若くして死を迎えてしまった女性が転生して、触覚が無くなったり謎の魔眼を獲得したり異世界に飛ばされたりする話。



クロスオーバー要素はオリ主の容姿・体質・能力だけなので、クロス元の【空の境界】という作品を知らない方もよろしければどうぞ。

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クロスオーバー要素はオリ主の容姿・体質・能力だけなので、クロス元の【空の境界】という作品を知らない方もよろしければどうぞ。
後書きで、能力を含めたオリ主の解説をしますので。

途中で「……原作2巻でこのオリ主を活躍させるの無理じゃね?」となってしまったので短編として投稿。
続いても多分原作1巻までか、原作1巻+【問題児たちが〜乙】までとかだと思います。
その理由もオリ主解説でわかります。

気になった点があったりしたら、ちょくちょく修正したり書き変えたりすると思います。


歪曲少女(偽)も異世界から来るそうです。

いつからだっただろうか。

触覚の無い自身の身体に、悲しみ、或いは喜びも、何も感じなくなったのは。

 

いつからだっただろうか。

他人から異常なモノを見る時の様な視線を向けられても何も思わなくなったのか。

 

いつからだったのだろうか。

他者を傷付けてしまっても、それでも何も感じなくなったのは___。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなシリアスっぽい事をぬぼーっと考えながら、何をする訳でも無く、紅葉した木々を眺めながら私は公園をほっつき歩いていました。

さっきまで考えていたシリアスっぽい事は、大抵考えても答えが出ないので遠くに放り投げておきます。

最後のは、ライトノベルの主人公みたくカッコつけてみただけで、罪悪感ぐらい湧きます……時と場合によりますが。

 

紅葉がそこそこ有名な場所であるこの公園は、土日休みには沢山の観光客たちが笑いながら歩きまわっていたり、写真を撮っていたり、はたまた落ちているものでは無く木に付いているモミジを毟り取って持ち帰っていく人なんかがいたりと賑やかだったりします。

しかし今日は平日の朝だからか人はかなり少ないですね。

それでも二人の男女が散歩していたり、年老いた男性がノートブックに何かをスケッチをしていたりと、いるっちゃいるのですが。

 

私は何の為にこの公園に来たのか、まぁ言ってしまえば、単に学校をサボタージュしているのです。

今朝、制服に着替えて朝食を食べ、時間になったので学校に行こう……となった時、ふとカレンダーに付けた印を見て「そういえば、三年C組のあの先輩(おとこ)が、怪我から復帰して登校してくるのは今日だったかな」と思い出したのだ。

余り頭の宜しくないあの男と再会して何やかんや起こってまた(・・)襲われたりするのは精神衛生上嫌ですし、というか視界に入れるのも嫌だし、どうせ高校生活は二度目(・・・・・・・・)なのだし……と、十秒程考えてから「今日は学校行かなくてもいいか」という結論に至り、水の入った水筒だけ持って、制服姿のまま家を出たのです。

 

 

 

まぁ、私があの男に空き教室に連れ込まれて襲われて、思わず"眼の力"を使って、腕をへし折ったりした(・・・・・・・・・・)あの出来事の数日後には学校に居場所は無くなっていたのですが。

 

 

 

……確かに 『人間の腕が曲がっちゃいけない方向に思い切り曲がっている』なんていう凄惨(せいさん)な光景を間近で見たにも拘らず、まるで何も見なかったかの様に平然と過ごしていた……というのは、今思うとだいぶおかしい……というか異常だとは思います。

しかし流石に確証も無しに「アイツ(私)があの男の腕をあんな風にしたのでは」なんて噂を流さなくてもいいと思います。

もちろん凶器になりそうなモノなど発見されず、私は無罪な被害者なのですが、おかげさまで"友人と呼べる存在がそこそこいる平凡な学生活計画"が台無しにされました。

 

おのれ名前も知らないあの男め。

次あの男に出会ったら、今度は両腕を粉砕して自分では何もできない様にしてあげましょうか……と思いましたが、やっぱり会いたくないので取り消します。

 

少し興奮してしまった身体を冷やす様に、人差し指にぶら下げていた水筒の中の水を飲みました。

今世での(・・・・)私の身体は生まれつき痛覚を含めた触覚が無く、身体を流れ落ちる汗などを感じ取る事もできない為、脱水症状などを起こさない為にこまめに水分補給が必要なのです。

五体五感満足で日々を過ごしている方々は、そうあれている事に感謝をしつつ、他人には出来るだけ優しく接してあげて下さいね。

 

なんて、脳内で作り出した仮想の子供たちに言い聞かせて良い返事を貰ったりして一人で勝手に気分良くなっていたりしてましたが、長々と考え事をしながら歩みを進めていたからか、公園の端っこまで来てしまっていました。

 

さて、どうしましょう。

このまま"前世と今世含めて初の学校サボタージュ記念"と称してゲーセンにでも突撃してやりましょうか。

しかしそれをするには問題がありまして、まず私の服装が制服であるという事です。

家に帰るのは面倒ですが、このままゲーセンに突撃しようものなら、すぐさま店員さんかお巡りさんに見つかってアウトです。

入れたら入れたで、この体で満足に出来る事といえば精々プリクラぐらいでしょう。

触覚を感じないが故に、自分がどれだけ動けているか、どの様に動いているかが自分でも分からないので、激しい運動は危険なのです。

 

「普通の身体だった前世の自分を思い出しながら動けばいいじゃない?」なんて思うかもしれませんが、この身体とは既に17年もの長い付き合いがあります。

前世の自分の感覚なんて、そんなもの覚えている訳がありません。

前世でも身体を動かしていたのは、健康の為に週一でジム通っていた時ぐらいです。

 

こうも身体が思い通りにならないと、お酒でも飲んでないとやってられないです……今世ではまだ未成年ですが、くそう。

 

 

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 

 

「……ただいま」

 

結局あの後どこにも寄る事無く家に帰ってきました。

幸い(?)な事に、両親は共働きの為、家にはいません。

 

……本当に何をしましょうか。

 

今世での私の母はとても厳しい人なので、ゲーム、漫画、アニメなんかは買う事が出来ません。

前世でバリバリの現代人だった私にとっては、パソコンで動画を観たり、SNSを眺められるのが救いです。

早くこの世界でもスマートフォンを開発してほしいな、と思います。

 

あ、家の電話機がなり始めました。

お相手は……私の通っている学校ですね、居留守しましょう。

母には既に学校の方から私の無断欠席の連絡が届いているのでしょうが。

 

……やる事、というより出来る事がほとんど無いので、連絡を受けた母が超野菜人の如く怒り狂いながら家に帰ってくるまで大人しくニュースでも眺めている事にします。

 

 

 

と、テレビのリモコンを求めてリビングの机に近づくと、一枚の封書が置いてあるのに気が付きました。

 

 

 

これは母宛のものでしょうか、なんて思いながら手に取ってよく見てみると、達筆で『浅上(あさがみ)藤子(ふじこ)殿へ』と書かれているではありませんか。

なんと、私宛とは……あれ? この封書、割と目立つ場所に置いてあったのに、今朝見かけなかった様な……。

前世でも実際には見た事の無かった封蝋で閉じられている封書なんて、だいぶ目に付きやすいと思うのですが……。

 

送り主は……わかりませんか、まぁ私宛なのですし、思い切って開けてしまいましょう。

 

封蝋の周りをビリビリと破りながら強引に封を切り、中の手紙を呼んでみます。

そこにはこう書かれていました。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

その才能(ギフト)を試す事を望むのならば、

己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

我らの"箱庭"に来られたし』

 

……ふーむ。

転生者である事と、「触覚と引き換えに」と言わんばかりに獲得(?)した凶悪な"眼の力"の二つを除けばほぼ一般人な自分にも、なんとなく「これは普通の手紙では無い」とわかりました。

なんというか、こう……直感? 虫の知らせ? みたいなそんな感じで。

 

ギフト、というモノを試す事は別に望んでいませんが、"箱庭"とやらには行ってみたいですね。

少なくとも、気持ち悪いあの男と厳しい母に板挟みになっている現状よりは楽しそうです。

 

己の家族は……捨てられますかね。

転生者故、今の親との接し方は難儀していましたので。

ここまで育ててくれた、偶に内緒でケーキを買ってきてくれる優しい父と、厳しくも偶に優しかった母には、大変申し訳ないと思いますが。

 

友人は……いなくなりましたね、次。

 

財産も、まぁ使い所の少ないお小遣いと何冊かの小説ぐらいなので。

 

後は……SNSで、顔も知らない誰かの日常を眺めたり出来なくなるのは、少し悲しいですが置いていきましょう。

 

……うわぁ、自分でも引くぐらいこの世に未練ありませんね、自分。

 

とりあえず書き置きを残しておきましょう。

『唐突にいろいろなものを見てみたくなったので、友人と一緒に旅に出ます。

探さないで下さい。

法に触れる様な事はしないつもりなので、どうか安心して下さい。』

……っと。

 

さて。

 

それではそろそろ"箱庭"とやらへ案内してもらいましょうか。

 

……あ、ドアの開く音、母が帰って______

 

 

 

 

 

___と思った次の瞬間には私の視界に映るものは、自宅のリビングでは無く、青一色に変わりました。

 

その直後、青一色の視界内に黒が……途轍もなく荒ぶっている自分の髪が見える様になり、耳にはヒュォォォォ…という風を切る音が聞こえます。

 

……予想ですが、多分、今私落ちていますよね、仰向けで。

迫り来る地上を見なくても済んだと喜ぶべきなのか、墜落する事に対しての覚悟が持てないと絶望するべきなのか、どうなんでしょうね。

あいにくと私の"目の力"では落下をどうにかする事は出来ません。

墜落と説教、どちらの方がマシなのでしょうか。

絶対に説教ですね。

 

 

 

 

 

などと、ヤハハハハという笑い声を聞き流しながらなんやかんや考えていたら、ボチャーンと着水、数秒の間ブクブクと水中に沈んだ後、プカーと水面に浮かび上がりました。

 

……結構長い間落下していたと思うのですが、何故私は生きているのでしょう。

 

とりあえず溺れない様に両手両足を広げて浮力を獲得しておき、救助を待ちましょう。

この体質の所為で、今世では全く泳げませんので。

 

「おいアンタ、助けは必要か?」

「必要です、救助お願いします」

「りょーかい」

 

男の人であろう声の主に助けを求め、陸地まで引っ張ってもらいました。

どうやらここは森の中に広がっている湖だったらしい。

立ち上がり振り返ったその先には、学ランとヘッドホンを身に付けた金髪の男の人が立っていました。

 

「ありがとうございます」

「大丈夫か?」

「ええ、おかげさまで」

 

後は、落下の恐怖とかストレスで、胃壁に穴とかが無ければ良いのですが。

 

「まぁそれなら良かった」

 

男の人と少しばかり話しながら、少し離れた場所にいた女性二人+猫一匹と合流しました。

一人は黒い長髪に赤いリボンを結んでいる、如何にもお嬢様といった服装。

もう一人は茶髪のボブカットに、動きやすそうなスリーブレスのジャケットとショートパンツを身に付けています。

 

この男の人と女性二人、ついでに三毛猫一匹はびしょ濡れなので、多分私と同じく湖に落下したのでしょう。

 

「信じられないわ!まさか問答無用で引き()りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

 

金髪学ランさんと黒髪お嬢様が会話を……というよりは、罵詈雑言を吐き捨て始めました。

……いや、石の中スタートも十分ゲームオーバーだと思うのですが。

 

「……いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

「俺は問題ない」

「そう、身勝手ね」

 

問題無いんですか、すごいですねー……えっ、それって人間に出来る事なんですか、金髪学ランさん。

まぁそれはそれとして、服が濡れたままでは寒く……はないですが、動きづらいので少し絞りましょう。

ぎゅー。

 

「此処……どこだろう?」

 

というのは、三毛猫を抱きかかえた茶髪ボブカットさんの台詞。

というかあの三毛猫はあなたの子でしたか。

 

「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えた(・・・・・・・・・・・・・・)し、何処ぞの大亀の背中じゃねえか?」

 

と、金髪学ランさん。

 

……えっ、今なんて言いました? 世界の果て?

……すみません、金髪学ランさんの言ってる事、ほとんど理解出来ないのですが……。

ま、まぁ、とりあえず皆さんも此処がどこなのかはわからない様ですね。

 

と、私の頭の中がごちゃごちゃしている間に金髪学ランさんが話し始めました。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しておくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

「そうだけど、まずはその"オマエ"って呼び方を訂正して。私は久遠(くどう)飛鳥(あすか)よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」

「……春日部(かすかべ)耀(よう)、以下同文」

「そう、よろしく春日部さん。で、さっき湖で浮かんでいた貴女は?」

 

変な覚えられ方ですね、事実ですが。

 

「あ、はい、私は浅上藤子と申します。私の事は適当に、好きな様に呼んで下さって結構ですよ」

「ええ、よろしく浅上さん。最後に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

ひどい言われ様ですね、金髪学ランさん。

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻(さかまき)十六夜(いざよい)です。粗野(そや)で凶悪で快楽主義者と三拍子揃った駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれ、お嬢様」

 

お、おおう……。

 

「そう、取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

は、はあ……。

 

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

えええ……。

 

なんて私が狼狽えていると、やがて逆廻君は笑いを収め、苛立たしげに言いました。

 

「で、呼び出されたは良いけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた"箱庭"とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

「そうね。何の説明も無いままでは動きようがないもの」

「………この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

「いえ、私は全然落ち着けないのですが?」

 

そんな私の言葉は、完全にスルーされました。

三人の対応で悲しみに包まれそうになった私ですが、ふと逆廻君のため息混じりの呟きが聞こえました。

 

「仕方がねえな。こうなったら、そこに隠れている奴にでも話を聞くか?」

 

……奴?

顔を上げると、三人が同じ方向に注目しているのが分かり、釣られて自分もそちらを見てみると、……草むらの上に青いウサギの耳が、ピーンと立っていました。

……何です、この……何? ウサ耳?

 

「なんだ、貴方も気づいていたの?」

「当然。隠れんぼじゃ負け無しだぜ? さっき浮いてた奴はともかく、そっちの猫を抱いてる奴も気づいていたんだろう?」

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

「……へえ? 面白いな、お前」

 

この際自分の評価には何も言いませんが、三人の目がとても怖いです。

まぁ、いきなり湖に落とされるという理不尽な招待を受ければ怒りもするでしょう。

私は三人が怒りを露わにしているからか、逆に少し落ち着いてきました。

 

やがて、三人の殺気の籠もった冷ややかな視線が集まった草むらの中から、一人の女性が引きつった笑みを浮かべながら出てきました。

……青い髪が綺麗な可愛らしい女性ではあるのですが、扇情的?な格好や頭部に生えているウサ耳のせいで、反応に困ります。

 

「や、やだなぁ御三人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

あっ、この先の展開が凄く予想出来ます。

 

「断る」

「却下」

「お断りします」

 

ですよね。

 

「あっは、取り付くシマも無いですね♪」

 

黒ウサギ(多分名前)さんは両腕を上げ降参のポーズをとりました。

……黒ウサギさんが助けを求める様にこちらを見てきましたが、私はすぐに目を逸らしました。

私にこの問題児たちを抑えるのは無理です。

 

「えい」

「フギャ!」

 

黒ウサギさんの奇声を聞いて視線を戻すと、そこには黒ウサギさんのウサ耳を鷲掴み、力いっぱい引っ張っている春日部さんの姿が。

いやあのそれ千切ったりしませんよね!?

 

「ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

「好奇心の為せる技」

 

いやそんな「そこにウサ耳人間がいたから」みたいな……。

 

「自由にも程があります!」

「へえ? このウサ耳って本物なのか?」

 

あっ。

 

「……じゃあ私も」

 

逆廻君と久遠さんもウサ耳を鷲掴みました。

 

「ちょ、ちょっと待っ___」

 

……もう私には手に負えませんね。

 

どうする事も出来ないと判断した私は、黒ウサギさんの絶叫をBGMにしつつ、三毛猫と戯れる事にしました。

 

……三毛猫を撫でても、やはりモフモフであろうその感触は伝わってきませんでした。

悲しみ。

 




・ネタバレっぽい事も書くオリ主解説。

名前は浅上藤子。
身長は157cm。
容姿はこのオリ主の元ネタである《浅上藤乃》と同じ。
紫がかった黒い長髪と赤黒い目が特徴。
『浅上藤乃 画像』で検索すれば大体わかる…と思う。
前世ではそこそこのオタクだったが、意識してネタを使おうとはしないタイプ。
「生まれつき触覚が無い」とオリ主は思っていますが、ある条件を満たしている間のみ、痛覚だけは戻ります(それが発覚する場面まで書くかは未定)。
触覚が無くなった→外界からの刺激が少なくなった事でだいぶ無感動な精神になっていた。
能力に関してオリ主は『とりあえず鉄パイプや人の骨程度なら曲げたり折ったりできる力』と認識しているが……。





・実際の能力解説
能力名は《歪曲の魔眼(わいきょくのまがん)》
『視界内に映る、物質として存在するものを捻じ曲げ、捻じり切る』という能力。
この能力はなんと『硬度・構造・規模を無視する』。
その気になれば鉄骨だろうが高層ビルだろうが巨大な橋だろうが関係無く歪曲させて破壊する事ができる。
ここまでならばまだ「良くあるチートオリ主か」と思うだろうが、もっと恐ろしいのが"能力者の視界内全てが能力の有効範囲"である事。

例えるならば、拳銃は『引き金を引いたら弾丸が発射され、空気中を高速移動した後、着弾する事で始めて相手にダメージを与える』ものである。
それに対し、この能力は『引き金を引いた瞬間に、距離とか関係無く相手の体内に高速移動中の弾丸が発生し、ダメージを与える』というものである。
どれだけ離れていようと、能力の使用(引き金を引く)と効果の発生(ダメージを与える)に間が生まれないのだ。

…………筆者的には上手く説明できている気がしないが、そんな感じの能力なのである。
要するに『完全に初見殺しな、視界内にいる限り回避不可能な即死or重症を与えられる能力』。

弱点は『概念や、能力者自身が「これは曲げられない」と認識したものは歪曲させられない』というもの。
現在のオリ主に後者の様なモノは存在しない為、大抵の相手は曲げられる。
また、動くモノを狙う場合、障害物に隠れられる=視界内から消えてしまい、そこにいると分かっていても手前の障害物を歪曲してしまう。
『対複数に弱い』『能力者(オリ主自身)が心身共に弱い』などの弱点もある。



筆者が原作2巻執筆を諦めた理由のほぼ全てが、トランプタワーにバットをフルスイングするが如く原作を崩壊させかねないこの能力のせい。
少なくとも、そこらのチートor最強オリ主よりも強い。
しかも【空の境界】を知っている人の大体がわかると思いますが、あと一回凶悪すぎる変身を残しているという……。

追記:ここに書いた能力解説は【空の境界】でのもので、【問題児シリーズ】には『対象に直接干渉する類の能力は霊格差で弾ける』という設定があり事を完全に忘れてました……なんたる失態。
感想でのご指摘ありがとうございました。
僕は基本馬鹿なので、ご了承下さい。
まぁ、続きはチマチマと書いていこうと思ってます。

余談ですが、このオリ主の元ネタの人も「全方位に開いた人間大砲みたいな奴」「巨大積乱雲(スーパーセル)女」「自然災害、怪獣みたいな…」「忍耐強いが、一度たがが外れると事態を解決するまで止まらない暴走ダンプカー」なんて言われていたりします。


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