即堕ちストラトス   作:しが

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本編では一夏の顔を見て即堕ちした主人公


では名前を聞いた瞬間即堕ちしたら…?


ifストーリー
もっと!即堕ちストラトス


嫌いな人物は誰かと聞かれたら、俺は間違えなく「織斑一夏」と答えるだろう。織斑千冬の…教官の輝かしい未来を摘み取った張本人だからだ。更にあの鈍感さと難聴具合にはさすがに苛立ちを覚える…だから俺は一夏アンチだった。それは今も変わらない。そう、永遠に変わらない。

 

 

「教官の弟…ですか?」

 

「ああ、ただ一人の身内さ。」

 

「…名前は、なんと言うのですか?」

 

「一夏だ。」

 

「…一夏、織斑一夏。」

 

そう、その名前は俺がこの世で恨んでたまらない人物の名前…どうしようもなく許せない罪深いものの名前…いつか会うこともある、その時には俺がお前の全てを否定する。

 

…その時、キュンという音が下腹部からなった。

 

 

「いい、名前だと思います。」

 

確かにいい名前だとは思う。ひと夏とも読めなくはないが響き的には実にいい名前だ…そう、あの男にふさわしい名前だ。それ以外の名前は考えられない…ん?

 

 

「ならば身内冥利に尽きるというものだな。」

 

「あの、教官。」

 

「…どうした?改まって。」

 

「教官の弟というのはどのような人物なのですか?」

 

 

「珍しいな。基本的に無関心なお前が他人へ興味を持つなど。」

 

「…興味が湧きました。」

 

そう、興味が湧いた。あの憎い男を知れば知るほど俺は憎悪を燃やせるだろう…だから知りたい、その男のことが今は無性に知りたかった。本能がそう語り掛けた。

 

「まあ良い傾向だろう…そうだな、あれは愚弟ではあるが、私の守らなければならない家族だ。正直に言えばまだ12の弟を家に一人にさせておくのは不安だ。去年に誘拐が起きたというのにこうして今も一人にさせている。政府の警護があるとはいえ正直、私は自分で弟を守りたいよ。」

 

「…大切にしてるんですね。」

 

「血を分けた唯一の存在だ。大切でないはずがないだろう。」

 

それを語る教官の表情はいつもの鬼のように厳しい人と言われても説得力はないだろう。ただの家族を愛する人間だった。…ああ、こんなにも優しい表情をするのはなぜなのだろうか…あなたはいつも凛々しくそして格好良く、美しい。だからその慈愛深い表情は相応しくない、そう思っていたはずだ。けれども知りたい。あなたにその表情をさせる男を。

 

「そうだな、あれを評するなら女泣かせだな。育った環境のせいかもしれないが女というものにとことん疎い。」

 

…ああ、知っているとも。だから俺はこの世でもあいつが一番嫌いなのだ…だが、その名前を考えるだけで何故こんなにも愛おしいのか。…疎いというのは要するに女に初心という事だよな?俺が一から手取り足取り教えても問題ないんだよな?な?…違うだろぉぉおぉ!?

 

 

「ああ、だが安心しろ。決して悪人ではない。いや、むしろ善良な部類に入るだろうな。あれに毒を見出せという方が無理な相談だ。」

 

 

…けれどもあれは偽善者で、口先だけの男で。それが、その態度が、心構えが何にせよ一番許せなくて。けれども教官の語るあれの人物像は邪気がない純粋な少年とそういうようにも解釈が出来て…知りたい。あの男のことをもっと知りたい。

 

「語ればキリがないな。どうやら私は身内に相当甘いらしい。ここらのあたりで区切っておこう。」

 

「教官。教官はあとひと月で日本に帰るのですよね?」

 

「…?ああ、そうだが。」

 

お前が今何をするべきか、考えろ。ラウラ・ボーデヴィッヒ…お前が一番嫌いな人間は誰だ?あの男だ…だから将来お前はあの男を貶めたくて、貶しめたくて、否定したかったはずだ。だからお前がやる一番のことは何だ?そんなものは自明の理だ。

 

 

「教官、私は決めました。」

 

「…う、うむ?どうした?」

 

「軍を、やめます。」

 

 

決まってる!織斑一夏に会いに行くことだ!

 

 

 

 

……あれ?

 

——————————

 

 

 

織斑一夏は喜んでいた。一年ぶりに姉がドイツから帰ってくるという事で空港まで出迎えに来ていた。とはいえさすがに一人では心もとないので知り合いで千冬とも交流のある鳳夫妻についてきてもらうことにした。「私たちはここで待っているから一夏君は千冬君を迎えに行ってあげなさい」という好意に甘えて一夏は一人でゲート付近で待っていた。ドイツからの便で千冬が乗っていたのは既に日本…というよりも東京についているのですぐに千冬も来るだろうと流れる荷物を見ながら一夏は待っていた。

 

間もなく、一夏の待ちわびていたタイミングが訪れる。列を見る一夏に声をかける人がいた。

 

 

「一夏!」

 

おおよそ一年ぶりに聞く声だ。間違えるはずもない、尊敬してやまない姉、千冬だ。

 

「千冬姉!」

 

振り返るとそこに間違いなく千冬がいた。手を振っているため見間違えでもない。

 

「久しぶりだな、一夏。また少し背が伸びたな。」

 

一夏は今、12歳。それでも身長は149㎝とクラスの中では比較的小さい方だった。というよりも千冬が身長166㎝と女性にしては長身なのでその身長差はいまだ歴然だ。彼女の力なら一夏を抱きかかえるくらいは余裕だろう。だが子供扱いされたくない年ごろ、拗ねた一夏は降ろしてくれと頼む。

 

「ふっ、そう拗ねるな。姉弟の軽いスキンシップだと思え。」

 

「そうだけど…俺もいつまでもガキでいたくないんだよ!」

 

そう背伸びする姿はまだまだ子供だ。千冬としてはなんだかんだで可愛いその姿を見ていたいがいつまでもここにいるわけにもいかないし足の裏に隠れてるそれを早く紹介しなければなるまい。

 

 

「…で、千冬姉、その娘は?」

 

「今紹介しようとしていたところだ。」

 

後ろにいるラウラを前に出す。肝心のラウラの顔は緊張で強張っているのか目が泳いでいる。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ…よろしく。」

 

最低限の自己紹介をするとそのまま明後日の方向を見ている。仕方がないので千冬は説明をする。

 

 

「こいつはな、家で預かることになった、言うならばホームステイだ。同い年だから仲良くしてやってくれ。」

 

「へぇ…俺は織斑一夏、よろしくな!」

 

実に純粋な少年らしい。12歳というのは思春期の入り口で背伸びをしたがると言われがちではあるが、そんなものくそくらえと言わんばかりの快活さだ。でも背伸びはしたい一夏だが。ラウラに握手を求めると、おずおずとしながらも答えた。

 

 

「よ、よろしく…。」

 

「ボーデヴィッヒ…ってなんか言いづらいな…ラウラ、でいいか?」

 

「か、構わない。」

 

「そっか、じゃあ俺のことも一夏でいいからな、よろしくラウラ。」

 

その少年の勢いにラウラはつい押されがち…と外面からは見られるだろうが、彼女の内面は今物凄く揺れていた。それは凄い勢いで。

 

 

(おのれ…織斑一夏…教官の恥さらし………………………やだ…めっちゃかわいい…………拗ねてるの可愛い……)

 

 

……………一応彼女は一夏が憎いはずである…筈である!

 

 

 

それから三年間はあっという間に経った。卒業寸前の小学校に編入し形だけの卒業証書を受け取りある時は中華のツンデレツインテ娘と対立し…

 

 

「何よあんた。」

 

「キサマこそなんだ。」

 

対立してたかと思えばいつの間にかおすすめバトルに変わっていたり

 

 

「ふっ、貴様では語れはしてもそれを実行できるだけの度量がないではないか。その点私は違うぞ、いつでもやりたい放題だ。織斑教官…もとい千冬さんはいつも家を空けてるからな。」

 

「ていうか同居ってどういうことよ!」

 

「同居ではない、ホームステイだ。行く先もないのでな。」

 

「同じものよ!」

 

 

中学に上がると同級生の妹で後輩に目の敵にされたり

 

 

「負けませんから!」

 

「…五反田弾、なんだこれは。」

 

「俺に振られても困るからな!」

 

 

中国に帰ることになった中華娘と謎の友情が生まれたり

 

 

「…あんたのことは嫌いだけど…一夏の周囲ガードしておきなさいよ!」

 

「言われるまでもない。お前が戻ってくるのを楽しみにしているぞ。」

 

 

…そしてあっという間に三年が過ぎた。今は中学三年生の11月…

 

 

「ふぅ結構寒いなぁ…。」

 

織斑姉弟+αの住むアパート。扉を開けて靴をそろえて脱ぎリビングに通じるドアを開けば…

 

 

「なんだ、帰って来たのか。存外早いものだな。」

 

「うおっ!?ラウラ!?」

 

すっかりと一夏の日常の一部となった少女がそこにはいた。下着で。

 

 

「わ、悪い!?」

 

超特急で一夏は部屋から逃げるとそのまま力が抜ける。扉の向こうから声が聞こえてくる。

 

 

「今さらではないか、何度もあっただろうに。」

 

「いや、本当に悪いと思ってるから!」

 

さすが一夏。ただでは転ばないため何度も何度もラッキースケベをしている。千冬にお前にデリカシーはいないのかとたんこぶを毎度作られているが。

 

「文句を言うつもりはないけどさ…脱衣所で着替えてくれよ。一応、俺も男なんだからさ。」

 

「男たるもの女の柔肌を見てうろたえるな、どんと構えている方がむしろちょうどいい。」

 

「そりゃラウラは大して気にしないだろうけどさ…!」

 

ついでにクールを装っているラウラだがその内面はやばい。

 

 

(はぁはぁ…偶然下着を見て赤面している一夏可愛い…異性として意識をして赤面してる一夏可愛い…はぁはぁ…)

 

 

ぶっちゃけヤベーイ奴である。なおさっきから子宮がキュンキュンと鳴き続けである模様。だがいつまでもこの状態でいるのは一夏が可哀そうなので洪水をおこしかけてるそれを無視してラフな部屋着に着替えた。

 

 

「いいぞ。」

 

扉を開けて一夏をリビングに招き入れる。一夏がソファーに疲れたように座り込むとラウラはその隣に座る。

 

 

「一夏、今日を覚えているか?何の日か。」

 

「…?ああ、そりゃ勿論。ラウラと出会って三年目の日だろう?」

 

「そうだ、感心な記憶力だな。」

 

「これも千冬姉の教えだよ。思い出は大切にしておけ、形にちゃんと残して置けってな。だから去年もおととしもパーティーをやったからちゃんと覚えてるよ…最近は忙しくてそれどころじゃなかったけど一応今日の夕食くらいは豪華なものにするつもりだし。」

 

「不要とは言わないが、無理をしなくてもいいのだぞ。お前が忙しいという事は私も十二分に承知している。」

 

「けど、やっぱりめでたいことは祝いたいだろ?…それに家族って思ってるラウラは特別だし。」

 

「特別…私が特別か。」

 

フフフっと笑う彼女はすぐにいつもの真顔に戻るがそれでも口の端が吊り上がるのは誤魔化せていないようだ。だがその発言はラウラにある不満を持たせた。

 

 

「家族…か。」

 

「どうしたんだ?ラウラ。」

 

「…いや、何でもない。」

 

 

ラウラは激しく憎悪していた時の名残などどこにもなかった。三年間生活を共にしたことで彼の人となりを深く理解し、その憎悪は一瞬で収まった。そして過ごすうちに無視できない感情が現れていた。というより最初からではあるが長い時間をかけてようやく彼女はゆっくりではあるが認めた。

 

 

 

「私では、本当の家族にはなれないのか…。」

 

 

結論から言うと出来なくもない。けれども年中発情しかけてるのはまじひくわーという状態なのでそれを一夏には明かせない。

 

 

 

 

「まあ、どうせいいさ…お前とはあと三年は一緒なのだからな。ゆっくりと時間をかけてこちらに目を引かせてやるさ…。」

 

 

彼女の野望っぽいものがIS学園で開かれようとしていた。

 




ラウラがサード幼馴染属性を獲得しました
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