君が帰る場所   作:pwpa

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好きな人

「よっしゃー!テストも終わったしカラオケでも行かねぇ?」

 

「なーんで大雅とカラオケ行かなきゃなんねーんだよ」

 

「は?オレが女の子誘わないわけねぇだろ?

それに昴の好きな小恋(ここ)ちゃんも誘ってあるんだけどなぁ~

まぁ?昴が行きたくねぇって言うのなら別に無理強いはしねぇけどな」

 

こいつに話したオレがバカだった

それに好きとは言ってねぇし、ちょっと気になるくらいだし

西城 小恋ちゃんとは席が隣同士というだけ、近いからこそ意識してしまう

小学生かよって笑われたけど、しょうがないじゃん、人間だもの。すばる

 

「じゃあしょーがねーか、別のやつ誘うわ」

 

大雅の肩を掴んで目を背けながら言った

 

「オレも行く」

 

「ハッハーー、最初からそう言えよ

オレは保険用に後二人くらい適当に探すからよ、昴は六花ちゃん誘えよな」

 

なんでオレがあいつなんかを誘わなきゃ行けねぇんだ!

と言えたらどれだけ楽だったのだろうか

 

「断られてもオレのせいにすんなよ」

 

「分かってる分かってるって」

 

悩みながら行動に移すまでの数分で大雅は男二人女の子を二人と新しく集め終わっていて、オレの方を見ながら口パクで『はやくしろ』と言っているのが分かった

 

「な、なぁ」

 

後ろから声をかけるとくるっと振り返り首をかしげた

 

「あたし?」

 

「そうだよ、それで今日なんだけどカラオケ行かないか?」

 

「六道さんと二人で…ですか?」

 

違うと言おうとしたところで、大雅がオレ達の間に入った

 

「オレもいるよー

それと女の子3人と男が4人、今のままじゃバランス悪いしさ、六花ちゃんもどうかなーって思ったんだよね」

 

「そういうことですか」

 

スマホを見て予定を確認しているのだろうか、その後の返事には少しだけ時間がかかった

 

「あたしで良ければ参加しますよ」

 

「おっしゃ!それじゃみんな準備できたら行こうぜ」

 

はっきり言って予想外だった

オレも実際のところクラスでよく話すのは大雅くらいしか居ないけど、こいつはほとんど1人でいる

大人数でなにかするのが好きなタイプでは無いだろうと勝手に思っていた

 

カラオケ前にゲーセンに寄ったりして他の奴等とも少しずつ打ち解けることが出来た

多分大雅がオレをもう少し色んな人と関わるようにと仕組んでくれたんだろう…そうであってほしい

 

 

カラオケでは大雅が席を割り振って、男女交互に座らせた

こういうのは本当に才能だと思う

 

「六道くんって話すと意外と楽しい人だね」

 

「オレも西城さんと隣の席以外で接点無かったから、こうして遊べて良かった」

 

冷静ぶってそんなこと言ってるけど、心臓が飛び出しそうなほど鼓動がはやくなっている

飛び出したら誰かキャッチしてくれるかな

 

3時間くらいだろうか、みんなでワイワイしていると大雅は割りばしに数字を書いて王様ゲームをしようと言い出した

 

大雅の王様ゲームなんてやりたくないに決まっているけど、雰囲気に流された

 

命令は、しっぺをする、LINE交換、ツーショットを撮る、デュエットするなど予想外な程普通だった

でもそのお陰か小恋ちゃんともLINEの交換をすることができた……ついでにあいつとも

 

「それじゃこれがラストにするか、王様はこの大雅様でぇ~~……

1番と2番がポッキーゲーム!キスまでしなくて良いからお互いギリギリまでやることな」

 

酒入ってねーのに何を言い出すんだこいつはと思いつつ自分の番号を確認すると見事なまでに1番だった

 

「昴1番かよ、もう少しポーカーフェイスしろよな」

 

なぜわかる!?

 

「2番はあたしですよ、六道さん」

 

神様のイタズラか大雅のイタズラか分からないけど全力で恨むぞ

 

「流石にポッキーゲームは止めない?」

 

「なに行ってんだよ昴、ラストくらい盛り上がろうぜ」

 

大雅の言葉で周りも盛り上がった

 

あいつも反対すれば無効になるかもしれないと思ったのに、あいつはポッキーを持ってオレの椅子の前まで来ていた

 

「逃げるんですか?」

 

「はぁ!?逃げるかよ!」

 

こうなったらとことんやってやる!嫌がって女々しい姿をさらすより1000倍マシだ、男らしいところ見せてやんよ

 

そう意気込んだところでこいつはオレの膝の上に腰を下ろした

 

「高さ調節ですよ、変な意味はありませんから」

 

「へっ!お前なんかが乗っても何とも思わねぇよ」

 

クスクスと笑いながらポッキーを咥えてどうぞと言ってきた

 

「盛り上がってきたぜー、それじゃスタート!!」

 

大雅の合図でポッキーの振動が伝わって来るのが分かる、負けずに少しずつ噛り始めた

 

どうせギリギリで折るに決まってる、強気に強気に……

 

周りから見たら上唇が触れるか触れないか分からないところでオレは首を横に振り、ポッキーを折った

 

「昴にしてみりゃ上出来だな」

 

「すっごいドキドキした、六道くんと六花さんキスまでするんじゃないかって思ったよ」

 

「ていうか少し唇当たってなかった?」

 

「あたしはギリギリ当たってないように見えたけど」

 

実際は当たっていた、オレの唇に微かだけどその感覚が残ってる

 

あいつはオレの膝から降りて残りのポッキーを食べ、ギリギリ聞こえる声で言った

 

「意気地無しですね」

 

その後少し歌ってみんな解散したのだが、オレとこいつが一緒に帰るのは不自然に思われると考え、オレは買い物をして帰ると言い、みんなと別れた

 

 

少しすると小恋ちゃんからLINEが来ていた

 

『今日は楽しかったよ

六道くんとも仲良くなれたし

これからも一緒に遊ぼうね』

 

嬉しすぎて何て返事をしようかかなり迷い

結局大雅に聞いてそれ通りに返した

 

『オレも楽しかった

またみんなで遊ぼうぜ』

 

 

その日からクラスで話す相手も増え、無事に1学期を終えることが出来た

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