お昼は学食で食べるのが日常なんだけどたまに外で食べることもある。お菓子以外の料理は全く作れないけど、学食のおばさんに頼めばお弁当を作ってくれるので、好意に甘えて作ってもらったお弁当を手に今日は外で食べるのだ。
『スナイパー1より各員。目標を確認、これより作戦を開始する』
『スナイパー2了解だぜ』
『スナイパー3オッケーっス』
『ええと、お嬢様。なんで私が巻き込まれているのでしょうか?』
『スナイパー4。今は作戦行動中よ。コードネームの使用を厳となすように』
『……スナイパー1。お昼休みなんですから言葉通りに休みませんか?』
『お断りよ。目標が警戒を解いている今こそがチャンスなのよ』
『そうだぜ。こいつは先生の実力を測るために必要なアクションさ』
『大丈夫っスよ。ゴム弾っスから』
『どう考えても不必要なアクションでしょう。教師を狙撃するなんて知れたらどんな罰が待っているか分かりませんよ。今ならまだ引き返せます。おじょ……スナイパー1も2も3も考え直しませんか』
『臆したのかしらスナイパー4』
『おいおい。同じ釜の飯を食った仲だろ』
『そうっスよ。先輩らしく堂々とするっスよ』
『臆してます。それに同じ釜のご飯を食べたからこそ止めに入っているんですよ。あと教師の狙撃を堂々と行ってどうするんですか』
『話はそこまで。目標が移動開始。狙いやすい場所に移ったわ。狙ってくださいと言わんばかりね』
『こっちに対する挑戦か。いいね、一発で仕留めてやるよ。ヘッドショットだ』
『ゲームなら気づかれてないヘッドショットなら相手のシールド貫通するっス』
『ゲームのやり過ぎです』
『じゃあ。作戦は伝えた通り。私スナイパー1が狙撃を開始。初弾が外れた場合2と3による同時攻撃。スナイパー4は2と3の攻撃を回避された場合、狙撃ポイントの変更を援護を』
『お嬢様。その情熱を生徒会運営に生かせませんか』
『無理。それに今の私は世界を震撼させるスナイパー1よ』
『真面目な顔して変なこと言わないでください』
『ねえ。照準私に向いてない?』
『あひゃひゃ。間抜け面じゃあねえか』
『あれ、これ二人から狙われてたりする?』
『気のせいじゃないっスか。あ、こっち向かなくて良いっスよ』
『絶対狙われてるじゃない!?』
『冗談冗談。フレンドリーファイアはしないぜ』
『そうじゃなきゃ困るわよ』
『割と冗談抜きで焦ってたっスね』
『撃たれないと分かっていても狙いつけられるのは落ち着かなくなるわ。スナイパー3も体験してみる?』
『勘弁っス』
『まぁ、一生体験しなくていいことだからな。よし、お前ら。これより対象に攻撃を仕掛けるぜ。ぬかるんじゃねえぞ。ダリル・ケイシー小隊出撃だ』
『出撃も何もないっスけど』
『既に出撃済みですよ』
『かー。分かってねえな。こういうのは雰囲気が大事だろ。それに一度言ってみたかったんだよ』
『ああ、そうですか』
『そうらしいっス』
『急に冷めるか。これだから水とか氷タイプは』
『先輩みたいな炎タイプは鬱陶しいくらい熱いっスよ』
『うん。ダリル先輩の専売特許ですよね』
『お前ら。先輩に対していい口の利き方してるじゃあねぇか』
『それよりも対象がお弁当を食べ始めたっス』
『敵分析完了。モニターに表示するわ』
『モニターがないぞ』
『ノリです』
『勢い勝負にもほどがあるっスよ。楯無』
『まさに破竹の勢いね』
『違くね?』
『違うっス』
『……あ』
『え?』
『おぉ?』
『対象のお弁当を見て』
『……美味しそうだな』
『美味しそうっス』
『お腹空いてきたから早々に終わらせましょうか』
『りょーかい』
『恨みはないっスけど』
『ええ、恨みはないけど仕方がないわ』
『他に被害を出すと不味いからな。先生だけを射抜くぞ』
『ところで』
『おう』
『虚ちゃんからの通信がないわね』
『アイツ真面目だからな。こんな馬鹿げたことやってらんねーんだぜ』
『布仏先輩。見るからに真面目そうっスからね』
『うん。虚ちゃんなら仕方ないわね。でもやめるにしても一言あってもいいはずなんだけど』
『言い辛いんじゃねえか。ま、気にすんなって。今は目の前のことに集中だ』
『そうですね。改めて作戦開始といきましょう』
『はいっス』
『スナイパー1.これより攻撃を開始するわ』
『……は?』
『……え?』
『……避けたぁ!?』
『気づかれていないはずっスよ。それもこんな距離から撃ってんのに』
『マジかよ。意識外からの狙撃だぞ。偶然にしたって出来過ぎだ。第二射行くぜ!!』
『……また避けた!? フォルテ、続けて攻撃を』
『行くっス!!』
『また……回避された』
『やべぇ!? こっち見た』
『逃げてダリル先輩!! スナイパーが位置を知られたらお仕舞いです!!』
『あんなブリュンヒルデに勝てっこないっスよ!?』
『安心しろ。こっちには来ないさ』
『分からないわよ。教師権限でIS使われたら一瞬よ』
『その前に逃げるっス』
『逃げる。馬鹿言え。ゼッテー顔見られたぞ。いかに甘ちゃん先生と言えど狙撃した生徒を見逃すか』
『待って。この距離よ、顔なんて見れるはずないに決まってる』
『以外に見えてるかもしれんぞ』
『……え?』
『ねえ。さっきから違う声が聞こえてくるのだけど』
『それもやけに聞き覚えのある声だな』
『ひぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁああ!?』
『フォルテ?』
『フォルテちゃん?』
『……よおスナイパー共。生徒が教師を狙撃なんて感心しないな』
『もしかして……織斑先生?』
『マジか!?』
『ご名答。景品は教育指導で構わんな』
『バレたかー』
『軽い!? 軽すぎますますよダリル先輩』
『おう。もう逃げれないから。無理だから。これでも絶望してっから』
『覚悟はいいみたいだな。では迎えにいくからソコを動くな』
『ちなみに動いたら』
『……さあな』
『大丈夫ですよ織斑先生。オレなんか恐怖で足が地面に縫い付けられてるから』
『お、織斑先生。虚ちゃんは』
『安心しろ。アイツは素直に投降したよ。この無線機は布仏から借りたさ。一応言っておくが、キサマらの配置は簡単に見つけられたよ』
『……分かりました。お、お待ちしておりますぅ』
『そうか。では万春先生を狙撃したことをしっかり悔いるんだな……マッテロヨ』