一夏ちゃんに愛されて夜に眠れない   作:銭湯妖精 島風

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夏祭り 続

 

 

神楽舞も終わり篠ノ之母と父に売り子をバトンタッチして俺は一旦道場に行き着替える

 

いくら慣れているとはいえ借り物で尚且つ神職の衣装を汚すのは気がひけるからだ

 

まぁ一夏と違って機動性の高いTシャツにハーフパンツ、スニーカーなので直ぐに着替え終わり巫女服を綺麗に畳んでから紙袋に収めて道場の外に出ると一夏が道場の階段に座っていた

 

「お待たせ」

 

「うん、行こっか」

 

ニコっと笑む一夏に手を引かれ本堂へ向かい例年と同じく篠ノ之母に紙袋を渡して、お参りをした後に出店を回る事にした

 

 

いつもなら現れそうな束が現れないのは少し不安を誘うが今は一夏との時間を満喫する事にしよう

 

「何処から行く?」

 

俺が一夏に尋ねると彼女は俺の手を引き

 

「ナユが一緒なら何処でも良い、でもお腹空いちゃったから何か食べよ?」

 

そう言い彼女はいつも以上に綺麗な笑顔で歩み始めた

 

それを見て、俺の中で何かがカチリと1つハマった気がする・・・いや、もう分かっている

 

ウダウダと言い訳して勝手に疑心暗鬼して自分を惑わしていた、でも俺は物書きだ

 

なら、自分の気持ちも感情も分かってる筈じゃないか。確かに俺は彼女居ない歴=前世+13だ、でも人を好きになった事がない訳じゃない

 

自分に正直になろう、今なるべきだと感じた

 

俺は、一夏が好きだ

 

目の前で綺麗に笑む、織斑一夏が好きだ

 

 

「ナユ?大丈夫?」

 

「え?あ、うん大丈夫、大丈夫だよ」

 

思考に埋没し過ぎた様で一夏が心配そうに俺を見ていたので返事をして

 

「あ、あそこに焼きそば有るよ?」

 

彼女を安心させる為にニコっと笑み手を引いて移動し2人分購入して片方を一夏に渡す

 

「はい一夏」

 

「ありがとうナユ、お金・・・」

 

一夏が巾着袋からサイフを取り出そうとしたので、大丈夫と言って納めさせて

 

「普段なにも出来てないし、今日ぐらい格好つけさせてよ」

 

そう言い焼きそばを食べて思う、何で出店の焼きそばって美味しく感じるんだろう?やっぱりプロだから?

 

 

チラッと一夏を見ると彼女は少し顔を赤くして焼きそばを食べている、可愛い

 

それから焼きそばを食べ終え次に向かいラムネを2人分購入して再び彼女に渡し

 

「夏と言えばラムネだよね?」

 

「確かに夏祭りとか以外では飲まないかも」

 

ビー玉を落とし蓋を開けると炭酸で少し溢れ出して地面を濡らす

 

「やっぱりラムネは此処までがテンプレだよね」

 

俺が言うと一夏がフフっと笑う

 

ラムネを飲みながら出店を巡り、射的をしてヨーヨー釣りをし りんご飴を食べたりする

 

一夏との時間を堪能していた訳だが、ふと有る事に気付く

 

篠ノ之神社で開かれている この納涼祭は規模で言えば、そこまで大きくはない。何故なら篠ノ之神社の敷地が主だからだ

 

なのにいる筈のマドカと鈴に会わないのは不自然としか思えない

 

なら考えられるのは・・・

 

「あ、一夏?もう少しで花火の時間だよ?行こ?」

 

「うん」

 

彼女と手を繋いで人の波を掻き分けて数年前に見つけた穴場へ向かう

 

 

この先の穴場にマドカと鈴が居なかったら、彼女達は間違いなく俺達を尾行(つけ)ている

 

または空気を読んで察しているか の、どちらかだろう

 

まぁ正直どちらでも良い気がしてきたので穴場に着くと予想通り二人の姿は無く、念の為に後ろを見てみたが何も居なかった

 

「気にし過ぎ、か」

 

そもそも万が一、億が一の確率で遭遇していない可能性も有るかも知れないと考えて、一夏に集中する事にした

 

「ねぇナユ?」

 

「ん?どうしたの?」

 

木の柵の前に並んで花火を待っていると一夏が俺の名前を呼んだので彼女の方を向き尋ねると

 

「もう夏休みも終わるじゃない?今年の夏は夏らしい事、出来た?」

 

彼女は首を傾げて俺に問い、俺は真っ直ぐ一夏を見て

 

「もちろん、ありがとう一夏。君のお陰だよ」

 

ニコっと笑み彼女に言うと彼女は嬉しそうに笑む

 

そして夜空に綺麗な花が咲き始め、俺は・・・俺達は無意識に手を握る

 

俺は一夏が好きだ、もう自分を惑わせたりはしない

 

時を見て この想いを彼女に告げよう

 

多分、その時はそれ程遠くない未来だろう

 






お待たせしました

久しぶりな文字数を書けました

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