バカとテストと召喚獣 奏で繋ぐ物語   作:ソーナ

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第Ⅱ問 肝試しは内外ともにご注意を

 

~前回の奏で繋ぐ物語~

 

葵)明久君と恵衣奈ちゃんが音ノ木坂学院から帰ってきて早数日。来学期に向けての日々の中、明久君たちはカヲルお祖母様からの頼みでお化け屋敷をすることになりました。二年生たちで準備しているそんな中、私のクラスメイトである常夏コンビ君(笑)が明久君たちにいちゃんもんを付けました。そこで私はニコリと笑いながら(殺気を出しながら)常夏コンビ君たちにお話をしました。しかし、そんなところにお祖母様が二年生と三年生による肝試しを学園行事として行い、私たちは肝試しを行うことになりました。私たちが驚かす側ですけど私の衣装はなんでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~明久side~

 

なんやかんやあり、お化け屋敷ではなく肝試しを二年生と三年生で行うことになった翌日、僕たちは驚かされる側、つまり攻略する方の待機場所である旧校舎のFクラスにいた。

 

「あー、そんじゃ今から学年対抗肝試しを行う。各自ペアを組んでくれ」

 

雄二の声でそれぞれがペアを組み始める。

 

「康太、カメラの方は?」

 

「・・・・・・問題ない。すでに準備万全」

 

僕の問いに、Aクラスに設備されてる大型のプラズマディスプレイと複数のカメラをリンクさせながら康太は答えた。さすが仕事が早い。そう思ってると雄二が。

 

「それじゃ、夏の風物詩を楽しむとするか」

 

「だね」

 

こうして僕たち二年生と三年生による学年対抗肝試し大会が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ね、ねぇ・・・・・・。あの角、怪しくない・・・・・・?》

 

《そ、そうだな・・・・・・。何かでてきそうだよな・・・・・・》

 

 

康太が設置してくれたAクラスのプラズマディスプレイの画面には、尖兵として出撃したBクラスの男女ペアが映っていた。映像と音声は、二人の持つカメラからのものだ。

まず最初に攻略するところは、作りの関係上Bクラスの教室のチェックポイントだ。そこからDクラス、Cクラスと一クラスずつ攻略していき、最後のAクラスにあるチェックポイントを撃破したら僕たちの勝ちだ。

 

「Bクラスのモチーフは江戸時代の町並みなのかな?」

 

「みたいだな。まあ、肝試しっていった江戸時代とかの古ぼけた文明文化が最適だろ」

 

「だね」

 

演出のために天井からの光量が絞られていてボヤけた感じのその画は、僕らのいる教室で画面越しに見ても結構なスリルがあった。

 

 

《そ、それにしてもずいぶん凝ってるわね》

 

《だ、だが所詮は作り物だろ・・・・・・。脅かしかたもたかが知れて・・・・・・》

 

 

二人が互いを見ようとしたその瞬間、

 

 

《 《ぎゃぁああああーーっ!?!?》 》

 

 

突如、二人の真ん中に1つ目の女の子が現れた。というか何時からあの二人の間にいたんだろ?そう思っている間も、画面の二人は大きな悲鳴を上げていた。まあ、さすがにいきなり現れたら驚くし恐怖もあるよね、うん。

そう脳裏に思い侍らしてると。

 

 

『ブブー!』

 

 

画面からブザーが鳴った。

 

「・・・・・・失格」

 

康太が言ったように、二人の持つカメラの音声のデジタルメーターは声に比例して徐々に跳ね上がっていき、MAXと表示された失格ラインに到達していた。ちなみにこのブザーが鳴ると失格になる仕様だ。

そうして次々と肝試しに挑戦していくペアがいるが、そのペアも続けて失格となっていった。

あ、今更だけどFクラス(僕らは除いて)は男同士のペアだ。理由は言わなくても分かるだろう。姫路さんと島田さんは女子同士の、この二人のペアで決まってる。とまあ、それは置いといて。

 

「そう言えば零華と恵衣奈は大丈夫?」

 

僕の両隣で見ている妹と恋人に聞いた。

 

「う、うん。大丈夫・・・・・・」

 

「お、おおお兄ちゃんがいるから大丈夫」

 

恵衣奈と零華は僕の両腕にしがみついて答えた。

いや、しがみつくのは良いんだけどあまり強くしがみつかないでほしい。何故かというと。

 

「(ふ、二人の胸がダイレクトに・・・・・・!)」

 

二人がしがみついてくると、腕に二人の柔らかな胸の感触が伝わってくるのだ。慣れてるとはいえ少し困る。いや、慣れてていいのかと思うけど・・・・・・。零華は母さんの娘だからか姉さん同様、一般の高校2年生の大きさに比べるとかなり大きい。多分絵里と同じぐらい。で、恵衣菜も恵衣菜の母親の花音さんの遺伝子引き継いで、希と同じくらいにまで育ってる。ちなみに、僕ら幼馴染みの間の中で胸部の話は禁忌とされてる。理由は言わずもがな海未とツバサの二人がハイライトを無くした目で見てくるからだ。あれは正直怖い。以前その話を穂乃果がしてしまったとき、穂乃果に対して海未とツバサの恨み辛みとでも言うべきことが起こり、ことりと零華、恵衣菜は僕に抱き付いてビクビクと震えていた。正直僕も怖すぎた。だって二人とも真顔で能面みたいな表情なんだもん!しかも眼に光が灯ってなくて幽霊みたいだった!

 

「あの、二人とも。出来ればもう少しだけしがみつくの緩くしてくれないかな」

 

「「いや!」」

 

僕のお願いは即答で拒否られた。

というか拒否を拒否出来なかった。理由は、二人が涙目でこっちを見てきたからだ。これは無理。というか両腕が自由だったら今すぐスマホのカメラ機能で零華の顔を撮りたかった。何故か?それは零華の表情が健気で眼がウルウルとしていて可愛かったからだ!もちろん恵衣奈も可愛いが零華も可愛いのだ!!

まあ、それは置いといて。僕は二人に訳を話す。

 

「あのね恵衣奈、零華。二人がしがみついてくると二人の胸が当たるんだけど・・・・・・」

 

「いいの!お兄ちゃんだから当ててるんだもん!」

 

「零華ちゃんの言う通りだよ!私も明久くんだからだもん!」

 

ナニその僕なら何でもいい理論?まあ、僕も零華や恵衣奈、穂乃果たちのためなら命張れるしいいのかな?

そう思っていると。

 

「お前らって何時でもどこでもシリアスを壊すよな・・・・・・」

 

「まったくじゃ」

 

「・・・・・・肝試しの恐怖感が和らいでるどころか」

 

「逆に甘くなってるな。・・・・・・空気が」

 

「ああ。見ている俺たちが恥ずかしくなるっつうの」

 

「中学の時もそうだったが、吉井が明久の事をお兄ちゃん呼びし始めてから明久へのスキンシップが過激になってやがる」

 

「ああ・・・、そう言えば中学の時もそうだったな」

 

「僕としては出来ればTPOを弁えなくてもいいから、責めてもう少しだけ考えてほしい」

 

「つうかこのやり取り何度目だ俺たち?」

 

「もう数え切れぬほどやっておるの」

 

「・・・・・・日常風景」

 

雄二、秀吉、康太、須川くん、横溝くん、恭二、平賀くん、久保くんが呆れた表情で言ってきた。

 

「雄二、僕らはシリアスを壊してないよ?」

 

「いや、壊してるわ!」

 

「まさかの無自覚とはの」

 

「・・・・・・無自覚のシリアスブレイカーの二つ名は伊達じゃない」

 

「なにその二つ名!?」

 

まさか僕に新しい二つ名がつけられているとは思わなかった。

そうツッコミ思っていると。

 

「平賀くん行きましょう」

 

「久保くんも時間よ」

 

平賀くんと久保くんのパートナーである三上さんと若林さんが一緒にやって来た。

 

「もうそんな時間か」

 

「みたいだね。それじゃあ行こうか若林さん」

 

「ええ」

 

「気をつけてね4人とも」

 

僕は肝試しに向かう4人に注意を言った。

 

「う~ん」

 

「ど、どうしたの明久くん」

 

「いや、なんとなくだけど嫌な予感がするんだよね」

 

「嫌な予感?」

 

「うん。なんか、とてつもなく嫌な予感。気のせいだとは思うけど」

 

そう言って僕は視線をプラズマディスプレイに戻した。

ディスプレイには久保くんと若林さんペアと平賀くんと三上さんペア、さらにあと3ペア計6人が映っていた。

久保くんたちが今攻略しているのはBクラスだ。

え?何故まだBクラスなのかって?理由はBクラスを攻略できてないからだ。まあ、Bクラスのチェックポイントにまではたどり着いたんだけど、そこには案の定Aクラスの人が配備されていてたどり着いた人はみんな倒されたのだ。と言ってもたどり着いたのはFクラスの人なんだけど。他の人はたどり着く前に三年生の巧妙な仕掛けによって失格になっていた。ちなみにFクラスの彼らは零華のことを・・・・・・・・・・。

 

『『行ってきます(あね)さん!!』』

 

『だから姉さんじゃないっていってるよね!!』

 

うん、零華。僕の可愛い妹よ君は彼らに何をしたんだい?どうやったら零華のことを姉さん何て言うのかな!?

で、今も。

 

「姉さん!こちらにどうぞ!」

 

「次は何を致しましょうか」

 

「なんなりとご命令を!」

 

膝をついて頭を垂れてまるで家臣か、奴隷?なのかな。そんな感じのFクラスのバカがいた。

 

「雄二、あれはなに?」

 

雄二に視線を向けると。

 

「・・・・・・・・」

 

雄二は疎か、霧島さんも秀吉も全員が視線をそらした。

そこに。

 

「私は姉さんじゃないっていってるよね!もう何度目ぇ!?」

 

零華の悲痛の絶叫が響き渡った。

 

「お兄ちゃ~ん!助けてぇ~!」

 

「ふぐっ!」

 

目尻に涙を浮かべて抱き付いてくる零華に、僕は写真に撮りたい思いを持っていたが、次の瞬間にお腹付近に来た零華の頭の衝撃で吹き飛んだ。

 

「れ、零華!?」

 

「うぅ!私、姉さんじゃないよ~!お兄ちゃんの妹だもん~!私のお姉ちゃんは翠お姉ちゃんと葵お姉ちゃんとお兄ちゃんと私のお姉ちゃんだけでいいよ~!!」

 

本音どころか懇願まで含まれてる零華の言葉に僕はなんとも言えない表情を作った。

ちなみに恵衣菜は呆然としつつもちゃんと僕の腕に抱きついて、自分の年相応の豊かな胸を押し付けていた。

 

「(あー。なにこのカオス)」

 

そんなこんな色々ありながらも零華の頭を撫でて宥めながら久保くんたちの様子を見ていると、久保くんと若林さんのペアがBクラスを撃破した光景が画面に映し出されていた。

 

「久保君はだけど、若林さんかなり点数が上がっていたね」

 

今の勝負の互いの召喚獣を見てそう言葉に漏らした。

何故ならEクラス所属の若林さんの点数がEクラス平均の点数の数倍は上がっていたからだ。点数で言うならばBクラスの中位くらいだ。

 

「この間の期末テストの時、久保君と一緒にかなり勉強したみたいだからね。平賀くんと三上さんも一緒に」

 

「へぇー。久保君なら教えも上手だから納得だよ」

 

事実、たまに分からない問題があるときとか久保くんに教えてもらったりするときもあるのだが教え方が上手い。要点を押さえ、分かりやすく尚且つ難しくならないように簡潔に纏まってるのだ。

 

「この調子で久保君たちが全部クリアしてくれたらいいんだけど・・・・・・」

 

「さすがにそう上手くはいかないと思うよ恵衣菜?」

 

「うぅ。分かってるよ~」

 

そんなやり取りをしていると。

 

「あ、言っとくが明久。お前と姫宮、吉井妹は三人でペアだからな?」

 

雄二が思い出したようにいってきた。

 

「はい?」

 

「え?」

 

「へ?」

 

「いや、仕方ないだろ。姫宮や妹を他の男と一緒にペア組ませるわけにはいかないんだからよ(まあ、というのは建前なんだがな)」

 

なんか最後の方雄二が小声で言ったけどうまく聞き取れなかった。

 

「それは当然だけど、他の人がよく承諾したね?」

 

僕がそう訪ねると。

 

「いや、こう言っちゃあなんだが・・・・・・この案は満場一致で即可決だった」

 

雄二が飽きれ笑いを浮かべて言った

 

「そ、そうなんだ」

 

雄二の台詞に僕は思わず引き攣った表情を出す。

そのやり取りをしている間にも画面中では。

 

 

《若林さん、大丈夫かい?》

 

《え、ええ。久保くんは、ど、どうかしら?》

 

《僕はさすがにこういうのに慣れてなくてね。脚が生まれたての子鹿のように震えてるよ》

 

《まったく震えていないように見えるのは気のせいかしら・・・・・・。しかもその表現どこか違うよな・・・・・・》

 

 

BクラスからDクラスで攻略しているの久保くんと若林さんの会話や。

 

 

《うわっ!》

 

《み、三上さん!大丈夫?!》

 

《え、ええ。大丈夫。ありがとう平賀くん》

 

 

同じくDクラスで躓いて転んだ三上さんに手を差し出す平賀くんの姿が映っていた。

で、その光景を見て。

 

『『『『『チ・・・・・・ッ!!』』』』』

 

教室中から舌打ちと。

 

『『『『『キャアアアッ!!』』』』』

 

歓喜の声がそこら中から上がった。

誰がやっているのかと思い、チラッと周囲を見ると前半は男子、後半は女子だった。うん、分かりやすい。

そう苦笑いのようなことをしながら画面を見る。ちなみにその間にも恵衣菜と零華は僕に抱き付いたままだった。

平賀くんと三上さんの映る画面を見ると、装飾の草がガサゴソと揺れそれに驚いた二人が軽く抱き合っている姿が映し出されてた。

 

 

《キャア・・・・!》

 

《ッ・・・・・・!》

 

《 《あ・・・・・・》 》

 

 

抱き合っていて恥ずかしいのかすぐに離れながらも顔を赤くする二人。

 

「二人ともお似合いだね」

 

「そうですね~」

 

「うん」

 

と、僕たちはなんか的外れのような感想を口にした。

で、そんなところにも。

 

『『『『『チィッ・・・・・・ッ!!』』』』』

 

彼女がいなくて疎ましい男子たちからの舌打ちが大きくなった。

女子は女子で歓喜の声がさらに上がる。

 

 

《大丈夫、三上さんのことは俺が守る》

 

 

『『『『『チィッッッ・・・・・・ッ!!!!』』』』』

 

さらに上がる舌打ちの声に僕はかなり引いた。というより、怖い。

まあ、禁忌の話題をしたときの海未とツバサや寝ていたところを邪魔されて激怒状態の海未ほどじゃないけど。

そう思っていると。

 

「ん?」

 

スマホにメッセージが届いた。

内容を見ると。

 

〈明久、今私の胸のことやら何か邪な事を思ってませんでしたか?〉

 

〈明久くん、あとでお話ね?〉

 

海未とツバサからのメールが届いていた。

メールの内容に僕は思わず辺りを見回す。

何故なら、丁度いいタイミングで届いたからだ。しかも読心術でも使えるのだろうか海未とツバサは。

そう冷や汗を流していると。

 

「あれ、今何か変なものが・・・・・・」

 

零華が画面を見てそう言った。

 

「変なもの?」

 

画面には平賀くんと三上さんの甘々しいシーンが映し出されてる。

 

 

《こんな子供騙しのお化けなんて―――――》

 

 

平賀くんが三上さんと向き合って言ったその瞬間。

平賀くんと三上さんの正面にあった装飾の草から何かが飛び出してきた。

 

 

《 《ぁ・・・・・・っ!!》 》

 

 

飛び出してきたものを見て平賀くんと三上さんの顔が恐怖に染まった。そして、飛び出してきたものにスポットライトの光が当たり、飛び出してきたものを照らす。

暗闇の中の甘い空間から一転して、光の溢れ出した画面の中央には、常夏コンビの片割れである坊主先輩こと夏川先輩がスポットライトの光を浴びていた。

 

 

 

 

――――――全身フリルだらけの、黒いゴシックロリータファッション姿で。

 

 

 

 

 

 

『『『『『ぎゃぁあああーーーーっ!!』』』』』

 

『『『『『うわぁぁあああーーーーっ!!』』』』』

 

 

 

画面の内外問わず、そこら中から響き渡る悲鳴と絶叫。画面には化粧をし恐怖の象徴とも言える気持ち悪い常夏コンビの片割れの夏川先輩がドアップで映し出されていた。

 

「や、やりやがったなクソ野郎!」

 

「汚いッ!やり方も汚ければ映っている絵面も汚いよ!」

 

「きゃぁああーっ!お化け!お化けよりも怖いよ!」

 

「いやぁぁああーっ!お兄ちゃぁん!怖いよー!怖いよぉ!!」

 

「・・・・・・雄二、私もう無理・・・・・・」

 

「翔子ぉ!しっかりしろ翔子!」

 

「秀吉くん、あとはお願い・・・・・・ね」

 

「麗子!?しっかりするのじゃ麗子!」

 

「りょ、亮・・・・・・」

 

「浩二・・・・・・」

 

「綾香!しっかりしろ!」

 

「大丈夫だエレン!俺がいる!」

 

「き、恭二・・・・・・」

 

「友香、目を閉じるんだ!あれは見てはならないやつだ!」

 

辺りからは阿鼻叫喚な地獄絵図のような光景が出来上がり、雄二たちはそれぞれの彼女の介抱を。Fクラスのメンバーをはじめとした人はあちこちで失神や嘔吐などが起こっていた。さしもの僕も想定外のグロ画像に悲鳴を叫ばずには要られない。

そして最悪にもその悲鳴を呼び水として。

 

 

《今の悲鳴、美子?!》

 

《平賀くん何かあったのかい―――――っ!?》

 

《きゃぁあああーーーっ!》

 

《うわぁぁあああーーーっ!》

 

 

若林さんと久保くんが来てしまい、おぞましい夏川先輩の姿を見て悲鳴を上げてしまった。いや、あれを見て悲鳴を上げるなと言う方が難しい!これなら、怒ってる海未やツバサの方がまだ可愛く見える!

そう思っている最中も画面の中では―――。

 

 

《ぎゃぁあああーっ!!誰か、誰か助け――》

 

『ブブー!』

 

《嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ!頼むからここから出してくれ!》

 

『ブブー!』

 

《助けてくれ!それができないならせめて殺してくれ!》

 

『ブブー!』

 

《☆●◆▽┐♯♭×っ!?》

 

『ブブー!』

 

 

 

「・・・・・・・・・・突入部隊・・・・・・全滅・・・・・・っ!」

 

「くそっ!みんなが!」

 

突入した部隊は全員が壊滅してしまった。カメラ越しに見ていた僕らでもこのダメージだ。直接見た久保くんたちは当分社会復帰は疎か、一生トラウマが出来てしまったかもしれない。

 

「どうするのじゃ?こんな恐ろしい敵に勝つ方法など!?」

 

確かに秀吉の言う通り、こんなおぞましい敵に勝つ方法なんて!

そう思っているとところに。一人の男子がスクッと立ち上がり言った。

 

「俺に任せろ」

 

「「「「「ムッツリーニ!」」」」」

 

あれ、かなり久しぶりに康太のことムッツリーニって言ったような・・・・・・。

そんな考えはさておき。

 

「ボクもいくよ。ムッツリーニくん」

 

「・・・・・・」

 

工藤さんの台詞に康太は静かに、小さく頷き。

 

「・・・・・・あの坊主に、真の恐怖を教えてやる」

 

 

 

 

 

 

 











次回 『一難去ってまた一難!?』 Let GO to The Next BAKALiVE!

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