★昴side
腕時計も渡せた、これだけで最高のクリスマスだ
あいつにも少し感謝しなきゃな
「いつまでニヤニヤしてんだよ」
「し、しししししてねぇよ
それより飯行こうぜ飯」
前に行ったような高いところには入らずにファミレスで他愛もない話をしながら食事を始めた
「そういえば六花ちゃんってどうして髪を切ってしまったんですか?
綺麗だったのに勿体無いです」
「邪魔だったからだよ、それに大雅だって短くても良いって言ってくれたし
それに西城さんだって毛先とか綺麗に切り揃えているじゃん」
「六花ちゃん分かってくれた?
昴くんは、そういう少しの変化も気付かないとダメですよ」
「昴にはちと難しよな、でも腕時計の渡し方とかはかっこよかったぜ
同じ時間を歩みたいだったか?」
「うるせーな、小恋が可愛すぎてまだ直視出来ねぇんだよ」
「のろけんなよ、六花の方が可愛い」
「いや、小恋だ」
「六花だろ」
これだけは譲れねぇぞ
「あのさ、本人達を前にしてそれで言い争わないでもらえるかな」
「そ、そうですよ
どっちに転んでもうれしくありません」
怒られてしまった……
「あたしは昴くんの中で1番ならそれで良いですから」
ニコッと笑う小恋に少しだけ罪悪感を感じた
買い物のことやっぱり言うべきじゃないだろうか、小恋のことを想って一緒に買いに行ったけど、隠すのはなんだか気持ち悪い
「あのさ、そのプレゼント何だけど、実はこいつと買いに行ったんだ」
「やっぱりな、昴がそんな気の利いたプレゼント渡せるはず無いし、そんなこと相談できる友達もいねぇしな」
あいつはコーヒーカップを音をたてて置いて席を立った
「六花?どこ行くんだ?」
「お手洗い」
「そっか」
そう言ってオレを横切る時、「馬鹿」と小声でそう言われた
「六花ちゃんと一緒に買いに行ったんですね、でも嬉しいです」
良かった、ちゃんと笑ってくれてる
「そうなんだよ、あいつオレが選ぼうとするものにセンスが無いとか文句ばっかり言ってさ
別にあいつに渡す為に買う訳じゃねぇのにかなり大変だったんだぜ」
買い物の時に言われたこと等面白おかしく話しているうちに小恋は立ち上がった
「もう止めてよ……」
「へ……オレ何かまずいこと言ったか?」
大雅の方を見ても腕を組んでため息をついていた
「あたし二人が一緒に買い物してたこと本当は知ってたんです、偶然ですけど見かけてしまいまして
だけどそれがプレゼント用だと知って昴くんならしょうがないかなって思っていました」
「な、なら良いじゃん
取り敢えずほら、座ろうぜ?」
「どうして…どうして昴くんはあたしといる時より六花ちゃんといる時や六花ちゃんの話をする時の方が楽しそうにするんですか!
そんな昴くんからのプレゼントなんてあたし要りません!!」
小恋は腕時計を外してテーブルの上に置いて泣きながらファミレスを出ていった
「やっぱりこうなった」
トイレからいつの間にか戻ってきていたあいつはオレの後ろの席に座っていて、それだけ言うとオレの前に移動しておもいっきりビンタされた
「人の気持ちくらい少しは考えなよ」
「ってぇな!!何すんだよ!!」
「やめろ昴、六花に手を出すなら許さねぇぞ
それより今は小恋ちゃんを優先しろ、会計は済ませてやる
追いかけてそれで謝ってこい、謝る理由については追いかけながら考えろ」
はっきりしない気持ちのまま小恋を追いかけた
「何で追い付くの……」
「このままにしていたら小恋が離れたまま戻ってこないって思ったから」
「昴くんは本当にあたしのこと好きなのですか?」
「当たり前だろ、プレゼント選んでる時だって常に小恋の笑顔だ想い続けて選んでた
渡したとき喜んでもらえて本当に嬉しかった
オレはバカだからさ、小恋が怒ってる理由まだしっかりと理解できてないけど、小恋を想う気持ちは誰にも負けねぇ」
「そうだとしても、やっぱり昴くんは六花ちゃんを無意識かもしれませんが意識していますよ
近くで昴くんを見続けてきたからこそ分かってしまいます」
どうすれば良いんだ……
こんな時何て言うのが正解なんだよ……
「西城さん、あたしとまた少しだけ話しよう、今日は遅いしあたしの部屋で」
「六花ちゃん……?」
後から追い付いた大雅とこいつはオレと小恋の間に入った
「まぁ女同士での話もありだろうし、小恋ちゃんも少しだけしんどいかもしれないけどさ、六花と話して落ち着きなよ」
イヴに初めてオレは小恋に部屋が隣同士だということを知られた