少女を助けてしばらくどちらも喋らず、スカイボードを勧めていると、少女の方から話しかけきた。
「あ、あの」
「ん?なに」
「助けていただいて本当にありがとうございました。このご恩は一生忘れません」
「そんな大袈裟な、おれは大した事はしてないよ」
「それでも助けていただいた事には変わりないので」
「なら、どういたしましてと言っておこう」
「はい。それでいいのです」
涼がそう言うと少女は、満足したのかニッコリと笑った。
「そういや、名前聞いてなかったな。俺の名前は黒峰涼だ。涼とよんでくれ」
「私の名前は、セナ・バレッタです。セナと呼んでください」
「おう、よろしくな。セナ」
「はい、涼さん」
「あと、敬語やめて欲しいんだが、ダメか?」
「いえ、ダメではないのですが・・・本当にいいのですか?」
「あぁ、頼む」
セナは少し下を見て顎に手をおき、考え込み少ししてセナが顔を上げ
「わかりました・・・いえ、わかったわ。敬語はやめるわ」
「ほんとか」
「えぇ、だから改めてよろしくね涼」
「おう、此方こそよろしく、セナ」
「それで、今からどこに行くの?」
「一応、街に行くつもりやけど・・・行けそうか?」
「えっ・・・だ、大丈夫よ。いける、いけるわ」
と涼は、セナに尋ねると、セナは一瞬暗い顔をしてすぐに笑顔に戻り、涼の質問に答えた。だが、涼はセナの一瞬の変化を見逃さなかった。そして涼は、真剣な顔をしてもう一度セナに問い掛けた。
「ほんとに、大丈夫か?」
「えぇ、大丈夫よ。ほら行きましょ」
「そんなに震えているのにか?」
「え・・・こ、これは」
セナの体は震えていたのだ涼は、それを見て、一つの提案をした。
「セナを家まで送ろうか?」
「それは・・・でも、涼は街に用事があるんじゃないの?」
「ん?あぁ、まぁそんな急ぎの用じゃないし、心配すんな」
「でもいいの?ほんとに街に行かなくて」
「おう、気にすんな」
と涼は親指を立てて、笑った。だがセナの表情はまだ暗いままだ。暫く、沈黙が続き、涼がどうしようかと悩んでいる時に、セナが口を開いた。
「涼はなんで獣人族の私を助けたの?」
「え?なんでって、女の子だったし、助け呼んでたし」
「ほかには」
「ほかにはって言われてもそれだけだしな」
「本当にそれだけなの」
「あぁ、当たり前だろ。人が助けを求めているなら、しかも女の子なら尚更助けるに決まっているだろ」
「でも、私は獣人族なのですよ」
「ん?獣人族だからどうしたんだよ。女の子には変わりねぇじゃん」
と涼が言うと、セナは口を押さえ、俯いてしまった。それを見て涼は慌ててセナに声を掛けた
「だ・・・だだだだ・・・大丈夫か?」
「く」
「く?」
「く、くく、くくく」
「おい、セナどうした」
「あはははっ!」
「へ?」
「ご・・・ごめんなさい・・・くくく・・・お・・・おかしくって・・・くくく・・・」
セナは今度はお腹を押さえて笑い、涼はこのままじゃ話ができないと判断暫くそっと落ち着くのを待っていた。少し落ち着いたのを見て、涼は、セナに声を掛けた。
「落ち着いた?」
「はい、もう落ち着いたよ・・・ごめんね」
「いいよ。気にしてないから、でも何で笑っていたの?」
「えっ?だって人族がほかの種族ましてや獣人族を助けただけでもおかしいのに、女の子がとか言うから余計におかしくって」
「そうなんだ」
「そうなんだって涼の種族の事でしょ」
「あぁそうだよな・・・ま、まぁとりあえずセナの家に行くって事でいい?」
「えぇ、お願い」
「了解、じゃあ案内頼む」
といい涼は前を向いたがすぐに後ろを振り返りセナの頭を撫でながら
「言い忘れてた、素直になってくれてありがと」
「べ、別にあんたがお礼言う必要ある?でもそれならこっちこそありがと」
「おう、やっぱ女の子は笑顔が一番だな。セナの笑顔超可愛かったぜ」
「・・・・・っ!」
それを聞いたセナは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「あっセナどっちに行けばよかったんだっけ?」
「・・・ない」
「え?なんて」
「知らない」
「えぇーそんな事言うなよ頼むよ」
「知らないったら知らない・・・フン」
「頼むから拗ねないでくれ」
「拗ねてないもん」
涼はセナの機嫌が直るまで辺りを飛ぶ事にしたのであった。
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