった。
「海未ちゃん」
ことりが出ていって、私は海未ちゃんを呼んだ。
「はい。なんですか?」
「海未ちゃんの部隊から何人かことりちゃんたちのフォローに行ってあげてくれる?」
「いいですけど・・・・・・どうしてですか?」
「明久くんがもし腕輪の《
「わかりました。8人ほどでいいですか?」
「うん」
そう言うと海未ちゃんは自分の部隊の方に行って、そこにいた人たちと話した。
「(あと少しで昼休み・・・・・・昼休みが終わって英気を補充したら全員で攻撃を仕掛けようかな?あ、でもこれは明久くんも読んでるかも・・・・・・。う~ん、
私は時計を見ながらこのあとの行動を考える。
「大丈夫恵衣菜?」
「難しい顔してるで」
「大丈夫だよ絵里ちゃん、希ちゃん。午後からの作戦を考えていただけだから」
「ならいいけど・・・・・・」
「あんま無理したらあかんよ?」
「そのつもりだよ」
私は二人に淡い笑みを少しだけ見せて言った。
そこで気がついたように二人に聞いた。
「ところで二人とも」
「なに?」
「ん?」
「穂乃果ちゃんたちが熱中するのは分かるんだけど、なんで他の生徒たちもあんなに乗り気なの?」
私は音ノ木坂生たちの熱気に若干引きながらも尋ねた。私から見てもみんなの行動がすごい。と言うか、熱意が凄まじい。業火に包まれているぐらいに眼が輝いているのだ。
「あら、恵衣菜は知らなかったの?」
「え?なにが?」
絵里ちゃんの言葉に私は目を丸くして首をかしげた。
その動作に、絵里ちゃんは私が理解してないと判断したのか答えてくれた。
「今明久って音ノ木坂学院でかなり話題になってるのよ」
「へぇ~・・・・・・はい?!」
「恵衣菜ちゃん、もしかして知らへんの?」
「な、なにが希ちゃん?」
「恵衣菜ちゃんが知らへんなんて・・・・・・」
私が戸惑っていると。
「なに話してるのよ」
「恵衣菜、なぜ動揺しているのですか?」
真姫ちゃんと海未ちゃんが不思議そうに聞いてきた。
「あ、二人とも」
「あのな恵衣菜ちゃん、どうやら"あれ"の存在知らんらしいよ」
「"あれ"?」
「"あれ"ってまさか、"あれ"のことですか?」
「ええ」
「???」
どうやら絵里ちゃんたちは知ってるみたいだけど・・・・・・。私の疑問に海未ちゃんが教えてくれた。
「恵衣菜、実は音ノ木坂学院には非公式の明久のファンクラブがあるんです」
「はい?」
海未ちゃんの言葉に私は安直に返してしまった。
「ファンクラブって・・・・・・同好会みたいなものだったよね・・・・・・。え、明久くんのファンクラブ?」
「はい」
「え、え~と、いつから・・・・・・・・・?」
「確か、μ'sがもう一度起動した後からですかね?」
「・・・・・・・・・・マジなの?」
「はい。マジです」
海未ちゃんの真顔で言ったマジです、に私は衝撃より驚きが走った。まさか明久くんのファンクラブがこの音ノ木坂学院にあるなんて思わなかったのだ。
「ちなみに零華ちゃんはこの事知ってるの?」
恐る恐る聞いてみると。
「零華は音ノ木坂明久ファンクラブ。通称OAFCの名誉会長です」
海未ちゃんがそう答えた。
「はいぃぃぃぃぃい!!?」
海未ちゃんの言葉に私はすっとんきょうな悲鳴を上げてしまった。
ちなみにその時、グラウンドで対戦していた明久くんがくしゃみをしたとかなんとか。
「ちなみにだけど、音ノ木坂学院の生徒の約9割がこのOAFCに参加してるわよ」
「エリチも入ってるもんな」
「ちょっ、希!」
絵里ちゃんと希ちゃんの会話を聞きながら、真姫ちゃんと海未ちゃんに視線を向ける。
「わ、私は入って・・・・・・・・・・ないわよ」
真姫ちゃんは入ってのところを区切っていっていた。
「(真姫ちゃん絶対入ってるよ)」
顔が少し赤い真姫ちゃんを見ながら私はそう呟いた。
「私ですか?私はもちろん入ってますよ。あ、穂乃果とことりももちろん入ってますね」
海未ちゃんの方は予想していた通りだった。
昔の海未ちゃんだったら顔を真っ赤にして破廉恥です、って言っていたと思う。まあ、今も大抵なことは初心で赤面するんだけどね。
「い、いつの間に・・・・・私全然知らなかった」
そのまま私はガクッと床に膝を付いたのだった。
~恵衣菜side out~
~明久side~
「ちょっ!わっ!ええーっ!」
どうも絶賛ピンチの明久です。
なんてノリで言ってる場合じゃない!!
「てりゃあー!」
「せいやぁー!」
「やああーっ!」
「ちょっ!多すぎでしょぉぉぉぉぉお!!!」
迫り来る短刀と槍、
僕はそれを召喚獣を巧みに操作して、魔法攻撃をギリギリのところで避け、銃弾と弓を切り裂く。
「せあっ!」
右手の片手剣を思いっきり目の前に投げ、銃を取り出して横からの刀を銃身で防いで左の片手剣で薙ぎ払って後ろの召喚獣もろとも吹き飛ばす。そしてそこに銃弾を叩き込む。その直後。
「もらったわ!」
「もらったよ吉井君!」
背後から短剣と細剣を構えた召喚獣が僕の召喚獣を貫いて来た。
が。
「
腕輪を発動させて自身の周囲に障壁を張って防ぐ。
「えっ!」
「うそ!」
動揺する彼女たちに、僕は一瞬で接近して点数をゼロにする。
「ごめんね!」
そう一言言うと、意識を極限にまで集中させ、召喚獣の動作をシステムが許容する限界にまで上げ、周囲にいる召喚獣を一瞬で消し飛ばして点数をゼロに。戦闘不能にした。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」
「こ、これが吉井君の・・・・・・」
「文月学園二学年序列一位の実力・・・・・・」
「あり得ないでしょ・・・・・・!」
「今なにが起きたのか分からなかった・・・・・・!」
「人間の反応思考速度を超えてる・・・・・・!」
召喚獣が戦闘不能になった子や、攻撃範囲外にいる子たちが唖然と、驚愕の表情で言った。
脳を過剰行使して息を整えていると。
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪
昼休みを告げる鐘が鳴り響いた。
これで午前中の戦闘は終了だ。残りは昼休み終了してからの午後から。
つまり午後からの戦いが本当の戦いなのだ。
次回 『