★大雅side
「最近六花ちゃん家に来ないわねぇ
何かあったの?」
「あぁ、言ってなかったか?オレら別れたんだよ」
「まぁ!!ちょっとお父さん!また何か変なこと六花ちゃんに言ったんじゃないの!?」
「わ、私は何も言ってない!!」
「親父のせいじゃねぇよ
ごっそさん、オレまた勉強すっから」
「大雅」
「んだよ」
「話がある、後でお前の部屋に行くぞ」
「わかったよ」
食事を済ませて部屋に戻り学祭の時に撮ってもらった初めてのツーショット写真を手に取った
オレは諦めねぇからな……
××大なんてオレの今の学力じゃ到底入れねぇけど
昴や小恋ちゃん、それに六花の親父さんの前で死ぬ気で努力するって言ったんだ、やれるだけはやってやるさ
しばらくするとドアをノックする音に気付いた
「親父か?入れよ」
「あぁ」
「で?何のようだ」
「本当にあの娘と別れたのか?」
「だからそうだって言ってんだろ、それにそうしてほしいって親父も言ってただろ」
「それはそうなんだが……」
「んだよ煮え切らねぇな」
「いや、お前は自分の価値がしっかり理解して見えてきているんだなと思ったんだ
別れて勉学に勤しみ、筮と結婚して私の会社を継ぐのが1番の幸せに繋がる
もう高校2年も終わりになる今の調子で……」
ダン!!!
親父の言葉を遮るように机を叩いた
「オレがオレの価値を理解してる?
オレが思ってる自分の価値なんてその辺の蟻以下だよ!!
それに幸せに繋がるだと!?
いいか、よく聞けよ親父……
オレの幸せはオレ自身の手で絶対に掴み取る!
オレ以外の奴、ましてや親父なんかにオレにとっての幸せなんて決めさせねぇよ!!」
「私は大雅のことを思って…」
「余計なお世話だ!!そんだけならとっとと出ていけよ」
思いの外言い返すことなく親父はオレの部屋から出ていった
しばらく机に向かっていてそろそろ日を跨ごうとする時間に突然スマホが鳴り出した
「うっわ!!メチャクチャビビったな……
公衆電話?この辺にまだそんなもの存在してたか?」
最初は出ないでやろうと思ったけど集中力も途切れたし、悪戯ならこっちがからかってやろうと思いながら通話ボタンを押した
「誰だよ」
「久しぶり」
心臓が飛び上がったのが自分でも分かった
「…六花?」
「うん」
「えっと……なんだ…?半年ぶりくらいか?
元気してっか?」
何言ってんだよオレは~~!!
「体のほうは変わらずって感じかな
大雅のほうは変わりない?」
「あったりまえだろ?オレも昴も小恋ちゃんもみんな元気だぜ?」
「そっか」
「でもよ……」
「ん?」
「やっぱり寂しいとは思ってる」
「うん」
「もう戻ってこないのか?」
「うん」
「……っはーーーー
まぁそうだよな、でもオレが追いかけてやるからな覚悟してろよ」
「なにそれ」
「こっちの話、それにしてもよくオレの番号分かったな」
「だって1番に好きな人の番号だよ?
それなら電話帳がなくても11桁くらい覚えられるから」
嬉しさのあまり失神するところだった
「10円玉そろそろ無くなるから電話切るよ」
「まだ話したいことが沢山あ…」
ツー…ツー…ツー……
切られてしまった
でも男って単純な生き物なんだな
声が聞けた、まだ好きでいてもらえただけでこんなにも頑張れる気がしてくるんだから
高校2年生は1番遊べるって思ってたのに後半は勉強浸けで過ぎていった