★大雅side
「どうだった?」
「うん、大丈夫だったよ」
怪我等の具合は全て良好だったらしく、怪我もほとんど治りきっている
「オレより治りがはやいのな」
頬に手を当てると六花はクスクスと笑った
「見た目以上にひどくなかったからだよ」
手を繋いで病院の外に出ると小学生くらいの女の子が六花を指差して言った
「ねーママ、あのおねーちゃんあたしのクラスのお友達よりちっちゃいよー」
「人に指差しちゃいけません!
ごめんなさい……」
多分母親だろう人がペコペコ頭を下げてオレらの横を通り過ぎた
「別に子どもの戯れ言なんて気にしないから」
気にしてないって割には顔が笑ってないのはなぜだろうか
オレの胸の辺りまでしか身長無いんだよな、というと30cmちょい小さいってことか
「なに見てんの?」
「いや別に」
「じゃあはやく行こう、テスト勉強するって言い出したのは大雅達なんだから」
「お、おう」
図書館で待ち合わせをしているため、少し急ぎ足で向かった
「待っていたよ六花」
「何で大和がいるんだよ」
「
「大和は頭良いからな、オレもオッケーした」
こいつら……
「まぁオレもそろそろ出番が欲しかったところなんだ
さぁ勉強をみてやろう」
六花が大和に心揺らぐはずないだろうし多目にみてやるか
それから1時間……オレと昴は完全に燃え尽きていた
「ちょっと小恋、休憩しないか?」
「オレもだ……50分の授業で集中力が切れるオレには1時間は辛い」
「だらしないな二人とも」
「あたしも少しだけ疲れました」
小恋ちゃんは腕を上に伸ばして自分で自分の肩を叩いた
「肩凝り?」
「あ、はい、前屈みで勉強していると少しだけ肩がしんどくなるんです」
まぁそんな立派なものぶら下げてりゃ肩も凝るだろうな
「そういえば御昴」
「なに?」
「小恋は150cmくらいあってオレがそろそろ180行きそうなんだけどよ
御昴って身長どんくらいあるんだ?
小恋と比べても結構ちっさいよな」
それオレも聞きたかったやつ!流石昴だ、空気の読めなさは世界1
「前に測ったときに142cm」
案外普通に答えてくれたけど予想以上に低かった、145はあると思ってたんだけど
「やっぱりちっせーのな
ちゃんと飯食ってるのか?」
「六道さんみたいに夜中にラーメン食べるようなことはしないけど、適当に食べてるよ」
「どれだけ小さくてもまな板でもオレが六花を好きなのは変わらないさ」
「大和は黙ってろ、オレの彼女を口説くな
それに昴もコンプレックスになってそうなことを簡単に聞くなよ」
「そうなのか?小さいって女からしたら武器になるんじゃねぇの?小恋はそう思わない?」
「えと…えっと……」
小恋ちゃんだって困るよな、そんなこといきなり振られても
「小さくて良いことなんてほとんどないよ
電車のつり革に届かないし、満員電車に埋もれる、高いところも届かない、ジーンズも必ず切らなきゃダメだし、服なんて子供服以外見れないから」
「でも小さい子が高いところの物を必死で取ろうとしてる姿って可愛いよな」
「あたしもそれ思います、六花ちゃんあんまり頼ってくれないからピョンピョン跳ねながら物を取ろうとしてるとき可愛いなぁって思いますもん」
「あたしの話はもう良いでしょ、飲み物買ってくる」
「オレもついて行くよ」
席を立って先に歩く六花を急いで追いかけた
やっべぇなこれ多分少し不機嫌な顔だわ
「オレもさ、必死で頑張ってる六花結構好きだぜ」
「急に何言ってんの?」
「あー、いや、特別深い意味なんて無いんだけどさ」
「高いところの物を取るときどんなこと考えてるか分かる?」
そういえば客観的に見てるだけで本人の心情はわかんねぇな
「分からないって顔してるね」
六花は一度咳払いをして自販機の上を指差した
「あそこに何かあると想定して、あたしが心で思ってること言いながら取るふりをするから」
絶対に届かないなんてことは分かっているのに六花の言った通り物があると想像して見てみた
「ふん!とぉ!!おりゃ!!!こんにゃろー!!」
自販機の前でピョンピョン跳ねながら手をブンブン振っている
なんだか何もないはずなのに何かあるように思えてきた
「えい!!よっしゃああああああああ!!!どんなもんじゃーい!!
とまぁこんな感じ」
取れた瞬間のその豹変ぶりに思わず笑いが込み上げてきた
「ふははははははははは
なんだそりゃ、あぁ腹痛いな」
「多分あたしじゃなくてもみんな心ではそう思ってるよ
さっきも言ったけど小さくて良いことなんて小さい人からしたら何も無いし」
「ほら、小さいと可愛いじゃん?」
冷たい目で見られたけど、なんだかこのチクチク具合が安心する気がする
もしかしてオレはマゾなのか?
「ねぇ大雅」
「ん?」
「話が変わるけどさ、竹虎さんだっけ?その人最近どうなの?」
「桜龍?あいつがどうかしたのか?
またなんか言われたりとか!?」
「いや、なにも無さすぎたから」
「そっかそっか、桜龍は1人大切な人を見つけてやるって意気込んでたぞ、多分オレの真似だな」
「そうなんだ、それともう1つ聞いても良い?」
「あぁ、何でも聞いてくれ」
「筮さんってどんな人?」
全身から汗が吹き出た気分がした
六花の表情もなんだか少し冷たい気もする
「どこでそれを?」
「どこでも良いでしょ」
「筮は……ヤバい」
「ヤバい?」
「自分の言う通りにならないのが嫌いな奴だ」
「面白そうな人じゃん」
「どこがだよ!!」
「大雅がそこまで怯えるくらいの人なら是非会ってみたいものだと思うよ
まぁあたしは誰かに言われて何かするようなタイプじゃないから馬が合わないと思うけどね」
六花の反応は思った以上に淡白な返事だった
オレとしてはもっと妬いてほしかったりしたんだけど
人数分の飲み物を持って昴達の所へ戻ってまた勉強会を再開したが、六花の口から筮のことは出てこなかった
「なぁ六花、今日泊まっても良いか?」
「別に構わないよ?」
「そこは断れよ!!男と女が1つ屋根の下なんて究極破廉恥だぞ」
「何言ってんだよ大和、御昴と大雅付き合ってから結構経つんだし泊まるくらいすんだろ」
「なら昴!君は西城さんを家に泊めたことがあるのか!?」
「お、オレと小恋はプラトニックだからな、純情なんだよ!」
「何いってるんだか六道さんは、小恋ももっと攻めなきゃ」
「御昴!小恋に変なこと言うんじゃねぇ!!」
「えっと、あたしもお泊まりして良いのかな!?」
おー?珍しく小恋ちゃんから積極的じゃねぇの?
六花と何話したか気になるけど……
とりあえず昴には親指を立てておいた
「ならオレも!!泊まったっていいよな!?」
「はぁ?無理に決まってんじゃん」
「そうだそうだ!大和はとっとと帰れー」
「流石にオレも今回は御昴と大雅の味方だわ」
「あたしも、それは無いかなーって思います」
大和は涙を浮かべながら全速力でオレ達とは逆方向へ走っていった
「それで?本当に小恋は六道さんの部屋に泊まるの?」
「えっと六道さんが良ければですが……」
「オレは大丈夫!!」
「それではお父さんに電話しますね」
少し赤くなりながらも電話し始めた小恋ちゃん
正直に言えばうらやましい!!けしからん!!あのおっぱいを昴は揉んだり舐めたり挟んだり出来るんだから
断られれば良いとまで思ってしまう
決して六花が不満な訳じゃないんだけど
男はみんなおっぱいがすき。byたいが。
「苦戦してるね」
「そうっぽいな」
電話で小恋ちゃんは友達の家としか言っていない
多分彼氏の家なんて言ったら100%無理なのは承知の上なのだろう
「ねぇ小恋、家族にあたしのこと話した?」
小恋ちゃんは少し戸惑いながら頷いた
「代わって」
六花は小恋ちゃんのスマホを勝手に取って電話を変わりスピーカーにした
「勝手にお電話代わってしまい申し訳ありません
私は同じクラスの御昴六花です」
『あぁ、君が小恋のよく話す六花さんか』
「えぇ、まだあいさつにも行けずにいきなりのお電話でいささか恐縮ではございますが、本題に入らせて下さい」
『ん、あ、あぁ、なんだね?』
「今日図書館で一緒に勉強をしていたのですが
小恋さんは頭が良く教えるのも上手なので、今日だけで構わないので私に勉強をもっと教えて頂きたいのです
それでもダメでしょうか?」
『勉強なら泊まりでやる必要はないだろう』
「それでは次のテストで教えられてどれだけ点数が取れたかお教えいたします、小恋さんのお陰で良い点数が取れたと
それに小恋さんは将来教師になりたいと伺いました、誰かに教えるというのは立派な体験だと思いますが」
『小恋が教師に……
そ、それでもダメだダメだダメダメダメダメ!!
小恋が家にいないと寂しいんゴンッ……』
『ごめんなさいね、あの人小恋を溺愛してるから』
「それより大丈夫ですか?」
『えぇ、多分気絶してるだけだから
お母さんはお泊まり賛成よ、それに自分からそんなことを言い出せるなんて、小恋が成長したってことじゃない』
「ありがとうございます
近いうちに私の方からごあいさつさせていただきます」
『そんな硬くなくて良いのよ、小恋のことよろしくね』
電話は向こうから切れた
それにしてもよくもまぁあんなことを無表情でペラペラと話せるもんだ
「えっとありがとう」
「良かったね小恋」
それから結局オレは昴の、小恋ちゃんは六花の服を借りることまで決まったのだが
「あたしの服って結構ダボダボなの多いのに……」
六花が見て分かるほど落ち込んでる
「ど、どうした?」
「ほら小恋、もう一度言ってごらんなさい?」
「あの…あの……
少し苦しいなぁって……」
六花はオレと昴の前で小恋ちゃんを押し倒して胸を揉みしだいた
「これかぁ!これが邪魔なんだな?
ならあたしがねじ切ってやろう」
「ん……ちょっと六花ちゃ…ん」
ふむ、これはこれで悪くない絵だ
「やめろっつーの」
昴は六花を猫掴みのようにして小恋ちゃんから剥がした
「はふぅぅぅ………
酷いです六花ちゃん!」
「相変わらずだったよ、さぁ!六道さん」
「さぁ!じゃねぇよ、アホかっつーの」
「いやいや、六道さんほどアホじゃないよ
さて、適当にご飯作るけど六道さんと小恋はどうする?」
「御昴の料理か、悪くないな」
チョロすぎだぞ昴
「あ、あたしだって料理できますから!」
「ならあたしらは部屋に戻るよ、それじゃ後は楽しんでね」
「オレからの餞別だ、受けとれ」
とりあえず昴には六花から貰ったパイン味のゴムを1つだけ渡して六花を追うように部屋から逃げた
「それじゃあたしらは蕎麦とか簡単なので良いよね」
「ん?オレは六花の出してくれるもんなら何だって構わないぜ」
「そういうのは嬉しいけどさ、一番難しいんだよ
これ作って喜ばせたい、あれ作って喜ばせたいって感情が無くなっちゃうからね」
「そんなつもりで言ったわけじゃねぇよ」
「知ってる」
こういう時の顔がやっぱり可愛いんだよな
いつもみたいな笑い方じゃなくてなんつーか、こう……
考え付かねぇし思い付かねぇ!!
台所に立つ六花を後ろから抱き締めた
「ねぇ大雅?」
「ん?」
「流石に危ないんだけど」
そう言いながらも包丁を動かす手は全くといって良いほど止まらない
「大雅ってば」
振り向こうとした六花にそのままキスをした
六花はオレだけのものだ……
少し長めのキスをしている最中、六花に腕をつねられた
「いっだだだだだだだだ」
「だから危ないって言ってるでしょ?」
「だってさぁ……」
「だってじゃないの、せめて時と場合は考えて」
最も過ぎる意見だ、反論の余地がない
「そんなところでがっかりしてないで
することないならお風呂先にどうぞ?」
「うん……」