とあるアークス達の(非)日常   作:アインスト

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いやぁ今回は難産だった‥‥‥(´・ω・`)

ちょっと無理やりなところがあるかもしれません。

申し訳ない(´;ω;`)

では、どうぞ。


レーヴェ「我は、強くありたい。皆のように」

 

 

「へぇ、強くなりたいんだ」

 

「そうなのだ。我もまだまだ未熟だからな」

 

 

 

 

カフェにて会話を交わすアークス。

 

片方はつい最近に創設されたクラス"ファントム"の使い手、レーヴェ。

 

もう片方は守護輝士として名高いヒーローの使い手、リュー。

 

話の内容から察するにリューがレーヴェの相談に乗っていたようだ。

 

 

 

「そーいう事ならまっかせて!良い方法があるんだよ」

 

「本当か!」

 

「マジよマジ、大マジ。この守護輝士のはしくれでもあるリューちゃんにまっかせなさい!」

 

 

 

どんっ、と自信ありげに胸を叩いてみせるリュー。

 

そこに男女が二人訪れる。

 

 

 

「随分な自信だな、殊勝なことだ」

 

「げっ、ブレイド‥‥‥」

 

「人を苦手なエネミーのように言うんじゃない」

 

「悪かったわよ。それで?天下の守護輝士様が何の用?」

 

「守護輝士なのはお前も同じだろうに」

 

「ま、まぁまぁブレイド、その辺でやめなよ‥‥‥ごめんね、リューちゃん」

 

「ありゃ、マトちゃんもいたのか。これは失礼したわ」

 

「先代クラリスクレイスをアダ名呼び───!?」

 

 

 

アダ名呼びしているリューに驚きを隠せないレーヴェをよそに、話を進めるブレイドとリュー。

 

ようやく驚きから目が覚めたのか、レーヴェも話に参加する。

 

 

 

「それで?訓練するのだろう?」

 

「まあね。そこでブレイド、アンタに頼みがあるんだけどいい?」

 

「断る」

 

「即答!?」

 

「冗談だ。で、俺は何をすればいい?」

 

「簡単な事よ。あたしたち守護輝士チームでレーヴェちゃんのアシストをするの!」

 

「我のアシスト?」

 

「そそ。ファントムについてならブレイドがよくわかってるだろうし、それにヒーローであるあたしに加えて補助担当のマトちゃんがいれば安心できるかなって」

 

「ありがたい‥‥‥リューに相談して良かったと心から思うぞ!」

 

「お礼はもうちょい後よ。そんじゃそうと決まれば即行動よ!ブレイド!」

 

「問題ない。カリンには通達してある。VR訓練の準備はできているそうだ」

 

「マトちゃん!」

 

「こっちも大丈夫だよ。メディカルセンターの人に連絡してあるから、もし怪我をしちゃっても大丈夫!」

 

「よーしじゃあ行くわよー!」

 

 

 

そうして場所は変わりVR訓練用特別空間。

 

ここでは様々な特殊訓練を行う事が可能。

 

しかし通常訓練に加えてカリンからのオーダー(だいたいはあまり簡単には出来ない事)が入るため難易度は上がっている。

 

そんな場所に守護輝士が三人、そしてちっぽけな"亡霊"が一人いた。

 

 

 

 

「これがVR空間‥‥‥意外と広いのだな‥‥‥」

 

「そりゃあねぇ。大規模戦闘とかも想定されてるらしいし?」

 

「まぁそういう事だ。ではカリン、頼む」

 

『はいー、わかりましたよー!今回は私のスペシャル仕様ですからね、気合い入れて頑張ってくださいー!』

 

「なんだろう、凄く嫌な予感がするんだけど‥‥‥」

 

「マトちゃん、それわかるよ。なんだか相手したくないやつが出そう」

 

 

 

 

その直後、ブレイドにとっては相手取りたくない相手、"ダークファルス【巨躯】"、そのヒューナル体が姿を現したのだった。

 

 

 

 

《我が名は【巨躯】!闘争の化身也!》

 

「面倒なやつを‥‥‥わざとか、カリン?」

 

『いえいえー、わざとなんかじゃありませんよー?あなた方の深層意識に眠っている記憶からちょちょーいと拝借しただけですから、自然とあなた方が強敵として認識しているという事なんですねー。それだけ恐ろしい相手だった、という事なんでしょうね。あのダークファルス【巨躯】は』

 

「なるほど‥‥‥だが今更そんな偽物に恐れはしないっ!!」

 

「どあっ、ちょっと!?」

 

 

 

制止するリューを振り切り、ろくに考えずに突っ込むレーヴェ。

 

当然のごとく【巨躯】はその強靭な拳で反撃し、レーヴェを後退させる。

 

 

 

《脆弱ッ!!》

 

「くぅっ‥‥‥クソォ!!」

 

「落ち着きなって‥‥‥!そりゃっ!」

 

 

 

ヒーロータリスを投げ込み、レーヴェを救出するリュー。

 

その隙を逃がさんとばかりに攻撃するが、ブレイドが割って入りその攻撃を許さない。

 

 

 

 

「(重い───オリジナルと同等、それ以上か)」

 

《フハハハハハハハハ!!》

 

「面白い‥‥‥!」

 

《──応えよ深遠、我が力にぃ!!》

 

「(至近距離でのクエイク!)チィッ!!」

 

 

 

ファントム特有の機動力を活かし、即座に身を引くブレイド。

 

その様子を愉快そうに嗤う【巨躯】。

 

 

 

《やるな、アークスよ。久々に楽しめそうだ!》

 

「戯れ言を‥‥‥リュー、レーヴェ、合わせろ」

 

「わ、わかったぞ!」

 

「はいよー、まっかせなさい!」

 

「皆、頑張ってね。シフタ──!」

 

 

 

 

マトイが明錫クラリッサを振りかざすと同時に赤い光がマトイ、リュー、レーヴェ、ブレイドを包む。

 

──シフタ。

 

限定的ではあるが数分間ほど闘争心を向上させ、打撃ならば筋力を、射撃ならば弱点を正確に撃ち抜く集中力を、法撃ならばテクニックを威力を底上げする精神力を増強させるテクニック。

 

 

 

「行くよ!」

 

「我も続く!」

 

「後詰めは任せろ──!」

 

 

 

一番先に前に出たのはレーヴェだった。

 

勢いをつけて抜剣を抜き、その刀身を【巨躯】に向けて振るう!

 

 

 

「やぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

《愚鈍ッ!!》

 

「な、しまっ──うあぁっ!?」

 

「マズッ!レーヴェちゃん!」

 

 

 

【巨躯】の拳によって吹き飛ばされたレーヴェを地面に叩きつけられる前にリューがその身体を受け止める。

 

 

 

「大丈夫!?」

 

「あ、あぁ‥‥‥」

 

「よくも可愛い後輩に手を出してくれたわね‥‥‥!!」

 

 

 

 

怒りを露にしたリューはタリスの瞬間移動を用い、一気に【巨躯】の眼前へと迫る。

 

すぐさま大剣に持ち替え、素早く振るう!

 

一撃目、拳で防がれる。

 

二撃目、胴体に右肩から左脇腹にかけて傷を負わせた。

 

三撃目、右腕に浅くも傷を負わせた。

 

四撃目、跳躍して避けられたが左脚に傷を負わせた。

 

五撃目、渾身の突きを放ち、腹部を貫いた。

 

六撃目に移行するところで左腕で殴られ、吹っ飛ばされる。

 

 

 

 

《ク、フハハハハハハハハ!!面白い、面白いぞぉ!!》

 

「いい加減に、くたばれぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

《ヌゥッ!?》

 

 

 

──ライジングエッジ。

 

無数の斬撃からとどめの強烈な一撃を放つフォトンアーツ。

 

リューががむしゃらに放ったこの技の前に【巨躯】は───。

 

 

 

 

 

 

 

 

《グッ、ウォォ‥‥‥良き闘争であったぞ──!》

 

 

 

「あっ」

 

「───ハァー‥‥‥」

 

「ああ‥‥‥」

 

 

 

この時、レーヴェにはとてつもない無力感に襲われた。

 

"何も、出来なかった"

 

"仲間の足を引っ張ってしまった"

 

そのような考えがよぎる。

 

 

 

 

 

「(我、は‥‥‥"私"は‥‥‥無力だ‥‥‥)」

 

「あははー‥‥‥ゴメン、やっちった」

 

「お前なぁ‥‥‥メインはあくまでもレーヴェの訓練なんだぞ?」

 

「いやぁ、つい後輩をやられたからカッとなっちゃって」

 

「熱くなるのは一向に構わんがもっと冷静になれ‥‥‥」

 

「いやぁほんっとゴメン!────レーヴェちゃん?」

 

「‥‥‥」

 

「ど、どうしたの?」

 

「‥‥‥何でもない。帰る」

 

 

 

そそくさとVR訓練用特別空間から退出するレーヴェ。

 

 

 

「‥‥‥もしかして怒らせちゃった?」

 

「あの反応から察するに‥‥‥なぁ?」

 

「ど、どうするの?」

 

「もちろん追っかける!んで、ちゃんと話を聞いてくる!」

 

「それが最善だろうな。任せるぞリュー」

 

「もっちろん!」

 

 

 

その頃、フランカ'sカフェの一角にある席で一人でぽつんと机に突っ伏していたレーヴェ。

 

彼女は自分自身の無力に嘆いていた。

 

 

 

「(私は、無力だ‥‥‥!いつもいつも皆に迷惑をかけて、足を引っ張って‥‥‥!昔と何一つ‥‥‥変わってない‥‥‥!)」

 

「(私は、どうしても一人ぼっちなんだ‥‥‥!変わるために、憧れていたアークスになって、次世代クラスのファントムにまでなったというのに‥‥‥!)」

 

 

 

 

 

「(──私は、なんて無力なんだ‥‥‥)」

 

 

 

 

「あ、やーっと見つけた。そこにいたんだね、レーヴェちゃん」

 

 

 

「え───?」

 

 

 

嘆いていた彼女の前に、リューが現れた。

 

そうして彼女は「前、座るよ?」と聞いて前の席に座った。

 

 

 

「我に、何の用だ‥‥‥我は今、みっともない顔をしているかもしれないんだぞ‥‥‥?笑いたければ笑え‥‥‥」

 

「そうだね。でも、あたしは一生懸命頑張ってるレーヴェちゃんを笑ったりなんかしない」

 

「何故だ‥‥‥?」

 

「そりゃあレーヴェちゃん、貴女の努力を知ってるからだよ。毎日あれだけ根を詰めて任務に行ってるから余程強くなりたいっていう気持ちが強かったんでしょ?」

 

「‥‥‥貴女に、何がわかる」

 

「わかるよ。あたしもそうだったから。あたしさ、憧れてるアークスがいるんだ。一緒の時期にコールドスリープから叩き起こされてさ、何回かそいつと一緒に任務に行ったんだ。強かったよ、そいつは。あたしなんか比べ物にならないくらいね」

 

「わかっているなら、何故」

 

「なんでってそりゃあ、あたしもそいつみたいに強くなりたかったの。昔はそりゃ散々だったけど、今はたぶん認めてもらえてる。積み重ね続けてきた結果が実を結んだんだなーって思ったけど、そうじゃなかった。そいつ、最初っから試してたんだって!その時はもう腹が立ってね?ついそいつの顔に一発殴っちゃったのよ。そしたらそいつ、笑ってこう言ってた。"良い目をするようになったな。お前らしくて良いぞ"って!キザったいセリフだったからド直球でキモいって言っちゃったけど‥‥‥」

 

「‥‥‥ふふ」

 

 

 

 

憧れの存在を滅茶苦茶に言ったリューが面白かったのか、笑みを浮かべるレーヴェ。

 

 

 

「あっ、やっと笑ってくれた!」

 

「いや‥‥‥ありがとう、リュー。貴女は、強いな」

 

「そんな事ないよ。環境がそうしただけ。ゆっくり強くなればいい、そうでしょ?」

 

「ああ、我もそう思うぞ。気づかせてくれてありがとう、リュー!」

 

「んもぅ可愛いなぁレーヴェちゃんっ!」

 

「ぬわっ、撫でるなぁ!」

 

「ふふふ、よいではないか、よいではないかー!」

 

 

 

一方で、離れた場所で見守っていたアークスが二人。

 

守護輝士であるブレイドとマトイだ。

 

 

 

「良かったね、仲直りできたみたいで。ね、ブレイド?」

 

「そうだな。アイツは強くなるよ、それもとんでもなくな」

 

「それって、あなたの勘?」

 

「そんなところだ」

 

「素直じゃないね、ブレイド?」

 

「よく言われるさ」

 

 

 

彼が見据えた先には、無邪気に笑いあう二人の姿があった。

 

 

 




いかがだったでしょうか?

楽しんでいただけたのなら幸いです(´・ω・`)

また次回の更新でお会いしましょう。

そのうち新キャラでるかもしれません(というか出します)

ではでは(*´ω`*)ノシ

感想等お待ちしてますー(*´∀`)

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