バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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第ⅩⅩ問 明久VS恵衣菜+音ノ木坂学院生(ファイナルバトル)

 

~前回の奏で繋ぐ物語~

 

明久)お祖母ちゃんとかおりさんの提案で始まった、僕VS恵衣菜+音ノ木坂学院生全員の試験召喚戦争。けどいくつか言いたいことがあるんだけど、一番言いたいのは、圧倒的に僕が不利でしょこれ!?一人で約120人程を相手にしないといけないの!?しかも恵衣菜もいるのにどうやって勝つって言うのさ!?不安しか残らないこの戦い、勝利の女神はどちらに微笑むのか。午後の戦闘が今、始まる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

 

 

昼休み

 

 

「お疲れさま明久くん」

 

「恵衣菜」

 

音ノ木坂学院に来てからの昼休みほぼ毎日いる木の下で休んでいると、僕のお弁当を持った恵衣菜がやって来た。

 

「はい、お弁当」

 

「あ、ありがとう」

 

「ううん。それより大変だったね」

 

隣に自然に腰かけて恵衣菜が言う。

 

「さすがにあれはないよ」

 

やつれた表情で言っていると。

 

「ハハハ。良いじゃないか。明久としても面白いだろ?」

 

「お祖母ちゃん!」

 

「カヲルお祖母ちゃん!」

 

お祖母ちゃんが愉快そうに笑いながらやって来た。

 

「楽しそうでなによりさね。やはりここに来させて正解だったようだね」

 

「まあね。それより僕が景品ってどういうことなのさお祖母ちゃん」

 

ジト目で召喚戦争の発案者にして首謀者のお祖母ちゃんに聞く。

 

「その方が盛り上がるだろ?」

 

「そういう問題じゃないんだけどなぁ~・・・・・・」

 

補充試験のない召喚戦争。RPGで言うなら、回復手段なしの連戦だ。あるのは己のスキルと装備している武器そして経験だ。対する相手は複数のパーティーを組んでいて、回復ありに仲間の援護ありなどがある一言で言うなら単独(ソロ)集団(パーティー)の対戦だ。いや、規模で言うなら対戦ではなく大戦かな?だって相手、音ノ木坂学院全生徒+恵衣菜だし。

 

「そんじゃまあ午後からの対戦も頑張りなよ。アタシたちは理事長室で観戦するからね」

 

そう言うとお祖母ちゃんは校舎の方に歩き去っていった。

 

「まったく・・・・・・お祖母ちゃんは相変わらずだね」

 

立ち去るお祖母ちゃんの後ろ姿を見ながら苦笑いを浮かべながら呟いた。

 

「あはは。でも、また明久くんと戦えるなんて嬉しいよ」

 

「圧倒的に僕が不利だけどね」

 

「そこは気にしちゃダメだよ」

 

いくら全力全開。本気をだせるからと言っても数の差では圧倒的に僕が不利だ。

そう思っているところに。

 

「いや~、今日もパンが旨い!」

 

「穂乃果ちゃん・・・・・・」

 

「太りますよ?それに歩きながらなんて行儀悪いです」

 

「ええ~っ。だってお腹すいてんだもん」

 

穂乃果たちがお弁当を持ってこっちに来た。

 

「いつも穂乃果ってパン食べてるよね。たまにはご飯食べたら?」

 

「ええ~っ。だってうち和菓子屋だからいっつも和食なんだよ~?」

 

「だからと言っていつもパンでは栄養バランスが偏ります。私やことりみたいにもう少しバランスの良い食事をですね・・・・・・」

 

「あはは。そこまでにしとこ海未。昼休みの時間がなくなるよ?」

 

「それもそうですね」

 

僕の言葉に海未はいつものようにそう言い、恵衣菜とは反対側の僕の横に腰掛けた。

そこに穂乃果が。

 

「ああ~!海未ちゃんズルい!」

 

「ズルくありません。早い者勝ちです」

 

「嘘だ~!ことりちゃんも海未ちゃんになんか言ってよ~」

 

「え、え~・・・・・・」

 

反応に困りながら僕の真正面に座ることりは穂乃果に戸惑いながら僕の顔を見てきた。

 

「いいから早く座ったら穂乃果?また明日があるんだからさ」

 

「う~。わかった」

 

渋々と言った感じで穂乃果はことりと恵衣菜の間に入り込んで座ってパンを食べる。

 

「ところで今回の指揮ってやっぱり恵衣菜?」

 

ある程度食べたところで恵衣菜に訊ねた。

 

「うん。なんでわかったの?」

 

「いや、なんとなくさっきの戦闘のやり方が雄二の作戦構造に似ていたからのと、僕の行動を把握して先読みするような行動をしていたから」

 

「なるほどね~」

 

僕の言葉に笑顔でうなずく恵衣菜に海未が。

 

「さすが恵衣菜ですね」

 

「そう言えば絵里たちのクラスと戦ったときの司令塔海未だったんだっけ?」

 

「はい。穂乃果に任せたらすぐ全滅してしまいますから」

 

「うう、海未ちゃんひどい」

 

「事実ですから」

 

「あはは。でも恵衣菜ちゃんのやり方と海未ちゃんのやり方ってやっぱり違うんだね」

 

「はい。私も今回の恵衣菜の作戦の立案や部隊作成、点数把握や状況判断などで自分自身がまだまだ足りないと自覚できました」

 

「う~ん、海未ちゃんの作戦もいいんだけどね」

 

「いえ、前回は絵里たちが試召戦争に不慣れであったからこそ勝てたものです。次やったら恐らく私たちが負けると思います」

 

「まあ、それは経験で底上げするしかないかな」

 

「練習するなら戦略ゲームをしたら良いと思うよ?」

 

「戦略ゲーム・・・・・・ですか?」

 

「うん」

 

恵衣菜が言ったように、確かに練習するなら戦略ゲームなどが便利だと思う。でも、それだけじゃまだ足りない。

そう声には出さずに言い。

 

「戦略ゲームも良いと思うけど、つい調子にのって戦略ゲームと同じようにしないようにね」

 

恵衣菜に半眼で見ながら言った。

 

「わ、分かってるよ~」

 

そう恵衣菜の声に僕らはいつも通りの昼食を済ませたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後

 

 

「午前中に30人くらい倒したけど・・・・・・・あと90人・・・・・・しかも恵衣菜もいるんだよね」

 

始まった試験召喚戦争午後の部で、僕はグラウンドで四方を音ノ木坂生に囲まれていた。

 

「まだあまりのダメージは喰らってないけど・・・・・・」

 

迫ってきた召喚獣の攻撃を受け流してかわし、次々と来る武器の嵐を捌く。

 

「いくら事象改変(オーバーライド)で周囲に幾多の障壁を張ってあるとはいえ疲れるこれは・・・・・・」

 

双剣から双銃に切り替えて、周囲に弾幕をばらまく。連続して撃ち、弾丸の補充を自動補充(オートリロード)で済ませ、周囲の敵を一掃する。

 

「ん?」

 

ある程度倒したその時。

僕の視界の右端に映る校舎の屋上に人影が見えた。

 

「あれは・・・・・・」

 

そこにいたのは僕を見て手を振る恵衣菜の姿だった。

そしてなにか言っていた。

 

「(ここで決着を着けよう明久くん。待ってるね・・・・・・・か)」

 

読唇術で理解した僕は、内容を頭の中で繋げる。

 

「(いいよ恵衣菜・・・・・・)」

 

僕は静かにそう告げ。

 

「ここから先は全力全快!手加減なしで行くよ!」

 

表情を変えてそう言った。

そして。

 

「―――属性付与(エンチャント)発動!」

 

二つ目の腕輪の力を発動した。

そして早速。

 

「プラズマランサージェノサイドシフト!」

 

周囲に黄色い球体(スフィア)を数十個展開させて。

 

発射(ファイア)!」

 

一斉に周囲に解き放つ。

 

「逃げろ!」

 

「防ぐのよ!」

 

「みんな避けて!」

 

「退避!退避!」

 

「散会して逃げなさい!」

 

周囲の音ノ木坂生から声が上がる。

周囲からは戸惑いの声が上がり、逃げる召喚獣がいるがまだ操作をして半年も立っていない彼女たちに複数いる召喚獣の中で上手く立ち回りながら回避する術はない。

 

「逃がさないよ!」

 

プラズマランサージェノサイドシフトで10人ほどを戦闘不能にし、近くにいて戦闘不能にならなかった召喚獣は瀕死の状態。遠くにいた召喚獣は点数を僅かに減らしていた。

 

「まだまだ行くよ!―――氷炎地獄(インフェルノ)!―――凍焉氷世界(ニブルヘイム)!―――炎末焼世界(ムスペルスヘイム)!」

 

周囲に三つの魔法を築き上げ、同時に発動する。中央には螺旋を築くような炎と氷の竜巻が。その竜巻の左側には永久凍土、絶対零度を彷彿させる極寒の世界が。そして竜巻の右側には灼熱業火、地獄の業火を彷彿させる灼熱の世界が。

事象を改変させて、その場に無いはずのものを、有るもののとして改変する、事象の上書き。魔法を使えないはずの僕の召喚獣が魔法を発動している理由は単純にその事象を、さらに事象の上書きをしているからにすぎない。

 

「徹底!徹底よ!」

 

「校舎に避難!」

 

「急いで急いで!」

 

召喚獣を操作する音ノ木坂生たちは慌てて次々とそう言う。

だが、僕が放った3種の魔法の範囲は広く、逃げるも召喚獣はどんどん点数を減らしていく。僕の召喚獣は自分の放った魔法を無効化(レジスト)できるため点数は減らない。まあ、そのぶん腕輪によって点数は減っていくが。

 

「(まだ点数は一万点程ある。これならいけるかな)」

 

校舎に向かって、吹き荒れる極寒の吹雪と灼熱の旋風の中歩いていき、攻撃してくる召喚獣を撃破する。

 

「支援部隊!吉井くんを進ませないで!」

 

「連携して少しでも点数を減らすのよ!」

 

魔法の範囲外の相手からそう指示している声が聞こえた。

それと同時に。

 

「放てぇ!」

 

「撃てぇ!」

 

「ファイアァ!」

 

遠距離からの攻撃が雨のように降り注いできた。

上からは矢の、目の前からは魔法攻撃が。

 

「うわっ!」

 

あまりの多さに、僕は防ぐのではなく、かわすことにした。そんな中、妙に僕の避けた場所に数本の矢が突き刺さる。

 

「(遠距離攻撃?彼女たちからじゃない、一体どこから・・・・・・・・)」

 

辺りを見渡して攻撃者を探していると、校舎の三階から数本の矢が放たれたのが目に入った。

 

「!」

 

とっさに回避の指示を召喚獣に出して矢を避ける。

 

「(この僕の動きを予知しているような射撃・・・・・・こんなことが出来る音ノ木坂生は限られてる。恵衣菜だったらもう少し速いけど・・・・・・。つまり、これを射った生徒。いや、幼馴染みは・・・・・・・・・・!)」

 

考えているところに一本の矢が召喚獣に向けて放たれた。

僕はその矢に向かって召喚獣が右手に装備している銃で迎撃して撃ち落とした。

撃ち落としたところで、発射位置を見ると、そこに居たのは―――。

 

「やっぱりこの矢は君だよね。―――海未」

 

青く長い髪を風に吹かせながら召喚獣の構える矢の照準を僕に向けているのは幼馴染みの一人にして、僕の彼女の海未だった。

 

「(さすが海未。僕の行動はお見通しってことかな)」

 

あからさまに、僕の動きを読んでいるような射撃が出来るのは恵衣菜の他には海未だけだ。しかしあんな遠距離からの狙撃は恵衣菜には無理だ。けど、弓道部に所属している海未ならばそれが可能だ。

僕は海未の放つ、彼女たちへの掩護射撃を警戒しながら、目の前の召喚獣に自身の召喚獣へ指示を出して攻撃した。

 

~明久side~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~海未side~

 

 

「さすがですね明久」

 

校舎の三階から、校舎に入ろうとする明久を狙撃しましたが、まさかすべて避けるか撃ち落とされるなんて思いませんでした。

 

「どうやら明久も私に気付いたみたいですね」

 

召喚獣に次発の用意をしながらグラウンドで大魔法を放ち、残りの生徒たちを相手している明久に視線を向けていいます。

 

「点数や操作技術では明久にはまだまだ及びませんけど、諦めませんよ。勝つのは私たちです!」

 

そう言って交戦している集団の中に、明久に向かって召喚獣が構えていた矢を放ちました。

そんな矢の行く末を見ながら私は。

 

「(やっぱり私は明久の事が、だ、だだだだ、大好き・・・・・・なんですね。ちょっと破廉恥な気もしますけど)」

 

明久の憤死奮闘の交戦に、私は思わずうっとりと見惚れていたのでした。幸いだったのはその場にいたのは私だけのため誰にもこの姿を視られなかったことですね。

私はそう思いながら明久に向けて、次の矢を放ったのでした。

 

~海未side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

「くっ!」

 

海未の的確な狙撃に僕は見事に翻弄されていた。

 

「接近戦に持ち込めない・・・・・・!」

 

近寄ろうとすれば魔法の雨に遇い、海未の狙撃でアウト。しかし遠距離からとなると決定打に欠ける。遠距離からの攻撃は便利と言えば便利だが、障壁などの障害物を貫く、貫通力が無い。魔法もそうだが、遠距離攻撃は当たらなければ意味がない。確かに近接という危険行為より、遠距離からの安全な場所からの攻撃はとてもいい。しかし、近接攻撃で一回に与えるダメージが100だとするならば、遠距離攻撃はその3分の2以下だろう。もちろん、遠距離攻撃でも弱点や急所(クリティカルポイント)にさ当たれば近接攻撃と同じダメージが与えられる。場合によっては近接攻撃のダメージよりも大きく上回ることが出来る。もちろん、それにも弱点はある。銃ならば弾数、弓なら矢数、魔法ならマナと、古今東西、どんな遠距離武器にも装弾数など限られた動作がある。それが無限ではないということだ。どんなに撃とうが、弾数が無くなったり、魔法を使うためのマナがなくなったら意味がない。その点、近接武器は武器が手から離れるか、破壊されるかまでは無限に使える。近接武器と遠距離武器。どちらにも強みが有り、弱点が有る。普通ならばもう終わりなのだろうけど。

 

「ふふ。面白くなってきた・・・・・・!」

 

僕は違う。

僕の武器は双剣双銃(カドラ)。近接武器と遠距離武器二つの、合計四つの武器を所持している。さらに、腕輪の属性付与(エンチャント)事象改変(オーバーライド)の能力。そして、今のこの、体験したこと無い戦いに僕は楽しくなっていた。相手は音ノ木坂生全員と恵衣菜。味方は0。僕一人だけ。このどうしようもない窮地なのに僕は今、とても楽しくて仕方がなかった。

 

「今よ!」

 

「放てぇ!」

 

立ち止まり、息を調えているところに遠距離攻撃の雨が降り注いでくる。そして校舎にいる海未からの狙撃。

これが当たったら恐らく終わりだろう。けど。

 

「ハアアッ!」

 

まずは上からの矢を撃ち落として、魔法攻撃を無効化して、海未の狙撃矢を避ける。

そして。

 

「往け!」

 

遠距離攻撃の雨が止んだのと同時に、走り出して接近する。

 

「なに!?」

 

「吉井くんを進ませないで!」

 

そう言って放たれる矢。

なにもそのすべてを迎撃する必要はない。必要最低限。自分に向かってくる矢だけを落とせばいい。

武器を左手に銃、右手に剣を装備して右手の剣で迫り来る矢を切り払う。

 

「うそっ!」

 

「くっ!誰か援軍を呼んできて!」

 

「了解!」

 

慌てふためく声が聞こえる。

 

「(これで総数の半分は減らしたよね)」

 

接近して、支援部隊を壊滅させて僕は数を数える。

そこへ。

 

「行かせないよ明久くん!」

 

「恵衣菜ちゃんの元には行かせないにゃ!」

 

「あんたの進軍もここまでよ!」

 

「穂乃果、凛、にこ、か~」

 

穂乃果たちが立ちふさがった。

点数はそれぞれ。

 

 

 

 総合科目

 

 

 二年一組 高坂 穂乃果 1947点

 

 一年一組 星空 凛   1905点

 

 三年三組 矢澤 にこ  2103点

 

 

 

 

と自身の召喚獣の頭上に表示された。

 

「(三人ともCかDクラスレベルの点数・・・・・・)」

 

三人の点数を見て僕は思考する。

と言うか穂乃果が2000点近い点数をとっていることに僕は嬉しくなった。なにせいくら海未や僕が言ってもやらなかった穂乃果がここまで成長するなんて・・・・・・。そのやる気を常に出してくれたら嬉しいのだが。

 

「いいよ、三人とも。かかっておいで!」

 

「いくよ!」

 

「いくにゃ~!」

 

「いくわよ!」

 

まず最初に来たのは武装が短剣で、素早さの高い凛だった。

 

「せいやぁ!」

 

「ふっ!」

 

逆手に持った短剣を右手の片手剣で受け止める。

そこに。

 

「今にゃ!」

 

「やああっ!」

 

凛の後ろから穂乃果が上段に振りかぶった片手剣を振り下ろしてきた。

 

「くっ!」

 

穂乃果の片手剣を銃の銃身で受け止める。

 

「くらいなさい!」

 

そこに中距離武器の槍を構えたにこが突っ込んでくる。

普通ならばここで終わりだけど。

 

「まだ甘いよ!」

 

「にゃ!?」

 

「うそっ!?」

 

「えっ!?」

 

凛の短剣を滑らせて召喚獣の身体の軸を捩って、穂乃果の片手剣と同士討ちにさせる。そして迫ってくる槍を右手の片手剣で跳ね上げて、左手の銃でにこを射つ。

 

「にこぉっ!?」

 

「にこちゃん!」

 

すんでのところで避けたにこは変な声を出して転んだ。

 

「にゃにゃにゃー!」

 

素早く、トリッキーな動きで翻弄してくる凛の召喚獣に先読みして銃弾を放つ。

 

「にゃぁ!?」

 

「凛ちゃん!このぉ!」

 

「何時でも冷静でいないとダメだよ穂乃果!」

 

穂乃果の片手剣を受け止めて、召喚獣同士の唾競り合いのなか、僕は穂乃果に少しキツくそう言う。

 

「冷静さを欠くと周りに目が往かなくなってすぐやられるよ!」

 

「くっ!」

 

点数差は5倍近くあるのにも関わらず、穂乃果の召喚獣は巧みに片手剣を操り僕の召喚獣の片手剣を受け流し、スクールアイドルのリズム感でか、攻撃もステップで避けていく。

 

「まだにこはやられてないわよ!」

 

そこに背後からにこが槍の突き技を放ってきた。

 

「遅いよ!」

 

左手の銃を連続で三回撃つ技、三点バーストで槍の切っ先をずらしてにこの召喚獣の胴体に左回し蹴りで凛の召喚獣のところに吹き飛ばす。

追撃をしようとしたそこに。

 

「っ!」

 

僕の召喚獣の目の前で爆発が起こった。

 

「行かせないよ吉井くん」

 

どうやら攻撃してきたのは彼女らしい。確か二年二組の生徒だったはずだ。そして理系の点数が高く、腕輪持ちだ。名前は確か・・・・・・。

 

「君は確か二年二組の小金井 紗羅(こがねいさら)、さんだよね」

 

「うん」

 

小金井さんはそう言うと、小金井さんの召喚獣が自身の装備している細剣を構えた。そして、その手首には腕輪が装備されていた。

 

 

 

 総合科目

 

 

 二年二組 小金井 紗羅 4236点

 

 

 

 

召喚獣の頭上に、小金井さんの点数が表示される。

そして僕の召喚獣の頭上にも。

 

 

 

 総合科目

 

 

 二年一組 吉井 明久 10091点

 

 

 

 

「さすが吉井くん。一万点なんて私じゃ到底できないよ」

 

「そんなことないよ。僕だって最初の頃はもっと低かったからね」

 

昔から頭は良かったが、文月学園に入ってからは西村先生によく勉強を教えてもらった。西村先生の教えは全教科、どれも分かりやすく様々な参考書から過去問などから出したり、間違えたところは、何故間違えたのか、その要点を理解できるよう教えてくれたりと、僕の大事な恩師なのだ。正直、西村先生のお陰で今の僕が居ると言っても過言ではない。

 

「そうなんだ~。私ももっと頑張らないと」

 

「・・・・・・それじゃ、いくよ小金井さん」

 

「うん。いいよ吉井くん」

 

武装を双剣の二刀流にして小金井さんの召喚獣と相対する。

動いたのはほぼ同時だった。

 

「「っ!」」

 

中央でぶつかり合い、火花が飛び散る。

小金井さんの召喚獣が繰り出す素早い刺突を双剣で受け流したり、かわしたりして避ける。対する僕の攻撃は、小金井さんの召喚獣の細剣に軌道をずらされていた。

細い細剣で2倍の点数差がある攻撃をこうも見事に、剣の攻撃の軸を起点として軌道をずらされたことは、恵衣菜以外になかったから驚いた。

何合か打ち合いをし、小金井さんの召喚獣がバックステップで距離を保つと。

 

「燃え盛れ!―――焰華の爆炎(エクスプロージョン)!」

 

小金井さんがそう言うと、僕の召喚獣の足元に真っ赤な魔方陣が浮かび上がった。

 

「まずっ!」

 

とっさにその場を離れるが、一瞬早くそこから爆発が起き、僕の召喚獣を襲った。

周囲に小金井さんの腕輪の能力によって起きた煙が舞う。しばらくして、煙が晴れると。

 

「そ、そんな・・・・・・っ!」

 

そこには服が若干焦げているが、ほぼ無傷の僕の召喚獣の姿があった。

 

「今の攻撃はビックリしたよ。さあ、小金井さん、・・・・・・続けようか」

 

召喚獣が二つの長剣を構えながら、僕は驚いている小金井さんにそういった。

さあ、始めよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 











次回 『明久VS恵衣菜+音ノ木坂学院生(ファイナルバトル) 第二幕(セカンド)』 GO to The Next LoveLive!
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