合宿二日目、午前5時30分。宿舎の前にA組が集められた。疲れが溜まっている上にこの時間だ。なんだかクラスの半分くらいが眠そうである。
「おはよう諸君。本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及びそれによる"仮免"の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かうための準備だ。心して望むように。という訳で砂藤、こいつを飛ばしてみろ」
「これは、……体力テストの……」
砂藤が受け取ったのは、体力テスト時の測定用ソフトボール。前回の飛距離を改めて全員に聞かせ、どれほど伸びているかを確認するためだ。
「おお! 成長具合か!」
「この三ヶ月色々濃かったからな! かなり伸びてんじゃねーの!?」
「がんばれ砂藤ー!」
「おうよ! シュガードゥープ!」
砂糖を10gほど流し込み、筋肉を膨らませてボールを思い切り投げ飛ばす。全力を込め、力いっぱい吹き飛ばしたその結果は――たった、5%しか距離が伸びていなかった。
「あ、あれ?」「お、思ったより……」
困惑するクラスメイトに、淡々と説明する相澤先生。
「約三ヶ月間、様々な経験を経て確かに君らは著しく成長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで"個性"そのものは今見た通りでそこまで成長していない。体育館γは技術を伸ばすことに特化した場所だからな。だから――今日から君らの"個性"そのものを伸ばす。死ぬほどキツイがくれぐれも死なないように」
「はいっ!」「うおおおおおっ! 燃えるッス!」「うむ! みんな張り切っていこう!」
それぞれが同意すると、早速ピクシーボブが現れる。
「さーて、皆の個性を教えてもらったし、イレイザーと相談した結果導き出した、それぞれに合ったフィールドにカスタマイズするよ!」
そう言うと、土流の個性で、みるみる広大な空き地の形が変わっていく。山や円柱、洞窟に崖など、様々な形に土塊が変わっていく。その様はセメントスを彷彿とさせる。
「うお~! セメントスみたいだ!」
「あっちは街の中で無敵に近い個性だと思うけど、こっちは自然の中だと本当に便利な個性だね……!」
と、緑谷はノートにメモしようとして……今は持っていないのを思い出した。癖は中々治らないものだ。
「さてさて体育祭No.1のあんたには、特別なステージをプレゼント!」
「へ?」
と、ピクシーボブが言うと、みんなのフィールドとは少し離れた所に巨大なアスレチックが組み上がっていく。山あり谷あり崖あり坂有り細道有り。多種多様な地形が網羅されている。
「緑谷はあの地形で、限界ギリギリの強度でコースを回り続けろ。時計回りと反時計回り、5周ずつ切り替えだ。それと夜嵐」
「ウッス!」
「時々、あの地形に向かって風を送れ。気が向いた時にランダムでいい。それも良い鍛錬になる」
「了解ッス!」
「あはは……強風の中パルクールか……難易度高そうだ」
と言いつつ、緑谷は笑いながら拳を合わせて気合を入れる。街中とはまた違う地形だが、判断力を鍛えるのには良さそうだ。
「よし、フィールドを使わない他のものはそれぞれの訓練具を用意した。全員、全力をつくすように」
『はいっ!』
こうして、合宿での特訓が始まった。
「な、何だこりゃあ……」「凄いわね、これ」
少し遅れてB組がやってきた頃、既にA組は地獄絵図を作り上げていた。限界を伸ばすために皆がそれぞれ"個性"を酷使しまくっている。青山や上鳴、麗日や瀬呂に峰田など、痛みを伴う特訓は一際キツそうだ。
「お、やってきたなB組! それじゃあ、あんたらにもフィールド用意するよ~!」
『お願いします!』
と、A組の側で、B組のフィールドも作られていく。
その横で緑谷は今、フルカウル48%でコースを周回していた。50%を長く続けていくと骨にヒビが入りそうなので、ずっと動き続けることを考えると48%が限度だろう。しかし、地形が複雑なのでちょっとしたミスで即骨折も有りうるのが辛いところだ。おまけに――
「行くぜ緑谷ぁあああああああああああ!」
「うわわわわわわっ!?」
今度は崖を降り下っている最中に突風が飛んできた。慌てて崖を殴り、腕を土の中に突っ込み身体を固定する。
「おっす! 今回も流石だな! んじゃ、また飛ばしに来るぜ!」
「う、うん……よ、よろしく……」
この突然の突風がまた難易度を高くする。お陰で両手足を使うパルクールの様に動かなければならないので、確かに全身は鍛えられたし、個性のコントロールも向上するが、肉体と精神に疲労がガンガン溜まっていく。
「緑谷、動きが超速ぇ……」「でも、突風来まくりだろ。生きた心地しないんじゃねえか?」
ふと、特訓中に緑谷の方を見たメンバーも半ば呆れ顔だ。それほどまでに、素早く険しい地形を渡っていた。身体から緑の光が放たれ、その軌跡が映るので、まるで緑の彗星のようだ。
「ねこねこねこ! 本当にあの子すっごいね~! んじゃ、コースチェーンジ!」
「う、うわわわわわわっ!?」
突如、コースの地形が変化する。飽きないように、慣れないように。山の険しさ谷の深さ、飛び地の高さなど――また変わる。都市部では似たような地形には出会っても同じ地形には出会わないだろうし、こういう咄嗟の様々な対応への経験が、更に判断を早くするのだ。
そして、昼食を食べてからは、メニューが変わる。緑谷の前に現れたのは、ドでかい土塊の山だ。
「よし、緑谷、次だ。左右10周ずつしたら、この土の山を全部なくなるまで殴り飛ばすなり蹴り飛ばすなりしろ。そうしたら、またコースに戻って――の繰り返しだ。ひたすら伸ばしていくぞ!」
「は、はいっ! 50%…………ラアアアアアアアアッシュ!」
軽くジャンプをして、上の方から両手で殴り飛ばし削っていく。着地をしたら、今度は力を込めて左右の2連蹴り。着地をしたら、また手――と、両手両足を交互に使い土塊の山を削っていく。動かない土塊を攻撃するだけなら、変なイレギュラーも起きないだろうということで、ここで限界ギリギリの50%を使う。しかし、流石に動き続けて緑谷もそろそろ限界だ。
昼の特訓から1時間程した所で、土の山を吹き飛ばした後、地面に倒れた。
「……ぜひゅーっ……ぜひゅーっ……」
「んおっ? 流石にお疲れか。レスキューキャーッツ!」
と、倒れた緑谷をラグドールが担いで仮設のベッドへ連れて行く。
「あ、あり……こひゅーっ……」
どうやら、お礼を言う体力も残ってないようだ。
「にゃははははん。気にするな少年! でも、その"個性"を持ってる重さはあちきには計り知れないけど、ちゃんと休憩もしないと伸びないぞ」
その言葉にびっくりする緑谷だが、そう言えばラグドールの"個性"はサーチだったと思い出す。
「安心しろ少年。そこら辺の事情は分かってるし他の人にも言わないにゃ。……だから――今はゆっくり休むにゃ」
声が出せないので、頷いて返事をする緑谷。それを見てラグドールはにゃははっと笑うと、また別の生徒をサーチで探り始めるのだった。
「さァ昨日言ったね"世話を焼くのは今日だけ"って!!」
「己で食う飯くらい己でつくれ!!カレー!!」
『イエッサ……』
さすがの飯田や夜嵐も疲れて、元気よく返事をする余裕が無いようだ。
「アハハハハ、全員全身ブッチブチ!! だからって雑なねこまんまは作っちゃダメね!」
「確かに……災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一貫……流石雄英、無駄がない!! 世界一うまいカレーを作ろうみんな!!」
「オ……オォー……」
「(飯田便利)」
しかし、こんなときにも皆を導こうとするのは流石といったところだろうか。
調理場にガスはなく、全部薪だ。ご飯は飯盒で炊き、鍋はかまどで温める。少しずつ疲労が回復してきた皆は、段々とテンションが上ってきた様だ。
薪に火をつけるのは少々手間がかかるので、轟が火を着けて回る。
「轟ー! こっちも火ぃちょーだい!」「あぁ」
呼ばれるがままに、左から火を出す轟。だが、その表情はとても穏やかで優しい。
「わー! ありがとー!」「燃えろー!燃えろー!」
キャンプ場では、薪に火をつけるだけでも何故かテンションが上がるもの。麗日が飛び跳ね、芦戸も空気を団扇で送ったり、火力を上げて楽しんでいた。
「轟くん、こっちもお願いできますか~!」
と、B組の方からも呼ばれる。
「いいぞ」
軽く承知してB組の方へも行こうとするが……
「あんまりA組に頼るんじゃない! 僕らだって独自で出来るだろう!」
と、物間が轟の左半身に触れてから、B組の竈に火を付けて回っていく。
『結局轟の個性に頼ってるんじゃねえか!』
A組B組の多数からツッコミを受ける物間。だがこの程度で自重するほど彼の精神は脆くなかった。気にしないだけとも言う。
そして火を起こしたら、どんどん手順に従い分量をきちっと計り作っていく。
「うおおおおおおおっ!」
「うわっ、意外と切るのが速ぇぞ夜嵐!?」「そう言えばコイツも見かけによらずコントロールが繊細だった!」
「とりあえず玉ねぎを炒める所からですわね」
切られた玉ねぎを鍋で炒めるところから本格的に。皆でする料理が楽しくて、ついついこだわりだしてしまう。
「隠し味入れようぜ! りんごとかはちみつとか!」
「ちょこっとチョコ入れると結構良いぞ!」
「ソース! ……は、盛り付けた後それぞれがぶっかけるで良いか」
「ヨーグルトも案外……」
流石は国民食、みんなカレーの食べ方には一家言有るようだ。人数が人数なので、鍋ごとに微妙に隠し味を変えて作っていく。
そして、飯盒のご飯もふわっと炊きあがり……たっぷり1時間半はかけてようやく完成だ。
『いただきまーす!』
「うおおおおおっ! うめええええええっ! 状況も相まって更にうめええええええええっ!」
ワイワイガヤガヤ、作ったカレーをがっつく一同。ちゃっかりイレイザーヘッドとブラドキングも混じってガッツリ食べている。――と、そんな中、離れていく洸汰に気がつく緑谷。皆の輪に混じらずに、一人分と半人分のカレーの皿を持って、足跡を追う。
ぐぅーと、風に乗って腹の音が鳴るが、洸汰はそれを無理やり我慢する。
「おなか空いたよね? これ食べなよ、カレー。上手く出来たよ」
急に現れた緑谷に、ビクリと身体が反応する洸汰。
「てめェ! 何故ここが……!」
「小さい足跡は目立つからね。御飯食べないと大きくなれないよ?」
「いいよ。いらねえよ。言ったろ。つるむ気などねえ。俺のひみつきちから出てけ!」
「ひみつきちか……!」
「"個性"をのばすとか張り切っちゃってさ……気味悪い……そんなにひけらかしたいかよ、"力"を」
「違う」
低く、通る声。だが、その声は、昨日怒られた時よりも遥かに迫力があるように洸汰には感じられた。そして、緑谷の目を見て更に圧倒される――
「僕は、君と同じ年齢の頃――ヴィランに攫われた。……その時は、まだ"無個性"でさ。……悪の組織の実験台みたいにされちゃうところだったんだ。……まるでアニメだよね」
「…………それで、テレビにうつってるようなヒーローにたすけられたんだろ」
「違う。……あの人は、そんな人じゃなかった。――ヴィジランテでも無かった。……ただ、輝いて、人を救けて、見返りも求めず去っていく……そんなおとぎ話のようなヒーローだった。だから、そんな人に憧れた……! 笑顔にしてくれる、ヒーローたちに憧れた――!」
「!?」
緑谷の熱い思いに、気圧される洸汰。年少で凝り固まった価値観に、ズケズケと入り込んでいく熱い思い。それに、戸惑う。
「……ヒーローは、困っている人がいるから生まれたんだ。理不尽に、奪われる人がいるから。……だから、本当はヒーローなんて居ないほうが良いのかも知れない。……だけど、必要だから、居るんだ」
その時、洸汰の脳裏によぎるのは自分を引き取ってくれたマンダレイの言葉。
"洸汰。あんたのパパとママ……ウォーターホースはね、確かにあんたを遺して逝ってしまったんだ。でもね、そのおかげで守られた命が確かにあるんだ"
「っ……何も……知らないくせに……!」
「うん、何も知らない。……でも、それは人を救けない理由にはならないんだ」
そう言うと、一転優しく微笑んで、カレーのお皿を置いていく。
「頑張って作ったから。冷めないうちに食べて。"個性"を使った後はお腹も空くでしょ?」
「!」
そう言うと、一人降りていく緑谷。辺りには、カレーのいい匂いが漂っていた。
「んお? どうした? 緑谷? ちょっと居なくなってたけど」
「えーと……ちょっと、お節介」
「そっか」
戻ってくると、少し疑問に思っていたクラスメイトに質問されるが、お節介の一言でみんなだいたい察してくれたようだ。常に、皆のお節介を焼く男――それが、緑谷だったからだ。今回もきっと……誰かのためにお節介をしているのだろうと。
「ぎゃああああああああああ!?」
峰田が虎に覗きがバレてしばかれている悲鳴をバックに、A組とB組の女子達が集まって女子会を開いていた。皆寝る前のラフな格好であり、どこか可愛らしい。
「実は私、女子会なるものをするのは初めてなんですけど……どういう事をするのが女子会らしいのでしょうか?」
お嬢様育ちで、こういう事とは無縁だった八百万がとてもワクワクしている。
「女子が集まって、お話するのが女子会なんじゃないの?」
首をかしげる芦戸に、チッチッチと葉隠が否定する。
「女子会と言ったらやっぱり恋バナでしょ!」
その言葉に、一部女子のテンションが激しく上がる。
「恋バナ、良いね!」
「そうだ、恋バナだ!」
「恋か~……」
盛り上がる女子たちに、ちょっと顔を赤くしたりする麗日。
「こ、恋っ!? そ、そんな、結婚前ですのに……」
と、お硬い八百万。他にも、慈愛の笑みを浮かべる塩崎やら、マイペースだけど興味深げな柳やら、ともかく恋バナに決定のようだ。
「それじゃ、彼氏彼女が居る人ー!」
誰が名乗り出るかと皆がワクワクしているが、誰も居ないことに愕然とする。
「あ、あれ……だ、誰も……」「いない……?」
この事に危機感を覚える女子達。中学の同級生は、高校に上がって彼氏が出来ただの、いい雰囲気になっただの、恋や青春を謳歌していたからだ。
「まあ、雄英に入って特訓特訓また特訓!の嵐だったからね」
と苦笑するのは拳藤だ。その言葉に、みんながウンウンと頷く。部活なんて入る暇もないし、放課後はみんなで集まって特訓をするしで、中々に青春を謳歌する暇がない。
「え、えーと……じゃあ、片思いでも良いから好きな人が居る人は~!」
と言っても、また誰も手を挙げない。どうやら想像以上に自分たちは恋をしていないのではと衝撃を受ける女子達。
そこで、次は男子の論評へと入っていく。ずばり、彼氏にするには誰が良いか、だ。
「とりあえず峰田はダメとして……」
『うんうん』
満場一致、哀れ峰田。
「後、物間君も……」
「黙ってれば顔はイケメンなのに……」「中身が……」
『うんうん』
哀れ物間。
「そもそも、同級生でヒーローを目指すライバルだしね」
「中々そういう対象で見たことなかったわ。きのこちゃん反省」
何せ、普段は恋バナより戦闘訓練で戦うほうが多い仲だ。どうしても忘れてしまう。
「そう言えば、耳郎ちゃんは上鳴ちゃんと結構一緒にいるわね、ケロケロ」
「なっ!? 違うし! 顔はそこそこイケメンだけど私はああいうチャライのダメダメ! 絶対浮気するじゃん!」
上鳴の信頼無い……哀れ、上鳴。
「あ、イケメンと言えば轟君は?」
イケメン強個性に、体育祭で緑谷と戦ってからは天然でちょっと抜けてて可愛い。少なくてもマイナス点は見当たらない。
「……エンデヴァーの息子の?」
『あ』
だが、拳藤の一言に、場が凍りつく。よりによって、父親があのエンデヴァーである。
「……怖そうだね」「上手くエンデヴァーと付き合う自信、無いかも……」「最近は結構変わってきたらしいけど……」「ええ、I・アイランドでは柔らかくなっていたようにお見受けしましたわ」「そうなのか~……でもちょっとまだ怖いかなぁ?」
親のせいで女子に躊躇されてしまう轟であった。これを聞いたら果たしてどう思うやら……
「他のイケメンと言えば、飯田委員長はどうでしょう?」
と、塩崎が首を傾げる。ヒーロー一家の出でエリート、真面目でイケメン。こちらも文句のつけようがないかと思われたが……。
「飯田って手を繋ぐまで何年も掛かりそう」
「と言うより、結婚してからじゃないと握れないんじゃ……」
「ハハッ、流石にそこまでじゃ……無いよね?」
「飯田ちゃんならあり得るわ」
蛙吹の言葉に、沈黙する一同。確かに人として付き合うには素晴らしいが、恋愛対象となると尻込みする……と。
辛口評価の数々は、もう決して男子には聞かせられないだろう。障子辺りが聞き耳を立てて無くて本当に良かった。
「えーと、それじゃあ夜嵐――」
「熱い」「熱いわ」「熱いね」「暑苦しい」
あのテンションが振り切っているノリは、よっぽどで無いとついていけないだろう。そして、残念ながらそのよっぽどについていける人は、まだA組B組には居ないようだ。
「んじゃんじゃ、入試と体育祭1位の男緑谷! 割といい物件だよね、顔は地味だけど」
女子の目は厳しい。
「そうねぇ……緑谷ちゃんは凄く努力家だと思うわ……それにみんなのことを考えてくれている。体育館を借りての特訓も、緑谷ちゃんが始めたことよね」
「うんうん。私らも、USJの襲撃が終わった後覗いたら誘われたし。特訓の最中でも緑谷、皆の特訓に付き合ってるし。あいつもかなり熱いよね」
その言葉に、うんうんと頷く一同。特に、個性をほとんど手加減無しで向けられたり、実戦に近い形で鍛錬できるのは大きい。A組B組の特訓メンバーは、何らかの形で緑谷にお世話になっているのだが……
「それで、オールマイトオタクなんだよね。なんと言うか、デートでもオールマイトグッズのお店に連れて行かれちゃいそうな程」
「それと、付き合うの大変そうだよね……No.1目指してひた走ってるから、何か邪魔するのが悪く思えちゃいそうで……」
ひたすらに皆のためを思う努力家で、ヒーローになるのにすべてを捧げているような緑谷。すると、気軽に手を出せる相手ではなく……それなり以上の覚悟が必要になるだろう。
「……緑谷ちゃん、何時も頑張っているからね」
「……うん。USJでも、I・アイランドでも真っ先に危ない所に突っ込んで、みんなを救けようとして」
「……緑谷さんだけでなく、戦う皆様は、かっこよかったですわね……」
「うん、あれは何というかこう、胸が熱くなっちゃったよ私も」
だが、命をかけてヴィランと戦う姿――それをカッコイイと思ってしまうのも、ヒーローを目指す女の子ならではの思いだった。特に、人を救けるために積極的に戦いに身を投じていったメンバーへの好感度は、知らず知らずのうちに高くなっていた。あの峰田も、いざという時は誰かのために命を懸けるだろう。
こうして、ああでもないこうでもないと、A組B組全員の論評が終わるまで、女子会は続いたのだった。
女子会は小説2巻のエピソードでした。2日目終わりとか、こういう事があったんですね。……後、峰田も懲りずにまた覗きをしようとして、虎にとっ捕まるエピソードも有りましたw