「ここだね」
街角情報誌の地図を頼りに、目的のイタリアンレストランに辿り着いた。駅前の大通りから少し路地を入った場所にある、こじんまりとした店だった。
「……あれ?」
でも、お昼時だというのに、全然お客さんの姿がなかった。
「まさか」
嫌な予感がして、俺は駆け足で入り口のほうへ近づいてみる。
見るからに重厚そうな木の扉は固く閉ざされていて、イタリア語で閉店や準備中を意味する『CHIUSO』の札がかかっていた。どうやら、まさかの休みのようだった。
「え、そんな」
しろはもショックを受けていた。定休日とかじゃないはずだけど。
そう思いながら、もう一度情報誌に目を通す。すると、この店の定休日の欄には『不定休』と書かれていた。
「よ、よりによってこんな時に……」
「うん、残念だったね……」
せっかくのしろはとのランチの予定だったのに。
「それより、お昼ごはんどうしようか」
「そ、そうだよな」
この店が駄目なら、他の店を探すしかない。切り替えろ、俺。
俺たちは大通りの方に戻り、何か良いお店がないかと周囲を見渡してみる。
……その時、回転寿司の看板が目に入った。
最悪、あれでもいいかもな……。
一瞬、そんな考えが頭をよぎる。でもよく考えたら、しろはの家は漁師だった。さすがに鮮度が違う。無謀だった。
「あのね羽依里。もう一軒、行ってみたいお店があるんだけど」
「いいぞ。どこだ?」
俺が思い悩んでいると、しろはがそう提案してくれた。これは願ってもなかった。
「ジャイフルなんだけど」
「え、ジャイフル?」
「うん、ジャイフル」
そういえば、島民の憧れの店だと言っていたっけ。しろはもその例に漏れない感じなんだろうか。
「それじゃ、ジャイフルに行こう」
「場所は……わかるよね?」
「ああ、わかるぞ」
……三度目だからな。
「それじゃ、案内お願いね」
「まかせてくれ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
通り慣れた道を歩き、ジャイフルに到着した。
お昼時を少し過ぎているということもあって、お客さんはそこまで多くない。
「ジャイフルへようこそ。こちらのお席にどうぞ」
店員さんに案内されて、一番奥のボックス席にしろはと向かい合って座る。
「あれっ、この席ってもしかして」
「羽依里、どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ」
まさか、三回が三回とも一番奥のボックス席に案内されるなんて。偶然とは思えないんだけど。
「ご注文がお決まりになりましたら、奥のボタンでお呼びください」
店員さんは俺たちにおしぼりとお冷を提供してくれた後、お決まりの言葉を残して去っていった。
「えーっと、何にしようかな……」
二人でメニューを開いて料理を選ぶ。
「このお店、鉄板焼きハンバーグが美味しいよね」
しろははハンバーグのページを見ていた。確かにハンバーグはこの店の一押しメニューだし。同じ飲食店を経営する身として、気になったんだろうか。
俺も同じページを見てみる。ページ一面に様々な種類のハンバーグが載っていて、迷ってしまう。
「このチーズインハンバーグとか、変わってるよな」
ハンバーグの上じゃなく、中にチーズが入っているものなんて、聞いたことがなかった。
「島だと、チーズも貴重だもんな」
以前、大雪印のスライムチーズが港の商店に売っていたけど、割高だった気がする。
「昔は島でもチーズを作ってるおじさんがいたけど、身体を悪くしてからは作ってないの」
「すごいな。酪農をしてる人がいたのか?」
「ううん、ヤギのチーズだったよ」
「え、ヤギ!?」
どんな味がするんだろう。機会があれば、食べてみたかった。
「よし、俺はこれに決めた」
結局、俺はチーズインハンバーグセットを選んだ。一方で、しろははまだ悩んでいた。
「ねえ、このハンチャーハンセットって何かな? これだけ、写真がないんだけど」
しろはがメニューを俺の方に見せてくる。このメニューって確か。
「ジャイフル自慢のハンバーグとチャーハンが一緒に食べられる、お得なセットらしいぞ」
「あ、ハンってハンバーグのハンなんだ。羽依里、詳しいね」
「ま、まあな。鉄板の高火力で調理したチャーハンは、当店おススメの一品らしいぞ」
紬たちと来た時、俺も気になって店員さんに聞いたから、覚えていた。聞いただけで頼まなかったら、現物は見てないけど。
「じゃあ、それにしてみる」
「え、それにするの?」
「うん。鉄板チャーハンっていうのが、どういうものか気になるし」
しろはもチャーハン研究に余念がないし、何か惹かれるものがあったんだろう。俺がとやかく言うものじゃない気がした。
「ここのハンバーグも、久しぶりに食べてみたかったし」
「じゃあ、それで注文するよ」
「うん。お願いね」
ぴんぽーん。とボタンを押して、店員さんを呼ぶ。やってきた店員さんに注文を伝えると、もう一度注文を確認した後、一礼して去っていった。
「それにしても、しろはがジャイフルが良いなんて意外だな」
「うん。小さい頃。よくおとーさんやおかーさんと来てたから」
「そうなんだな」
そういえば、鳥白島の島民にとってこの店は憧れで、特別な時に行く店なんだっけ。
「やっぱりしろはにとっても、特別な店ってことなのか」
「うん。誕生日とか、入学式とか、特別な日のお祝いは、ほとんどこのお店だったの」
しろはは当時のことを懐かしむように、そう話してくれた。
「小さい頃は、おとーさんの買い出しについて行ってね。帰りはいつもこのお店で……あ」
その時、しろはの瞳から一筋の涙がこぼれる。
「……しろは」
「ご、ごめん。そんなつもりじゃなかったんだけど」
意図せずとも、両親と一緒に居た時の思い出が蘇ってしまったんだろう。しろはは慌ててハンカチを取り出して、その涙をぬぐう。
「いや、妙な話題を振った俺が悪いんだ」
俺は思わずしろはの隣へ行って、その肩を抱く。
「頼りないかもしれないけど、今は俺がいるから」
「うん。今は羽依里がいるし、大丈夫。大丈夫だから」
しろはは涙を拭いて、すぐに笑顔になる。
「……いつか子供が生まれたら、このお店に連れてきてあげたいね」
「そうだな……って、え!?」
「あ、えっと……は、羽依里とそういう関係になるって決めたっわけじゃないから! まだ!」
「まだ? まだってことは、ゆくゆくは可能性があると思っていいの!?」
「……どすこいっ!」
顔を真っ赤にしたしろはに、思いっきり突き飛ばされた。あまりに恥ずかしすぎたみたいだ。
一瞬不安になったけど、どうやらしろはは大丈夫みたいだ。
「ごめん。どすこいは言い過ぎた」
「いいよ。気にしてないから」
その後は元の席に戻って、落ち着いたしろはと他愛のない話をする。
「そういえば、しろはたちの通ってる学校、ここから近いんだっけ」
「うん。駅の反対側から坂道を少し上ったら、学校なの」
「今度案内してくれないか。まだ行ったことないし」
「夏休みでもそれなりに人がいるし。その前に羽依里、部外者だよね?」
「良一か天善から制服借りて行けば問題ないだろ」
「大ありだから」
話をしている限り、すっかりいつものしろはだった。
「それより今度、私が羽依里の家に行ってみたいな」
「え、俺の家?」
「うん。まだ行ったことないし」
「俺の家は狭いから、寝るときは同じ部屋になるぞ」
「えっ、そ、それはまだちょっと、困るよ……」
同じ部屋で寝ているのを想像したんだろうか。しろはは顔を赤らめながら困惑していた。
「って、なんで泊まることになってるの」
「あれ、泊まっていってくれないの?」
「泊まらないし!」
なんだろう。しろはをからかうの面白い。
でも正直、いつかしろはを実家に呼んであげたいな。
……あれ、でもそれって間接的に両親に紹介することになるんじゃ……?
「しろは、やっぱりその件はよーく話し合ってから決めよう」
「え? そ、そう……」
「おまたせしましたー」
その時、注文した料理が運ばれてきた。
俺のチーズインハンバーグセットも迫力満点だったけど、それ以上に気になったのが、しろはのハンチャーハンセットだった。
鉄板の上でハンバーグとチャーハンがジュージュー言ってる。油も跳ねまくってるし、なかなかの迫力だった。
「それでは、ごゆっくりどうぞー」
「それじゃしろは、食べよう」
「うん。いただきます」
店員さんが去った後、さっそく各々のハンバーグに取り掛かる。
俺のハンバーグはパッと見、普通のハンバーグと変わらなかった。ところが切ってみると、中に入っているチーズが肉汁と一緒に鉄板の上にあふれ出してきた。これは見た目も美味しそうだ。
一口サイズに切って、そのチーズと肉汁、ソースを絡めていただく。
「羽依里、どう?」
「美味しいけど、昨日食べたしろはのハンバーグには及ばないな」
「え、そうなの?」
「なんていうか、硬い」
牛肉100%と書いてあったけど、なんだろう。つなぎの違いだろうか。
「チーズが入ってるのも、一口試してみたいんだけど」
「ほい。どうぞ」
俺はハンバーグを適当な大きさにカットして、フォークに刺し、しろはの方に差し出す。
「うん。ありがとう」
しろはは少し身を乗り出して、ぱくっと俺のフォークからハンバーグを食べる。
「あ、チーズが入ると風味が変わって美味しいね」
「し、しろは」
「……はっ」
直後、しろはは自分の口元を抑えて固まる。
至って自然にしろはに『あーん』してしまった。
「な、なにするの」
にゃにやってるんだろう俺。
というか、しろはも普通に食べちゃってるし。この席、自然と『あーん』をしてしまう呪いでもかけてあるんだろうか。
「そ、それよりしろは、チャーハンの味はどうなんだ?」
妙に恥ずかしくなってしまったので、慌てて話をすり替える。
「え? チャーハンは……えっとね……」
一転、しろはは何とも言えない顔をしていた。最初に一口食べてからは、ハンバーグの方に専念しているみたいだけど。
「こういう提供の仕方をすると、ハンバーグの脂がチャーハンにも回っちゃう。それを考えてチャーハンの油を少なめにするか、別のお皿にしないと」
自身も食堂を経営しているだけある。料理人としての目線も入った的確な感想だった。
「ハンバーグのソースも工夫しないと、チャーハンの味を邪魔してるし。これじゃチャーハンが可哀想だよ」
しろはの中では、ハンバーグより、チャーハンが主役のようだった。
というか、ものすごく饒舌だった。さすがチャーハンのことになると、熱い気持ちが抑えられないんだろうか。まるでチャーハンの申し子だ。
「ハンバーグは美味しいのに、残念」
しろはは悲しそうな目でチャーハンを一瞥した後、残りのハンバーグに取り掛かった。
まぁ、ファミレスのチャーハンにそこまでのものを求めちゃいけないのかもしれないけど。
「ふう。ごちそうさま」
俺が自分の料理を食べ終えた頃、しろははハンバーグを綺麗に食べあげて、残ったチャーハンに取り掛かっていた。
「……」
あからさまに表情が曇っている。
鉄板もだいぶ冷めてしまったようで、ますます油が回っているように見える。
正直、美味しくないんだろう。
「ねぇ羽依里、お願いがあるんだけど」
そして、しろはが申し訳なさそうに言ってきた。
「その、食べてくれない?」
「え?」
「だから、羽依里、チャーハンあげる」
「ええええ」
まさか、あのしろはが食事を残すなんて。
それくらい、このチャーハンが許せなかったんだろうか。
「わかった。食べるよ」
お腹は結構限界だったけど、他ならぬしろはの頼みだし。
「でも、どうせなら食べさせてほしい」
「え、何言ってるの」
「さっき食べさせてあげたろ? そのお返しってことで」
「あ、あれはその、なりゆき。なりゆきです」
どうやらしろはは、緊張すると敬語になるらしい。
「しろはが食べさせてくれなきゃ、食べないぞ」
「ううう……い、一回だけだからね」
しろははそう言うと、スプーンでチャーハンをすくって、俺の方に向けてくる。
「あ、あーん……」
半分涙目だし、スプーンの先も震えてるし、顔真っ赤だし、これは、色々とやばい。
「あーん……」
このしろはの表情をずっと見ていたいけど、そういうわけにもいかない。少しでも早く楽にしてやろうと、俺はスプーンに食らいつく。
「……あー。これは確かに」
一口食べてみてわかったけど、しろはの言う通りだった。
鉄板チャーハンっていうコンセプトなんだろうけど、その鉄板のせいで、しつこいくらい油が回ってしまっている。これは30点ってところだった。
「しろはの言う通り、あまり美味しくないな」
「でしょう。具材も冷凍だし。今時ミックスベジタブルを使ってるなんて言語道断だよね。火力も足りてない感じだし。極論を言うと、これはチャーハンじゃなくて焼き飯だよね」
二人して厳しい評価を下すことになった。俺も最近は、すっかりしろはや夏海ちゃんのチャーハンに慣れてしまってるからなぁ。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
しろはと約束した手前、俺は残りのチャーハンをかき込むように食べ終えて、ジャイフルを後にした。
時間を気にしながら、港へ向けて歩く。今からなら、余裕をもって船に間に合うはずだ。
「ごめんね。大丈夫?」
しろはと並んで歩きながらも、俺は胃を押さえていた。
「そのうち良くなるとは思うけど、油がしつこくて」
「うん。わかる。わかるよ」
しろははうんうんと頷いて、同情してくれた。やっぱり、持つべきものは気持ちを分かち合える彼女だ。
「それよりしろは、さすがに食べた量が少なかったんじゃないのか?」
実際に食べたの、ハンバーグだけだし。いくら女の子とは言っても、少ないと思う。
「うん……でも、あのチャーハ……焼き飯だけは許せなかったの」
言い直した。
きっと、しろははこれからジャイフルでは絶対にチャーハンは頼まないだろう。
「でも、しろはももう少し何か食べた方がいいんじゃ……」
何か軽く食べられるものでも売ってないかと見渡すと、おあつらえ向きにクレープの屋台が出ていた。
「しろは、あんなところに、クレープ屋があるぞ」
「え、クレープ?」
「うん。まだ入るよな?」
「入る、けど……」
「チャーハ……焼き飯の口直しにさ、食べないか?」
「それじゃあ、食べようかな」
「よしきた」
というわけで、二人で一緒にクレープ屋の屋台へ近づいていく。
「いらっしゃいませー」
藍色の髪をツインテールにした女の子が対応してくれた。アルバイトだろうか。
「しろは、奢るから好きなの頼んでいいぞ」
「え、悪いよ。お昼だって出してもらったのに」
「いいからいいから」
こういう時は男が出すもんだし、気にしないでほしい。
「こっちにサンプルがありますので、お好きな物をお選びくださーい! トッピングも選べますよー!」
透明ガラスの中にサンプルが並べられていた。チョコバナナクレープのような定番のものから、期間限定品、おかずのようなものまで、レパートリー豊富だった。
「げ、なんだこれ」
サンプルが並んだガラスケースの一番端に、他のクレープの数倍はあろうかという大きさのクレープが鎮座していた。
「これは当店おススメの、プリンセスクレープですっ! 美味しいですよっ!」
「え、2000円とか高すぎるよ」
本当だ。奢るとは言ったけど、さすがに高すぎる。
「こっちのこれ、これでいいです」
直後にしろはが選んだのは、果物がたくさん乗ったクレープだった。
「トロピカルスペシャルですねっ。少々お待ちくださーい!」
注文を受け、店員さんが手際よくクレープを作り始める。
しろははその様子を物珍しそうに眺めていた。
「あれ?」
その時、屋台の壁に貼られた一枚の広告が目に留まった。
『竜太サンド 200円』
「え、竜太サンド!?」
思わず声が出てしまった。
「あ、竜太サンドに興味がありますか? うちの兄が最近販売を始めたもので。良かったらいかがですか?」
「いや、せっかくだけどやめておくよ」
島の出店で買った竜太サンドの悪夢は忘れていない。さすがに今回は手を出さずにおこう。
「はい、トロピカルスペシャル、お待たせしましたー。500円になりまーす!」
そんな話をしていると、クレープが完成したらしい。俺が代金を支払って、しろはがクレープを受け取る。
しろはが受け取ったのを見ると、ブルーハワイみたいなソースがかかっていて、全体的に青い。そこに多種多様な果物が乗ってるから、めちゃくちゃカラフルなクレープだった。
「ありがとうございましたー!」
店員さんの元気いっぱいの声に見送られて、俺たちは再び港へ向けて歩き始める。
「ねぇ羽依里、どこかに座って食べたいんだけど」
「そのまま歩きながら食べたらいいんじゃないのか?」
「えっ、歩きながら? 行儀悪いよ」
「でもしろは、どこかで座って食べてたら船の時間が厳しいかも」
俺は腕時計をしろはに見せる。
「あ、本当だ。船に乗り遅れるわけにはいかないし。それなら、しょうがないよね」
しろはも納得した様子で、歩きながらクレープを食べ始めた。慣れていないようで、どうも足取りがぎこちない。
「どっかにぶつかりそうになったら、教えてやるからな」
「うん」
やっぱりお腹は空いていたんだろう。黙々と食べていた。
それにしても、美味しそうにクレープを食べるしろはを見ていると、俺も一口欲しくなってきた。
というか、しろはの代わりに油ギトギトの焼き飯を完食したのもあって、無性に口直しがしたい。
かと言って、一口くれ、なんて言ったらまた動揺されそうだし。
……よし。ここはあの手で行こう。
「しろは、あれを見ろ。バニ山バニ男だぞ」
「え?」
俺が指差した先には、風船を配るウサギの着ぐるみがいた。
……よし、今だ。
しろはがそっちを向いている隙に、クレープを一口かじる。
クリームと一緒に、ブルーハワイの味が広がって美味しかった。
「あれ、なんか減ってる?」
「え、気のせいだろ」
「そ、そう……?」
「お腹空いてるから、勢いよく食べちゃってるんじゃないか」
「確かにお腹は空いてる、けど……」
しろはは自分のクレープを見ながら、首をかしげていた。
「ところでしろは、あれを見ろ。アウトローのヨッシーノだぞ」
「え?」
先程と同じように、しろはがそっちを向いているうちに、もう一口。
今度はクリームと一緒に、パイナップルやマンゴーといったフルーツも口に入ってきた。実にトロピカルだった。
「ただの不良じゃない。目が合っちゃったらどうするの」
しろはが視線をクレープに戻す。
「あれ、やっぱり減ってる」
「きのふぇいだろ」
時間がなくて、口の中に入ってたパイナップルを飲み込めなかった。
「羽依里、食べたでしょ」
「た、食べてない」
急いで飲み込んで、素知らぬ顔をする。
「嘘。クリームついてるよ」
「え、嘘だろ?」
俺は慌てて自分の口の周りをぬぐう。
「嘘だよ。ついてない」
しろはは悪戯っぽい顔で笑う。してやられた。
「しろは、たばかったな……」
「やっぱり食べてたんだ。食べたいならそう言えばいいのに。もう……」
口をとがらせて、なんかぶつぶつ言っていた。かわいらしいので、そのまま見ていることにした。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「ごちそうさまでした」
港に到着する頃には、しろはもクレープを食べ終わっていた。
「羽依里、あれ何かな?」
そのクレープの包み紙をゴミ箱に入れながら、しろはが聞いてきた。
「なんだろう、あの人だかり」
しろはに言われた方を見てみると、なんかイベントをやっていた。朝通った時は、ちょうど道の反対側だったから、気付かなかったみたいだ。
そして、ものすごく嗅ぎ慣れた香りが周囲に漂っていた。
「この匂いは、もしかして」
入口と思われる場所には大きな看板が立っていて『全国チャーハン博覧会』と書かれていた。
え、ちょっと。そのイベント、本当にあるの? ラーメンやカレーとかなら聞いたことあるけど、チャーハンって。
「もしかして、羽依里が言ってたのって、このイベント?」
「いや、俺のは何というか、口から出まかせだったんだけど……」
でも現に、目の前で全国チャーハン博覧会は開催されていた。このイベントがあったから、駅構内にも人が多かったのか。
「しろは、ちょっと覗いてみる?」
「で、でも、もう帰らないと。食堂の準備しないと……」
口ではそう言ってるけど、視線は全国チャーハン博覧会に釘付けだった。うん。すごくわかりやすい。
「一本くらい船を遅らせてもいいんじゃないか。全国チャーハン博覧会、俺も見てみたいし」
「う、うん……羽依里がそう言うなら」
最後まで葛藤していたしろはの手を取って、俺は会場へと足を踏み入れた。
会場内はチャーハンの出店が立ち並ぶ飲食ブースと、各企業の関連商品が並ぶ展示ブース、全国のグルメ&スイーツが購入できる物販ブースに分かれていた。
最初に飲食ブースを見てみる。
どうやら入り口近くのチケット売り場でチャーハンチケットを買って、出店のチャーハンと交換するシステムみたいだ。
でも、チケット売り場には『本日分のチケット完売』の張り紙があった。さすがに15時を回っているし、これはしょうがないと思う。
「どれか一つでも食べられれば良かったんだけどな」
「もうさすがに入らないよ。それに食べなくても、チャーハンなら材料と香りだけで、大体の味は想像できるから」
「え、そうなの?」
さすがしろはだった。
ずらっと並んだ出店では、北は北海道のタラバガニチャーハンから、南は沖縄県のイラブーチャーハンまで、各都道府県を代表するチャーハンが並んでいた。見ているだけでも楽しい。
「熊本県のいきなりチャーハンだって。何が入ってるんだろう」
「具材は見た感じ、サツマイモなんだけど。どうしていきなりチャーハンなんだろうね」
しろはも首をかしげていた。匂いはとてもおいしそうだったけど。
「え、いちごチャーハンって何?」
俺の視線の先に、やけに赤いチャーハンがあった。どうやら栃木県代表のチャーハンらしい。
「真っ赤なイチゴとチャーハンのハーモニーが絶妙……らしいけど」
しろはも顔が引きつっていた。さすがにこの組み合わせでは味が想像できない。
その後も、食べることはできないけど、目と香りで全国津々浦々のチャーハンを堪能した。
個人的に、広島のお好み焼きチャーハンと和歌山のみかんチャーハンが気になった。なんでみかんチャーハンなんだろう。和歌山なら南高梅もあるし、うめチャーハンとかにすればいいのに。
京都の京風チャーハンには『京風って言っても、あたし風って意味じゃないんだからね!』と注意書きがされていた。よくわからないけど、これも美味しそうだった。
次に、企業の展示ブースに行ってみた。博覧会のマスコットキャラなんだろうか。チャーハンマンとかいう謎のキャラクターが愛想を振りまいていた。
「へぇ、IHクッキングヒーターだって」
一番目立つ場所に、新製品のIHクッキングヒーターが展示されていた。奥の方では同型の機械を使って、調理実演も行われていた。
「こういうのってどうなんだろうな。ガス代がかからなくて経済的って言うけど」
「うーん」
しろはが商品説明を読みながら、難しそうな顔をしていた。
「チャーハンを作るには、全然火力が足りないね。家庭用として焼き飯を作るくらいならできるんじゃないかな」
島一番のチャーハン食堂を経営するしろはから、シビアな評価が下されていた。
その隣では、全自動チャーハンマシンのデモンストレーションが行われていた。
「業務用チャーハンマシン。わずか2分で一人前のチャーハンを作ります。だってさ」
二人で並んで説明書きを読んでいると、ぐるぐると奥の中華鍋が回転し始め、係員がその中に油を適量注ぐ。続けて、解いた卵とごはんを投入すると、アームが下りてきて、ぐるんぐるんと鍋の中をかき回す。
「すごいなこれ」
「邪道」
興味津々に見ていた俺に対し、しろはは未だ回転し続けているチャーハンマシンを一瞥すると、その場から離れていった。
「あんなの、にゃが谷園の具入りチャーハンの素と変わらないよ。魂がこもってない」
どうやら、しろはにとってチャーハンは全て手作りであってこそ、らしい。チャーハン愛ともいうべきか。
その後もしろはと、色々な場所を見て歩いた。
企業ブースには、他にもチャーハンの噴水とか、チャーハンアートとか、よくわからないもがたくさんあったし、なんだかんだで楽しめた気がする。
最後に物販ブースに立ち寄って、しろはが夏海ちゃんと鏡子さんへのお土産を買ってくれた。
「気を遣わせて悪いな。しろは」
「いいよ。いつも羽依里がお世話になってるんだし」
そう言ってしろはが手渡してくれてたのは、水瀬印のミックスジャムサンドだった。北国の名物らしい。
「それじゃ、そろそろ帰ろうか」
「うん」
港の近くのイベントということが幸いして、次の船の時間ギリギリまでイベントを楽しむことができた。
俺たちは全国チャーハン博覧会を堪能して、帰宅の途に就いた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「あ、帰ってきましたよ」
「おかえりー」
鳥白島の港に到着すると、なぜか空門姉妹が出迎えてくれた。
「え、なんで二人がいるの?」
「暇だったのよねー」
「はい。暇だったんです」
二人とも笑顔なんだけど、何故かすごい恐怖を感じる。絶対に何か裏がある。
「きょ、今日はありがとうございました。それじゃ、お疲れさまでした」
その時、しろはは簡単に挨拶だけ済まして、全速力でその場から逃げて行ってしまった。急に敬語になってたし、何か良からぬ気配を感じ取ったんだろう。
「しろは、何で逃げたのかしら」
「本当ですね」
いや、もしかしなくても二人のせいだと思うけど。
「まあ良いです。片方からだけでも話を聞くとしましょう」
「じゃあ、俺もこれで」
俺も危険を感じた。逃げるとしよう。
「羽依里さんは逃がしません」
片手を挙げて、颯爽とその場を離れようとしたけど、二人に両サイドから取り囲まれてしまった。
「しろはと今日、どこまでいったのか、気になってねー」
「羽依里さん、洗いざらい話してもらいますよ」
多少強引な感じもするけど、二人ともしろはの親友だし、デートが成功したかどうか気になったのかな。
「で、どこまでいったんですか?」
「全国チャーハン博覧会だよ」
だから、俺も正直に答えておいた。
「またまたー。そう言って誤魔化すんだから―」
「いや、本当なんだけど」
「はいはい。そう言うイベントがあったら面白いわねー」
「それで、どこまでいったんですか?」
「しろはとキスくらいしたんでしょ?」
それ、男の俺に聞く?
なんかメモ帳みたいなの持ってるし、なんの取材だろう。
というか、ぐいぐい来る。その、やめてほしいんだけど。右も左も同じ顔だし、双子パワーやばい。
「ほらほらー、正直に言っちゃいなさいよー」
「そうすれば、すぐに楽になりますよ」
というか、キスなんてする勇気ないし。ここはボロが出る前に、何が何でも逃げるしかない。
「あ! あんなところで良一が下半身裸になってるぞ!」
「「え!?」」
「今だ! ダッシュ!」
「あ、逃げた!」
二人の注意が俺から逸れた一瞬の隙を突いて、俺は包囲網を脱出。そのまま全力疾走で港を後にした。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「はぁはぁ、なんとか帰り着いた」
船を一本遅らせたのもあって、加藤家に到着した時には16時を過ぎていた。
「正直言うと、もう少しだけデートの余韻に浸っていたかったんだけどな……」
「余韻がどうした?」
玄関先で一人黄昏ていると、背後から声をかけられた。
振り返ってみると、しろはのじーさんが仁王立ちしていた。
「ひえっ、ごめんなさい!」
「む? なぜ謝る?」
「いえその、しろはの帰宅が遅くなったことを怒られるかと思って」
帰りの船を一本遅らせたのは、俺にも責任があるし。またシティーボーイと罵られる覚悟はできていた。
「……何を今更。しろはも楽しそうに帰ってきたし、何も言うことない」
半分呆れたような顔で、そう言われた。どうやら許してもらえたみたいだ。
「それで、どうしたんですか?」
「これを届けに来た」
しろはのじーさんは俺にビニール袋を手渡してくれる。
「これ、なんです?」
「うなぎだ」
「え、うさぎ!?」
カモメに続いて、なんてもの捕まえてくるんだろう、この人。
「馬鹿を言うな。海にうさぎがいるものか。うなぎだ」
「あ、うなぎ……」
でもこの島の近海なら、うみうさぎとかいう生物がいそうだ。ポンとなくキツネだっているんだし。
「何を考えている?」
「いえ。ところで、うなぎって海で獲れるんですか?」
「当たり前だ。余計な心配かもしれんが、お前たちに夏バテしてもらっては困るからな。かば焼きにでもして、食べるといい」
「はい。ありがとうございます」
「それじゃあな」
そこまで話すと、しろはのじーさんはきびすを返し、帰っていった。
気が付けば俺は、右手にジャムサンド、左手にうなぎを持っていた。なんともカオスな組み合わせだ。
いつまでも玄関先にいても仕方ないし、とりあえず家の中に入ろう。
「ただいまー」
そう声をかけながら、玄関をくぐり、居間までやってくる。
家には誰もいないみたいだった。鏡子さんはもとより、夏海ちゃんの姿もない。午後からは紬と遊ぶって言ってたし、まだ灯台から帰ってきてないみたいだ。
「とりあえず、ジャムサンドとうなぎは冷蔵庫にしまっておこう」
ところで、このうなぎどうしよう。当然、俺は下ごしらえなんてできないし。鏡子さんならできるだろうか。
もし夕食時までに帰って来なかったら、しろは食堂に持って行くことにしよう。
そんなことをと考えながら、居間で夏海ちゃんが帰ってくるのを待っていた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「遅くなって、ごめんなさい……」
そして、夏海ちゃんが帰ってきたのは、19時を回った頃だった。
「紬さんとその、おっぱい体操をしていたら、こんな時間になってしまいました」
そういえば、紬たちと夕日に向かっておっぱい体操するって言ってたっけ。その夕日が沈んでから灯台を後にしたのなら、このくらいの時間になるよね。
「気にしなくていいよ。俺も昨日は遅くなっちゃったし、おあいこだよ」
「ありがとうございます」
それじゃ、そろそろしろは食堂も開いてるだろうし、ご飯食べに行こうか」
「はい! 行きましょう!」
その後、しろはのじーさんにもらったうなぎを持って、夏海ちゃんと一緒にしろは食堂へ向かう。
道中、夏海ちゃんから今日の思い出話を聞かせてもらった。
「へぇ、秘密基地で卓球やったんだ」
「はい。良一さんや天善さんといい勝負したんですよ!」
夏海ちゃんは運動神経良いし、卓球も楽しめたみたいだ。
「でも、途中で天善さんがヒートアップして『ちょれーーーい』って叫んだら、水鉄砲を持った蒼さんたちが飛び込んできたんです。驚きました」
「え、なにそれ」
「お二人とも、藍さんに『夏海ちゃん奪還作戦です!』とか言われながら、水鉄砲でめった撃ちにされてましたけど」
その情景がまざまざと浮かぶ。天善の気合の入った叫び声が、何かと勘違いされたんだろうか。哀れだった。
「それで、私はそのまま藍さんたちのお家に連れていかれたんです」
奪還作戦と言えば聞こえはいいけど、半分拉致だった。
「そういえば、お昼ご飯どうしたの?」
「えっと、そこで藍さんの手料理をごちそうになりました」
「あ、そうなんだ」
「はい。断ろうとしたんですけど『どうせカップうどんですよね?』って、笑顔で言われちゃいまして」
奪還作戦にかこつけて、藍も夏海ちゃんと遊びたかったんだろうなぁ。
今思い出したけど、良一は妹好きなところがあるし。
……あれ?
可愛い女の子が好きな藍と、妹好きな良一。よく考えたら、どっちも危険な気がした。
「……夏海ちゃん、よく無事に帰ってきたね」
「はい?」
つい、そんな言葉が出てしまっていた。夏海ちゃんは言葉の意味が飲み込めないようで、目をぱちくりさせていた。
「なんでもないよ。そう言えば、冷蔵庫にお土産のジャムサンドが入ってるんだ」
「え、お土産買ってきてくれたんですか?」
「うん。しろはからだから、食堂に行ったらお礼を言っておいてね」
「はい!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「しろはー」
「しろはさん、こんばんわです!」
「あ。二人とも、いらっしゃい」
いつもより開店準備の時間がなかったはずなのに、しろはは普段と変わらぬ様子で出迎えてくれた。
「これ、しろはのじーさんが持ってきてくれたんだ」
俺は席に座る前に、ビニール袋に入ったうなぎを渡す。
「わぁ、立派なうなぎだね」
しろはは袋の中を覗き込みながら、顔をほころばせる。
「それじゃ、今日の夕飯はこのうなぎを使うね」
「うん、お願いするよ」
「よろしくお願いします!」
しろはは専用のうなぎ包丁と、目打ち用の穴がついたまな板を取り出して、うなぎをさばき始めた。あんなものまで揃っているなんて、さすがだった。
「下ごしらえからやるから、ちょっと時間かかるけど待っててね」
「全然構わないよ」
もらったおしぼりで手を拭いて、セルフの水を飲みながら待つ。
「あの、しろはさん、お土産ありがとうございました!」
その時、夏海ちゃんがしろはにお土産のお礼を言っていた。
「気にしないで。美味しいと思うから、羽依里や鏡子さんと一緒に食べてね」
「はい!」
確か、水瀬印のミックスジャムサンドだっけ。ちらっと見ただけだけど、色々な種類のジャムが挟まれていて、とってもカラフルでおいしそうだった。
「ところで、このうなぎだけど、スタミナをつけて頑張ってほしいから、うな丼にするね」
「え、頑張るって、まさか夜!?」
「ち、ちがうし! 帰ってもらうし!」
今日何度目かの赤面をした後、しろはは先にお新香と野菜サラダを俺たちの前に出してくれた。
「もう、なんでそんな冗談言うの。夏海ちゃんも居るのに」
しろははぶつぶつ言いながら、うなぎの調理に取り掛かる。
「あのー、お二人にちょっと聞きたいことがあるんですけど」
「え、夏海ちゃんどうしたの?」
席に座り直した夏海ちゃんは、紙とペンを持っていた。改めてどうしたんだろう。宿題でわからないところでもあったのかな。
「私たちで良ければ、なんでも答えてあげるよ?」
「あの、お二人は今日、どこまでいったんですか?」
「ぶっ」
俺は飲んでいたお冷を吹き出してしまうところだった。
「な、夏海ちゃん、唐突に変なこと言わないで」
カウンターの向こうでは、何か食器が割れる音がしたし。しろはも明らかに動揺しているみたいだ。
「すみません。藍さんから、今日のお二人について、詳細なレポートを作成するように言われまして」
……藍、気持ちはわかるけど、それ夏海ちゃんに実行させないで。
それにしても港での尋問、うまくかわし切ったと思っていたのに……。
「それで、本土のどこに行ったんですか?」
夏海ちゃんは笑顔でそう聞いてきた、
「あ、どこまで……って、そういうこと?」
「そうですけど……?」
たぶん、藍は俺たちの関係がどこまで進んだかをチェックしたかったんだろうけど。夏海ちゃんが純粋で助かった。
「そうだね。最初は矢印良品に行ったんだけど……」
しろはが調理してくれている間、俺は今日の出来事を夏海ちゃんに話して聞かせた。
ちなみに、しろはが気にしそうなペアアクセサリーの部分は、なんだかんだではぐらかした。
「それで帰ろうとしたら、全国チャーハン博覧会ってイベントをやっていてね。少し遅くなっちゃったんだ」
「羽依里さん、その『全国チャーハン博覧会』の部分、もっと詳しくお願いします!」
夏海ちゃんのテンションが急に上がった。しまった。ここにもチャーハンの申し子がいた。
「えっとね、全自動チャーハンマシンとかあって……」
「全自動!?」
ものすごく食いついてきた。興味津々みたいだった。
でも全自動チャーハンマシンとか、俺にはうまく説明できない。あのインパクトは実物を見ないと分からないと思う。
「後は、飲食ブースには日本全国のチャーハンが集まってたの」
「日本全国!?」
あーあ。目が輝いちゃってるよ。
残念だけど藍、夏海ちゃんのレポートは多分、チャーハンレポートになると思うよ。
「はい。うな丼、おまちどうさま」
その時、出来たてのうな丼が俺たちの前に並べられた。
「おお、おいしそう」
「山椒もあるから、必要だったら言ってね」
最後にしろはがお吸い物を渡してくれる。今日は朝から晩まで豪華な食事だった。
「羽依里さん、ごはんを食べ終わったら、もっと詳しい話を聞かせてもらってもいいですか?」
「うんうん。いくらでも話してあげるよ」
全国チャーハン博覧会のイベントをやってるって最初から知ってたら、夏海ちゃんもつれて行ってあげれば良かったな。
そうなると、もはやデートじゃないとは思うけど。
「みかんチャーハンがあったんですね。ううう、レシピが気になります。作ってみたいです!」
ホクホクのうな丼を堪能した後も、しろはと二人で大興奮の夏海ちゃんを眺めながら、この日の夜は更けていった。
どんなチャーハンレポートができるのか、少しだけ楽しみだった。
第二十七話・あとがき
おはこんばんちわ。トミー@サマポケです。
今回はしろはとのデートイベント(後編)でした。
終わってみれば朝から晩まで、ここぞとばかりにしろはとイチャラブしていましたね。
こういうデートの時ってキスしたりするのかもしれませんが、あの二人ですし。これくらいが精一杯かなーと思いました。
二人はいつでもデートできますし、きっとゆくゆく発展するはず!(ぇ
なんかしろはの性格違う?と思う部分もあるかもしれませんが、Pocket後ということで、許してもらえると幸いです。
そして、全国チャーハン博覧会は唐突に思いついたネタです。実際にあったら楽しそうです。たぶん見に行きます。
作中に書いてあった、沖縄県のイラブーチャーハンのイラブーとは、ウミヘビのことです。チャーハンに合うのかはわかりません。
また、熊本県のいきなりチャーハンというのは、熊本県の名物いきなり団子をヒントに勝手に考えた奴です。サツマイモとか入ってそうです。
上記の二つは架空のメニューですが、栃木県のいちごチャーハンというのは本当にあるらしいですね。みかんチャーハンは……すみません。調べるのも怖くてw
さて、これでヒロイン全員とのデートを終えましたが、個人的にはやり切った感があります。
次回からはちょっと骨休み……いえ、遊び……じゃない、少し展開が変わります。どう変わるかは、お楽しみに。
■今回の紛れ込みネタ
・クレープ屋台のアルバイト……CLANNADより。芽衣ちゃんです。最後の竜太サンドの辺りで分かった方が多いと思います。プリンセスクレープの段階で分かった方は、かなりのCLANND通です(え
・バニ山バニ男……ONEより。かなりマニアックなネタですが、瑞佳ルートのラストで浩平が自分の声を入れておいたウサギのぬいぐるみです。
・アウトローのヨッシーノ……Rewriteより、つまりはヨッシーノのことです。マッハナックル!コンマゼロ!
・京風チャーハン……CLANNADより。杏がお弁当を作った時に言っていた台詞です。だいぶマニアックですね。
以上になります。いくつお気づきになられたでしょうか。
感想など頂けましたら、泣いて喜びます。