ソウゴが変身するところを見た全員が一瞬だけ固まる。
最初に立ち直ったのはキャスターだった。
「おい!お前、その姿はなんだ?」
「この姿は仮面ライダージオウ。あと、俺の名前は常磐ソウゴ。よろしく。」
「お、おお…なんか変な感じになっちまったが、そろそろ戦いが始まるぞ。気合入れろよ!」
「ああ!」
二人の勢いについていけなかったマシュだったが、何とか調子を取り戻し、盾を構える。
ランサーとアサシンのサーヴァントも動き始めた。
ランサーはキャスター、そして、マシュを狙う。
アサシンはソウゴを狙い、襲い掛かるのであった。
ランサーの槍による攻撃は素早いためか、マシュはその速さについていくことができない。キャスターは魔術による援護をしているのだが、すべて避けられてしまっている。だが、
「嬢ちゃん!盾を構えろ!」
「はい!」
マシュは盾を構え、ランサーの攻撃をなんとかさばいている。
しかし、マシュの一瞬の隙を見つけたランサーは盾の横に回り込み、
「コレデ、オワリダ!」
マシュの体に槍が刺さろとしたその瞬間、
「思った通りの動きをしてくれてありがとよ!」
「ナニ?…!?」
ランサーの足元にはルーン文字が刻まれ、赤く光り始める。
赤く光ったルーン文字から火柱が立ち上り、ランサーを飲み込んだ。
「グ、グオオオオオオオオ!」
ランサーはその場に倒れ伏し、消えていく。
残るはアサシンのみ。
キャスターとマシュの二人はジオウに加勢しようと向かったのだが、
『ジカンギレード!ジュウ!』
ジオウはアサシン相手に銃撃戦を始めていた。
アサシンは余裕をもって避けている。
「ソノ程度カ?ナラバ、コチラカラ攻メルゾ。」
アサシンは避けることをやめ、ジオウに急接近する。
ジオウはアサシンに銃弾を当てようとするが当たらない。
「コレデ終ワリダ。」
アサシンの姿がジオウの前から消える。
アサシンは一瞬でジオウの後ろに回り込んでいたのだ。
「ザバーニーヤ!」
アサシンは宝具を発動する。
長い腕がジオウの心臓に触れようとした。そのとき、
「これを待っていたんだ!」
ジオウはライドウォッチをジカンギレードに装着、
『フィニッシュタイム!ジオウ!スレスレシューティング!』
「バ、バカナ!」
アサシンは吹き飛ばされ、壁にめり込んだ。
そして、消滅した。
戦いが終わり、変身を解除したソウゴを囲むようにカルデアのメンバーとキャスターが取り囲む。
「…あのぉ…なに?」
「あなたのあの力はいったいなに?」
「変身してたよね!」
「私も気になります!」
「魔術じゃあないな。あれは。」
詰め寄られたソウゴは、
「わ、わかった!説明するから離れて!」
ソウゴたちは安全な場所に移動し、そこで、お互いについて詳しく話すことになった。
「それで、あの力は何?」
「あれは仮面ライダーの力です。」
「仮面ライダー?」
「はい。ただ、詳しいことは俺の判断だけで話してもいいかどうかわからないので俺の仲間に聞いてもらえると助かります。」
「そう…なら、あなたはただの未来人ではなかったということね。」
「まぁそうなります。そ、それより、英霊とか魔術って何なんですか?」
オルガマリーは顔を引きつらせる。
「それは…」
『所長。話してあげたらどうですか?』
「え?今喋ったのは誰?」
ソウゴが後ろを向くと青い画面のようなものが浮いている。その画面には弱弱しいというべきだろうか。貧弱そうな男が映っていた。
『君が常磐ソウゴくんだね。初めまして、僕の名前はロマニ・アーキマン。
「は、はぁ…」
ソウゴは何とも言えない顔をしながら、頷く。
ロマニはオルガマリーに話しかける。
『彼は所長を藤丸くんたちを助けました。僕はソウゴくんを信用してもいいと思います。』
オルガマリーは少しだけ考える。
そして、
「わかったわ。信用してあげましょう。ソウゴでいいかしら?」
「はい。」
「今から話すことは誰にも言ってはいけないということを頭に入れてちょうだい。」
「仲間の二人には伝えますがいいですか?」
「それについては許可します。さて、どこから話したらいいかしら…」
オルガマリーはソウゴに魔術、英霊という存在、そして、なぜカルデアができたのか、その三つのことを説明した。
ソウゴは驚きながらも、少しだけオルガマリーの情報を理解した。
「魔術は昔からあったけど隠されていた。英霊は過去の英雄の幽霊?カルデアは人類の存続?を保証する機関?であってますか?」
「まぁ今はその認識でいいわ。さて、話を変えるけど、キャスター、ここでなにがあったのか教えてもらえるかしら?」
キャスターがやれやれ、といった雰囲気を醸し出しながら近づいてきた。
「ようやくか。ここで何かあったのか。それはだな」
キャスターがこの時代、この場所で何が起きたのか説明を始める。
この場所では聖杯戦争というものが行われていた。
しかし、いつの間にか町は一夜にして炎に覆われ、残っていたのはサーヴァントだけだった。
そんな状況の中、真っ先に戦闘を再開させたのがセイバーだったという。
セイバーはアーチャー、ランサー、ライダー、バーサーカー、アサシンを倒した。
その倒されたサーヴァントは真っ黒い泥に汚染されたそうだ。
聖杯戦争は現状セイバーかキャスターのどちらかを倒さなければ終わらない。
「でだ、ここからが本題なんだが、あんたらは異変の調査、俺は聖杯戦争の幕引きが目的だ。そのためにはセイバーを倒さなければならない。セイバーを倒すという一点において、利害が一致しているんだ。どうだ?手を組まないか?」
オルガマリーは考える。
その結果、
「わかったわ。手を組みましょう。」
「おう!そう言ってくれると思ってたぜ!」
「ところで、泥で汚染されたサーヴァントはあと何体いるの?」
オルガマリーの質問にキャスターは、
「残るサーヴァントはアーチャーとバーサーカーだ。」
「あれ?ライダーは?」
藤丸が尋ねると、
「ライダーは俺が倒しておいた。バーサーカーのほうは俺たちが近づかない限り大丈夫だ。問題はセイバーの護衛みたいなことをしているアーチャーだ。」
「そっかぁ。」
情報交換は一応終了したため、セイバーがいるという場所にキャスターの案内のもと行くことになった。
その道中、
「そういえば、マシュ。あなた、宝具をつかえてないわよね?」
「…はい。私に力を託してくださった英霊の方の真名もわかりません。」
「嬢ちゃん、今から俺が治療をしてやる。ただし、荒治療だがな!」
「キャスターさん!?なにを!?」
「俺は今から宝具を放つ!防ぐことができなければここにいる全員が死ぬぞ!」
「みんなが、死ぬ?」
キャスターはそこにいた全員から距離をとると、
「我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社――倒壊するはウィッカー・マン!」
炎を纏った無数の細木の枝でできた巨人が腕をマシュたちにたたきつける。
誰もが死んだと思ったその時、
「はあああああああ!」
マシュの宝具が発動した。
結界のようなものを張り、ウィッカー・マンの攻撃を防ぐ。
防ぐと同時にキャスターは宝具を解除する。
「まさか俺の宝具を無傷で防ぐとは思いもしなかったぞ。」
「はぁはぁはぁ、で、できた…」
「はぁ~キャスター!あなた、なんてことをするの!」
「まぁいいじゃねぇか。嬢ちゃんは宝具を発動できた。あんたらは無事、これで一件落着でいいじゃねぇか。ところで嬢ちゃん、その宝具の名前はなんだ?」
「分かりません。」
「
「ロード・カルデアス…所長、ありがとうございます。」
マシュは宝具を使えるようになった。だが、まだここでの問題を解決できていない。
「さぁセイバーのところに向かうぞ。」
こうして、ソウゴ、藤丸、マシュ、オルガマリー、キャスターの五人はセイバーがいる場所に向かうのだった。
しかし、
「ん?なにあれ?」
空から何かが降ってくる。
『みんな!そこから離れて!落ちてくるのはサーヴァントだ!』
ロマンのその言葉に警戒を強め、落ちてくる場所から急いで距離をとる。
距離をとった瞬間、サーヴァントが地面に直撃し、辺り一帯が土煙に覆われる。
「くっ、この私がサーヴァントでもない人間にここまでやられるとは…」
土煙が晴れ、地面から起き上がったサーヴァントは褐色の肌に白髪の男だった。
「てめぇ、アーチャーじゃねぇか!なぜお前がここにいる!」
「それは私が聞きたいことだ。」
「お前の名前はアーチャーというのか。」
キャスターとアーチャーの声以外に別の人物の声が聞こえてきた。ただし、その声はソウゴが聞いたことのある声だ。
その声の主は、
「ゲイツ!」
『タイムマジーン!』
「私もいるわよ。」
「ツクヨミ!」
そこに現れたのは、赤色ロボットを操縦するツクヨミとライダーに変身したゲイツだった。
「あれがソウゴの仲間?」
「そうだよ。」
藤丸がソウゴに尋ねている間、ゲイツは立ち上がったアーチャーと睨み合いが始まった。
お互いに無理に手を出せばどうなるかわかっているため、隙を伺っている。
「睨み合っても埒が明かない。」
「ほぉ、ならばどうする?」
「ここで終わりにしてやる。」
ゲイツは腕にはめ込んでいたライドウォッチを外し、
『ドライブ』
ベルトに装着する。しかし、アーチャーはゲイツが何かすると思い、先に矢を放つも避けられてしまう。
矢をよけたゲイツはベルトを回転させる。
『仮面ライダーゲイツ!』
『アーマータイム!』
ゲイツの後ろに赤いタイヤのついたアーマーが現れ、ゲイツに装着されていく。
『ドライブ!ドライブ!』
両肩にタイヤが装着され、赤と白のアーマー、顔にどらいぶとひらがなで書かれている。
これが仮面ライダーゲイツ ドライブアーマーだ。
「何だその姿は?」
「お前に教えることなど何もない。」
ゲイツはハイスピードでアーチャーに攻撃を仕掛ける。
アーチャーも矢で応戦するが避けられてしまう。
一度高く飛び上がり空中で矢をつがえたアーチャーだったが、
「あまい!」
ゲイツが両腕を上げる。
両腕にはミニカーのようなものが装着されている。
これはドライブスピードスピードと呼ばれるドライブアーマーのサポートメカだ。
ドライブスピードスピードは両腕から発射されると、アーチャーのもとに飛んでいく。
「無駄だ。」
アーチャーは難なくそれをよける。だが、
「がっ!な、なんだと!?」
後ろからドライブスピードスピードが飛んできた。このサポートメカは自立走行が可能、そのため、敵に追尾攻撃を自動で行うことができる。
その攻撃を受け、またもや落下したアーチャーはすぐさま立ち上がろうとする。
『フィニッシュタイム!ドライブ!』
『ヒッサツタイムバースト!』
ゲイツはジカンザックスを取り出し、構える。
「これで、止めだ。」
ジカンザックスを横に構え、回転する。
回転しながら何度も何度もアーチャーを切り付け、最後に袈裟懸けに斬る。
「ば、バカな…」
アーチャーは倒れ、爆発した。
「ふんっ!こんなところか。」
ゲイツは変身を解き、ソウゴたちのもとにやってきた。
「ジオウ、そちらは情報が集まったようだな。」
「ゲイツのほうはアーチャーの相手をしてたみたいだね。」
「まあな。で、情報は?」
ようやく、ツクヨミとゲイツの二人がソウゴと合流できた。
戦力がそろい、いよいよセイバーとの最終決戦が始まる。