冷泉麻子、行きまーす!!   作:わんたんめん

42 / 65
さて、劇場版、始まります!!

そして、ヤることヤってしまった。どうしよう。
多分秋山殿発狂案件ですわ。
あとそれとちょっと無理やり度が・・・・。

あとそれと前回のネタに乗ってくれた皆様には最大級の感謝を。思った以上に言ってくれる方が多かったのでこの場を借りてお礼を言います!!


第42話

西住君に私の予想を伝えたあとは各チームの車長を集めて、暫定的な作戦会議に入った。

一応記事などを漁ってみたが、社会人チームに勝利したなど華々しいものであり、かつこちらの戦意を削ぐにもってこいのものばかりであった。

それに大学選抜チームの隊長、『島田愛里寿』は苗字から察するに、西住流と対をなす『島田流』のご令嬢なのだろうがどう考えても高校生にも満たない年齢のように見える。調べてみたところどうやら飛び級らしい。外国ならまだしも日本に飛び級制度があったとはな・・・。

さらに作戦会議といっても詳細な試合内容が決まってないため、議論は盛り上がらず、ひとまずフラッグ戦だった時のことを想定して作戦を考えるだけに終わった。

さて、日付はともかく詳細まで伝えに来ないとはな。おそらく当日、ないしは試合会場である北海道に着いたときに伝えに来るか。

どうやってもこちらを廃校にしたいらしいな。文科省の奴らは。

 

 

 

 

会長から相手車輌の総数と試合内容の予測を聞いた私はみんなと解散したあとも作戦を練っていた。みんなに殲滅戦の可能性があることを伝えなかったのはやっぱり士気に関わるというのも大きかった。

 

「・・・・ちょっと根を詰めすぎかな・・・。少し外へ出てみよ。」

 

そう思い、仮宿舎を出て、外の空気を吸いながら歩くことで一回思考をクリアにする。

スッキリさせたあとも作戦のことを考えながら歩いていた。

でも集中しすぎて周りが見えなくなったのか。

 

ガツンッ!!

 

「あいたっ!?」

 

目の前の電柱に気づかずに頭を強打してしまう。自分の鈍臭さに呆れながらぶつけた箇所をさする。ふとあたりを見回すとそこにはーー

 

「あ、ここ冷泉さんのいる病院・・・・・。」

 

どうやら気づかない間に彼女の入院している病院まで歩いて来てしまったようだ。

そこで私は携帯を開いて時刻を確認する。デジタル時計が示していたのは8時前。

そして、病院の基本的な面会していい時間は9時くらいまでだ。

 

「・・・・せっかく来たんだし。」

 

そう自分に言い聞かせて、私は病院の中に入っていった。

受付の人に面会をしたいと確認を取ると、快く了承してくれた。

時間がだいぶギリギリだったのもあったから私はその人にお礼を述べながら病室へと向かった。

 

そして、私は彼女の病室の扉を開けた。

 

「ん?西住か。こんな時間にどうかしたか?」

 

彼女は変わりない様子で私を出迎えてくれた。最悪、すでに寝ていることも覚悟していたがどうやらそうでもなかったようだ。

その様子に嬉しいような残念な複雑な心境を抱きながら私は備え付けの椅子に腰かけた。

 

「寝ているかなって思ったんだけど、そうでもないんだね。」

「まぁ、暇を持て余していてな。暇つぶしといえば寝ることしかないから自然と夜は起きていることが多くなって来た。」

「ダメですよ。ちゃんと寝ないと、また低血圧で沙織さんとかに迷惑かけちゃいますよ。」

「善処するよ。」

 

そのまま二人揃って笑顔を浮かべていると、冷泉さんが唐突に切り出した。

 

「それで、目的はなんだ?ただ見舞いに来たわけではないのだろう?」

 

・・・・やっぱり冷泉さんには敵わないな・・・・。

話したいことへのきっかけを切り出してくれたことに感謝しながらも私は思っていることを話し出した。

 

「実は、大学選抜チームとの試合が決まったんです。場所は北海道で、試合内容とかの詳細は決まっていないけど、会長がおそらく殲滅戦だろうって。」

 

少し視線を冷泉さんに向けると彼女は神妙な面持ちで見守ってくれていた。

私はそれを続けていいと判断して話を続ける。

 

「相手の車輌数は30輌。対してこちらは会長たちのヘッツァーが人数不足で出場できないことを鑑みると7輌です。みんなの前では隊長らしく弱音を吐かないようにしていますけど、正直言って不安でいっぱいです。戦車は火砕流の中でも進めるとか言ったけど、本当は虚勢を張っている以外の何物でもない。こうして冷泉さんと話している今も、不安に押しつぶされそうです・・・。」

 

私は顔をうつむかせながら膝の上に置いた手を握りしめる。まるで、自分にまとわりつく不安を振り払うように。

でも、その不安は振り払っても振り払っても倍以上の量となって押し寄せてくる。多分に不安に表情を歪めていると思う。

 

「・・・・みほ。」

 

初めて、冷泉さんが私の下の名前を呼んだ。そのことに驚きながら顔を上げると、優しそうな笑みを浮かべている冷泉さんの顔があった。

 

「ベッドに上がってくれるか?すまんがベッドから降りると傷に響いてしまうからな。」

 

冷泉さんはここに来るようにとベッドの掛け布団をポンポンと叩きながら、私に促してくる。

私は靴を脱いで冷泉さんのベッドに上がってぺたんと座る。

 

「注文が多くて悪いが、向こうを向いてこちらに寄ってきてくれないか?」

 

何をするのだろうと思いながら冷泉さんの言う通りに背中を彼女に向けながら冷泉さんに近づく。

 

「・・・・まぁ、これなら届くか。」

 

冷泉さんのそんな声が聞こえた瞬間、彼女の両腕が、私の肩に乗っかってきた。

そのまま私の体は引き寄せられるように背後にある冷泉さんの体に自分の背中に密着する。それはまるで抱きとめられているようでーー

 

「れれれれ冷泉さんっ!?」

 

顔を真っ赤にしながら驚くが、冷泉さんはこれといった返答はなかった。

突然の出来事に心臓の鼓動が爆発的に早くなり、音も大きいものになる。

気づいていながら触れないでいてくれているのか、冷泉さんはそのまま口を開き始めた。

 

「実を言うと、今日、君の母親が見舞いに来た。」

「えっ!?お母さんが・・・!?」

 

その言葉に驚きながら、私は家に母親がいなかった理由を知った。

冷泉さんの見舞いに行っていたからだ。でも、どうしてーー?

 

「内容は色々と省くが、端的に言うとかなり後悔していたようだ。君のあの事故の件で母親としてではなく、西住流の師範としてあたってしまったことをな。」

 

私は冷泉さんの言葉に僅かに気まずい表情をしてしまう。なぜなら私がやったことは確かに西住流の理念としては外れていることは間違いはなかった。でも、自分のやったことは間違っていないことを伝えるために大洗での戦車道を続けてきた。

何も、母親を悲しませるためにやった訳ではない。

 

「母親を悲しませるためにやった訳ではない、と言った感じだな。」

 

冷泉さんの言葉に思わず驚愕の顔を浮かべてしまう。顔は見られていないはずなのに自分が考えていることを見透かされて、表情が若干強張る。

 

「だが、君の母親は君のために動いてくれた。会長の文科省の約束の取り付けには彼女や戦車道連盟の理事長、さらには蝶野教官まで私たちの廃校に異を唱えてくれている。」

 

お母さんが・・・大洗の廃校に待ったをかけてくれた・・・?

 

「まぁ、表向きは黒森峰のリベンジのためだろうが、本心は何より愛娘の君のことを考えての行動のはずだ。

 君の周りには大洗のみんなだけじゃない。君の頑張りに感化された者、文科省の横暴に待ったをかけようとしている者、何より君の母親が応援してくれている。

 不安が尽きないのはわかる。だが、君の後ろにも応援してくれている人がいることを忘れないでほしい。」

 

私にそう優しく語りかけてくれる冷泉さんに、私は自然と涙腺が緩んで涙が溢れそうだった。だから、冷泉さんの手に覆うように自分の手を重ねたのも自然なのかもしれない。

 

「・・・・・ありがとう。」

 

私のお礼の言葉に冷泉さんは軽く息を吐くように笑うだけだった。

その表情は絶対に柔らかいものだったと思う。

でも、やっぱり冷泉さんには、そばにいてほしい。

 

「やっぱり、試合には間に合いませんか?」

 

そう尋ねると冷泉さんは困った表情をする。それだけで冷泉さんは試合に出ることが出来ないことを察する。

 

「すまない。医師に確認はとったのだが、ストップがかけられた。最悪、また傷が開いてしまうようだ。」

「そう・・・・ですか。」

 

そう言われしまい、私は表情を少しばかり沈んだものにしてしまう。

やっぱり、この人にはそばにいてほしい。

 

「だが、会長が何かしらの対策を施している。具体的なところは知らないがな。」

「・・・冷泉さんって、会長をだいぶ信頼しているんですね。」

 

私はそこでなぜかムッとした表情をしながら冷泉さんに聞くと、彼女は表情を緩めながら答えた。

 

「何だかんだ言ってあいつとの付き合いが一番長いからな。」

「沙織さんよりもですか?」

「まぁ・・・否定はしない。」

 

冷泉さんが言ったその言葉に胸の内がなぜか棘が刺さったみたいにチクリと痛んだ。

最初こそどうしてだろうと思ったがーー

 

『君の中で彼女の存在が大きいのだな。』

 

会長のその言葉を思い出したことで私は自分の気持ちにようやく気付いた。

私、冷泉さんのことが好きなんだ。友人としてではなく、一人の人間として、恋愛的に好きなんだ。

そして、さっき胸がチクリと痛んだのは、嫉妬の心。会長にその気はサラサラないのだろうけど、おそらく私は会長に嫉妬してるんだと思う。

 

「冷泉さん、私そろそろ戻りますね。その、時間ギリギリだから・・・。」

「それもそうだな。すまんな、突然あんなことをして。あまり気分の良いものではなかっただろう。」

「そんなことないです。むしろーー」

「むしろ?」

 

嬉しかったです。はい。でも、私にそれを口にすることは恥ずかしくてできない。

だからーー

 

私は冷泉さんが私に回していた腕を離すと同時に顔だけを冷泉さんの方に振り向かせながら私が彼女の後頭部に腕を回して自分の顔に引き寄せる。

そして、そのまま唇を重ねた。お互いの唇を重ねるだけの軽いもの。

だけどその感覚は一瞬だったか、はたまたずっと続くような錯覚に陥るほど長いようで短く感じた。

私は少し名残惜しかったけど、冷泉さん、いや麻子さんの柔らかい唇から離れる。

呆気に取られた顔をしている麻子さんの顔を見て、なんとなくしてやったみたいな優越感に浸る。

 

「えへへ、私の初めて、麻子さんにあげちゃいました。」

 

その優越感がなくならないうちに私は病室を後にした。

 

 

 

「・・・・・お、驚いたな・・・・。まさか彼女がこんな大胆なことをするとはな・・・。」

 

はっきり言ってみほからキスをされた時は流石に俺も驚いた表情をせざるを得なかった。多分、年甲斐もなく、僅かに顔が紅潮しているようにも感じる。

自分でも言ったが、戦車を動かしている時の彼女といつもの彼女はまるで違うからだ。

戦車に乗っていない時のみほははっきり言っておとなしいが第一印象の少女だからだ。

その戦車に乗っていない状態のみほがいきなりキスをしてくるという予想外の行動を俺は理解するまで少しばかり時間をかけてしまう。

まぁ、彼女は彼女で成長しているのだろう。

で、病室の外で悶えているようにしているのはみほか?

 

 

 

(やっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったっ!?!?!!!)

 

なにやってるのわたしぃっ!?し、しちゃったよね・・・。その・・・麻子さんと、キス・・・・。唇には僅かにその時の感触が残っていた。その感覚を思い出すとーーあ、もうダメ。

 

(ほわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?)

 

病室の前でしゃがみこんでいた私は顔を真っ赤にどころか真紅に染めながら病院から逃げるように出て行った。

その際、叫びながら病院を出てこなかったのは褒めてもいいって思った。

 

 

 

 

 

・・・・・何故だ。何故か西住君からピンク色のオーラのようなものが見えるだが、気のせいか?

まぁ、気のせいということにしておこう。大方アムロが関わっているのは事実だろうがな。

話は変わるが、我々が現在、決戦の地である北海道に来ていた。

学園艦がないため大洗から出る太陽だかひまわりだかの意匠が施された船で北海道へ向かい、近くで借りた倉庫で作戦会議をしていると、そこに児玉理事長と役人がやってきた。

どうやら試合の詳細を伝えにきたようなのだが、私の懸念の通り、試合内容は殲滅戦ということだった。

ただでさえこちらは戦車の保有台数が少ないのに殲滅戦はこちらに不利すぎると抗議の声が上がったが、役人どもは既に決まったことだと言い、取り付く島もない。もっとも私としては大した驚きはなかったがな。

 

「おや、君はそれほど驚いた顔は見せないのだね。」

 

私の涼しい表情が気になったのか役人がこちらに声をかけてくる。

ちっ、面倒なことになった。

 

「まぁ、予想できなかった訳ではなかったので。」

「予想していたにもかかわらず、皆に伝えないとは飛んだ道化のようだね、君は。」

 

役人はこちらを嘲笑うかのような視線を向けてくる。

私はその様子を見て内心、ため息をついていた。この男、器の高が知れているな。

 

「どのみち、大洗はこの試合で勝てなければ廃校の撤回はできない。降参するなら早めにしておくのが懸命でしょう。」

 

そう勝ち誇ったような笑みを浮かべる役人に対して、他の面々は睨むような視線を向けている。

・・・・ここは言っておいた方が彼女らの気持ちも晴れるか。

 

「言いたいことはそれだけかね?」

「は?」

 

私の反応が予想外だったのだろうか、役人は素っ頓狂な声を上げる。君は邪魔なのでな、さっさとご退場願おうか。

 

「言いたいことはそれだけかと言ったんだ。無いのであれば、とっとと出て行ってもらおうか。作戦会議の邪魔だ。」

 

私の様子が豹変したことに驚いているのか、理事長はもとより西住君たちも表情を強張らせている。

当の役人も冷や汗のようなものを流している。

 

「失せろ。貴様の顔は癪に障るのでな。」

「あ・・・う・・・。」

 

私の放つプレッシャーに圧されたのか役人は表情を固めながら動こうとしない。

さながら気分は蛇に睨まれたカエルといったところか。

 

「もう一度言う。失せろ、俗物。」

 

そう言い放つと役人は逃げるようにこの場を後にした。理事長もそれを追うように出て行った。

・・・・彼には悪いことをしたな・・・。

 

「か・・・・会長、あんな顔ができたんですね・・・。」

 

桃がしどろもどろな口調になりながらそう聞いてくる。まぁ、これが本来の私なのだ。そう思われてもしょうがあるまい。

 

「まぁ・・・・あれが本来の私と言っても過言ではないだろうな。みんなを怖がらせてしまって申し訳ない。」

 

そう言いながら、らしくないことをしたとため息をついていると、一年生達の姿が目に入った。

何故かその眼は輝いているように見えたがーー

 

「かっこいい・・・・!!」

 

ん?

 

「カッコよかったです!!」

 

おそらく、阪口君あたりだろうか、誰かがそう言うと、一年生達がこちらに駆け寄ってわいわいと騒ぎ始めた。

・・・まぁ、みなの気持ちが晴れたのであれば、それでいいか。

 

「なんていうか、軍人さんみたいな感じがあったよねっ!?」

「映画で見た感じとは違うけど、凄いカッコよかったです!!」

「会長に睨まれた時の役人の顔面白かったよね!!」

『ねー!!』

 

和気藹々とした一年生の様子に表情を緩ませていると、西住君がこちらに視線を向けていた。それに気づき、顔をそちらは向けると、頭を下げてお礼の意を表した。

 

「その、ありがとうございます。立場的に私が言うべきだったのでしょうけど・・・。」

「いや、私は私が思ったことを言っただけだ。気にすることはない。気をとりなおして作戦会議の続きといこうか。」

「・・・・はいっ!!」

 

そして、次の日、ついに大学選抜チームとの決戦が始まる。

さて、ある程度の根回しはしたが、後は任せたぞ。ダージリン。そして、ケイ。

 

 

試合当日、西住君と二人で試合前の挨拶へと向かう。審判員は蝶野教官を含めて四人。その審判団の前にこちらを毅然とした態度で見ているのが、『島田愛里寿』だ。

彼女に向かって歩いている中、西住君が軽くこちらに耳打ちをしてくる。

 

「あの、会長。結局手って一体・・・・?」

「なに、今に分かるさ。」

 

そのまま島田愛里寿の元へたどり着き、まさにお互いに挨拶しようとした瞬間。

 

『待ったーっ!!!!』

「えっ!?」

「来たかっ!!」

 

西住君は驚きの声をしながら声の飛んできた方向を見る。まぁ、そうだろうな。

なぜなら今の声は、彼女の姉、西住 まほの声なのだから。

私はダージリンに頼んで各校に援軍を要請してもらったのだ。

ダージリンの要請に応じて、短期転校として集まってきたのは合計、22輌だ。

黒森峰からは『ティーガーⅠ』『ティーガーⅡ』『パンターG型』が二輌。

 

「みほ、助けに来たぞ。」

「私たちの力、存分に扱いなさい。そのかわり絶対に勝ちなさいよ!」

「お姉ちゃん・・・エリカさんっ!!」

 

聖グロからは『チャーチル』『クルセイダー』『マチルダⅡ』

 

「お待たせしましたわ。事は全てエレガントに、ですわ。」

 

プラウダからは『T-34/85』が二輌に『IS-2』と『KV-2』

 

「ふふん!!このカチューシャが来たからには大学選抜なんてケチョンケチョンだわっ!!」

 

アンツィオからは『P40』

 

「おいダージリン!!お前のせいで決勝戦でせっかく稼いだ資金が全部P40の修理に持っていかれたんだからなっ!!」

 

サンダースからは『M4シャーマン』が2輌と『シャーマン・ファイアフライ』

 

「Hi!!待たせたわね!!私たちもいるわよ!!」

 

継続高校からは『BT-42』

 

「さて、始めようか。」

 

そして、最後にきたのが知波単学園なのだが、最初は22輌で来てて流石に焦った。

 

「すみません!!心得違いをしておりましたぁ!!」

 

だが、すぐさま16輌が下がっていって最終的に残ったのは6輌だった。

これで、30輌と7輌だったのが、30輌と29輌となった。

これで数の差はほとんどなくなったと言っていい。

 

「さて、突然増えてしまったが、こういう場合はどうすればいい?教官殿。」

「基本的には相手チームの隊長が了承すれば良しとします。」

 

そう教官に尋ねると、彼女は軽い笑みを浮かべながらそう答えた。

と、なると判断は島田愛里寿に委ねられるわけだが・・・・。

 

「我々は構いません。受けて立ちます。」

 

ふむ、嫌な顔一つせずに了承してくれたか。同情からかはたまた向こうも少々気乗りが悪いのかもしれんな。

 

「すまない。こちらからもう一つ許してほしいことがあるのだが構わんかな?」

「・・・内容による。」

「実を言うと遅れてくる人物と1輌いるのだが、それらが途中参加しても構わないかね?」

「す、凄い頼みをするんですね・・・・。うーん・・・・・。」

 

島田愛里寿は困惑気味な表情をしながらも考えてはくれる。まぁ、流石にすんなり通るとは思っていない上、考えてくれるだけでも有難い。前代未聞すぎることなのは承知の上だ。レギュレーションを際どいどころか貫通しているような気がしないでもない。

 

「うーん・・・・。うん。1輌くらいなら大丈夫。というより登録は・・・?」

「してあるとだけは言っておく。」

「そう。ならいいよ。」

 

・・・・・器の大きさが役人とは比べものにならんな・・・。

少しばかりこちらが後ろめたい気になってくるな・・・。

まぁ、それはそれとして、ようやく試合か・・・・。

 

「西住君、とりあえず時間を引き延ばすことを最優先にしてほしい。」

「えっと・・・。わかりました。でも車輌はともかく、遅刻している人は・・・。」

「それはおいおいわかることだ。ひとまずみなを集めて作戦会議だ。」

「そ、そうですね。」

 

では、始めるとしようか。とはいえ、最初は私と桃は出られないがな・・・。

 




アンチョビが乗ってきたのは『P40』です。アンチョビが乗ってきたのは『P40』です。(大事なことなので二回言いました。)

あとヘッツァーもお留守番です。つまりどういうことかガルパンおじさんである諸兄には、わかりますね?

最終章、見たいですか?(モモチャンズリポートのあとがき要参照)

  • 見たいです
  • 見たくないです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。