君が帰る場所   作:pwpa

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六花の好きな人~過去~

次の日は神から六花に話しかけることもなく放課後を迎えた

 

「ねぇ、校門前にすっごいバイクが止まってるんだけど」

 

「本当だ、誰かの彼氏かな?」

 

六花も嫌な予感を感じながら外を見ると間違いなく父親のバイクだと確信し、急いで校門前に向かって行った

 

「どういうつもり?」

 

「いやぁ、昨日の小僧に用事があってな」

 

「小僧って、神さんのこと?」

 

「そいつ以外誰がいるんだよ……」

 

六花が気になりこっそり後を付いて来ていたのを父親はすぐに見つけた

 

「六花に告白したバカ野郎発見!」

 

人拐いの如く神を担いでバイクに乗せるとそのまま二人でどこかへ向かって走っていった

 

 

「何すんだよおい!」

 

「あぁ!?何だって?」

 

「止めろって!!」

 

「聞こえねぇよー」

 

実際風を切る音で神の声が聞こえていたかどうかは不明だったが、散々六花の父親に連れ回され、辺りが薄暗くなる頃海の見える道路脇にバイクを止めた

 

「速度くらい守りやがれよ……」

 

「そんなんじゃ風を感じられねぇだろ」

 

「そんなんじゃいつか六花が悲しむぞ」

 

「あーそれはあるかもな、オレあいつの親父だし」

 

「親父……?父親だと!?」

 

「あぁ悪かったな、あの時からかってよ」

 

動揺は全く隠すことが出来ずに、頭で無理矢理理解をしようとした

 

「つーか六花が他人とあんなに話をしてるの久し振りに見たな……少し他人行儀なところがあるけどな」

 

「オレは六花と対等になって、たくさん遊びにいって

いつか結婚して……幸せな家庭を作りたいと思って……います」

 

「そこまで考えてんのかよ、中坊のくせに生意気だな」

 

タバコを咥えながらからかうように笑う

その笑い方は少しだけ六花に重なっていた

 

「まぁ良いんじゃねぇのかな

さっきも言ったけど、六花がそこまで自分に踏み入れることを許してるんだ

オレが味方についてやるよ、ただ孫の顔を見るのはもっと後にさせておいてくれよ」

 

「そんくらいの節度は持ってるわ!!」

 

その後、六花には内緒だぞということで、好きな食べ物や誕生日等も父親から神へと伝えられた

 

 

 

「ねぇ御昴さん」

 

「はい?」

 

「神のことフッたってマジな話?」

 

「あーー……、それもう今日で何回目の質問なんだろ

本当にあなた達全員が全員くだらなくて呆れてくる」

 

「いい加減にしなよ!この本の虫!!」

 

「ちょっと顔貸しな」

 

強引に教室からトイレへ連れ込まれ十数人の生徒に六花は囲まれた

 

それから六花はモップを当てられる、水をかけられる、怒鳴られるとされ、トイレ外にも噂を聞き付けた生徒が集まる程だった

 

「神はあんたがクラスで浮いてるから優しさで話しかけてやってんだよ、なのに何様のつもり!?」

 

「だから必要無いって言ったでしょ、何度も言わせないでよ」

 

「本当に頭にきた、ねぇ誰か男子呼んできてこいつ犯させちゃおうよ、それで動画撮ってさ」

 

「良いかもね、性格はともかく顔はマシだし」

 

 

賛成し始めた生徒達は本当に連携良く、数人で六花を抑えつけて服を脱がし、また数人が連絡をとり始めた

 

 

「何してんだよ!!!」

 

「あ、神くん

今本の虫をみんなで苛めてるんだ~」

 

「はぁ!?」

 

「なんかこれからもっと凄いことさせられるみたいだよ」

 

神が噂を聞いて向かった頃には既に女子生徒の壁が出来上がっていたが、話を聞いて女子トイレだろうが構わずに突っ込んで、すぐに六花の前にたどり着いた

 

「神!?」

 

「お前ら何してんだ」

 

「これは……神をフッた身の程知らずを少しこらしめてやろうと、ねぇ」

 

「うん…神可哀想だし」

 

「オレは六花にフラれてねぇ!変な思い違いしてんじゃねぇよ!!」

 

女子生徒はビクついて六花と神から少し距離を置いた

 

「でもオッケーももらえてねぇのは確かだけどな、ただこれと今のでは話は違うし、オレはオレで何とか出来んだよ!

とっとと出ていけ!!」

 

みんな出ていくと六花は静かに服を着たが、びしょびしょなのはどうしようもない

 

「あとでオレので良けりゃジャージ貸してやるよ」

 

「うん、ありがと」

 

何事も無かったような顔をしている六花に神は怒った

 

「お前も何されるがままにしてんだよ!」

 

「抵抗しても無駄なことくらい分かるでしょ」

 

「それでもオレは嫌なんだ!

1人で何でも出来るなんて思わないで誰かを頼ってくれよ」

 

「これからはその考えも持っておきますね」

 

ペタペタと水を滴らせながら歩き始めた六花を後ろから抱き締めた

 

「この前の男が父親だってことは本人から聞いた

だからと言って今すぐ返事が欲しいって訳じゃねぇ

オレが六花に勝てたら、その時に返事を聞かせてほしい

それまでは友達として仲良くしたい」

 

「友達……ね

友達は後ろから抱き締めたりしないと思いますけど

告白はともかく良いですよ、多分神さんなら飽きないと思いますし」

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