★大雅side
おかしい、何がおかしいって六花の様子がおかしい
いつもより淡白な返事だし、いつもより表情に変化がない
といってもいつも淡白であまり表情を表に出さないんだけど………
「なぁ大雅、夜オレらの部屋に来いよ」
「あー…桜龍、お前六花と同じグループだったよな
今日何かあったか?」
「それも含めて教えてやっからよ、23時に待ってるからな」
六花に聞いても何でもないの一点張りだし、大和に聞いても途中からはぐれたって言ってるし一体何があったんだよ
そう思いながらも23時に桜龍の部屋に行くと、既に男女複数人で盛り上がっていた
「やっと来たかよ」
「随分盛り上がってんじゃん」
「そりゃ最後の夜だしな♪」
空けてもらったスペースに移動すると少しアルコールの匂いがした
「そんじゃ大雅も来たところでぇ~
罰ゲーム付きのゲームでもしますかぁ!!」
「おい桜龍、オレはそんなことするために来たんじゃねぇぞ」
「固いこと言うなよ、白けちまうだろ?
少しくらい付き合えよ、な?」
「しょうがねぇな、つか酒飲んでる奴等にどんなゲームだろうが負ける気はしねぇぞ?」
チョロいと思っていたはずが負けて飲んでを繰り返しているうちに少し酔いが回ってきた
「それじゃあ次は最下位と一位がキスをするー」
そんなの一位と最下位にならなきゃ良い……
「なん……だと………!?」
「ウハハハ、大雅連敗だな♪
そんじゃキース♪キース♪キース♪」
「「キース♪キース♪キース♪」」
手拍子でオレを煽るなか、隣に座っていた女子がオレに迫ってきた
約5センチ程の距離まで来て言った
「オレには彼女がいるっつーの!」
「罰ゲームなんだしさ、彼女だって許してくれるよ
そんなことより楽しまなきゃだよ?雰囲気壊すつもりなの?」
唇が触れる瞬間に自分の口を手で抑えた
「罰ゲームだろうが六花を裏切ることは出来ない
雰囲気悪くさせちまって悪かったよ、オレ戻るわ」
部屋を出て少しすると桜龍が追いかけてきた
「随分と彼女のこと可愛がってるみたいじゃん
今日結構ダメージ与えられたし、大雅もそのまま墜ちれば良かったのに」
その言葉を聞いて桜龍の襟ぐりを掴んで壁に押し当てた
「六花に何をした?」
「昔の大雅に戻そうと思ったんだよ
考えてもみろ、1人の女の子と遊んで重みを背負うよりかたくさんの女の子と適当に遊ぶ方が楽しいだろ?」
「確かにそう思っていたこともあったけどな、六花はオレにとってたくさんの女の子よりも遥かに大切な人なんだよ」
「はぁ?意味わかんねぇよ
お前が1人とダラダラ遊んでるうちにオレは2,30人の女の子と遊んでるんだぜ?
つまりお前の数十倍は楽しく過ごせてんだよ、どうしてわかんねぇのかな」
「オレには六花の笑顔だけでその数倍楽しくいられてるからな、だから六花を傷付けたくないんだよ」
手を離すと桜龍は軽く服を正した
「それがわかんねぇって言ってんだよ!!
そこまであの女に執着する理由がどこにあるっていうんだ」
「オレの家柄知ってんだろ?
そういうのを目的として近寄ってくる女もいなかった訳じゃないし、それを知って離れていく女だっていた
そんなオレをオレだけを見てくれてるんだよ六花は」
「そんなん離れていくのもほっときゃ良いだろ、近寄ってくるのだって少し遊んで捨てりゃそれで良い
オレと大雅二人揃えば抱けない女なんて居やしねぇんだからさ、二人でハーレム完成させようぜ」
「オレはもうそんなガキじゃねぇよ
桜龍がしたいことだって分かっててつるんでたけど、1人を大事にする事だって悪いことじゃ無いぜ?
それじゃオレは見付かる前に戻るわ、六花のことはオレで解決するから桜龍の話は聞かねぇよ」
桜龍が追いかけてくることはなく、階段を下りるとそこに六花が座っていた
「六花!?」
「こんばんは」
「1人でこんなとこに来てどうした?」
珍しく六花からオレの手を握ってきた
「少しだけ甘えさせてほしいって言ったら迷惑?」
「迷惑なもんか、オレの胸は常に六花の為に空けてあるからな
つーか大丈夫か?戻ってきてから様子がおかしかったぞ?桜龍に何か言われたか?」
「ちょっとだけ大雅のこと不安になってた
あたしじゃ大雅の全部を受け止めきれてないんじゃないかなって、もしそうなら別れた方が大雅の為なのかなって、それなのに大雅のことどんどん好きになっていって」
少し震えてる?
「あたし大雅が好き」
「六花」
繋がれた手を引いて六花を軽く抱き締めた
「不安にさせちまってごめんな、でもオレだって六花に負けないくらい六花が好きだ」
「安心したけど、まだこのままでいさせて」
「オレもまだ離れたくない」
「こらー!!そこにいる生徒!!
消灯時間過ぎてるぞ!!!」
「やっべ!!逃げるぞ!!」
ちくしょうめ!こんな良い雰囲気の時に空気読めよ糞教師!!
「逃げなくても良いよ」
「へ?」
「九頭竜と御昴か、修学旅行最後の夜くらい部屋でおとなしく出来ないのかお前らは」
あれなら何とか逃げれただろうに……
「お前らとりあえず反省文な、それと二人はオレの部屋で最後の夜を過ごすこと」
なるほど理解
「ん?まさか九頭竜、酒とか飲んで無いだろうな」
ビクッとした、言い逃れなんて出来ねぇぞ、下手したら停学なんじゃないか?
「これですよセンセ」
六花は酒入りの生チョコレートを取り出した
「全く、そういうのはお土産用だけにしろって言ってあるだろうが、まぁそれくらいなら多目に見てやるから、他の教師にばれる前にとっとと行くぞ」
とりあえず助かった……
何であんなの持ってたのかと後々聞くと、酒は口を滑らかにしてくれるからだと答えてくれた
逃げなかった理由は教師の部屋に行けば理由ありで二人でいられてるかららしい
★大雅sideout
★六花side
最後の夜が明けて飛行機に乗り、相変わらずの六道さんのビビり具合を見て笑った
新幹線を待つ間は大雅とずっと手を繋いでいた
「そういや何で六花の荷物そんなにすくねぇの?」
「もう家に送ったから、明日には到着すると思うよ」
「なるほどな、オレもそうすりゃ良かったわ」
「六花ちゃんに大雅くん、昴くんを見ませんでしたか?」
「六道さん?知らないけどトイレとかじゃない?」
「あいつなら平気だろ、オレの側にいりゃ昴だって気付いて飛んでくるさ」
そう言いながらも辺りを見渡しても六道さんの姿は見えずに新幹線が先に来た
「とりあえず先に乗ってようぜ」
入り口前で少し待っていると階段を駆け上がる六道さんが見えた
「おーい昴ー!はやくしろー」
あたし達に気付いたのか走りながら手を振り始め、見事に転んでお土産等が散らばった
「しょうがないね」
新幹線から降りて拾うのを手伝い振り替えるとドアが閉まって新幹線は走り出してしまった
「ま、待てーーーー!!」
追いかけようとする六道さんの裾を掴んで止めた
「待つわけないでしょ、次のに乗れば良いだけだし」
「そ、それもそうだな」
時計を確認して次の時間を見ながら大雅に電話をして、教師にその種を伝えてもらったのだが
少し待って別の新幹線が来たとき六道さんは何を考えているのか急いで乗り込んだ
「おい御昴!早く早く!!」
「ちょっと六道さん、その新幹線……」
手を引かれて無理矢理乗せられて新幹線は走り出した
「いやー危なかったな……」
「はぁ……」
「なんだよ、方向あってるだろ?」
「あたし達の降りる駅は通りすぎるけどね………」
「はぁ!?なんでそれを先に言わねぇんだよ!!」
「六道さんが無理矢理乗せたんでしょ?」
再び大雅に電話をしてまた理由を説明してあたし達の降りるべき駅を通りすぎるのをただただ見ていた