「ナミさん、大丈夫かしら……」
「大丈夫ではねぇなぁ、ただの風邪じゃなさそうだ」
「ナミは死ぬのかぁ~~!?!?」
「このままじゃ危ねぇかも知れねぇな、俺もビビも専門的な知識はねぇ。どっかで医者を見つけねぇことには適切な処置もできやしねぇ」
無事にリトルガーデンから出発できたのもつかの間、ナミが高熱で倒れてしまった。
よくよく考えると、この船医者がいなかったのか……。
感染症っぽいけど、俺には海軍で覚えた応急処置ぐらいしかできねぇからなぁ。
と、ナミが目を覚ました。
だいぶ辛そうだが、意識はなんとかあるらしい。
「私は、大丈夫だから。ハァハァ、アラバスタへ、急ぎましょう」
「でもナミさん!」
「……これ、よけい、心配すると思って、ハァ、隠して、たんだけど」
「……これはッ!?」
ナミが布団の下から出した新聞には、アラバスタの現状が書かれていた。
どうやら戦況が悪化したらしい、ビビの顔色が一気に悪くなった。
さて、どうなることやら……。
ーーーーー
ーーー
ー
現在、麦わら海賊団はドラム王国にいる。
ビビはナミを助けるという選択をしてくれた、
途中ごたごたはあったものの、無事に医者を探しに容れてもらうことができてよかった。
「クソ!余裕ぶりやがって!!!」
「余裕なんだからしゃーねーだろ、おら、足元がお留守だぜ」
「うおッ!?」
俺は今、ナパームとレモンの修行を見ている。
強くするって約束で乗せたんだしな。
……あ、ナパームってのはMr5、レモンってのはミスバレンタインの名前らしい。
バロックワークスはやめたから名前で呼んでくれと頼まれた。
「……で、いつまで休憩してんだ?」
「て、テメェ、ハァハァ、少しは手加減、しろよ」
「無駄よナパーム、コイツ本物の鬼よ」
「お前らの実力でギリギリついてこれるレベルでやってんだよ、早く強くならねぇとアラバスタについちまうぞ?」
「そんなことわかってんだよ、くそ!見せつけるように筋トレしやがって」
そりゃ俺だって強くならねぇといけないからな、せめて六式は完璧に使いこなせるようになりたい。
「おら!もう十分休んだだろ、次はレモン、お前だ」
「わかってるわよ、やればいいんでしょやれば!」
コイツらには格闘技術を覚えてもらい、攻撃と同時に能力を併用して使う練習をしている。
今まで能力頼みの戦い方だったようで、接近戦がクソだったので、ナパームの方にはボクシングもどき、レモンにはムエタイもどきを教えている。
と言っても、海軍で教わった技をそれっぽくしただけのものなんだが。
「おら、一撃に体重を乗せるイメージで能力を使え」
「ッ!!!そんな!簡単に!できれば!苦労しないのよ!!!」
いや、結構できてますがな。
我流とはいえ、仕事がら多少は荒事も経験があるんだろう。
あとは怠っていたであろう筋トレをして、もう少し錬度が上がれば見違えるに違いない。
……これはうかうかしてると危ないかもしれねぇなぁ。
「おいシュライヤ、……おぉ、やってるな。邪魔したか?」
「いや、気にすんな。なんか用事か?」
一緒に船の見張りで残ったゾロが甲板へ出てきた。
レモンの攻撃を捌きながらゾロの方へ注意を向ける。
レモンから若干イラッとした気配を感じる、心なしか一撃が重くなった。
「あぁ、ちょっと寒中水泳でもしようと思ってな。船任せて大丈夫か?」
「この寒さの中でよく泳ぐ気になるなお前、わかった凍らねぇように気をつけろよ」
「俺がそんなドジするわけねぇだろ、ルフィじゃあるまいし」
……ノーコメントで。
「お、5分間たったな。終了だレモン」
「ハァ、ハァ、顔色一つ変えないなんて、……ハァ、覚えときなさい」
おかしい、スモーカーさんのしごきに比べたらだいぶ甘いはずなんだがなぁ。
ーーーーー
ーーー
ー
「おかしい、ゾロが戻ってこねぇ。……さすがに遅すぎるよな?ちょいと様子見てくるわ」
……ダメだコイツら虫の息になってやがる。
毎日特訓してんのにまだ体力が足りねぇのかなぁ?
しかし、どうするか、さすがに水の中探しに行く体力はねぇんだけどなぁ。
「……ん?誰だお前」
「き、貴様は!麦わらの仲間か!!!」
「そうだけどよ、これうちの船だからよ、勝手に上がらねぇで欲しいんだが……」
「うるさい!他の仲間はどこだッ!?ブベラァッッ!!!」
「おいおい、いきなり人に銃向けんじゃねぇよ」
甲板に出たら暖かそうな格好した男が、敵意剥き出しで銃向けていたから殴り飛ばしてしまった。
……なんか外におんなじような格好した奴等がうじゃうじゃいやがるな。
おまけにカバみてぇのもいやがる、……あれってナミ看病してたときに襲ってきたっていう変な奴等か?
うわ、面倒くせぇ。
「貴様!さては麦わら野郎の仲間か!」
「ちょっと待ってもらっていいか?」
「なに?しょうがねぇなぁ、少しだけだぞカバめ」
「おう、すまねぇ。すぐすむ」
なんだあのカバ話わかるヤツなのか?
とりあえず船内に引き返して、未だにグッタリしていた2人を肩に抱える。
「お、おい、今度はなんだよ。こっちはまだ疲れてんだよ、もう少し休ませてくれても……」
「そ、そうよ、もう体が動かないわよ……」
「そいつはちょうどよかった。ちょいと限界越えてみろ」
「……おい、いったいなに言ってやがる」
「……嫌な予感しかしないわ」
やっぱり追い込まれてこそ、人間は強くなれると思うんだよね。
俺がなんちゃって六式できるようになったのも、スモーカーさんに撲殺一歩手前まで追い込まれたからだし。
「やっと出てきやがったか、この俺を待たせるなんてとんだカバ野郎だぜ……ん?なに抱えてんだお前?」
「見えるかお前ら?あそこのカバが敵の親玉だ、アイツ引っ捕まえてこれりゃ、明日の訓練はなしだ」
「ッ!?……そりゃ本当だろうな?」
「あぁ、悪魔の実の能力も存分に使っていいぞ」
「キャハハハ!!!やってやるわよ!」
よし、やる気になったらしい。
敵はそこそこ数がいるけどたぶん大丈夫だろう。
コイツらが陽動してる間に、あそこで倒れてる村人達でも助けてやるか。
「よし!そんじゃお前ら、行ってこい!」
「「ッ!?投げんなぁーーー!?!?」」
!щ(゜▽゜щ)