出港したはいいものの、麦わら海賊団はお通夜のようになっている。
敵の親玉が王下7武海だと発覚し、加えてイガラムさんが乗って行った船が爆発させられたんだ。
一度にたくさんのことが起こりすぎた、もうこれ以上は勘弁してもらいたいもんだ……。
と、なんだが変な気配を感じる、船の後方からだ。
厄介事は勘弁してくれと思いつつ行ってみると、なにやら船にロープがくくりつけてあった。
警戒しながら覗いてみると、そこには亀がいた。
バカみてぇにでかい亀だ。
「……なんだこいつ?」
亀の甲羅には豪華な椅子が取り付けてあり、なかなか乗り心地がよさそうだ。
「あら、バレちゃったわね」
後ろから声が聞こえたから警戒しながら振り返る。
そこには黒髪の美女がいた。
てかあれ?この人たしかルフィ達の仲間だったような気が……、まだ先の話か?
「……どちらさまで?」
「フフフ、あまり警戒しないのね」
「あー、まぁ、あれだ。アンタが美人だったもんで警戒し忘れちまっただけだ」
「嬉しいことを言ってくれるわね。それじゃあ美人に免じて他の人達には内緒にしてもらてるかしら?」
「んー、別に悪いことしねぇならいいんだけどよ。……例えば、船に爆弾を仕掛けて爆発させるとか」
「あら、バレてたの」
カマをかけたらビンゴだった。
……しかしどうするべきか、たしか悪魔の実の能力者だった気がするんだよなぁ。
スモーカーさんから預かった十手は部屋に置きっぱなしだし、下手に動くのもなぁ。
「とりあえずアンタの目的だけでも教えてもらえるか?それによっちゃ放っておくわけにはいかねぇ」
「別に何もする気はないわ、ただあなた達にアドバイスをしてあげようかと思って来ただけ」
「アドバイス、ねぇ。……まぁ、それだけなら何も言わねぇよ。なんならアイツらに紹介でもしてやろうか?」
「あら、じゃあお言葉に甘えてお願いしようかしら」
あら?冗談のつもりで言ったんだけどな、ニッコリ顔でお願いされちまった。
まぁ、美人の頼みなら断る理由もないけど。
「じゃ、紹介してやるからついてきな」
「ちょっと待って、もう少しお話に付き合ってくれない?そんなに焦る理由もないし、それに、私あなたに少し興味が沸いたわ」
……まぁ、美人からのお誘いを断る理由はないわな。
ーーーーー
ーーー
ー
「……フフフ、あなたの話、なかなか面白かったわよ。ありがとう、私はそろそろ王女様のところに行くとするわ」
「紹介は?」
「大丈夫よ、……今回はね、フフフ」
なかなか話が弾んでしまった。
ロビンは8歳のころから賞金首として追われていたらしい、なかなかヘビーな話で驚いた。
後半はほとんどスモーカーさんの愚痴で終わったけど、まぁ楽しそうにしてたからいいか。
ロビンが甲板の方に行ってからちょっとすると騒がしくなった。
どうやら、悪魔の実の能力でいいようにもて遊ばれているらしい。
サンジは相変わらずだな……。
ハナハナの実ねぇ、効果範囲が見える所ってやべぇな。
やっぱ悪魔の実ってのは厄介だな、なんちゃって鉄塊してれば攻撃は防げそうだけど、動けなくなるからなぁ。
どうやったら倒せるか……。
「フフフ、面白いお仲間ね」
考え込んでいたら用事は終わったらしい、ずいぶんと上機嫌だ。
「楽しかったみたいでなにより。……あんまりうちの連中で遊ばないでくれ?」
「フフフ、ごめんなさいね。つい楽しくなってしまったわ」
くそ、美人の笑顔は反則や。
「それじゃ、シュライヤ。縁があったらまた会いましょう」
「あぁ、あんたと縁がありそうだ。次は敵じゃない状態で話したいもんだね」
「それも楽しそうね」
そう言うと、ロビンは亀に乗って海に消えていった。
「シュライヤ!大丈夫!?」
「ん?おぉ、別になんともないぞ?」
「さっきバロックワークスのミスオールサンデーっていうヤツが」
「あぁ、ちょっと話したぞ」
「そう、話したの……ってなんで敵とお話しとんじゃーーーー!!!」
うお、あぶねぇ!?
ナミの拳骨はシャレにならん、ゴムのルフィにダメージを与えてるから、たぶんスモーカーさんが前に話してた覇気とかいうのを使ってるに違いない。
「で、アイツからログポースは受け取ったのか?アラバスタへの近道らしいけど」
「そこまで話してたの……。残念だけど、ルフィが壊しちゃったから次の目的地は変わらないわ」
「おぉ、さすが我らが船長様。向こう見ずっぷりじゃ敵無しだな」
「ハッハッハー!そうだろー!!!」
「誉められてないから調子に乗るな!!!」
亀を見ながらはしゃいでいたルフィに呆れを込めて皮肉ったけど効かなかったらしい。
ナミに拳骨を落とされている。
うわ、しっかりタンコブできてるし、やっぱり覇気か……。
「あの、シュライヤさん。ミスオールサンデーはアラバスタについてなにか言っていたかしら?」
「アラバスタについてはなにも言ってなかったな、そもそもロビンは歴史にしか興味がないみたいだったが……」
「ちょっと待ってシュライヤさん、ロビンっていうのはミスオールサンデーのことかしら?」
「ん?あぁ、ニコ・ロビンって名前らしいぞ」
「あんたホントに仲良くなってるじゃないの……」
どうやらナミとビビに呆れられてしまったらしい。
まぁ正直自分でも敵とここまで仲良くなるとは思わなかった。
ワンピース世界に来てから初めて会う知的なキャラだったから話が弾んでしまったんですごめんなさい。
「役に立ちそうになくてすまねぇな」
ビビは平気な風を装っているが、内心では焦っているのだろう。
……美人にこんな顔されちまったら協力するしかねぇよなぁ。
!щ(゜▽゜щ)