★大雅side
「よっしゃ!そろそろ行こうぜ」
「は?どこにだよ」
「どこって女部屋に決まってんだろ?」
「バレたら停学だぞ?そんなリスク背負って行かなくても明日また一緒に行動できんじゃん」
「バレたら停学だから面白いじゃんか
まぁ昴が来ねぇならそれでいいけどな、オレは3Pでも良いし♪」
そう言うとすぐに昴は飛び付いた
「小恋に変なことしないか見張るためにオレもついていくからな!」
「建前が立派なものだな、さて女部屋はこの階の1つ上、エレベーター前には教師が交代で立ってる」
「く、詳しいんだな」
「抜け出して誰が捕まったかは随時連絡しあってるからな、オレの情報網ナメんなよ」
「じゃあどうやって抜け出すんだよ」
「まぁもう少し待てよ、そろそろ次のやつらが捕まる
その時非常口から一気に上に行くからよ
六花には連絡してあるし、オートロックも外して貰ってるからな」
六花のいる部屋は非常口のすぐ隣、つまりオレらのいる階さえ抜け出せればゴールは見える
少しするとベランダから抜け出す生徒がいるとの情報を受けたらしい教師は外へも見回りへ向かった
「よし、人数が少し減ったな
後は我慢できなくなった奴らの負けだ、息を潜ませてる教師の的になってくれる誰かが……」
予想通り教師に捕まった生徒の声が聞こえた瞬間部屋を飛び出して非常口へと全力疾走した
「はぁはぁ……な?簡単だったろ?」
「なにがだよ、寿命縮まったぞ」
「スリルが良いんだろうが、そんじゃ行くか、ゴールはすぐそこだ」
読みは正しかったらしく非常口前に教師はいないで簡単に六花達の部屋に入る事が出来た
「六花!!」
「ん~……」
「昴くんと大雅くん!?」
寝ていたらしい六花と眠ろうとしていたところをびっくりしながら飛び起きた小恋ちゃん
やっぱりこの二人は点数高いわ
「遅かったじゃん」
「タイミングは大切だからな」
「どどどどうして?」
「大雅に連れて来されたんだよ、別にやましい気持ちがあった訳じゃないぞ」
「んだよ昴、結局付いて来たのはお前だろ」
「そんなことよりはやくこっち来なよ」
六花はベッドをポンポンとしてオレを隣に座らせてくれた
その流れでか昴も小恋ちゃんのベッドの上に座ったのだが、二人の隙間が気になる
「昴と小恋ちゃんももっとくっつけよ」
「オレはプラトニックなんだよ」
「ダメダメ、小恋からもっと頑張んないと
六道さんなんだからさ」
六花の言葉で予想外にも小恋ちゃんから昴に少し近付いた
「あたしも六花ちゃん達みたいにもっと親密になりたいって言ったら昴くん怒りますか?」
昴はこれでもかってほど首を横に振っていた
それを笑い合いながら四人でだらだらと話をして時間が過ぎていった
ガチャガチャという音
「やべ!!オレとしたことが女部屋の見回りの時間を考えてなかった」
「オレらの部屋は大丈夫なのかよ」
「その辺は抜かりないぜ
とりあえず隠れて寝たふりだ」
急いで六花の布団に潜り込んで身を潜めた
鍵を開ける音と同時に近付いてくる足音
怖いというよりやっぱりわくわくしてしまう
それが男って生き物なんだろう
ちゃんと寝ているのを確認できたのか教師は部屋から出ていった
「ふぅ……って昴は?」
「ここだよ……」
上を見上げると天井の角にベッタリくっついている昴がいた
「忍者かお前は」
「小恋の布団に入ったらオレはじっとしていられない自信があるからな」
「どこに隠れたのかドキドキしました」
「もう遅いしオレらも戻るか」
「そうだな、オレの心臓がもたない」
といってもまた誰かが見つかるまで待たなきゃいけねぇんだよな
「帰りは大丈夫なの?」
オレの考えを予想していたかのような六花の質問に素直に答えた
「なるほどね、ならここで寝れば?」
「ちょっと待てよ御昴」
「なに?」
「オレはどうすんだよ」
「小恋のベッド使えば良いじゃん心配しなくても小恋はあたしと一緒のベッドで寝るから」
「まぁそれが無難だな、小恋ちゃんのベッドでオレらは寝てようぜ」
安心の土台は完成、六花と寝れないのは残念だけどまだ修学旅行は始まったばかりだしな
一時間もすればあれだけ嫌がっていた昴は爆睡していた、ある意味うらやましい性格でもある
こうやって環境が変わってもすぐに眠れる図太い神経が
隣のベッドでどちらかが起き出したのが分かった
ベランダへ出て数分戻って来ない
「どうした?」
「あぁ大雅、起きてたんだ」
「六花だったのか、なかなか戻って来ないからどちらか分からなかったけど心配して見に来たんだよ」
「なにそれ、もしも小恋だったらあたしだって少し嫉妬するよ」
「六花が嫉妬する姿を見てみたい気もするけどな」
一緒にベランダへ出てみると地元じゃ見られないほどの星が全体に広がっている
「昴じゃねぇけど、すごいな」
「うん、吸い込まれそうなくらい
ねぇ大雅、あれからお父さんとはどう?」
「冷戦みたいな感じだな、でも後悔はしてねぇし、これからするつもりもねぇ」
「あたしは大雅が本当に幸せになるには手を引くべきなんじゃないかなって少し思うこともあったけどね」
「別れたら多分泣くぞ」
「あたしも大雅が泣くところ見てみたい気もするけどね」
楽しそうに笑う六花を思わず抱き締めた
「オレの幸せはオレが自分の手で掴みとるから他の奴にオレの幸せの定義は決めさせるつもりはねぇよ
それでオレの幸せには六花が必要だからな」
「ごめんね、こんなことで悩んでて」
六花から少し離れたけど手だけはしっかりと繋いだ
「これ以上くっついてたらしたくなる」
「紳士的じゃん」
「修学旅行中は我慢するんだよ、だから貰ったゴムも持ってきてない」
「そっかそれは残念、代わりに口でしてあげよっか?」
六花の小さな口から出てきたその言葉はオレを屈服させるには十分過ぎる程だった
「本当に良いのか?」
「したことないから下手かも知れないけど、それでも良いなら」
「お願いします」
45°の完璧なお辞儀、ベランダに座り込んで既に元気100倍タイガーマンがこんばんはした
「改めて見ると面白いね、別の生き物みたい」
「キャー恥ずかちぃ」
初めてというわりには躊躇なく口をつけた
やばっ!!これ今までしてきて貰ったなかで1番キく
こういう素質あるんじゃねぇのか?
結構頑張って耐えたつもりだったのに、あっけなく果てた
「わ、悪い六花、外にペッてしちゃえ」
六花は少し苦しそうに上を向いて飲み込んだ
「六…花……?」
「ケホッケホッ……本に書いてあった通りで変な味
だけど大雅の味覚えたよ」
「無茶すんなよ」
ペットボトルのお茶を差し出すとお礼と一緒に六花はお茶を飲んだ
「でももう飲むのはしたくないかな」
「ハハハハ……」
それはそれで少し残念
「あたし達も寝よっか
ソファー空いてるから一緒に」
「そうだな」
オレと六花は一人用のソファーに無理矢理二人身を寄せあって眠りについた