豪華絢爛たる緑谷出久のヒーローアカデミア   作:両生金魚

14 / 48
この大混戦、絵じゃなくて小説にすると凄い難易度が高いですね……ごっちゃごちゃな光景ってのが中々表現するのが難しいです。


大混戦の第二種目!

「ふぅ……」

 

 僕たちが駆け込んだ後、他のみんなも次々とゴールしてきた。流石に、上位は大体がヒーロー科の面々だ。でも、その中に発目さんやら心操君が勝ち残っているのが見える。

 

「出久くん! すごいねえ!」

 

「この"個性"で後れを取るとは……やはりまだまだだ……僕……俺は……!」

 

「麗日さん、飯田君」

 

 どうやら、二人も無事に予選突破のようだ。ミッドナイトの言葉とともに順位が表示された後、次の種目だ。

 

「さーて第二種目よ!! 私はもう知ってるけど~~~~~…何かしら!!? 言ってるそばから~~コレよ!!!!」

 

 種目は……騎馬戦!?

 

「騎馬戦……!」 「騎馬戦……!」 「個人競技じゃないけどどうやるのかしら」

 

 皆の疑問も尤もだ。どんなルールになるんだろう。

 

「参加者は2~4人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ! 基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど一つ違うのが、先程の結果に従い各自にポイントが振り当てられること! 与えられるポイントは下から5ずつ! 42位が5P、41位が10P……と言った具合よ。そして……1位に与えられるPは、1000万!!!!

 

 瞬間、みんなの視線が一斉に僕に向くのが分かる。

 

「上位のやつほど狙われちゃう――下剋上サバイバルよ!!!!」

 

 上等っ!

 

「上を行く者にはさらなる受難を。雄英に在籍する以上何度でも聞かされるよ。これぞPlus Ultra! 予選通過一位の緑谷出久くん!! 持ちP1000万!!」

 

 昔の、僕を見る見下す目線とは違う、抜いてやろうとする挑戦者たちの目。でも、オールマイトのためにも、負けていられない!

 

「それじゃこれより15分! チーム決め交渉タイムスタートよ!」

 

『15分!!?』

 

 凄い短い! そして――右を見ても左を見ても避けられてるっ。夜嵐君や轟くんは僕に挑む気満々だし、他の人も1000万ポイントのリスクは高くて避け気味だしどうしよう!? せめて一人は見つけないとっ!?

 

「出久君! 組もう!」

 

「麗日さんっ!?」

 

 えっ、麗日さんが来てくれたっ!?

 

「大丈夫? 僕確実に狙われるけど……」

 

「ガン逃げできたら、出久君勝つじゃん。出久君なら、きっとできるよ!」

 

 麗日さんからの信頼が嬉しい。

 

「もちろん!じゃ、一緒に組もう!」

 

 一人目は麗日さん!このままじゃ僕が騎馬になるしか無いから、後二人はほしいところだけど……。

 

「あっ、いました、緑谷さん!」

 

「発目さん!」

 

 次の人をキョロキョロと探していると、また相手……今度は発目さんから来てくれた。

 

「一位のあなたと一緒ならすごーく目立ちそうです! 私のドッかわいいベイビーのためにも、是非一緒に組んで下さい!」

 

「うん、分かった!」

 

 発目さんは僕を利用するつもりだろう。だから、僕も彼女を利用させてもらおう。これも公平な取引だ! 昨日はさんざん苦労させられたけど、それに見合う分のガジェットを彼女は持っているだろう。そしてあと一人!丁度僕らの騎馬に足りない一人は――!

 

 

 

『さァ上げてけ鬨の声!! 血で血を洗う雄英の合戦が今!! 狼煙を上げる!!!』

 

「麗日さん!!」「っはい!!」

「発目さん!!」「ふふふ!!」

「常闇くん!!」「ああ……」

 

「よろしくっ!!!」

 

 緑谷チーム。合計ポイント10000325ポイント。

 

『3!!! 2!!! 1!!! START!』

 

 スタートの合図と共に、早速幾つかの騎馬が緑谷の組に襲いかかる。

 

「実質それ(1000万)の争奪戦だ!!! 緑谷! 貰うぜ!」「はっはっは!! 緑谷くんいっただくよ―――!!」「緑谷ぁ! その鉢巻、貰うッス!!!」

 

 ひたすらに、1000万ポイントを狙っているようだ。隣の騎馬にはめもくれない。鉄哲、葉隠、

 

「いきなりの襲来とはな。……まず3組。追われし者の宿命…選択しろ緑谷!」

 

「とりあえず遠距離迎撃!近づかれたら逃げる!」

 

 そう言うと、緑谷は身体に光をまとわせ、両手でデコピンの構えを取る。

 

「30%……デラウェアスマッシュ! 連打!」

 

 右と左、両方の手から繰り出されるデコピンは、それだけで衝撃波の弾丸となって、各騎馬を襲う。それも、連続で!

 

「うわっ!?」「きゃああっ!?「どわあああっ!?」

 

『おおおおーっと!? 何をやっている緑谷ぁ!? その手から繰り出される連撃はまるで初期型のガトリング!』

 

『随分とわかりにくい例えを出すなお前』

 

 ひたすらのデコピンの連打、ただそれだけで他の騎馬は中々近寄れない。そしてその隙に……。

 

「もらいっ」「ああっ!? 取られたっ!?」

 

 そこを目ざとく、B組の物間などが、奪う。

 

「大物ばっかり目をかけちゃダメダメ。甘いねえ、A組は」

 

『1000万の防御は硬い! その間に大混戦だ! さあ、どうなるどうなる!?!』

 

 緑谷組の周囲と、その回りでの大混戦だが、緑谷は自分を狙わない組の騎馬や騎手もあえて衝撃を飛ばす。ヘイトを稼いでしまうリスクが有るがその分更に混沌とした状況を作りやすいからだ。

 

 だが、そこまで目立てばもちろん……

 

「っ、氷の盾っ!」「来るぞ緑谷!」

 

 突然現れた氷壁に、衝撃波を弾かれる緑谷。そして、その間隙を縫い、障子の巨体が突進し、地面が柔らかくなる。

 

「!!!? 沈んでる! 骨抜君の個性だ! 麗日さん! 発目さん! 顔避けて!」

 

 体勢が不利と見るや、すかさずジェットパックで飛び出す緑谷。だが、空中戦には絶好の好機となる男がいる。

 

「それは甘いぞ緑谷ぁ!」

 

 夜嵐だ。騎馬を離れて一人、空を飛んで独壇場だが……

 

「それは貴様だ!」

 

 飛んできた夜嵐の巨体を常闇のダークシャドウが弾き、更に緑谷が飛びながらデアラウェアスマッシュで迎撃する。騎乗でジェットパックを操作しているのに、隙が殆ど見えない。

 

「うおおおおおっ!?」

 

 弾かれた夜嵐に、更に伸びる蛙吹の舌。危うく地面に叩き落とされそうになるが、寸前で回避する。

 

「ケロケロ、敵は緑谷ちゃんだけじゃないわよ、夜嵐ちゃん」「そうだった!もう油断しねえ!」

 

 これで、夜嵐は迂闊に飛べなくなる。騎手が落ちれば即脱落だからだ。

 

 

「いいぞダークシャドウ。常に俺たちの死角を見張れ」「アイヨ!!」

 

『緑谷組、近距離・中距離・遠距離と隙がねえ!』

 

『いいバランスで組んであるな。あれを崩すのは相当キツイぞ』

 

 だが、隙が無いなら作り出すのがこの競技。緑谷組が着地した瞬間、突如、電撃が広範囲に炸裂する。緑谷組毎、回りの騎馬が巻き込まれる。

 

「しまっ!? 電気っ!? 防げないっ!?」

 

 電撃の光により、ダークシャドウが弱体化し、更にジェットパックまで故障し絶体絶命の緑谷組。そして、その好機をライバル達が見逃すはずもない。

 

「レシプロ……バーストっ!」「レップウ!」

 

 突撃してくる騎馬と騎手。避けられない、間に合わない。なら!

 

「40%……デトロイトスマッシュ!」

 

『うおわあああああああああっ!?』

 

 今まで封印してきたとっておきのスマッシュで、根こそぎ弾き飛ばした。

 

『おおおおおおっと! 緑谷、まさかあの連撃をパンチ一発で吹き飛ばすとはぁ!』

 

「きゃあああああっ!?」「ぬぐっ!?」「うわわわわわわっ!?」

 

 だが、これは衝撃が強すぎて、自身の騎馬へも衝撃波が伝わってしまう。ギリギリでやむなく使ったが、何度も連発できるわけではないのだ。

 

「みんな、ごめん!」

 

「気にするな、緑谷!」「ふ、ふええええ、凄い……」「ううう、私のベイビー達が……」

 

 だが、そこまでしてリスクを払った価値は有った。

 

「はぁ、はぁ……」「くそっ!」「リスクが……高すぎる……」

 

 大多数の騎馬に狙われながらも、守り通す緑谷の組に、多数の騎馬が狙うのに消極的になっていく。こうして、割に合わないと思わせることで、余計な横やりは防げるが――代わりに残ったのは……

 

「緑谷ぁ!! まだ、まだだ! まだ終わってねえ!」 「緑谷……今度こそ、頂く!」

 

 頂点を狙う、餓狼達。

 

「ああ、かかってこい!」

 

『おおーーーーーっと! これは、最初の再現か!? 因縁のライバルか!? またまた三つ巴だあああああっ!!!』

 

『非合理的だな……だが、頂点を狙うには、時としてその選択をしなければならない場合も有る』

 

 奇しくも、第一競技と同じく、緑谷、夜嵐、轟の三つ巴に戦いは移行する。緑谷の超フィジカル・夜嵐の烈風・轟の氷……この三者の決着は、とうとうつかなかった。

 

『TIME UP! 早速上位4チームみてみよか!』

 

「畜生! また届かなかったかっ!」 「………クソッ!」

 

 そのまま、千日手で、彼らの点数は動かなかったのだ。

 

『一位、緑谷チーム!! 二位、夜嵐チーム!! 三位、轟チーム!! 四位、なんと、心操チームだぁ!!? いつの間に逆転してたんだよ、オイオイ!!』

 

「(心操君……!凄いや!)」

 

 クラスメイトを差し置いての、意外な勝ち残りに、尊敬の念を抱く緑谷。

 

『以上4組が最終種目へ…進出だあああああああああああっ!!!』

 

 

 勝ち残り組が喜ぶ中、一際悔しそうな表情をしているのが轟だった。

 

「(また、勝てなかった……左を使わないと、勝てないのか……!? いや、そんな事はねえ…奴らは一種類の個性で勝ち残ってるじゃねえか……!)」

 

 エンデヴァーへの反発から、炎を使わないと心に決めた轟。だが、その心には、迷いが生じていたのだった。




上位3組、まさかの変動なしでした。しかし、この話は過去最高に難産だった……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。