とある土曜日の事、私は いつもの時間に起きて いつもの様に三春オバさんと共に朝食を用意して いつもの様にナユとマドカを起こす、そんな いつもと変わらない週末になる筈だった、ナユが出掛けようとしているのを見るまでは
彼は現役中学生ながら既に小説家として活動していて、印税の何割かを家に入れている
具体的な数字は教えてくれなかったが、ナユ曰くソコソコには売れているらしい
そんな訳でナユが休日に出版社へ出向いたり友達と遊んだりする為に出掛ける事は珍しくない、しかし私の勘が その類いでは無いと告げていた為、私は彼に尋ねた
まぁ家族なら尋ねても普通だしね?
「何処か行くの?」
「え?あぁうん、ちょっとね」
ナユは私を見た瞬間、少し動揺した様子を見せて何かを隠している様に見えた
「何処に行くの?」
「駅前だよ、ちょっと呼ばれてて。あ、もう出ないと遅刻だから、ごめん一夏」
そう告げナユは私から逃げる様に出掛けて行ったのを見送り
「・・・ナユ」
彼の背中を見て少し悲しくなった後、別の感情が私を包む
それは真実を話してくれないナユへの怒りではない、ナユを呼び出した人・・・女への嫉妬による怒り
ナユは私のモノだ、誰にも渡さない。渡すものか
あまり束縛するとナユに嫌われてしまうから普段は我慢しているのだけど、今日はダメ許さない・・・正体を確かめなきゃ、そして対応を考えなきゃ
私は直ぐに自室に戻り動きやすさ重視の外行きの服装に着替えて髪を纏めてからキャスケットを被りナユを追い掛けて家を出る
今回は確認し対応を考えるのが目的だからナユと相手に私が尾行している事をバレてはいけない、場合によっては その限りでは無いが出来る限りは尾行をするつもりだ
直ぐに行動をしたお陰でナユを見失わないで済み、尾行を開始する。自慢では無いが私は人より目が良い、視力が良いと言う意味も含まれるが、所謂 認識力が高い
なので、ある程度ナユから離れていても大丈夫だ
ナユが駅前の噴水広場に入る、そこが待ち合わせの場所らしい。私も距離を保ったまま噴水広場に入り自然を装ってナユを監視する
噴水広場に入って数分、待ち合わせの相手と思わしき女性が現れる、見覚えのある深い紫の髪、両サイドの髪を一房ずつ三つ編みにしている赤目の美女、私の剣の師匠の娘であり姉さんの唯一無二の親友、稀代の大天才、歴史を変えた人、そしてナユの姉貴分、篠ノ之 束
彼女は随分とナユを気に入っているで、ナユと仲が良い
でも呼び出した相手が束さんなら、少し安心出来るかも知れない。ナユに取って束さんは姉枠なのだから
でも尾行は継続する、あとでナユとお話ししないといけないからね
お待たせしました
今回は一夏ちゃんでした
これで大丈夫ですかね?薄い?