彼女ができなかったから、物語の女の子連れてきてハーレム作る   作:大賢者こんすけ

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どうも、超特殊許可青電主と毎日喧嘩してるこんすけです。

テスト期間って執筆進むね!(白目)

勉強してくるんで……

では、お楽しみください。


月が綺麗ですね(唐突)

月が綺麗な晩。やはり枕が変わると眠れない体質はなかなか改善せず、寝つけなくなり、かぐややシーナ、乙姫が寝ているのを起こさないように気をつけながらトイレに来ていた。

 

「はぁぁぁぁぁぁああ………」

 

俺は恐ろしく重いため息をついた。

 

この物語の世界にやってきて数日程経過したが、よくよく考えてみれば、イベントが存在しないのである。

 

かぐやのときはあのー…………そう、幼女盗りの翁がいて、シーナのときは糞親父がいた。どちらにせよ「敵」と呼べる存在がいた。しかし、今回は敵が全くいない。

 

「………やべぇ、ストレスで血尿でそう…」

 

ストレスなのは敵が居ないからではなく、毎日毎日、『デス・クリムゾン☆』を見せられていたからだが…

 

「敵がいないってのは平和なことなんだけどなぁ…」

 

イベントが起きないと親密度って上がらないじゃん?まぁ、乙姫は今の状態でもMAXっぽいけど…

 

そんなこと考えながらトイレを出ると、目の前に従者さんがいた。いつも乙姫が呼んだら飛んでくる忙しそうな女の従者さんだ。年齢は……20歳後半くらいかな…?

 

「あ、どうも……」

 

「あぁ、翠様でございましたか…」

 

「あ、そういえば、従者さんってお名前お聞きしても…?」

 

「いや、客人様に私のような者が馴れ馴れしく会話するのは……」

 

「あー、そういうのやめてもらっていい?」

 

「えっ………」

 

主従関係そういうのは大嫌いだ。そりゃ、先輩後輩とか社内の上下関係とかは流石に大事にするべきだが、俺だって呼ばれただけで元の世界では只の平民。従者さんとなんか変わりない人間なので、主従関係による会話の有無とかは極力無くしてしまいたい(まぁ、客人と会話しないのがこの城のルールってのならケチつけないが…)

 

「せっかく出会えたんです、仲良く話しましょうよ」

 

「え……ほんとによろしいんですか?」

 

「あっ、従者さんが嫌なら別に無理強いはしないんだけど…」

 

「そ、そんなっ!滅相もございませんっ!!」

 

あー、なんか俺の言い方が無理強いしてるみたいだな……申し訳ない……

 

「んで、従者さんのお名前は?」

 

「私は…『雫石(しずく)』と申します」

 

雫石さん……か……

 

「せっかく知り合えたんですし、少しお話しませんか?なかなか寝つけなくて……」

 

「は、はぁ……寝付けないのなら、香を焚くこともできますが…」

 

「あー、実はそういうの苦手なんです……だから申し訳ないんですけど、話し相手になってもらえます?」

 

お?よくよく考え直したらこんなに会話強要しちゃ、ナンパみたいに思われそうだな…

 

「えっと、お忙しいとかなら全然気にしなくても大丈夫なんですけど…」

 

「あっ、いえ、今日はこのあと床に就くだけなので…」

 

「あ、そうなんですか…」

 

「では、少しお話しましょうか……」

 

なんか雫石さんには申し訳ない気持ちしか湧かねぇな……

 

雫石さんに案内され、俺と雫石さんは城で一番月が綺麗に見えるという部屋に来た。

 

そこで、温かいお茶を出してもらい、話し始める。

 

「ところで雫石さんはなんでここで従者してるんですか?」

 

「急に踏み込んできますね…」

 

「あっ、す、すみません…」

 

地雷踏み抜いたか?

 

「お気になさらないでください、私がここで従者を務めているのは……少し昔話をしましょうか……」

 

そう言って、雫石さんは語り始めた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

私が従者として雇われたのは十八年前、大体九歳くらいの頃です、ちょうど乙様が十歳に成られた頃ですね。乙様のお父様、つまり()国王様に拾われた孤児だったんです。その頃は、毎日食べるのがやっとで、何も食べずに過ごす…なんてこともよくある話でした。しかし、ある日私が間違えて国王様のお乗りの馬車の前を横切ってしまったんです。普通の国ならそこで横切って者は即死刑なんていうのが当たり前なんですけど、なにせ国王様は人が良すぎたので、私のことを捕らえようとする国王様お付の従者にこう言われたんです

 

「お前達!少女が横切ってしまったのがそんなにいけないのか!今すぐ離して差し上げろ!」

 

と、私は只の孤児で、相手は一国の王、王が「差し上げる」なんて言葉使う事自体おかしいんですけどね…

 

それで、従者達が困惑してるときに私のところに来て、

 

「なに、気にすることはないよ。私の前を横切るのの何が悪いのだって話だろう?そう怯えるな………いや、怯えないで………なにもしないから……ほんと、怖がらないで……お願いっ!」

 

とか最後には懇願し始めたんですよ?おかしいと思いませんか?それで、私が不意に笑ってしまったら。

 

「うん、お嬢さん、君の笑顔は雫のように儚い……しかしその分綺麗だ。笑顔が綺麗な女性はみんな心も美しいんだ」

 

って口説き文句みたいでしょう?でも、このあとに

 

「そうだ!君を私の娘の従者として迎え入れたい!雇われてくれないか!!」

 

いきなり言い出すものですから、

 

「えっ………えっ………娘………えっ……」

 

戸惑ってしまいますよね。でも、国王様は戸惑ってる私に有無を言わせずに、

 

「おいで!一緒に城に帰ろう!今日から君の帰る場所はこの国のお城だよ!」

 

と言いながら強引に手を引いて聴衆に向かってこう言ったんです。

 

「遂に娘に友達ができそうだ!皆のもの!今日は国が持つ!盛大に祝ってくれ!!」

 

まぁ、こんなに言われてしまっては引き下がれませんよね…それで、私はここで従者として時に乙様のお友達として、働かせていただいてる限りでございます。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「なるほど………乙姫のお父さんって強引な人なんだな…」

 

そう言うと、雫石さんは少し困ったように笑いながら、

 

「えぇ、国王様はとても強引な方です。この国の為だぁなんて言って、一人で他の星から貿易の条約を取り付けてくるくらいですから」

 

一人でかよ………行動力凄まじいな…

 

「でも、国王様がその貿易を取り付けて来てくださったおかげでこの国は鋼材などを安定して入手できるようになったんですよ?」

 

「人が良すぎるっていうのは…?」

 

「さっき申したように、国民が横切っても怒らないなんてことはしょっちゅうで、あまりに怒らないので『喜哀楽の王』なんてあだ名までつけられていたんです」

 

フフッと雫石さんが思い出したように笑う。

 

「でも、『喜哀楽』の王ってことは喜び、哀しみ、楽しんでいたってことでしょ?」

 

「えぇ、ここはあまり大きな国ではないので国民の誰かが亡くなったときには必ずお葬式に参加する。そんなお方でした…」

 

ふと、雫石さんの顔が悲しそうに陰る。

 

「さっきの話で大体わかっていたんですけど、王様ってもしかして…」

 

「はい、ちょうど八年程前に急に病に倒れてしまい、そのままお亡くなりに……」

 

「………不躾な事聞いてすみません……」

 

「いえ、宙ちゃんが連れて来られた男性です、後々は知っておくべき話でした」

 

「それって……」

 

「どうか、どうか乙様をよろしくお願いします」

 

「………はい」

 

俺が答えたと同時に後ろから急に声がした

 

「雫石、もう寝なさい。後は私が話すから」

 

俺と雫石さんが振り向くと、そこには乙姫が立っていた。

 

「乙様………わかりました。失礼致します」

 

そう言って、雫石さんは去っていった。

 

「………で、どこまで話したの?」

 

雫石さんを見送ってから、乙姫が話しかけてきた。

 

「乙姫のお父さんが亡くなったって所まで」

 

「ほとんど全部じゃない……まぁ、補足説明ぐらいで充分かしらね……」

 

「補足……?」

 

「えぇ、お父様は病気で亡くなったんじゃないの……」

 

「え………それって………」

 

「お父様は殺されたのよ……」

 

うっわ………なんかきな臭くなってきたぞ………

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