豪華絢爛たる緑谷出久のヒーローアカデミア   作:両生金魚

33 / 48
映画エピソードは、とりあえず飛ばすことにしました。やはり、小説と記憶だけを元にしては取りこぼしが色々と有りますしね。BDを手に入れてから、じっくり書こうと思います。
そして、おまけの平行世界へ逆行物は、気が向いたらチラシの裏にでも投稿してみますので、気長にお待ち下さい。


林間合宿
合宿初日


 試験が終わり夏休み前、オールマイトと一緒に雄英代表としてI・アイランドに行くことになった。ここに来るのは二度目だけど、相変わらずの凄さに圧倒されちゃう。それに、賓客として呼ばれてるから扱いが丁重で、尚更に。

 エキスポ中だから、A組やB組のメンバーの何人かともI・アイランドの中で出会って、更に発目さんや印照さんとも合流して、メリッサさんに案内された。

 一通りエキスポの施設を楽しんだ後、雄英代表としてパーティーに参加しようと思ったら、I・アイランド初のテロに巻き込まれて、みんなと一緒に解決することになった。

 

 僕ら学生メンバーだけでなく、轟君と一緒に来ていたエンデヴァーも凄い強かったし、ヴィランのボスは、デヴィットさんの発明で凄い強化されていたけど、僕とオールマイトの協力技で、何とか撃破。皆もそれぞれの個性でヴィランに立ち向かい、活躍したことで僕らのことは全世界のニュースになったみたいだ。

 

 印照さんやメリッサさんが、世界中の言語で書かれた記事を見せてくれた。オールマイトやエンデヴァーだけでなく、僕やメリッサさん、それに戦いに参加した1年のメンバーに、発目さんと印照さんが、世界中に紹介された。知名度大アップで、峰田君なんか女の人に話しかけられるようになってテンション上がりっぱなしだ。

 

 事件を解決した後は、I・アイランドを救ってくれたヒーローとの事で、戦った全員が、それぞれI・アイランドで製作及び設計したガジェットを一生無料で提供してもらえることになった。I・アイランドに来るための旅費も全額負担してくれるし、凄い特典だ。デヴィットさんも張り切って、僕を筆頭に皆のガジェットを開発してくれるようだ。それに、発目さんや印照さんの発想もかなり刺激になったみたいだし……これからどんなアイテムが来るのか、楽しみだ。エンデヴァーも、コスチュームを新調するようで……No.2ヒーローも、また強くなりそう。僕も、負けてられないや。

 

 

 

 

 そんなイベントが目白押しだった6月も終わり、期末試験も終わってとうとう林間合宿初日がやってきた。

 

「え? A組補習いるの? つまり赤点取った人がいるってこと!? ええ!? おかしくない!? おかしくない!? A組はB組よりずっと優秀なハズなのにぃ!? あれれれれえ!?

 

「黙れ」 手刀一閃、物間が倒れる。

 

「ごめんな」

 

「いや、いいって」「相変わらずだな~物間」

 

 黙らせたのはB組の姉御、拳藤一佳。A組とB組が集まると、大抵挑発する物間だが、毎度毎度拳藤に黙らせられていた。A組のメンバーもすっかり慣れたものだ。何せ、体育館γでも、一緒に訓練しつつ煽っては拳藤に殴られてるのだ。もはや風物詩と化している。

 

 A組B組がそれぞれ分かれてバスに乗ると、学生らしく早速ワイワイガヤガヤ賑やかとなる。

 

「一時間後に一回止まる。その後はしばらく……」

 

「音楽流そうぜ! 夏っぽいの! チューブだチューブ!」「バッカ夏といや、キャロルの夏の終わりだぜ!」「ポッキー頂戴」「席は立つべからず! べからずなんだ皆!!」「しりとりのり!」「りそな銀行!う!」「ウン十万円」「終わるのかよ!」

 

 ヒーロー科とは思えない、実に賑やかな光景だ。その光景に相澤先生は呆れるが、騒げるのは今のうちだけだと見逃す。どうせ、この林間合宿の間は休まる間も無いのだ。

 

 一時間後、到着したのは山中のとある広場。パーキングと言うよりも単なる空き地である。

 

「休憩だ――……」

 

「おしっこおしっこ……」

 

 それぞれ体をほぐす中、峰田だけがトイレを探し回るが、何処にもない。

 

「つか何ここ。パーキングじゃなくね?」「ねぇアレ?B組は?」「お……おしっこ……トトトトイレは……」

 

 戸惑う皆に、マイペースな相澤先生。

 

「よ~~~う、イレイザー!!」

 

「ご無沙汰してます」

 

 そこへ現れたのは、二人のヒーローと、一人の少年。

 

「煌めく眼でロックオン!」「キュートにキュートにスティンガー!」

 

『ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!』

 

 決めポーズを取るのは、プッシーキャッツ四人の内の二人である。

 

「今回お世話になるプロヒーロー「プッシーキャッツ」の皆さんだ」

 

 それに、緑谷が興奮したように反応する。

 

「連名事務所を構える四名一チームのヒーロー集団! 山岳救助を得意とするベテランチームだよ! キャリアは12年にもなる……「心は18!!」へぶ」

 

「心は?」「じゅ、18!」

 

 緑谷が反応できないほどの速度で緑谷の頭をがっしり掴むピクシーボブ。乙女に年齢の話題は厳禁なのだ。そんな二人を余所に、話を進めるマンダレイ。

 

「ここら一体は私らの所有地なんだけどね。あんたらの宿泊施設はあの山の麓ね」

 

『遠ッ!!』

 

 と、クソ遠い山を示すマンダレイ。

 

「え……? じゃあ何でこんな半端な所に……」「いやいや……」「バス……戻ろうか……な? 早く……」

 

 嫌な予感がするクラスメイト達。だが、もう遅い

 

「今は9時30分。早ければぁ……12時前後かしらん」

 

「ダメだ……おい……」「戻ろう!」「バスにもどれ!! 早く!!」

 

「12時30分までにたどり着けなかったキティはお昼抜きね」

 

「わるいね諸君。合宿はもう、始まっている」

 

 と、ピクシーボブが個性を使う。大量の土砂に、クラスメイト全員が吹き飛ばされた。

 

「うおおおおおおおっ! 谷風ぇ!」

 

「ナイス夜嵐!」「助かった!」

 

 吹き飛ばされるクラスメイト全員を、吹き上げる風で減速させ安全に地面に下ろす夜嵐。全員無事に、下に降りれたがまかりまちがってれば骨の一つでも折れても不思議でなかった。

 

「全く、いきなり熱いッスね!」

 

「私有地につき、"個性"の使用は自由だよ! 今から3時間、自分の足で施設までおいでませ! この……"魔獣の森"を抜けて!!」

 

「"魔獣の森"……!?」「なんだそのドラクエめいた名称は……」「雄英こういうの多すぎだろ……」「文句言ってもしゃあねえよ、行くっきゃねえ」「熱くてイイっす!」

 

 各々が反応している中、一人離れる峰田。もう漏れそうなのだろう。

 

「あ、待った峰田君!」

 

 それに走って追いつき、峰田の前に立つ緑谷。その前には、魔獣が居た。だが、緑谷が視線を遮ったことで、何とか漏れるのが防げた峰田。

 

「ちょっと、誰か峰田君の護衛してて!」

 

「分かった! ちょっとこっち来い峰田! 出すまで守ってやるから!」

 

「うおおおおお! すまねえ、緑谷ぁ! 切島ぁ!」

 

 守られるのを幸いに、物陰に隠れる峰田。そして他の皆は臨戦態勢だ。

 

「静まりなさい獣よ。下がるのです」「口田!!」

 

 だが、口田の"個性"に反応しない。

 

「! ピクシーボブの個性は……!」「いよっしゃあああああああああああ!」「っ!」「レシプロ……」

 

 それを見て、即座に反応するものが4人。

 

「スマアアアアアアッシュ!」「雄風ぇ!!!!!」「凍れっ……!」「バーストオオオオオオオ!」

 

 4人が、それぞれ一斉に土塊の魔獣を砕いた。

 

「うおおおおお! すげぇぞお前ら!」「躊躇無いね~!」「私達も負けていられませんわ!」

 

 "個性"は、授業開始日から散々皆で伸ばしてきた。4人の攻撃を皮切りに、一斉に土塊の魔獣に立ち向かっていく1-Aのメンバーたち。

 

「行くぜええええええええっ!」「危うく漏らすところだったじゃねえかああああああああ!」

 

 切島と峰田も遅れて参戦だ。

 

「うおおおおっ!? どうしたどうした!? イレイザー、あんたの所のクラス、みんな活きが良いじゃん!」

 

「ええ、今年はとびっきりですよ――」

 

 普段、あまり感情を見せない相澤先生だが、その口調には何処か誇らしさが混ざっていた。

 

「では、引き続き頼みます。"ピクシーボブ"」

 

「くぅ~~!おまかせ! 逆だってきたぁ!」

 

 ノリノリのピクシーボブだが、それに反比例するようにテンションの低い少年が呟く。

 

「下らん」

 

 それはただ、嫌悪する目だった。

 

 

 

 午後2時30分。くたくたになった1-A一同は、ようやく山の麓の合宿施設についた。

 

「うーん、お昼抜きは残念だったわね~」

 

 ニャハハと笑っているピクシーボブにマンダレイ。しかし、想像以上の速さに驚いていた。

 

「何が"3時間"ですか……」「腹減った……死ぬ」

 

ぐったり恨めしそうな瀬呂に、スタミナを消費しまくった切島がクラスを代表して感情を表現するが、プッシーキャッツの二人は悪びれない。

 

「悪いね。私達ならって意味。アレ」

 

「実力差自慢の為か……」「やらしいな!」

 

「ねこねこねこ……でも正直、日が沈む頃になると思ってた。あなた達、本当に凄い」

 

 本当に驚いて、称賛するピクシーボブにマンダレイ。プロヒーローでも手こずる道だと言うのに、20人いるとは言えよくこの速さでたどり着けたものだ。

 

「私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ君ら……特に、そこの4人。新聞も賑わせてたし、躊躇の無さはその経験によるものよね」

 

 と、緑谷・夜嵐・轟・飯田を見るピクシーボブ。

 

「三年後が楽しみ! ツバつけとこ――ー!!!」

 

「うわわわわ!?」「どわわわわっ!?」「っ!?」「みょ、妙齢の女性としていかがなものかと!?」

 

「マンダレイ……あの人あんなんでしたっけ?」

 

「彼女焦ってるの。適齢期的なアレで」

 

「適齢期と言えば――」「と言えばて!!」

 

 再び緑谷の顔に肉球を当てるピクシーボブ。だが、見ているのはピクシーボブでなくて……。

 

「その子はどなたかのお子さんですか?」

 

 目付きの悪い少年を見る緑谷。

 

「ああ違う。この子は私の従甥だよ。洸汰! ホラ挨拶しな。一週間一緒に過ごすんだから……」

 

 緑谷も挨拶しようと、洸汰にてくてく近づいていく。

 

「あ、えと僕、雄英高校ヒーロー科の緑谷。よろしくね」

 

 手を伸ばすと、変わりに洸汰はカウンター気味に緑谷の股間をめがけて殴りかかるが、その手をがっしり掴む。途端に、緑谷の顔が険しくなる。

 

「何をするんだよ」

 

「ひっ」

 

 ギロリと睨みつけると、その迫力に洸汰が後ずさろうとするが、手を掴まれてるのでそれも出来ない。

 

「は、離せよ!」

 

「何で殴りかかったかを教えてくれたらね」

 

 ヒーローに憧れていることも勿論では有るが、昔虐められてた事により、理不尽な暴力には緑谷は敏感だ。相手が小さくても――と言うより、5歳の時から虐められていたので尚更に許せないというのも有る。

 

「ヒーローになりたい連中とつるむ気はねえよ!」

 

「……仲良くする気が無いならそれで良いけど。理不尽な暴力はダメだよ。――それじゃ、ヴィランと変わらない」

 

「~~~!」

 

 途端、涙目になって、逃げ出す洸汰。

 

「あっ、洸汰! こら!」

 

「み、緑谷……小さい子にちょっと強く言い過ぎなんじゃ……」

 

 尾白が嗜めるが、それでも緑谷は厳しい顔だ。

 

「相手が5歳でも10歳でも……理不尽な暴力ってのは人を傷つけちゃうんだ……。だから、そうする前に止めなきゃ」

 

 何時もと違う表情を見せる緑谷に、沈黙するクラスメイト達。微妙な空気になったのを、相澤先生が意図的にぶち壊す。

 

「お前ら、まあ……バスから荷物降ろせ。握り飯とインスタントな味噌汁だが、遅い昼飯は用意しておいた」

 

「え~! それだけですか~!」

 

「ぶっちゃけ、夕飯になると思ってたんだよ。とりあえず食って食後たっぷり休んだら、今日はひたすら土塊の魔獣との戦いだ。ランダムでグループを組ませて、ガンガン戦わせるからな。とりあえず、いくら暴れても良い土塊相手だから全力を出して自分の課題を探れ」

 

『はい!』

 

 元気よく返事をした後、腹を空かせた皆が、次々とおにぎりを腹に入れていく。

 

「米、ウメェ!」「幾らでも入るぞコレ!」

 

「諸君! あんまり胃を一杯にすると午後に響くぞ!」

 

「と言いつつ委員長もがっついてんじゃねえか!」

 

「ぼ、俺は身体が大きいから仕方ないのだ!」

 

「なら俺はもっと行くぞぉ!」

 

「さ、砂藤君食べ過ぎー!?」

 

 普段と違う環境、みんなとの合宿に、ハイテンションになる者多数。このテンションのまま、午後の土塊との戦いへ。山の中の切り開かれた土地、可燃物も無くまっ平らだ。

 

「さて、今日は普段諸君らが使っている体育館γとは違い、だだっ広いので普段個性を抑えて訓練している奴もそれなりに本気を出していいぞ。特に緑谷・夜嵐・轟。体育館や森の中は窮屈だっただろう。まずは、思い切り威力を出して限界を確認すること。良いな?」

 

「はいっ!」「ウッス!」「了解」

 

 そうして出現するのは、破壊の暴風に大嵐に、大火炎と大氷結。緑谷は踏み込むたびに地面が砕け、夜嵐の巻き起こす大嵐は、中型までの魔獣を簡単に吹き飛ばし、轟の氷と炎は広範囲を薙ぎ払う。相手は命のない魔獣なので、三人共好き放題に技を試せていた。

 

「あ、あの三人やべぇ……」「つか、夜嵐と轟の広範囲に超パワーで追いついてる緑谷も超やべぇ」「轟は加減しないと火事になるんじゃねぇか!?」

 

 クラスメイト達もびっくりだ。こうして、ひたすら戦闘戦闘また戦闘で、1日が過ぎていった。夕飯はプッシーキャッツの二人が用意してくれた晩御飯で、これまた腹を空かせた欠食児童共は食い漁る。

 

 そして……一部の人間にとって待ちに待った露天風呂の時間である。

 

「求められてるのはこの壁の向こうなんスよ……」

 

「一人で何言ってるの峰田くん……」

 

 皆が思い思いに風呂を楽しんでいる中、一人木の壁に耳をくっつける峰田。

 

「ホラ……いるんスよ……今日日、男女の入浴時間ズラさないなんて事故……そう、もうこれは事故なんスよ……」

 

 流石の峰田である。飯田の注意にも全く耳を貸さず、Plus Ultraの精神で壁を駆け上る。

 

「速っ!?」「校訓を穢すんじゃないよ!!」

 

 と、その時壁の間に入っていた洸汰が、峰田を突き落とす。

 

「ヒーロー以前にヒトのあれこれから学び直せ」

 

 あまりに正論すぎる言葉であった。突き落とされる峰田。

 

「くそガキィイイイィ!!?」

 

 哀れ峰田。

 

「やっぱり峰田ちゃんサイテーね」「ありがと洸汰くーん!」

 

 そして、お礼を言われてつい女子を見て興奮のあまりぐらついて落ちてくる洸汰。それを、緑谷がキャッチする。マンダレイの所まで運んだが、ちょっと落ちた恐怖で気絶しただけとのこと。そして、聞かされたのはヒーローであった両親が殉職して、それを素晴らしいことだと言われ続けてきたとの事。

 

「……あ、それで……ヴィランみたいって言った時に泣いちゃったんですね……」

 

「……うん。親を殺した奴らと自分は一緒だって言われたと思っちゃったんだろうね。……でも、いきなり殴りかかるのは良くなかったから……」

 

 たどたどしく、言葉を紡ぐマンダレイ。身寄りが居ない洸汰を引き取ったが、やはりどう接していいかわからないのだろう。キツく叱ってくれた事は良いことなのかも知れないし、悪いことかも知れない。だから、緑谷に何も言えなかった。

 

 




洸汰君のいきなり股間狙いはいくらなんでもあんまりなんでキツく叱ることに。特にうちの緑谷君はそういうの嫌いですしね……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。