★昴side
「大雅」
「どうした親友」
「今って日曜日だよな」
「そうだぞ親友」
「ならどうしてオレの部屋にいるんだよ」
「オレは1分1秒と六花ちゃんから離れたくねぇけど
2週間に1度くらい必ず出掛けてんだよな」
「出掛けてるって、どこに?」
「さぁな、踏み込んじゃいけねぇかもって思って聞いてないんだ」
「なるほどな」
といってもオレも小恋となんの約束もしてねぇし
ずっとマンが読んでるのも飽きる
「なぁ、あいつの後つけてみないか?」
「はぁ?知られたくねぇことをこっそり知るなんてオレのポリシーに反する」
「でも気になるだろ?もしかしたら男とあってるかも知れねぇぞ」
「六花ちゃんに限ってそんなことあるはずが……」
煮え切らない返事を待つ
「直接聞いてみる」
大雅はそう言ってあいつの部屋へ向かってインターフォンを押し始めた
オレも何となく大雅に付いて行ったけど、大丈夫か?と思っているうちにあいつはすぐに部屋から出てきた
「大雅さんと六道さん?
どうしたの?あたし今日は用事があるって言ったよね?」
普段化粧なんてしてないだろうからすぐに分かった
こいつは今日化粧をしてる!!大雅も気付いてるはずだ!!言ってやれ!!
「なななな何で化粧なんてしてるんだ?」
こんなに動揺してる大雅を初めて見たぞ
「そろそろ良いかな……」
あいつもあいつで少し申し訳なさそうな顔をしている
「うん、二人とも付いてきなよ
あたしが隔週日曜日にどこに行ってるのか気になるんでしょ?」
大雅の答えは当然決まっていた
「ていうか大雅はともかく、オレも良いのか?」
「良いって言ってるでしょ」
適当に準備を済ませてあいつの後を付いていく
電車で一時間半くらい離れた街へ
途中で花を買って包んでもらっている最中に大雅は耐えきれなくなったのか聞いた
「なぁ六花ちゃん、誰に会うか教えてくれよ」
「あたしの好きな人」
「オレじゃねぇのかよ!!」
ケラケラ笑いながらまたオレらの先を進んで行く
暫く歩いているうちにオレですらどこに向かっているのか、雰囲気で分かった
「墓?」
あいつは誰かの墓の前に立って花を入れ替え始めた
「もしかして六花ちゃんの好きな人ってもう……」
目を閉じて静かに手を合わせその返事には少し時間がかかった
「一條 神(いちじょう じん)さんっていうの
お調子者で明るくて、それでもクラスの人気者だったんだよ」
「そっか」
静かに立ち上がるとあいつはオレと大雅の手を握った
「神さん、あたし好きな人が出来ました
今日は報告も兼ねて一緒に来ました
神さんから話し方が硬いって言われていたのに、どうしてもこの場じゃ慣れませんね、許してください」
なんでオレの手まで握る必要があるんだよ……
離そうと思った途端、大雅が先に手を離して墓の前に立ち言い放った
「一條 神!オレが六花ちゃんの彼氏だ!
オレは絶対に六花ちゃんを悲しませないから安心しろ
それと、これを言うのは悪い気もするけど言わせてくれ、六花ちゃんとオレを引き合わせてくれてありがとな」
「帰ろっか」
「あぁ」
いつの間にか手は離れていて帰りの電車に乗った
「ごめんね、日曜日なのに付き合わせちゃって」
「良いって、オレもオレの言いたいこと言えたしな
それより帰りの間に一條と六花ちゃんの話聞かせてくれよ」
「それオレも気になるな」
「まぁうん、あんまり面白くはないけど話すよ」
★昴sideout