彼女に振られた結果、陰キャなカワイイ女の子になつかれました。@リメイク   作:墨川 六月

17 / 22
 短い短編集を3つほど執筆してみました。本編の箸休めになればと

 ※本編とは関係ありません


番外編 イタズラしたい日向ちゃん

 【イタズラしたい日向ちゃん】

 

 

 ある日の昼休みでした。

 

 私達は屋上の用具入れの後ろで、いつもの様にお弁当を開いているのですが……

 

「すー、すー……。おい、拓ぅ……お前なんで漬物石の代わりに爪切り置いたんだよォ……」

 

 エータローくんが、私の隣で寝ています、なんでしょう今の寝言……漬物石の代わりに、爪切り……?市山くんは夢の中でも平常運転ですね。

 今は菜月さんと市山くんはいません。委員会の仕事が入ってしまって、今日はエータローくんと二人で食べていました。食べ終わって二人で並びながら談笑をしていたら、エータローくんの頭が私の肩に落ちてきました。

 ど、どうしましょう。う、動けません。

 起こしていいものなのでしょうか。ですが、疲れてるのかもしれません。でもこのまま私の肩に頭を置いたままだと、首を痛めてしまいます。

 ……うぅ……は、恥ずかしいですが、今は市山くんも菜月さんもいませんし……。

 

 私は正座をして、自分の太ももの上に、ゆっくりとエータローくんの頭を置きます。膝枕……と言うやつです。男の子にするのは初めてです。エータローくんの髪の毛が当たってこそばゆいですが……

 

 ……エータローくんの寝顔……。ふふ……

 

 つんつん……♪

 

 わぁ、ほっぺた柔らかいです。なんだか羨ましいです。

 

 つんつん……ぷにぷに……♪

 

 えへへ……♪

 

 私は起こさないように、エータローくんの名前を呼びます。

 

「エータローくん……ふへへ♪」

 

 エータローくん、全然起きません。

 それなら……。私は、エータローくんの頭に手を置きます。いつもぐしゃぐしゃ撫でられるので、お返しです。

 

 ……ナデナデナデ……。ナデナデナデ……!

 

「んん……」

「あっ……」

「すー……すー……」

 

 び、ビックリしました……!お、起きたのかと……。

 

「すー……日向ぁ……むにゃむにゃ」

 

 わ、私の夢をみてるのでしょうか。寝言に返事をしてはいけないとは、よく聞きますが、私は……

 

「え、エータローくん」

 

 名前を呼び返します。

 

「……日向ぁ」

「ふひひ♪エータローくん、エータローくん♪」

 

 ふふ、可愛いです。エータローくん可愛いです。

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 あっ、予鈴です。こ、これは起こさなくては。

 

「エータローくん!起きてください!予鈴ですよっ!」

「んー……すー、すー」

「え、エータローくん!」

 

 ………

 

 私は自分の身を屈ませ、エータローくんの耳元に自分の口を近づけます。

 

 そして、吐息を吐くように、エータローくんの耳元で、私は囁きました。

 

「……は、早く起きないと……い、イタズラしちゃいますよ〜♪」

 

「イタズラでお願いします」

 

 ガバッとエータローくんは起きました。

 

「は、早いですね。起きるの」

「あ、あぁ……いや、ほら……あの……」

 

 それにしても、人ってこんなに寝起きいいものでしたっけ……。

 あれ?エータローくんの顔が赤い……め、目も合わせてくれません。

 え?え?……う、嘘ですよね……?!も、もしかして……!

 

「あ、あの!エータローくん」

「ひゃ、ひゃい!」

「い、いつから起きてたんですか……」

「あ……あの、日向が俺の事をエータローくんって呼び始めた辺りから……」

 

 あ……あぁ……あぁ……!!

 

「え、エータローくんのバカ!!寝たフリなんてして……ず、ずるいですよ!」

「い、いや、とても起きれる状況じゃあなかったってか……」

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!

 

 私は、弁明を重ねるエータローくんの腕を握ります。

 

「な、なに!?」

「い、イタズラします!……というより、バツです」

「バツ?」

「そうです。寝たフリをしてたバツです……。あの、だから、その……えーっと……」

 

 自分の顔が紅潮するのを感じました。エータローくんの顔も、自然と赤くなっています。

 私がエータローくんを掴んでいた腕を離して、意識的にエータローくんの手の方へ、自分の手を持っていきます。

 

 私達の指同士が、触れ合いました。

 

 私が手を握ろうとすると、エータローくんは焦らすように、指だけを絡ませてきます。

 

 そして私が『むー』と不機嫌な顔をすれば、エータローくんは笑いながら、キュッと手を握ってくれました。

 

 えへへ……暖かいです……。

 

 片方だけじゃなくて、両手を握ります。

 

「……き、今日は……手を繋いで……二人で一緒に帰りましょう。それがバツです……」

 

 エータローくんは、私の手を握る力を強めて、言いました。

 

「……バツになってないんだけどな……。教室戻るから手ぇ離していい?」

「嫌です」

 

 

 

 

 【男同志のジャンケンってなんか盛り上がるよなぁ!?】

 

 

「「「「「男気ジャンケン、ジャンケンほい!!!」」」」」

「いよっしゃぁぁぁァ!!!いちぬけぇぇぇぇ!!!」

「はい!四ノ宮喜んだからおまえのまけぇぇぇぇ!!」

「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 あ、あれは何をしているんでしょうか……。エータローくん、市山くん、四ノ宮くん、十文字くん、井出くんが集まって、凄い盛り上がってます。じゃ、ジャンケン?

 

「なんで男子ってあんなんで盛り上がれるんだろうねー。春咲さん」

 

 隣にいた大槻さんが言いました。

 

「馬鹿だからでしょ」

 

 菜月さんの辛辣な一言。

 

「いや、猿だな」

 

 真宮さん、それはさすがに酷いのでは……。

 

「でも羨ましいよねー。あんなんで盛り上がれるなんてさ。私達もおままごとでもすれば、盛り上がれるのかな?」

 

 綾小路さんが言いました。おままごと……ですか。

 

「いいかも、ですね」

「うん!じゃあ男子も誘ってくるね〜!」

 

 え?

 

「栄太郎く〜ん!」

「おん?どうした〜?」

「私、お母さんになりたいから、お父さんになって〜!」

 

「ぶほぉ!!」

 

「エータローが吐血したァァァ!!!」

 

 

 

 

 【あの日の想いで】

 

 

「櫻葉マジ調子乗ってんなよ」

「綾小路さん!アイツと早く別れなよ〜!!」

「櫻葉アイツ俺らが話しかけるとクソキョドるのウケるんだけど!裏で悪口言ってんのバレてたわ〜!!」

 

 

 

 ……あぁ。聞きたくない。栄太郎くんの悪口は聞きたくない。

 

 やめろ。やめろ。やめろ……!!

 

「由奈?」

「栄太郎くん……。ごめん……ごめんね?……私と付き合ってるせいで、こんな……!ごめん、ごめん……!!」

「なにいってんだよ」

 

 栄太郎くんは、ヘラヘラ笑いながら私の頭に手を置いた。

 

「誰に悪口言われ用が関係ない。俺は、好きで君とつきあってるんだ。謝らないでくれよ……」

「栄太郎くん……」

 

「お〜い!!エータロー!一緒に帰ろうぜ〜!」

「櫻葉ぁ!《オレンジ》行くぞ〜!!」

「分かった!今行く!」

 

 あっ……今日は……一緒に帰りたかったんだけどな……。

 

「なにしてんだよ由奈」

「ほえ?」

 

 栄太郎くんは、私に向かって手を指し伸ばした。

 そして、ニヤリと笑った。

 

「行こうぜ!」

 

 ────「うん……!!」

 

 

 

 




次回は本編の更新です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。