冷泉麻子、行きまーす!!   作:わんたんめん

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あけましておめでとうございます^_^

わんたんめんとしての新年最初の投稿はガルパンになりました^_^

色々並行して話を投稿している自分ですが、それら含めて今年もよろしくお願いしますm(__)m




サブタイつけるなら、「アムロが出張ったので総帥も負けられないようです。」


最終章 第四話

「あ、あの………アムロさん、大丈夫なんですか!?」

「ん…………というと?」

 

西住君に振るわれかけた不良生徒からの暴力を咄嗟にアムロが彼女の襟元を引っ張り上げることで代わりに奴自身がその暴力に立ち向かうことになった。

 

その様子を私は何か思うわけでもなく眺めていたが、隣に心配そうな表情を浮かべた西住君がやってきた。

 

その彼女からの問いかけに私は何気なく返したが…………

 

「だ、だって……アムロさん、麻子さんとそんなに体格が変わりませんし………!!もしまともに食らったら………!!」

 

まぁ、それなりのダメージは確定だろうな。確かに彼女の腕っ節には感嘆に値するものがある。よくもまぁ、まだ年端のいかない学生があそこまでの筋力をつけたと思うべきだろう。あれほどの筋力を有しているのであれば、ここでも頭ひとつ抜けた存在としていられるだろう。

 

「君のいうことももっともだが、心配には及ばんよ。」

 

だが、今回は相手が悪かったな。私はそう思いながらアムロと女生徒の勝負を軽く笑みを浮かべながら視界に収める。

 

「こと、避けることやそこからの迎撃行動に関して、奴には私でも一目置いているのだからな。」

 

相手はこの私、シャア・アズナブルのライバルなのだからな。君程度では奴を仕留めることは到底できんよ。

 

 

 

 

 

 

 

「シッ!!」

「…………ッ!!」

 

目の前に立つ筋肉隆々の海兵姿の生徒からの攻撃が繰り出される。ボクシングで言うストレートやジャブ、そして裏拳。

さらには蹴りといったその持ち前の筋肉をふんだんに使った多彩な攻撃だが、目で追える範疇ではあったため、それなりの余裕を持って避ける。

 

(…………この環境では暴力沙汰もあったのだろう。筋はいいようだな。)

「こ、コイツ…………ッ!!」

 

その迫りくる暴力を避けられ続けていることを焦り始めたのか、相手は額に汗のようなものを滲ませ始めている。このまま向こうの体力が尽きて、諦めてくれるのを待つのもいいがーーーー

 

「しゃらくさいんだよ!!」

 

苛立ちが頂点に達し、表情に怒りのソレを前面に出した彼女は被っていた水兵帽を掴むとこちらに向けて投げつけた。

それなりの重さもあったのか、水平帽はしっかりとした回転を見せながら向かってくるが、こちらも身体を屈ませることでその軌道から外れる。

 

 

「あうっ!?」

 

避けた直後、スコーンと小耳にいい音と共にそんな声が聞こえた。おそらく背後にはカウンターがあったはずだから、バーテンダーの彼女に直撃したのかもしれない。

 

(中々運のない奴だな…………彼女。)

 

若干の憐みと申し訳なさを孕んだ苦笑いを浮かべているとその様子が癪に触ったのか、相手の女生徒は悔しそうに歯噛みするような表情を浮かべた。

さて、これで引いてくれるとありがたいのだが……………。

 

 

「こんのォォォォォ!!!!」

 

相手の女生徒は一瞬たじろいだような反応を見せたが、それを打ち消すように声を張り上げながら俺に向かって掴みかかってきた。

 

(ッ………まだやる気なのか!?)

 

まだこちらに突っかかってくる気概があったことに一瞬目を見開き、すぐさま態勢を整える。しかし元々部屋が狭いことでお互いの間合いが近かったのが災いし、相手の女生徒に詰め寄られ、掴みかけられたその手が俺の肩に伸びる。

あとほんの少しで俺の肩に触れようとなったところで、間に合った俺の手が女生徒の腕を掴んだ。

 

(間に合った………!!)

 

対応が間に合ったことに安堵するもののすぐさま思考を切り替える。こちらと向こうの筋力差は明白な以上、俺の細い腕で、ことさら片腕でその軌道を押しとどめることは不可能だ。

 

ならば、できることはひとつ。相手の力を利用するしか残された手段はないだろう。そう判断した俺は自分から尻餅をつきにいった。無論、掴んだ手はそのままにしてあるため、思わぬ力がかかった女生徒の体は尻餅をつきにいった俺に引き寄せられるように前のめりに倒れ始める。

 

(バランスを崩した!!)

 

今がチャンスと捉えた俺は尻餅をついた状態から一気に体を倒し、背中を地面に押し付ける。そのまま自分の足を態勢を崩した女生徒の腹に押し当てると、腕と足の筋肉をフル稼働させ、勢いよく投げ飛ばした。

 

投げ飛ばされた女生徒はカウンターでバウンドしたのか、中々うるさいドッタンバッタンと衝撃音を響かせながら複数の断末魔のような声と共にカウンターの奥に消えていった。

 

「おお!!なんとも鮮やかな巴投げですぅ!!」

「…………私もロンデニオンであんな風に投げ飛ばされたな…………。」

(………今のでほとんどの奴が巻き込まれたな…………大丈夫か?)

 

 

秋山の称賛を耳にしながら立ち上がり、心配そうな目線を埃が舞い上がったカウンターに向けるが、そこから這い出てくる女生徒たちの姿が現れたため、ひとまず息をついた。

 

しかし、なんともその後の彼女達の行動が頂けなかった。こちらに向けて怒りに塗れた表情を浮かべるとおもちゃのナイフを筆頭とした手頃なものを手にして、こちらににじり寄ってきた。

 

流石に不味い雰囲気になっていることはわかり切っていたため、俺とシャアの二人でみほ達の前に立ち塞がる。だが、焼け石に水なようなもので迂闊に反撃の手を出せなくなってしまった俺たちは部屋に鎮座しているステージに追い込まれてしまう。

 

(ちっ、些か面倒なことになった………シャアがこちらの意図を察してくれて彼女らの間に立ち塞がるような構図にしたものの、どうする?)

 

そんなことを考えながら目線だけを隣で同じように立ち塞がっているシャアの方角に向ける。

しかし、シャアに視線を向けた瞬間、とんでもないものが視界に映り込んだ。

 

(お、おい…………冗談じゃないのか?)

 

驚愕のあまり思わず声に出そうだったが、なんとか目を見開くだけで留められた自分を僅かながらに褒めてやりたい。それぐらいのレベルの代物があったんだ。

具体的にいうとシャアの後ろに立っている秋山の手に握られているものだ。

 

(どうしてポテトマッシャーなんかをもっている!?)

 

ポテトマッシャー。正式名称M24型柄付手榴弾。見た目は黒い円柱型の筒に木の棒がつけられたものなのだが………まぁ、要するに秋山は自身の懐から危険極まりない爆発物を取り出したのだ。

秋山が使用してしまえば明らかに拗れる一品を取り出したことに頭を痛めてしまう。

シャアは生憎立っている位置が悪いのか気づいているようには見えないしな…………。

 

(どうするべきだ?これは指摘しない方がいいのか………?というより、秋山がそんな俺たちもろとも自爆なんていう日本兵的な発想をしでかさないとは思うが………。どのみち面倒なことになるな。)

 

目の前の敵より味方にとんでもないことをしでかしそうな奴がいることに頭を悩ませている間にも向こうの女生徒達はじわりじわりとにじり寄ってくる。

 

 

「待ちな。」

 

そんな時、張り詰めた空気を引き裂くように凛とした声が部屋に響いた。すぐさまどこからの声と探ってみると、カウンターの端っこの席に座っているマントを羽織っている人物に行き着いた。

 

(また色物な人間が出てきた…………。)

 

内心面倒に思っていると呑んでいたグラスをカウンターの上を滑らせ、こちらに振り向いた。

そこでようやくその人物の姿があらわになるが、肌が黒く日焼けした帽子に赤い羽根をつけた女生徒だった。ちなみにマントだと思っていたものは袖を通していないかけているだけのロングコートだった。水兵の帽子を細長くしてかぶっているのも相まって、その容貌はさながら海賊のようだった。

 

「アンタら、キャプテン・キッド並みな連中だね。まぁ、キャプテン・キッドには会ったことないんだけどね。」

 

そんな彼女がニヒルな笑みを浮かべるとこちらに向けて、何かを投げつけてきた。

 

「む…………これは…………。」

 

比較的ソイツの近くにいたシャアが投げつけられたものを掴むと、それは真っ赤な液体が入った一本の瓶だった。その瓶には何かラベルが貼ってあったが………なんだ?『Havana Club』………?あまり聞き覚えのない単語だな。

 

「『どん底』名物、激辛ハバネロクラブ。ハバネロで作ったノンアルコールのラム酒。コイツで呑み比べと行こうじゃないか。勝ったらアンタ達の質問に答えてあげる。」

 

向こうの挑戦状に俺たちは互いに目線を合わせる。誰がその勝負を受けるかを決めるためだ。この手の勝負は健啖家な華あたりがやるのが一番勝率がいいと思うのだが………。そのことも華がわかっているのか、自身が名乗りを上げようとした時ーー

 

「私が行こう。」

 

華が名乗りを上げるより先にシャアが親玉と思われる女生徒の元へ向かってしまい、席についてしまった。

 

「お、おいシャア!!ここは流石に華に行かせた方がいいのではないのか!?」

「まぁ、飲食に関しては彼女に軍配が上がるであろうな。」

「ならどうして………!!」

 

思わず奴に詰め寄り、みなの意見も聞かずに席についたことを問い詰める。奴自身、この勝負のスタイルは華の方が適していると分かっている上で席についたと自白したことが余計に混乱を産む。

困惑している俺達の様子が目についたのか、奴は投げつけられた瓶を、こちらに見せつけるように揺らす。

 

「この瓶を投げつけられたのは私だ。ならば、私が行く他あるまいさ。」

「そんなヨーロッパの古い貴族的な理由でか………!?」

「それに五十鈴君は生徒会長であろう。そんな彼女がノンアルコールとは言えラム酒を手につけたという汚点をつけさせるわけには行くまい。」

 

呆気にとられている俺にそんなことを言いながら、シャアは華に目線を向ける。

目線を向けられた華はどこか心配そうな表情を浮かべるが、シャアはそれにわずかに口角を上げた笑みを返す。

 

「先輩の肩を担ぐ、という名目でここは退いてくれないかね?どのみち私は程なくして学校から姿を消す身だ。」

 

シャアの言葉は文字通り二重の意味を孕んでいる。ひとつは卒業という形で学校を去ること、もう一つはこの世界の住民ではなく、そのうち元の世界に戻るというのも含んでいるのだろう。

 

そのシャアの言葉にしばらく考え込むような表情を浮かべると、彼女は戦車で砲撃を行う時のような鋭い目つきに変わった。

 

「わかりました。ここはお任せします。」

「…………感謝する。」

 

華からの許しをもらったシャアはカウンターに戻ったバーテンダーの彼女に目線を向ける。

 

「では始めようか、そこのバーテンダーの彼女。グラスに注ぐのを頼めるかな?」

「言われなくとも、それが役割だからね。」

 

シャアが彼女に瓶を渡すとそれほど大きくないグラス、2、3杯口につければなくなるほどのものに真っ赤な酒を注ぐと慣れた手つきでカウンターの上でグラスを滑らせ、呑み比べをする二人の手元に渡される。

 

「ドレイク船長も裸足で逃げ出すこのハバネロクラブ。呑み比べと行こうじゃないか。まぁ、ドレイク船長には会ったこともないけどね。」

「…………実際に会って見なければ真偽はわからないものだと思うが?」

 

その会話を皮切りに二人は酒が注がれたグラスを口につけ、一気に中身を飲み干し始める。

 

「か、辛いッ!?!??」

 

二人が呑んでいる中、そんな悲鳴の声が響き、そちらに視線を向けると向こうの冷泉麻子が顔を真っ赤にしながらカウンターに沈んでいた。

 

「…………呑んだのか?」

「そ、そう見たいですね…………。」

 

俺が呆れた様子でみほに聞いてみると苦笑いと共に返された言葉に思わずため息を吐く。カウンターで沈んだ彼女に沙織が駆け寄り、バーテンダーの少女も若干呆れた様子で甘いフロートの乗っかったクリームソーダを差し出していた。

 

「ふむ、ハバネロの名を冠しているだけの辛さはあるようだな。」

「そう言っていられるのも今のうち、ってね。」

 

視線を戻すと飲み干したのか、両者がそれだけ言葉を交わすと、再び注がれたグラスが二人の手元に投げ込まれる。手に収まったグラスを二人は次々と飲み干していく。両者が呑み干すとそのたびに注がれた状態のグラスが渡され、かわりに空いたグラスがカウンターの上に増えていく。お互い譲る気など微塵も感じさせない呑みっぷりだったが、その均衡は空いたグラスが合わせて15は超した辺りで突然崩れる。

 

向こうの海賊のような格好をした女生徒がその辛さから顔を紅潮させた状態でカウンターに突っ伏した。

一方のシャアはまだ余裕があるようで顔にそれほど変化は見られず、隣で突っ伏した彼女に目線を向けていた。

 

「おや?存外に早いな。こちらはまだそうでもないというのに。」

 

シャアが意外を孕んだ挑発のような言葉を送るとその女生徒も笑いかけながらシャアに視線を送る。

 

「あ、アンタだって、平静を装っておいて本当は胃の中真っ赤なんじゃないの………?」

「フッ、どうだかな。だが、どのみち次の一杯で決まるだろうな。」

 

女生徒の言葉を歯牙にもかけず、シャアは送り込まれたグラスを一気に飲み干した。そしてグラスの中の酒が飲み干されると、シャアは飲み干したグラスをそっとカウンターの上に置いた。

 

「さて、次は君の番だ。」

 

そう言いながら余裕があるのを示しているのか、僅かに笑みを浮かべながら女生徒を見つめる。

その女生徒は一瞬たじろぐような様子を見せた後、勢いよくグラスの中の飲み物を自身の体に入れ始める。

しかし、序盤とは打って変わって辛そうに体を震わせている様子から相対しているシャアはもとより俺もこの先がどうなるかはわかり切っていた。

 

「ッ!?」

 

身体を一瞬だけ震わせ、それこそ何かが身体の中で爆発したような反応を見せるとその女生徒の体は後ろに倒れ始め、地面にその身体を叩きつけた。

 

「すまないが、ルジェカシス系を頼めないだろうか?流石に口直しが欲しいところだ。どれにするかは君のセンスに任せる。」

「あ、ああ…………。分かったよ………。」

 

倒れた彼女に目もくれずにシャアは狼狽した様子のバーテンダーに注文を頼んだ。倒れた彼女の取り巻きであろう筋肉隆々の女生徒を中心とした人間が連れ出している中、出されたカクテルをシャアは軽く口につける。

 

「ん、悪くない。君はなかなか腕の立つバーテンダーのようだな。」

「…………アンタ、大丈夫なのかい?」

「酒とは競うためのものではなく、愉しむための代物だ。そこさえ履き違えなければ潰れはせんよ。つまるところ、競うために酒を差し向けた彼女はまだまだ子供だと言うことだ。」

 

バーテンダーの彼女にそう返しながらソファの上で額に氷嚢を載せられた女生徒に目線を向けた。

 

「ほえー…………なんだか格言じみた言い回しですね。」

「………よしてくれ。そういうのはあまり好きではない。もう周りから煽てられるのは勘弁したいのだ。」

「ご、ごめんなさい。」

 

秋山の言葉に少々嫌なものを感じたのか、シャアは僅かに細めた目線を秋山に向ける。その目線を向けられた秋山は即座に謝罪の言葉を述べたことで、シャアの目は元のものに戻った。

 

「まぁ、ともかく勝負はついた。彼女らに話を聞くとしよう。」

「そうですね、何か有力な情報が出ればいいのですが………。」

 

 

 

 

「戦車ねぇ…………すまないけど、あまりピンとは来ないねぇ…………。」

 

約束通り彼女から戦車についての情報を話してもらおうとしたが、帰ってきた答えは思っていた以上に芳しくないものだった。

おいおい、これでは完全な無駄足になってしまうではないか。しかし、事前調査の情報ではここら辺に戦車の反応があったのは確かな話だ。周りに聞いてもこうも不良が多くてはいちいち喧嘩をふっかけられて時間がかかるだけで面倒だ。どうにかここら辺で確定的な情報を得たいのだが…………。

 

「……………河嶋桃。」

 

そんな時不意にシャアが河嶋の名前を出した。俺たち含めたあんこうチームはシャアが突然河嶋の名前を出したことに疑問を抱くが、向こうの女生徒達の反応は少し違った。

 

「…………どうしてそこで桃さんの名前を出した?」

 

そういうのはソファで横になっていたリーダー格の女生徒だった。その表情は怪訝なものと険しいものが入り混じっており、シャアに警戒のようなものを抱いていた。

 

「…………君達は退学になりそうだったところを彼女に庇ってもらった。そうだな?」

「た、退学ぅ!?」

 

シャアの言葉に沙織が驚いた声を上げるが今それにかまっている暇はなく、話は次に進んでいく。

 

「…………そうだよ、私達は退学になりそうだったところを桃さんに庇ってもらった。その恩義はちょっとやそっとのことでは返せない、とても大きなものだよ。」

「ならば、手を貸してくれないだろうか?今現在、彼女は危機に瀕しているのだよ。」

「な、なんだってぇ!?それは本当なのか!?」

 

シャアが河嶋が危機にあっているということを伝えると女生徒達は目の色を変えてその詳細を聞き出し始めた。最初こそ狼狽るこちら側だったが、たまたま沙織がもっていた向こうの河嶋が留年………もとい浪人しかけていることを記した学校内新聞を彼女らに見せる。

 

「な、なんてことだ………桃さんが留年を………!?」

 

正確に言えば浪人だがな。(本人談)

 

「…………事情はわかったよ。それと、さっきまで喧嘩をふっかけていたから差し出がましいとは思うけど、桃さんのために私達にできることがあるのなら、なんだってやらせて欲しい。」

 

リーダー格の女生徒がそう言ってきたことで向こうとの協力を確立できたところで再度俺たちは戦車の居所を尋ねた。今度は戦車の特徴を含めた説明を行うことで少しでも情報を得ようとした。

だが、最初の言葉は全くの嘘ではなかったようで、彼女ら自身それらしいものは見ていないとの返答だった。

しばらく食い下がってみると、突然俺とやりあった筋肉隆々の女生徒が何か思い出したような表情を浮かべた。

 

その彼女に問い詰めてみると、ある場所に案内してくれた。それはカウンターの向こう側にある扉。そこを開けてみると広がったのは濃厚な燻したような匂いと部屋中に吊り下げられてあったウインナーやサーモンといった食べ物であった。

いわゆる燻製室と呼ばれる部屋なのだろうが、その目的のものは確かにそこにあった。

 

そこには戦車が眠っていたのだった。秋山曰く、ブレーキやサスペンションが改造されているとのことだったが、動かすこと自体はちゃんと整備をしてもらえば問題ないとのことだった。

 

ひとまず目的のものが見つけられたことに安堵の表情を浮かべながら胸を撫で下ろすのだった。

 




ルジェカシス…………甘いカクテルの一種。作者が調べた内ではかなりバリエーションが多い種類だった。

最終章、見たいですか?(モモチャンズリポートのあとがき要参照)

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