「???」のヒーローアカデミア   作:アララギ持ったメイクイーン

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邂逅

時間としては7時くらいだったか。職員会議が終わりかけた頃に、事務所を介して警察から出動要請がかかった。事務所には大まかな学校スケジュールを預けてある。基本的にこの時間は学校にいるため、余程のことがない限り事務所から電話をかけてくることは無い。ましてや会議中だ。それを無視する程の何かが起きたらしい。他の職員たちに断りを入れて会議室から出る。

場所は保須市A通り4-6、通報があったのは今から10分程前

通報者は若い女性らしく、彼女によると『個性で人を殺し た』

自分以外に、インゲニウムも現場に向かっている

 

「個性で人を殺しただと?」どこに自身の犯罪行為を告白する奴がいるんだ。そうすることで結果を出す個性ならまだしも。思わず聞き返すが、聞き間違いでは無かったようだ。殺した、と言うものの詳細は不明。聞き出す前に電話を切られたらしい。

(なるほど、アンノウン相手に下手は打てない。異形系個性なら瞬発力と体術に長けるインゲニウムを、それ以外なら個性を抹消できる俺が、っていうことか)

「了解、直行する。」

 

 

 

 

雨が体を濡らす。厄介だ。事件の痕跡がこれでは流れてしまう。スピードを緩めることなく現場に向かうと、すでに警官とインゲニウムが到着していた。

「済まん、待たせたか。」

「いえ、自分も今来ました!丁度今から見分するところです。」

なら良かった。お互いのカバーを目的として呼ばれたのに、単騎で突入なんて合理的じゃあない。

警官に懐中電灯を持たせて奥に進む。1分も経たないうちに血の臭いが鼻に付くようになった。

「…!止まれ!」「これは…!!」

ひどいモンだった。脂、肉、骨様々な体を構成する組織が辺りに散らばっている。血も壁面に飛び散りまるで花火のように咲いていた。所々に見える布やシルバーアクセサリは被害者の遺品だろうか。

そして、その肉片などを引っ被ったらしい少女が1人、糸の切れた操り人形のように脱力し、壁に目を閉じてもたれていた。制服を見ればどこの出身かわかったかもしれないが、生憎、引きちぎられてボロボロだった。白い肌には所々が強くつかまれたせいで手の形に鬱血していた。

…色々と気にするべきことはあるのだろうが、少なくとも異形系の個性では無いらしい。インゲニウムと目で会話をし、俺は少女に近付いて行く。もちろん個性は発動中だ。

 

「これ、やったのはお前か?」

 

 

 

 

 

こちらを見上げる瞳は、赤と緑の螺旋を宿していた。

 

 

 

 

 

 

毛布をかけた少女を抱き上げると、安心したように脱力した。個性を解除する。気絶するよう眠る顔はどこかあどけない。雨で冷えた体に体温が戻っていくのを感じた。

「容疑者確保だ。」

大通りに出てパトカーと一緒に到着していたらしい救急車に少女を運ぶ。後は専門家の仕事だ。ヒーローの出る幕はない。

「お疲れ様です。自分は何も出来ず、すみません。」

「イヤ、アンタも俺が抹消してる間、後ろで警戒してたでしょう。充分だと思うよ。特にこの雨だと。」

「ハハ、それもそうですかね、」

それより、とインゲニウムの顔が変わる。あの少女は、どうなるんでしょうね。ヘルメットで顔は見えなかったが、声は少女の行く先を心配する色で満ちていた。

あの現場からすると、おそらく彼女は襲われたのだろう。必死になって抵抗するうちに、理性が消え、個性が暴走、というところか。被害者でもあり加害者でもある。彼女は未成年に加え、ことがことのため情状酌量の余地があるとは思うが…

「1人、ヤッちまったからな…」

雨が、降っていた。彼女の罪を洗い流すように降っていた。




ありがとうございました!
今朝確認したら予想以上に多くの人に楽しんで頂けていたようで、ドッキドキが止まりませんでした。
アラメイは現在進行形でジャンプ+でヒロアカ履修中ですので、不備が出ることがあるかもしれませんが、その際は修正します
キャラたちの口調でおかしい所もあるかもしれませんか、よろしくお願いします
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