★昴side
「多少近くまで来れたけど完全に電車が終わった……」
「向こうから来たからーってなにも考えずに乗るからでしょ、しかも一度ならまだしも3回も」
「しょうがねぇじゃん、こんなにホームがあるのは予想外だったんだし、それに御昴が途中から電車にしようって言ったじゃんか」
「確実に戻るには電車乗り継いだ方が良いって思ったのに六道さんがあたしが調べ終わる前に暴走してたんでしょ」
言い返せない……
「とりあえず駅付近のホテルにでもあたしは泊まるから」
「ならオレも」
「お金あるの?」
「無いです……」
スマホの充電も無くなるし金も無いし………
「な、ならちょっとだけ待っててくれ
ここ××市だろ、実家が車で一時間ちょいくらいだからさ」
「それで?」
「スマホ貸してくれねぇ?」
「あたしだって充電切れてるし」
「それじゃあ誰かにスマホ借りて電話すっから
親が来るまで一緒に待っててほしい」
一応公衆電話を探しつつも帰り途中であろう人に電話をさせてほしいと頼み続け、ようやっと携帯を借りることができた
「もしもし、昴だけど……」
『おめ!先生から新幹線に乗り遅れたって電話あったけど、今どこでなにしとん!?』
「それが……………………
という訳で、金もってここまで来てほしいんだ」
『わかったから、お父さん向かわせるから駅前にいなさい』
「どうもごめんなさい」
貸してくれた人にペコペコ頭を下げて御昴のところに戻ろうとすると見事に絡まれていた
「いやー、お兄さん方、こいつに何か用ですか?」
「んだよ男連れかよ」
「可愛い大事な彼女ならちゃんと側に置いとけよ」
「助言ありがとなー」
簡単に引き下がってくれて良かった…
「で?何で絡まれてたんだ?」
「そんなのあたしが可愛いからでしょ、あの人達も言ってたし」
そう言いながら缶コーヒーを投げ渡された
「っと、サンキューな」
「後でお金返してね」
「金取るのかよ!!」
「嘘に決まってるじゃん、とらないよそれくらい
それでご両親は来てくれるって?」
電話した内容を要約して話すと淡白な返事が帰って来た
それからほとんど話すことなく御昴は街灯を頼りに本を読んで時間を潰している
「なんつーかそういう姿カッコいいな」
「あたしもそれなりに格好つけてるからね」
「なんだよそれ」
静かだった空間に少しだけ笑いが生まれた
それからしばらく大雅のことや小恋のことの話をして時間を過ごした
クラクションの音がして車から降りてきたのは予想通り親父だった
「なにしてんだおめーは」
一発殴られた、まぁ覚悟していたし一発で終わったのは良かった
「それじゃあたしはここで」
「おや?そっちのお嬢ちゃんは?」
「同じクラスの御昴、こいつはホテルに泊まるみたいだから」
「なーに言ってんだ、御昴ちゃんもはやく乗りなぁ
こんなめんこい娘が1人こんなところに置いてくわけにいかんだろ」
「あー、いえあたしは大丈夫で…」
「いいからいいから」
まるで誘拐のように御昴は車に乗せられてオレもなにも言えずに車に乗り込んだ
まさかオレの実家に御昴を連れていくことになるなんて、最初に実家に連れていくのは小恋だと思っていたのに