波乱の入学初日が終わって、いよいよ雄英の通常授業の日々に入った。でも、午前中は普通の学校とあまり変わらない。必修科目や英語みたいな、普通の学校と同じ科目が出るからだ。でも、教師がヒーローなのが普通の学校と違うところかな? プレゼント・マイクの英語とか凄いレア授業で興奮する!
そして、昼はクックヒーローのランチラッシュが作るご飯を安価で頂ける!これも雄英生の特権だろう。そして、午後からがいよいよヒーロー科としての授業、ヒーロー基礎学!!
「わーたーしーがー!! 普通にドアから来た!!!」
とうとうナンバーワンヒーロー、オールマイトの教えてくれるヒーロー基礎学だ!
「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地を作るための様々な訓練を行う科目だ!! 単位数も最も多いぞ。早速だが今日はコレ!! 戦闘訓練!!!」
「戦闘!」「訓練!」
オールマイトの登場から、みんなのテンションもぐんぐんと上がっていく。みんなそれぞれに、ヒーローとしてのコスチュームも与えられるし当然だ!
「格好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!! 自覚するのだ!!!! 今日から自分は…」
「ヒーローなんだと!!」
わざわざ、オールマイトがI・アイランドに連れて行ってくれ、僕一人のために作ってくれたコスチューム。無駄にする訳にはいかない。パーツひとつひとつを装着するたびに、僕の意識が学生から"ヒーロー"へと切り替わっていく。
「さあ、始めようか有精卵共!!!」
こうして、僕のヒーロー科としての初訓練の熱気は最高潮に―――達したんだけど中途半端に終ってしまった。
原因は相性だろうか? 僕と麗日さんのペアは、飯田君と夜嵐君のペアと戦うことになったんだけど、夜嵐君が僕と一対一で戦うことになって、麗日さんはその隙に飯田くんのところへ行くことになったんだけど、夜嵐君との戦いが千日手になっちゃった……。
「引き分け……かな」「そうッスね……」
お互い本気を出して個性を使うと暴風で建物が壊れちゃいそうだし、加減するとお互い決め手が無いし、僕の投げる物は全部夜嵐君の烈風で弾かれちゃうしで、お互いどうしようもなかった。上では麗日さんが飯田君との戦いに勝ったんだけど、僕は全く関係してないし……ううう、何も出来なかった。
でも、何も出来なかったら次はできるように特訓すればいい! 雄英入学前は、オールマイトの監督が無ければ個性を使った特訓は出来なかったけど、この雄英の中ならきっと特訓ができる場所があるはず!
そんな訳で、放課後にいざ職員室h……「おーい、緑谷ぁ! 一緒に帰ろうぜー!」
と思ったら、夜嵐君が誘ってきた。ついでに、切島君も居た。夜嵐君、どんどんみんなと仲良くなっていくなあ。
「あっ、ごめん、ちょっとこれから職員室へ行こうと思って」
『職員室?』
二人声も動作も揃って首を傾げられた。
「何か呼び出しを受けたのか?」 「ひょっとして、今回の試験がダメだったから……」
「いや、そういうのじゃなくて! ただ、今回の授業の結果が納得行かなかったから、訓練できる場所が無いか先生に聞こうと思って……」
「なるほど! 確かにお前ら引き分けてたもんな」
「特訓か! くーっ! 熱いッス! 燃えるッス! 緑谷ぁ! 俺も一緒に特訓していいか!?」
「あっ、俺も俺も!」
「うん、もちろんだよ! 一人より、三人でしたほうがきっと良い意見も出るだろうし!」
男3人で『オー!』と盛り上がってると、後ろから気配が。
「あ、あの……私も参加させてもらっても宜しいでしょうか……?」
「えっ、八百万さん? もちろん大丈夫だけど」
そう言うと、ホッとした表情で笑顔になった。おっ、女の子と特訓とか何かドキドキしそう……。
そんな訳で4人揃って職員室へ。相澤先生に話すと、すんなりと許可を出してもらえた。
「問題点を把握したらすぐ改善しようとする姿勢……合理的だ。良いだろう、セメントス先生にも協力してもらうか」
「セメントスにもっ!?」
そうして連れて行かれたのは、体育館
「通称TDLだよ」
『(TDLはマズそうだ!!)』
「ここは俺考案の施設。生徒一人ひとりに合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそういう意味だよ」
見れば、他の先輩達も、それぞれ場所を用意してもらって特訓をしている人がちらほら見える。
「しかし、入学早々にここを使うようになる1年生も珍しいね。頑張って特訓するんだよ」
『はいっ!』
わざわざセメントスにもフィールドを作ってもらえて、俄然やる気が出る!
「まあ、特訓と言っても方向性がよくわからないならアドバイスをやろう。個性ってのは筋肉と同じで使えば使うほど伸びていくもんだ。だから、個性を使って個性自体を伸ばすのも有効だ。もちろん、コントロール自体を伸ばすのもいいが」
「はいっ!」『うっす!』「了解ですわ」
相澤先生からアドバイスも頂いて、早速特訓開始!……の前に、それぞれ何を伸ばすか話し合いだ。
「俺の個性は硬化だし、やっぱりそれを伸ばすのが良いな」
「俺の烈風は、とにかく風を起こして鍛えるッス!」
「私の個性は……物を作ることですので、とにかくたくさん作ることで皆様のサポートをできれば」
「僕の個性は……上限を上げるには身体を作らないとだし、みんなとやるからには技術を伸ばしたいかな?」
それぞれバラバラな特訓内容だけど、せっかくだし協力して特訓したい……色々と考えた結果、思いついたのが。
「私が様々な物品を創造し」「僕が夜嵐君に色々な威力で投げて!」「それを烈風で吹き飛ばし!」「吹き飛んできた物を全部身体で受け止める!」
と、即席だけど凄い効率が良さそうな特訓が完成した!
八百万さんは、わんこそばみたいに次々と物を作らなきゃならないし
「くっ……次は銅のサイコロを……」
僕は、受け取った形や重さに合わせて投げ方を変えなきゃいけないし
「15%……シュート! 次、20%、シュート!」
夜嵐君は、そんな物の重さや形に合わせて風を変えなければならないし
「うおおおおおおおおおりゃあああああああああ!」
切島君は、投げられたものを全部硬化で耐えてるから一番辛そうだ。でも、根性が凄い!
「まだ、まだぁ!」「うおおおおっ! 熱いな!切島ぁ!」「おうよ、もちろんだ!」
「男の方々って、熱いのですわね」
今まで、ずっと特訓や訓練は一人か、オールマイトに見られてやっていたからすっごく楽しい! 友達やライバル、同級生と一緒ってどうしてこんなに楽しくなるんだろう?
でも、しばらくすると、まず八百万さんが脂質切れで作れなくなって、次に切島君が硬化できなくなって痛いのを直撃してしまった。だ、大丈夫かな?
「ぐ、ぐおおおおお……」「き、切島ぁ!?」「だ、大丈夫ですのっ!?」
「へ、へへっ、そろそろ、限界かも……」
「じ、実は僕も……」「俺もッス……」「わ、わたくしも……」
こうして4人揃って、TDLの一角に倒れちゃった。そんな光景はよく有るのか、回りの先輩たちも苦笑していた。そして――
「全く、お前ら。訓練が終わった後はクールダウンしないと非効率的だぞ」
『相澤先生?』
「ほら、これでも飲め」
と、相澤先生が何時も飲んでいるゼリー飲料を僕らにくれたのだ。あ、美味しい……
「……ま、お前らの担任だからな。頑張ってる奴らはちゃんと見ていてやる」
と、ゼリーを渡した後はまたのっそりとTDLの外に行ってしまった。そうか、見ていてくれたのか……
「ははっ、楽しかったな、またやろうぜ!」
「うん、是非!」
「それは良いのですが、個性は筋力のように超回復はするのでしょうか……?」
「それは色々と試すなり聞いてみたりするッス! そうだ、他の奴らも誘おうぜ!」
みんなで輪になって床に座りつつ、そんなことを話す僕ら。きっと、これから毎日大変だろうけど、楽しくなりそうだ。
まさかの模擬戦すっ飛ばし……。すっ飛ばした理由は話の中で書いた通り、盛り上がらなさそうだったからなんですよね
その代りに、特訓イベントやらなにやらを追加。TDLとかもうちょっと早めに使えても別に大丈夫ですよね!な感じで!