君が帰る場所   作:pwpa

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メイド喫茶とは中に可愛い子がいるとは限らない

「なーんで小恋が接客なんだよー」

 

「しょうがねぇだろ、クラスで可愛い子をキャッチで使ってるけど、小恋ちゃんだと緊張して話しかけられないからよ」

 

「だからって……オレ以外にあんな笑顔を見せてる小恋を見ていたくねぇよー」

 

「文句言ってんなよ、オレだって六花ちゃんが変な男に捕まってないか心配してんだからな」

 

裏で仕込みをする野郎達

表で接客をする中堅クラスの女子達

外で集客をする上位クラスの女子達

このフォーメーションは中々良く、客足が途絶えること無く繁盛している

 

「お、おおおおお帰りなさいませご主人様」

 

 

「それにしても、小恋ちゃんの初な感じ可愛いな

何色にも染まりそうな感じとか滾ってくるわ」

 

「おま!小恋には手を出すなよ!!」

 

「出さねぇよ、六花ちゃん一筋の今はな♪」

 

煮え切らない返事だな……

 

料理といってもオレですら簡単に出来るようなレシピで回転率もすこぶる良い

考案したのはあいつらしいけど

 

★昴sideout

 

★六花side

 

んー、そろそろ時間かなっと

 

教室に戻り準備しておいた生地を取り出して作業に移す

 

「六花ちゃんの特別メニューか、今度オレにも作ってくれよな」

 

「大雅さんにならいつでも」

 

正直行ったり来たりで面倒だけど、みんなが楽しんでいる邪魔はしたくない

これは作業や仕事と思い込んで進める

 

「すっげ……店で売ってるケーキみたいじゃね?」

 

「客に出すの勿体ねぇよ」

 

「御昴のレシピも助かったけど、御昴自身もすごいのな」

 

黙々と作業を進めたいのに周りにどんどんと人が集まる

 

「いい加減に…」

 

「はーい、六花ちゃんの邪魔はすんなよ

ほれ、散れ散れ」

 

大雅さんは本当に良く見ている、あのままならいい加減にして!って言っていたのに

言わせないように先に行動してくれてる、こういう何気無いことでも凄く嬉しいんだよ

 

「六花ちゃん?」

 

「ありがとね」

 

完成品は何かイベントやゲームをして勝てたらお金を払って食べられるというよく分からない結果になっていた

 

「大雅さん、あたしこれから自由時間だけど大雅さんの方はどう?」

 

「オレは1人戻ってくる奴がいるはずだからそいつと入れ替わりかな、戻ってきたら連絡するから先に少し回ってなよ」

 

「うん、それじゃ先に着替えてきちゃうから」

 

「着替えないでそのままでいてよ、オレ六花ちゃんのメイド服姿まだまだ全然堪能してないしさ」

 

「んーー……、分かった集客にもなるだろうし、このままでいるけど、流石に1人でこの格好は恥ずかしいから早めにね」

 

「分かった!今すぐオレも行く!」

 

「仕事はしっかりと、ね」

 

 

先に教室から出て少しすると他校の生徒に話しかけられた

 

「ねぇねぇそこのメイドちゃん」

 

「はい?」

 

「ここに行きたいんだけどさぁ」

 

地図を手元に出されても見えるはずがないじゃない

そう思いながらも近付いて地図を覗こうとするとカメラのシャッター音が確実に聞こえてきた

 

「なに撮ってるの?」

 

「おいおい、もっと上手く撮れよ下手くそだな」

 

「勝手に写真撮らないでよ、消して」

 

「えー、良いじゃん良いじゃん減るもんじゃねぇんだしよ」

 

「そうだそうだ、あんただってそんな服着て歩いてんだから写真撮られても良いって思ってんだろ?」

 

「そんなわけないでしょ」

 

カメラを上に上げられてしまってどう頑張っても届かない

 

「ほれ、消してほしけりゃ取ってみろよ」

 

ゲラゲラ笑う顔を殴り付けてやろうと思った

 

「そんなに怖い顔すんなよ

そうだ、オレらと遊んでくれたら消してやるよ」

 

「ふざけないで、君らと遊ぶなら全裸写真撮られた方がマシ」

 

「んだと?」

 

「ならご希望通り全裸の写真撮ってやるよ!」

 

腕を掴まれた瞬間その男子生徒の腕を誰かが掴んだ

 

「何してんだよ」

 

「六道……さん?」

 

「はぁ!?てめぇこそ何だよ!関係ねぇだろ!」

 

「関係あんだよ、てめぇらこそオレのクラスメートに変なことしようとしてんじゃねぇよ

つーか、こんなところでこんなことして良いのか?

お前らは完全にアウェイだぜ?この学校の奴ら全員敵に回す気かよ」

 

他校の生徒はあたしからすぐに手を離してその場を去ろうとした

 

「待てよ、カメラ置いてけ、盗撮したんだろ?」

 

「そんなのこの女が勝手に勘違いしただけだろうが!

オレらはそんなことしてねぇ…よ?」

 

持っていたはずのカメラは大雅さんが既に取っていた

 

「へぇ、こんな写真ばっかりなのに盗撮してないねぇ

ならこれ証拠に出るところまで出ようか?

なんなら金はオレが払ってやるからよ」

 

捨て台詞を吐いて彼らは逃げていった

 

「ありがと……

まさか六道さんが来るとは思わなかった」

 

「オレも大雅より少し早く自由時間が出来ただけだ

小恋を待つついでだよ

ていうかお前は端から見りゃ可愛いんだから自覚しろよ、女のお前じゃどう足掻いても男二人になんて敵わない事くらい分かるだろ」

 

「だからって何もしないなんて嫌」

 

「まぁまぁ六花ちゃんに何事も無かったんだし

それでいいじゃんか、な?

それじゃ店見て回ろうぜ、オレ夏祭り一緒に行けなかったしさ」

 

半ば強引に六道さんと離された

 

「そういえば、あのカメラちゃんと処分した?」

 

「……」

 

「大雅さん?まさかと思うけど、大事に持ってたりとかしないよね?」

 

「だって六花ちゃんの写真とか1枚しかねぇんだぜ?

記念というか何て言うか欲しいじゃんよ」

 

1枚ってあの時の写真とっといてあるんだ……

 

「だったら写真部に頼んで一緒に撮ってもらお?

どんな写真が撮られたかなんて分からないけど、それは必ず処分して」

 

「本当に?」

 

「本当」

 

多分こんなによろこんでいる大雅さんは初めて見たと思う

こういうところが六道さんに似ているから二人は友達でいられたんだ

 

カメラは踏んで叩いて壊されて見事に処分された

 

 

「そういえば、あいつらに他何にもされてない?」

 

「うん、特別何も」

 

「なら良かったんだけど、昴の方が先に駆けつけたのは許さねぇ」

 

「焦ってるの?」

 

「そりゃ焦るだろ、だって六花ちゃんは昴のこと好きなわけだし

昴も昴で六花ちゃんに告白された日には最大限に悩むと思うぞ」

 

「無いよ、そんなことは絶対に

あ!ほら写真部あるじゃん、撮ってもらおうよ」

 

そう、あり得てはいけない

あたしの中でまだ六道さんへの想いが消えない限り

 

数枚撮ってもらったところですぐにPCで確認してプリントしてもらった

 

「生徒手帳に挟んどこ~っと」

 

「でもこの写真だとメイド喫茶に遊びに来た大雅さんみたいだよ」

 

「良いの良いの、記念は大事にしないとな」

 

「それじゃあたしも大切にする」

 

同じように生徒手帳の一番後ろに挟んだ

 

★六花sideout

 

★大雅side

 

嬉死ぬ!オレ今日中に嬉死ぬかもしれない!!

 

 

本当はこれからもっといろんなところ一緒に行きてぇけど、六花ちゃん人の多いところ嫌いだしな

 

「ちょっとどこかでのんびりすっか」

 

「空き教室とかもあるだろうし、流石に疲れた」

 

やっぱりな~

 

 

空き教室を取り敢えず見つけようとはしたけど、まぁやっぱり文化祭

イチャイチャしてるカップルがホテルの代わりに使用してるんだわ

オレもイチャイチャしてぇのによぉ!!

 

「図書室にでも行って時間潰すか」

 

結局図書室でダラダラと時間を過ごす

六花ちゃんの家にいるときとさほど変わらないけど

オレはこの写真があれば何時間でも見つめていられる……つもりなんだけど、六花ちゃん本に夢中だし

なんだかそれは寂しいような気がしてしょうがない

 

「なぁ六花ちゃん」

 

「なに?」

 

「キスしてもいい?」

 

「なんで?」

 

そのゲテモノを見るような目が堪らない!

でもオレはMじゃない!

 

「だってあの日以来キスしてないんだぜ?

付き合って結構日が経つっていうのにさ」

 

それに何もないとこの関係も終わりそうな気がするからこそ繋ぎ止めておきたい

 

「また今度ね」

 

「また今度っていつ?」

 

「取り敢えず今じゃないよ

他人に見せたいことじゃないし」

 

「見られてなければ良いんだ」

 

六花ちゃんはため息だけついてまた本に集中してしまった

 

 

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