バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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第ⅩⅩⅠ問 明久VS恵衣菜+音ノ木坂学院生(ファイナルバトル) 第二幕(セカンド)

 

~明久side~

 

 

「行くよ、小金井さん」

 

未だに爆炎風の余波が吹き荒れる中、僕は静かに目の前に相対する小金井さんに告げた。

ここから先は手加減なしの全力全開の戦いだ!

そう声に出さずに言うと同時に、僕は召喚獣を操作して小金井さんの召喚獣の背後に召喚獣を移動させた。

 

「なっ!」

 

ギリギリのところで避けた小金井さんの召喚獣は、すぐさま僕の召喚獣から距離を取った。

 

「速い・・・・・・」

 

「続けていくよ!」

 

高速の速度で小金井さんの召喚獣を翻弄しつつ、点数を削る。

小金井さんも腕輪や召喚獣の持つ細剣を使って防ごうとするが。

 

「その腕輪の弱点は、一点にしか設置できないこと!そして、発動までに若干の時間差(タイムラグ)があるということさ!」

 

「ううっ・・・・・・!」

 

隙あらば腕輪を使って攻撃してくる小金井さんの召喚獣の攻撃を、発動する前にその場から大きく避け、高速で移動する。

 

「しまっ・・・・・・!」

 

「これで終りだよ!」

 

小金井さんの召喚獣が持つ細剣が真っ二つに折れ、動揺して一瞬動きが止まった瞬間、僕の召喚獣は小金井さんの召喚獣の点数をゼロにして戦闘不能にした。

 

「ナイスファイトだったよ小金井さん」

 

「あ~あ、負けちゃった。さすが吉井君だね」

 

「そんなことないよ。小金井さんも正直、あそこまで強いとは思わなかったよ」

 

小金井さんの召喚獣は武装が細剣という速度(スピード)型にして、設置型の腕輪を装備しており、戦闘スタイルは細剣の速度で翻弄しながら設置型の魔法(トラップ)を仕掛ける、速度(スピード)(タイプ)だ。さらに腕輪の弱点も、僕や恵衣菜ら、文月学園の序列上位者ならかわせる程のものだ。穂乃果やにこたちならまずかわせないだろう。しかも、戦闘中に相手を誘導しながら罠を発動してきたりして所々ヒヤッとした面もあった。

そう思ったその瞬間。

 

「っ!?」

 

背筋が凍るような寒気を感じた。そしてそれと同時に視界の端がキラッと何かが光った。嫌な予感が過り、召喚獣を慌てて下げると。

 

「うわっ!」

 

今まで僕の召喚獣がいた場所に突如として何かに抉られたかのように、小さな。召喚獣と同じ大きさのクレーターが出来ていた。そしてそのクレーターの中心部には一本の矢が突き刺さっていた。

 

「今の海未の攻撃!?」

 

恐らく海未が狙撃して出来たクレーターに、僕は冷や汗が止まらない。

 

「とにかく校舎に入らないと」

 

小金井さんが僕の相手をしていた隙に校舎に入ったのか、残りの音ノ木坂生とは校舎まで鉢合わせをすることはなかった。鉢合わせをすることはなかったが、逆に、海未の召喚獣の弓による狙撃の矢の雨に召喚獣を慌てて操作したりして大変だった。もしこれが弓ではなく銃。AMR(アンチマテリアル・ライフル)などの狙撃銃だったらと思うと恐ろしくなった。

そう考えながら校舎に入った。

 

「(僕の勝利条件は恵衣菜を撃破すること・・・・・・。ならば、最短ルートで恵衣菜の場所に行って、最少の時間で倒すしかない)」

 

周囲に誰もいないことを確認しつつ、これからの行動を確認する。

今の召喚獣の武装は左手に銃、右手に片手剣と銃剣(ガン・ソード)だ。一応事象改変(オーバーライド)はOFFにしてる。なにせONにしてると点数が減っていくからだ。

警戒しながら階段に近づき、階段を上がる。

2階についたその瞬間。

 

「!」

 

「やあああっ!」

 

1体の召喚獣がやって来た。

ギリギリのところで召喚獣の装備している細剣を受け止める。受け止めてその召喚獣の姿を見る。その召喚獣は水色の騎士服に細剣を持った召喚獣だった。さらにその召喚獣の顔は。

 

「絵里!?」

 

まさかの絵里だった。

驚いている僕に、絵里の召喚獣はバックステップで下がり階段の踊り場の、3階に通じる階段の方に下がった。

 

「ようやく来たわね明久」

 

「不意討ちって絵里らしくないんじゃない?」

 

「え?そうなの?」

 

「・・・・・・ちなみに誰から不意討ちした方が良いって聞いたの」

 

「希からよ」

 

「ああ・・・・・・そうなんだ・・・・・・」

 

絵里の言葉に、僕の脳裏に希がさも楽しそうに絵里に言っている姿が思い浮かんだ。

 

「一応言っとくけど不意討ちってかなり卑怯だよ?」

 

「え!?そうなの!?希からは不意討ちは普通だって言っていたけど」

 

「いや、まあ、確かに戦争とかだった不意討ちは普通なんだけど、ちゃっと卑怯かな~・・・・・・」

 

なんとも言えない、微妙に否定できない言葉に僕は口を濁らせた。まあ、確かに『卑怯、汚いは敗者の戯言』って言葉があるけど。なんか違うような・・・・・・。というか絵里に似合わない気がする。

そう感じながら2階の踊り場に立つ。

 

「さあ、始めようか絵里」

 

「そうね。一度明久とは本気で戦ってみたかったのよ」

 

「ふふ。それは光栄だよ絵里」

 

軽く会話をし、召喚獣の武装を二刀流にする。

僕と絵里の召喚獣の頭上にはそれぞれの点数が表示された。

 

 

 

 

 

 総合科目

 

 

 二年一組 吉井 明久 9741点

 

 

 VS

 

 

 三年一組 綾瀬 絵里 5304点

 

 

 

 

 

「(凄い点数だ。さすが絵里・・・・・・。文月だったらAクラスの主席だったかもしれないね)」

 

表示された絵里の点数を見てそう思う。

 

「いくわよ!」

 

絵里がそう言うと、絵里の召喚獣が姿勢を低くして細剣で攻撃してきた。

 

「っ!」

 

放たれた単発の突きを、絵里の召喚獣の細剣の軌道を予測して剣の腹で受け止める。

 

「(なっ!重い!?)」

 

絵里の召喚獣の細剣を受け止めた召喚獣を見て、僕はふとそう感じた。音ノ木坂(ここ)ではフィードバックは無いが、ずっとフィードバック有りで戦ってきたため、なんとなく召喚獣の動作で何をすべきなのか、どこがやられたのかなど把握出来るようになっていた。そしてそれは、相手の武器の重さも感じられるようになっていた。

受け止めた方ではない、もう片方の剣でこっちも突きを放つ。

 

「甘いわ!」

 

しかしその攻撃を絵里の召喚獣は突いた細剣を軸として、右回りに回って僕の召喚獣の背後に回ってかわした。しかも、回りながら僕の召喚獣の足を引っ掻けて足技を仕掛けて転ばしてきた。

 

「くっ!」

 

地面に背中が着地する前に、突きを放った右手で床に手を置いて後ろに飛び退った。

 

「あら。今のを避けるの・・・・・・。驚いたわ」

 

「危なかった・・・・・・。まさか足技を仕掛けて来るなんて思わなかったよ」

 

「ふふん。バレエでの動きを召喚獣にもやってみたの。まあ、さすがに練習は少し必要だったけどね」

 

「さ、さすがだね」

 

少しの練習であんな動作が出来ることに僕は目を見開いて驚いた。

 

「さあ!続けていくわよ!」

 

そう言うや絵里の召喚獣は高速の突きを連続で繰り出してきた。

さすがに恵衣菜ほどの速さは無いが、それでも充分速い。絵里の召喚獣の細剣をパリィしたりして防ぎ、カウンターアタックを仕掛けるが絵里の召喚獣はステップで左右に避けたり、細剣でガードしたりして防いだ。互いの武器がぶつかる金属音が高く響き渡る踊り場。もちろん周囲にも意識を傾けてはいるが、絵里の召喚獣の操作はとても素人には見えなかった。

 

「やあっ!」

 

「せあっ!」

 

さすがに腕輪を発動する間もない攻撃に、僕と絵里は純粋な物理攻撃で勝負をしていた。

その間、僕は少し疑問が生じた。

 

「(そう言えばなんで絵里が一人でここにいるんだろ・・・・・・。希や真姫たちと一緒じゃないのが気になるなぁ・・・・・・)」

 

そんな疑問が浮かびながら絵里の召喚獣を相手する。

 

「(それにさっきからの動き、なにかを待っているような・・・・・・)」

 

そんな言葉が過り僕は嫌な予感がした。

 

 

「絵里、何を待っているの?」

 

「な、ナンノコトカシラ。ナニモマッテナイワヨ」

 

「なんで片言なのさ」

 

嘘をつけない絵里の性格に僕は苦笑いをつい浮かべた。

 

「あー、うん。なんとなくわかったよ」

 

絵里の挙動に僕の嫌な予感は的中した。なぜなら―――。

 

「明久覚悟!」

 

「凛ちゃん今だよ!」

 

「まかせるにゃ!」

 

僕の背後から2発の弾丸と翠の魔力弾と、黄色いローブを羽織り短剣を逆手に持った召喚獣が迫ってきた。

 

「真姫に花陽に凜!?」

 

まさかの1年生組に虚を突かれた僕はほんの一瞬、召喚獣の動きを止めてしまい。

 

「チャンスね!」

 

「しまっ・・・・・・!」

 

絵里の召喚獣の細剣による連続突きを数発食らってしまった。

 

「くっ!」

 

細剣による突きをバックステップでかわし、後ろから来る銃弾を屈んで避け、魔法弾をそのまま横にローリングでかわして、起き上がりながら凜の召喚獣の短剣を召喚獣の左手に握った剣で受け止めた。

 

「まだにゃ!絵里ちゃん!かよちん!今にゃ!」

 

「ええ!」

 

「う、うん!」

 

不安定な姿勢で凜の召喚獣の短剣を受け止めているため動きにくい。後ろからは絵里の召喚獣が細剣を腰だめに構えて突っ込んできていて、花陽の召喚獣は魔導書を開いてなにか詠唱している。そしてその後ろでは真姫の召喚獣が銃の照準をこっちに向け、何時でも撃てる体勢を取っていた。

 

「(マズイ。万事休すだよ・・・・・・)」

 

左右に避けたら真姫の召喚獣の銃で蜂の巣に。後ろに避けたら絵里の召喚獣の細剣に突き刺さる。その場にいても同じで。恐らく花陽の設置型魔法で攻撃を受ける。正直、この場は絶体絶命とでも言うべき所だった。右膝を地面につけて、左の剣で凜の召喚獣の短剣を受け止めているため出きる動作は限られる。

 

「(くっ・・・・・・!一か八か・・・・・・やってみるしかないね)」

 

絵里の召喚獣のタイミングを見極めつつ、一か八かの作戦を実行する。

 

「これで終りよ!」

 

背後から迫り来る絵里の召喚獣の細剣を背中に突き刺さるかどうかのタイミングで、凜の召喚獣の短剣を受け止めていた召喚獣のバランスを横に崩す。

 

「にゃ!?」

 

「え!?」

 

「ええ!?」

 

「うそ!?」

 

バランスを崩し、絵里と凜の召喚獣の細剣と短剣を重なるようにし、その直後に現れた足元の魔方陣を凜と絵里の召喚獣の足を足払いで転ばしてそのまま距離を取りながら真姫に右手の剣を投げ付ける。空いた右手でバランスを取りジャンプして懐から銃を取り出して花陽の召喚獣に向けて連続で射ち放つ。

 

 

 

 

 総合科目

 

 

 二年一組 吉井 明久  8975点

 

 

 VS

 

 

 三年一組 綾瀬 絵里  2438点

 一年一組 西木野 真姫 3549点

      星空 凜   542点

      小泉 花陽  1971点

 

 

 

 

新しく更新されたそれぞれの点数はそう表示された。

絵里と凜の点数がかなり減っているのは、絵里は先に戦っていたのと、花陽の魔法攻撃を受けたから。そして凜は小金井さんとの前に戦闘したのと、絵里と同じで花陽の魔法を受けたからだ。

真姫は僕の召喚獣が投げ付けた剣を銃で受け止めて、軌道をずらし僅かにかすったためあまり減っておらず、花陽も然り、狙いが定まらず弾をバラつかせたためそれほど減ってはいない。

だが、これでいい。

驚きで動けない絵里たちを放っておいて、僕は召喚獣とともに、投げ付けた剣を回収しつつ、真姫と花陽のいる反対側の方に足を向けその場を立ち去る。

 

「ま、待ちなさい明久!」

 

「待つにゃ~!」

 

「え!?ちょっ!待ってぇぇ!」

 

「逃げないでよ明久!」

 

驚きから回復した絵里たちのそんな声を聞きながら、校舎の西にある階段へと目指す。

 

「こうなったら一撃で撃破するしかない!」

 

召喚獣の一番の弱点は喉元と人間と同じ心臓だ。この二つのどちらかを斬られたり貫かれたりしたら例えどんな高得点を保持している召喚獣であっても一撃で戦闘不能になる。もちろんそう滅多に一撃で終わったりすることは更々無いが。

そう考えながら西側の階段を目指す。どのみち屋上へ続く階段は中央階段だけなため3階か4階に行ったら中央階段を目指すしかないのだが。

校舎の西側の階段をかけ上り3階に辿り着くと。

 

「やっぱりうちの予想通りこっちに来たやね」

 

「!」

 

どこかのスピリチュアル巫女さんの声が聞こえてきた。

声の聞こえてきた方を見ると、そこにはタロットを持ちながらニヤリとにやけ笑いを浮かべている希と、その他音ノ木坂生の姿があった。そして希のタロットの絵柄は(スター)の正位置だった。

 

「直感でここに来たの?」

 

「ちゃうよ。カードが教えてくれたんや。明久君は絶対こっちに来るってな」

 

「なんちゅうスピリチュアルパワー・・・・・・」

 

正直音ノ木坂生の中で一番やりにくいと思うのは希だ。何せ希はスピリチュアルパワーとやらで予測してくるからだ。

 

「さあ、覚悟しい」

 

「ここで大人しく負けてたまるか!」

 

そう言うや僕は瞬時に召喚獣に腕輪の《事象改変》と《属性付与》を発動した。

 

「全員、攻撃開始や!」

 

『『『了解!』』』

 

対する希たちも攻撃をしてきた。

 

「《事象改変(オーバーライド)》―――全解放(フルバースト・ゼロ)時間制限(リミット)30秒(サーティー)―――始動(ドライブ)!!」

 

30秒の時間制限をした《事象改変》の全解放を発動し、迫り来る数人音ノ木坂生の召喚獣を切り伏せた。

 

「うそっ!?」

 

「なによ!今の動き!」

 

「反応できなかったわ!」

 

今の一撃で点数をゼロになった召喚獣の生徒や後方にいた他の生徒から動揺が出ていた。

しかし僕の目標は。

 

「希ぃ!」

 

今この場で一番の危険因子を持った希の召喚獣だ。

 

「やったるで!腕輪発動!―――《聖霊予言(スピリチュアル・アルカナム)》!」

 

希がそう言うと、希の召喚獣に着いていた腕輪が光りそこから赤いカードと白のカード、そして青緑のカードが出てきた。

 

「ふふ、赤と白と青緑ね。ならいくで~!」

 

希の腕輪の能力が不明なため警戒しながら僕は自身の召喚獣を接近させる。

 

「光ありて、吹き飛び燃え尽きれ!」

 

希がそう言うと、希の召喚獣の周囲を漂っていた白いカードが目映く光った。眩しく咄嗟に目を覆うと、召喚獣が後ろに吹き飛ばされた。そしてさらに炎の球が追撃のように迫ってきた。

 

「なっ!?」

 

瞬時に召喚獣のバランスを整え、迫り来る炎の球を避ける。幸いにも炎の球は追尾機能が無く、そのまま後ろの床に当たって弾けとんだ。

 

「(まさか希の腕輪の能力って、出てきたカードの色によって種類が違うんじゃ・・・・・!)」

 

今の一連の攻撃で僕はそう思った。

 

「まだまだ行くよ~!」

 

希が楽しそうにそう告げると、また腕輪が光り4枚のカード。それぞれ青、銀、黒、黄色のカードだ。

 

「楔で捕らえ、閉じ込めよ。穿きて地に染まれ!」

 

「くっ!」

 

希がそう言うとまたカードが光り、足元から銀色の楔が現れ、その周囲を水の壁が覆い、上からは岩が、そして下からは召喚獣自身の影の針が飛び出してきた。

その攻撃をギリギリのところでかわして、《事象改変》で張った障壁で防ぐ。

 

「(時間制限まであと7秒・・・・・・すぐに決めないと!)」

 

残り時間を思いだし、僕は召喚獣に指示を出す。

 

「行け!」

 

全解放した僕の召喚獣の動きは恵衣菜の腕輪の《閃光》や康太の《加速》をはるかに凌ぐ《神速》の域だ。

召喚獣の速度がトップスピードになり、そのまま周囲の音ノ木坂生の召喚獣を蹴散らしていく。

 

「させへんよ!―――護りて、動きを封じ込めよ!」

 

またしても希の召喚獣の腕輪が光り、銀色と茶色のカードが出てき、希の召喚獣の目の前に銀色の盾が出来上がった。そして、僕の召喚獣の行く先に地面から飛び出たかのように鋭く延びる切っ先が行く手を阻んだ。

 

「それはお見通しだよ!うおおおおお!」

 

しかしそれを読んでいた僕は、召喚獣に《属性付与》と《事象改変》で作り出した障壁を纏わせ、速度と威力を増加(ブースト)させていた。

結果、行く手を阻むかのように飛び出た針山は僕の召喚獣の勢いに吹き飛ばされ、剣に《属性付与》をしてさらに増加をした剣の振り下ろしはそのまま希の召喚獣の手前に張られた銀色の盾とぶつかり、甲高い金属音を発すると、バターのように熔けていき、その後ろにいて刀を振りかぶった希の召喚獣とぶつかった。

 

「はあああああ!」

 

「やあああああ!」

 

希と僕の声が響き渡り、互いの召喚獣は鍔迫合いながら拮抗する。が、徐々に希の召喚獣が圧されていき、やがて希の召喚獣の刀に皹が入るとそれは全体に広がっていき、希の召喚獣の刀はパリンッ!と音を立てて壊れ、僕の召喚獣の振り下ろした剣をそのまま受けた。

 

 

 

 

 総合科目

 

 

 二年一組 吉井 明久 7534点

 

 

 VS

 

 

 三年二組 東條 希  0点  

 

 

 

 

 

希の召喚獣は斜めに切り裂かれそのまま地に伏し、虚空へと消えた。そして、それと同時に僕の召喚獣の《事象改変》による全解放が時間制限になり、動きが元に戻った。

 

「僕の勝ちだね、希」

 

「そうやね。でも、明久君の点数は削ったから目的は達したで」

 

予定通りと言わんばかりに言う希に僕は苦笑を出した。

 

「さてと・・・・・・」

 

「恵衣菜ちゃんは屋上に居てはるよ」

 

「うん」

 

希のその声にうなずき返し、僕と僕の召喚獣はその場から去り上の階。4階へと向かった。

4階に辿り着くと、目の前には。

 

「ここは通しませんよ、明久」

 

「通りたければ私たちを倒していくことね!」

 

「恵衣菜ちゃんのところには行かせないよ!」

 

ほぼ残りの音ノ木坂生全員の姿があった。

一番前には海未、絵里、ヒデコの姿がある。さらに全員召喚獣を召喚していた。

 

「残り全員か・・・・・・」

 

そう小さく口走ると、僕はズボンのポッケに入れていたあるものを取り出した。

 

「始めてこれを使うけど・・・・・・試運転にはもって来いだね」

 

取り出した白銀色に輝く腕輪を左腕に装着し。

 

「―――二重召喚(ダブル)!!」

 

腕輪の起動ワードを叫んだ。

起動ワードを叫ぶと、僕の召喚獣の真横に新しく魔方陣が展開されそこから一体の召喚獣が出てきた。その召喚獣の姿は僕の召喚獣にまんまそっくりだった。

 

「もう一体!?」

 

海未の驚く声に合計二体になった僕の召喚獣の点数が表示させる。

 

 

 

 

 

 総合科目

 

 

 二年一組 吉井 明久 A 3767点

           B 3767点

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、行くよ!」

 

そう告げると僕は二体の召喚獣を海未たちの召喚獣のいる集団に突っ込ませていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











次回 『明久VS恵衣菜+音ノ木坂学院生(ファイナルバトル) 最終幕(フィナーレ)』 GO to The Next LoveLive!

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