君が帰る場所   作:pwpa

7 / 55
夏の思い出は甘くて苦いもの ②

はっきり言ってあいつを誘うなんて出来なかった

あんなことがあって顔すら見れないでいて、ノックを1日無視した

 

「なんでノック無視するの?」

 

「見せる顔がねぇよ……って

なんで部屋の中にいるんだよ!!」

 

「鍵開いてたから玄関から入ってきたけど、無用心すぎ」

 

「普通は空いてても入らねぇもんなんだよ」

 

「へぇ、普通の人はベランダから覗きはしないと思いますよ

それともそれが六道さんの言う『普通』なのかな?」

 

痛いところを……

 

「つーか何なんだよ!お前だって無用心に窓開けて1人でしてただけじゃねぇか」

 

「こんなところで訳も分からない逆ギレとか、お子ちゃまですか?

六道さんはルール違反をしました」

 

「ルール違反?」

 

「はい、あたしからの命令の無視

つまり写真をバラ撒かれても、管理人さんに不法侵入のことを言ってもなんの文句も言えませんよね」

 

「い、今お前がしてることも不法侵入だぞ?」

 

「他の人はあたしと六道さんの言葉のどちらを信じると思いますか?」

 

二人でいるときよく見せる不適な笑みを浮かべた

 

「あたしが出ていくとなればバイトもしなきゃいけなくなりますし、西城さんとの時間もとれなくなりますね

それ以前にあの写真を見て西城さんは六道さんをどう思うか、それはそれで面白そうですけど」

 

無意識のうちに握っていた拳がブルブルと震えているのが分かった

 

「女の子をここまで全力で殴りたいって思ったのはお前が初めてだよ」

 

「あたしも男の人にそんなに怖い顔をされるのは生まれて初めてですよ」

 

にっこり微笑むこいつの裏にどんな素顔が隠されているのか、ある意味恐怖すら感じた

 

「ところで話しは変わりますが、西城さんは誘えたのかな?」

 

本当に話が全く違う方向に進んだことに脳ミソがついて行けてなかった

 

「はぇ?」

 

「だから、西城さんをテーマパークに誘えましたか?」

 

「さ、誘えてねぇよ」

 

物凄くがっかりしているのが分かるほどのため息をつかれた

 

「九頭竜さんに誘いかた習ったらどうです?」

 

それが出来りゃ苦労はしないけど、これはチャンスだ!棚ぼただ!!

 

「お前の渡したチケットはペアだからよ、大雅も誘うからお前も行かないか?」

 

「あたしがワイワイ楽しむような性格に見える?」

 

確かにそういう性格じゃないな

 

「オレが小恋に告白する!それを見せてやるからお前も来いよ」

 

「止めておきなよ、絶対に失敗するから」

 

冷たく感じたその言葉に強気に言い返した

 

「お前にオレ達の何が分かるって言うんだよ!」

 

「誘えもしないあたり無理でしょ?」

 

「分かったよ!今ここで電話して誘ってやんよ!」

 

言わなきゃ良かったと思ったけど、こいつの思い通りに動くのは嫌だという気持ちが上回った

 

「小恋?」

 

『電話なんて珍しいですね、どうかしましたか昴くん』

 

「あのさ……テーマパークのチケット貰ったから一緒に行かないか?」

 

『えっと…二人でですか?』

 

「2枚ペアチケットあるから大雅と他に誰か誘おうと思ってるよ」

 

『そうですか、あたしはもう予定も済みましたしいつでも大丈夫ですが、あたしなんかが一緒に行ってよろしいのでしょうか』

 

「良いって良いって、みんなで楽しみたいじゃん」

 

『ありがとうございます

それでは予定が決まり次第また連絡下さいね、楽しみにしています』

 

それで電話を切ってあいつにどや顔をして見せた

 

「はいはい、おめでとうございます」

 

「大雅にも話すからお前も来いよ

大雅はお前に来てほしいみたいだしよ」

 

「分かりました、今回は六道さんの頑張りを認めてあたしから折れます

ただしルール違反と埋め合わせの件は忘れませんから」

 

心の中でバンザイを30回くらいしたと思う

それくらい嬉しく急いで大雅にも二人ともオレが誘ったことを連絡した

 

その後大雅はグループLINEを作り予定を合わせた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。