それから束は流石に汗をかいたままではペタペタして気持ち悪いと一度汗を流しに防具や竹刀を片付けた後、剣道場から出て行ったので、一先ず箒と篠ノ之父に挨拶をする事にした
まぁ普通に千冬と話す為に寄ってきているんだけどね、うん
「先生、これが妹の一夏で、こっちのソックリなのが
千冬に紹介かれ、それぞれが自己紹介をする
やっぱ俺を紹介する時は少し面倒な言い回しになる、ぶっちゃけ直接的な血縁無いし?
義理の姉弟でもない
まぁ千冬が俺の事を弟の様に扱ってくれているのは嬉しいが
「3人共よろしく、私は篠ノ之 柳韻。こちらは娘の箒だ、箒挨拶を」
「篠ノ之 箒だ、よろしく頼む」
篠ノ之父の自己紹介を聞き、父親に促された箒の自己紹介を聞き、箒は小さい頃から箒だったんだなぁと感じる
そんなこんな篠ノ之父と箒を交えて雑談をしていると、汗を流し着替えた束が戻って来て、俺だけつれて剣道場を後にする
腹は括ったが、正直怖いものは怖い、失敗したらバッドエンド必須だし
そんな感じで内心ビクビクしながら束について行くと木の引き戸にデカデカと束と毛筆の草書体で書かれた部屋に辿り着き、中へ招き入れられる
少し良いと感じたので、今度 自分の部屋の引き戸に俺も書いてみよう、名前
中に入ると、散らかっている、と言うより物に溢れている印象を受ける
「ごめんねー、少し散らかってるけど適当に・・・うん、ベッドに座って?」
自室を見渡し座る場所がベッドしかない事に気付いた束が、そう言ったので素直にベッドに座り
「俺を部屋に招いて、どうするの?」
「そうだね、君に興味があるから少し お話をね?」
彼女は椅子に座り、俺を真っ直ぐに見据え微笑む
その表情を見て、黙って微笑んでいたら美人なんだけどなぁとか考えつつ、どう話しをするか考えるがどうするかが思いつかない
一先ず束の質問に対応する事にしよう
「さて那由多くん、君は他の子に比べて落ち着いているね?何でかな?」
そんなの俺が転生者だから、とは言える訳がない
ここで転生者とバラしてバッドエンドに直行・・・いや、待てよ?IS学園に男で有る俺が強制収容される条件は、ISが一般的に女性にしか起動・搭乗できないからであって、男でも搭乗できる様になっていれば、IS学園に強制収容されなくて済み、小説家になる夢が叶うかも知れない
よし、束を仲間にするには絶好のチャンスだ、バラそう
あとは口止めすれば多分大丈夫だろう、多分
「俺がみんなより落ち着いているのは・・・信じて貰えるか分からないけど、俺は前世の記憶って奴を持ってるから、かな?」
俺の言葉を聞き、束は一瞬キョトンとしてクスクス笑う
「前世の記憶かぁ〜なんだっけ?輪廻転生って奴だっけ?なるほどなるほど、確かに前世の記憶が有れば幼稚園児にしては落ち着いているし、私に睨まれても逃げないかもね?証拠は、あるのかな?」
今、束は恐らく子供の戯言だと思っている、だが少しだけ期待をして俺を試している
だから俺は手っ取り早く証明する方法を取る、彼女が必ず食い付くモノを
「記憶と言うものは目に見えないから証明は難しいけど・・・多分、そのパソコンにアナタが書いたインフィニット・ストラトスの基礎理論とかの論文が記録されている筈、時期的に論文だけで試作機は組み始めてもいない か組み始めたばかりだと推測するけど?」
俺の言葉に笑っていた束の表情が変わり、真面目な表情になる
「なんで知ってるの?まだ誰にも見せていないし、誰も知らない筈なのに・・・なるほど、君の言葉は嘘じゃない様だね?」
束は再びニコニコし始め言う、どうやら納得してくれたらしい
「証明出来て良かった、とりあえず俺が言える事は、試作機が完成してから論文を発表した方が良いと思う、実機が有れば信じざる得ないし、あと搭乗者が女性のみになってしまうと世界が凄く荒れるから性別関係無く乗れた方が良い・・・ぐらいかな?」
俺の言葉に束は満面の笑みを浮かべ嬉しそうにする
なんか期待されているみたいだが、俺が知ってる事はたかが知れてるから少し怖い
「なるほど、確かにそうだね。なら実機の制作と性別関係無く搭乗できる様に研究するよ、中途半端なモノは、やっぱり嫌だからね!ありがとうユタくん!!」
「別に、なんもしてないような?」
わーい、無事に束にお気に入り認定されたぞーやったー(棒)
とりあえずは説得?は成功したみたいで良かった
「あ、俺に前世の記憶がある事は秘密で。バレたら説明が面倒だし、俺は平穏に暮らしていたいから」
「分かったよ、誰にも話さない」
とりあえず口止めの約束も出来たし、良かった良かった
そういえば俺の他にも転生者がいたっけ、神様が会わない可能性が高いとか言ってた気がするし、会った時に考える事にしよう
あ、でもあとで束には話しておく事にしよう、神様が微妙な顔をするぐらいの奴等の様だし
お待たせしました
地味に原作を改変するナユ君の巻w