新しく始めよう
★六花side
「六花、また同じクラスだしよろしくな」
「あたしらの学科は2クラスしかないんだから
大抵同じクラスになるようにするでしょ、修学旅行もあるんだし」
「それもそうだけどさ、やっぱり嬉しいじゃん
昴や小恋ちゃんとも同じクラスみたいだしよ」
「そっか」
「この後の始業式どうする?」
「どうするって……」
「面倒だしフケちまおうぜ」
「賛成」
あたしと大雅は全員が講堂へ集まるなか別の場所へ行って時間を潰した
「小恋ちゃんからなにかあったか?」
「あれから何にもないよ、チラチラ見られていたから話しかけようとはしてくれてるみたいだけど、一歩踏み出せない感じなのかな」
人によって心の整理をつける時間は異なる
あたしだって神さんを引きずり続けたからこそよく分かってるつもり
「六花から話しかけてやれば良いんじゃねぇの?」
「それは逆だよ、しっかりと頭の中も整理しきって話し合わないと」
「そんなもんかね」
春風をまだ少しだけ冷たく感じながらも二人屋上で時間を潰した
教室へ戻って自分の席を確認しようとすると誰かにぶつかった
「っと、ごめんなさい」
「あ、こちらこそ……あーーー!!」
五月蝿い
突然指を差されて叫ばれたから、その向けてきた指を曲げてはいけない方向へ曲げた
「誰か知らないけど人に指差すなんてマナーがないね」
「いってぇーっなって、オレだよ!オレ!!」
「はぁ?多分はじめましてだと思うけど、興味がない人の顔を覚えるつもりなんてないので
それとオレオレ詐欺なら電話くらい使いなよ」
「あのラーメン屋でバイトして外人に絡まれてた」
「あぁ、あの時のバイトくんか」
「まさか同じ学校で同じクラスになるなんて
ちなみにオレはバイトくんじゃなくて
「あっそ」
「ちょっと待ってよ、きみの名前は?」
「じゃあ山田花子で」
「いや、いくらオレでもそれが嘘なのはわかるよ」
そんな話をしているとすぐに大雅はやってきた
「おい大和、六花に何のようだ?」
おや?知り合いかな?
「九頭竜こそ何だよ、オレがその子に話しかけちゃいけない理由なんてあるのか?」
「別にねぇけど、六花はオレの彼女だからな
ちょっかい出されてるのを見て見ぬふりは出来ねぇだろ?」
「九頭竜の彼女?
今まで1度も女の子とまともに付き合ってない九頭竜の?」
「オレの噂すげぇ酷いな」
「まぁ本当のことなんだししょうがないんじゃないの?」
「あ!でもそうか」
何か納得したかのように腕を組んで頷き始めた
「お前もオレのバイト先に来たときは別の男と来てたしな、そうか、お互いがそれを許しあってるんだよね」
「あぁ、六道さんのことか……下らないなぁ
行こう大雅、こういう勘違いバカは相手にしたくない」
「お、おう…」
指定された席は既に把握出来ているし、こういうバカに関わると良いことは無い、さっさと逃げておこう
★六花sideout
★大雅side
「で?何で大和のバイト先に六花と昴が行ったんだよ」
「西城さんへのプレゼントのために付いて行ったお礼みたいなものだよ
それ以上でも以下でもないから」
「それでも、流石に彼女が内緒で別の男と買い物に行くのはなんだかちょっと……」
「相手は六道さんだよ?」
「昴だから尚更なんだよ」
「大雅ってさ、たまにすごーく女々しい時あるよね」
「それだけ六花が好きだってことだっつーの!」
思わず赤面した六花を見てオレまでも赤くなった
「大雅から好きなんて言われることほとんど無かったから、ちょっとビックリしちゃった」
「六花も予想外の反応すんなよな……」
多分端からみればバカップルみたいな感じなのでは無いだろうか
「お前ら本当に付き合っているようだね」
「大和!?いつからいた!?」
「さっきだけどさ、1番に言うべきこと忘れてたんだ
えっと六花だっけか、あの時はほんとうにありがとう
助けてもらえたし、あの店に来る外国人の客も増えた
面白い日本人がいるって噂になっててさ」
「それだけ?」
「あ、あぁまぁそうだけど……」
「そう、残念だけど多分2度と行かないと思うから
噂が消えて客足が減っていくのを日々の楽しみにしなよ」
「味にだって自信あるさ!!」
「へぇ、あの程度の味ならあたしにだって作れそうだけど?」
「嘘言うなよ」
「ま、まぁまぁ」
「九頭竜は首を挟まないでほしい、これだけは許さない」
「許さない?人を頼るしか出来ないきみが?」
「あぁ訂正しろよ」
「嫌だ」
「ならあそこのラーメン屋で本当にオレら以上のラーメンが出来るのかやってみせてよ」
「だから嫌だってば、やる必要がないもん」
「出来ない言い訳?なら最初から噛み付こうとするなよ」
「へぇ、面白い」
あー……この顔の六花は多分止まらねぇだろ
でも六花がラーメン作るところなんて見たことねぇけどな
「そっちの店にあるもの使わせてもらえばいいよね、あと無さそうなものはあたしで準備するから
日時は合わせるから、決まったら教えて」
「わかった、オレより旨かったら何でも言うことを聞く
オレ以下なら訂正して謝ってくれよな」
「それでいいんじゃない?」
大和と六花の話は終わって、やっと六花とのんびり話せる
「本当に大丈夫か?」
「まぁ大丈夫でしょ」
適当な返事なのに大丈夫だと思わせられるのが六花の凄いところだよな
特別心配することはねぇと思うから、オレは六花と小恋ちゃんの環境作りでもこっそりやるかな