ここから本格的にバタフライエフェクトが始まる。
この波紋は何を変えるのか?
熟睡の出来なかった佐々木未来は、いつもより早くに目を覚ました。昨日のことを思い出しハッとして急いで寝室を見ると、そこには手紙だけ。
普段なら寝ている筈の彼女は、もう居なかった。
「隠し事か、オールライトッ…!」
手紙を見ると内容は今日の雄英高校の午後の話だった、話には聞いていたUSJの事である。心配はある、だが不本意ながら完全に異分子の彼女がいる。事の顛末を良い方にしてくれる筈だ、いや、そう願うしかない。
手紙は八木典花ではなく、ヒーローのオールライトとして書いたものだ、ならば佐々木未来としてではなく自分もヒーローのサー・ナイトアイとして動かなくてはならない。佐々木は手紙の追記を見て喉から音が出る。
「頼むから、寿命を減らすような事をしないでくれ、典花さん…!」
場所は変わり雄英高校の施設内、嘘の災害や事故ルーム、とすると長いので略してUSJ内部に八木典花は既にいた。
彼女は朝食を取らず急いで家を出た、真っ先に雄英高校向かい、ヒーロースーツに身を包み、マッスルフォームで世話しなく施設内を走り回った。
バスが来る前に道中も含めて不審な点はないか、不備はないかと確認をしていたが不備も不審な点も無い、流石雄英高校と言うところだろうか。
確認をしているものの、予想以上にその施設は広い、到底一人で見るものではないその施設に彼女は焦るばかり、確実にタイムリミットは迫っている。昼食も食いっぱぐれたが、今は、今日はそれどころでは無い。
ここは通過点ではない、第一次目標到達点だ。
「…13号が、イレイザーヘッドが、オールマイトが!…怪我をする。くそ、くそったれだな、私よ!ここまで何も変えてないじゃないか!何をすればよかった!頼ればよかったのか!?言えばよかったのか!?いや、私が来た。私が、やる!」
不審な点は、不思議なぐらいに見つからなかった。
寧ろこの場の不審な点は自分なんじゃないかと、錯覚するぐらいに。
時は残酷に進む、止まることはない。
生きるのに必死で、焦るばかりで、後悔ばかりで、周りが見えていなかったようだ。
切島鋭児郎の声が聞こえた事により、八木典花からオールライトになった彼女は生徒のいる所までゆっくりと、踏み締めるように階段を登り始めた。それは背後を警戒するように、いつ来ても応戦できるように、それは元ナンバーワンヒーローの臨戦態勢だ。
その間、生徒たちの視線は演説のような説明をしているスペースヒーロー13号へ、13号の視線は生徒達へと、目線は互いにそちらに行っていた。
唯一相澤消太だけは、少し離れていた為に八木典花のその登り方と表情に違和感を覚え警戒をし始めた。そして少し前の話を思い出した。
「(あの人、笑顔が抜け落ちていて…背後を警戒している?そういや、USJで教師二人が怪我をする…まさか、今日の授業か!つまり俺と13号が!)」
13号の話が終わる、拍手が終わる。
全てが、終わり静寂を迎える。それは開始の合図だ。
「…!オールライトさん!」
「相澤先生?」
相澤が見たのはセントラル広場の何もない空間から現れた黒い渦、そこから見えたのは手、手、手。その隙間から見えたのはギョロリとした目、それが合図かのように一斉に人が飛び出してきた。あれが恐らくヴィランである。
命を救う訓練は奇しくも、命を救う実践となる瞬間であった。
「ひとかたまりになって動くな!13号!生徒たちを守れ!」
「イレイザーヘッドはそこから私の援護を!」
「この階段から援護を!?(取り残しか、個性を消せば良いのか?!)ああ了解!」
「何だありゃ!?また入試ん時みたいな始まってんぞパターン?」
「いや、それにしてはオールライト先生、凄く怖いよ…!(この前はオールマイトみたいな笑い方してる先生だったのに…笑ってない!)」
緑谷と切島が相澤の背から覗き込むも予想は外れる。
それはそうだ、1-Aは初めて本物のヴィランに襲われるのだから!
「動くな、あれはヴィランだ!」
「13号にイレイザーヘッド、そして見知らぬヒーローですか。先日頂いた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずですが…その贋作はオールマイトの代わりでしょうか?」
「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」
「どこだよ…せっかくこんなに、大衆引き連れてきたのにさあ。オールマイト…平和の象徴がいないなんて。子供を殺せば来るのかな?」
平和の、象徴を、殺せ。
プロがなにと戦っているか、なにと向き合っているか、なにを見て戦うのか。この時1-Aは、初めて途方も無い悪意を見て、聞いた。
相澤は13号と上鳴に指示を出している間、オールライトは既にヴィランに向かって戦闘をしていた。
「射撃隊、いくぞお!撃て撃てえ!」
「情報じゃ13号とオールマイトだけじゃなかったのか!?誰だよあの二人!」
「知らねぇ!!が、一人で正面突っ込んでくるとは大間抜けだ!!」
「遅い!Carolina Smash!」
「う」「きゃ」
ヴィラン達の悲鳴が出ぬスピードで、的確に意識を奪っていく手刀。パワーだけじゃないとわかる動きにイレイザーヘッドは援護は必要なのかと思った。
「すごい、多対一であのスピードとパワー、たくさんのヴィランが次々と倒れていく…!」
「馬鹿言うな、パワーだけじゃヴィランとて人間だ、死んじまう。一芸だけじゃヒーローは務まらん、あの人は加減と的確に一箇所狙って意識を奪ってるんだ。それより早く避難を…」
「させませんよ」
音もなくゆらりと現れたその得体もしれない黒い靄は、突如として眼の前に現れた。
黒い靄は言う、我々はヴィラン連合だと!!
「僭越ながら、この度ヒーローの巣窟の雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたい、と思っての事でして。本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズですが…何が変更でもあったのでしょうか?まあ、それとは関係なく、私の役目はこれでして」
先手必勝、爆豪と切島が攻めに入るが攻撃はどうやら効いて無いようだ。相手は生徒といえどヒーローの金の卵
、そこはしっかりと警戒していた、つまり攻撃してくるのは予想の範囲か。
更にそこにはプロヒーローの13号、少し離れた所にイレイザーヘッドもいる。だがイレイザーヘッドは階段下のヴィランとこちらを交互に警戒している、集中力が今が一番散っている、そして個性の矛先はたった今雑魚へ向かった、やるのならば今だ。散らすならこのタイミングだ。
「みんな!」
「…!お前たち!」
1-Aは散り散りとなった、その場に残ったのは生徒は六人と二人のプロヒーローだ。
状況今、絶望的となった。だが焦りながらも皆の安否を確認する生徒がいた。
「皆は!?いるか!?確認出来るか!?」
「散り散りになっているがこの施設内にいる」
「物理攻撃無効で、ワープって!最悪の“個性”だぜおい!」
イレイザーヘッドと13号はこの状況では、同じ結論にしか辿り着かなかった。押すことも出来ず、引くことも出来ずの均衡状態化を崩す一線の掛け。
この状況を正確に説明出来る程の頭脳と冷静さを持ち、“個性”エンジン持ちにして、1-Aの委員長をする男!
「飯田!走れ!」
「相澤先生!?」
「委員長、君に託します。学校まで駆けてこの事を伝えてください。警報鳴らす、電話は圏外、警報器は赤外線式です。オールライトがヴィラン達の気を失わせ、イレイザーヘッドが遠くからですが“個性”を消しているにも拘わらず無作動、恐らくそれらを妨害可能な“個性”がいて、即座に隠したのでしょう、とするとそれらを見つけ出すより君が駆けた方が早い!」
「しかし13号先生、クラスを置いていくなど委員長の風上にも…!」
砂糖が背中を押し行けという、瀬路がその脚でモヤを振り切れと、芦戸が目で行けと、麗日がサポートをすると、そして13号が言う。飯田天哉は、覚悟を決めた。
「救う為に、“個性”を使ってください!!」
「お願いね、委員長!!」
「…!!」
一方少し時間は遡り午前のナイトアイ事務所。
そこにはインターン生の通形ミリオが来ていた、どうやら来る予定の時間から遅れてきたらしい。困った様に笑うミリオはナイトアイに謝っていた。
「タハハ!連絡ミスがあった上にボタンのミスをしたんだよね!すみませんね、サー!」
「掛け違いか、良いだろう。とりあえずそのシャツのボタンの掛け違いを直したらどうだ?」
「よく気付きましたね!って今日も地味ですねえ」
「挨拶はどうした、バブルガール」
「はい!おはようございます!」
「バブルガール、挨拶にユーモアが足りないな。まあ今は見逃そう、それで?連絡ミスとは?」
「雄英高校から本日のインターンは中止と、だけど俺には何故か連絡が来てなかったんですよね!それを幼馴染から聞いて真偽の程がわからないので二人で一度急いで朝一に高校に向かったんです!幼馴染の方は中止でしたが、校長にナイトアイ事務所なら平気かなと言われて急いで向かったということです!お昼前には辿り着けてセーフですよね!」
それを聞いたナイトアイは考えた、ナイトアイ事務所なら平気と言う言葉の意味を。バブルガールは今日なにかあるんですかね?と言うだけで見当がつかないようだ。
ただでさえ出社から落ち着きのないナイトアイ、考えが纏まった所で思わず立ち上がってしまう。
「…ッ!」
「わあ!んもう!今日どうしたんですか!?ユーモアどころか余裕も無いじゃないですか!」
「ユーモアはある」
「サー?何かあったんですか?」
「…雄英が、気になるだけだ。ミリオはまだ見てないかも知れないが、知り合いがそこで勤務し始めた。その事で少し気になる事がある」
「外回りのセンチピーダーが今朝言ってましたよ、午後まで落ち浮きが戻らないなら原因のもとへ向かってみてはって。流石ですねえ、私も気になったら見に行きたくなりますし、食べにいきたくなります」
「原因のもとか…」
「今まで見てきた中で明らかにサー、挙動不審ですよ。これはもう行ってみては?大丈夫です!センチピーダーと私とミリオくんで回してみせます!」
「…だがこれは、予知…に関わることだ」
バブルガールもミリオも驚きを隠せなかった、まさかここでナイトアイの“個性”の話になるとは思ってもいなかった。だが厳密には違う、確かに予知に似ているが予知ではない。
実際は彼女が見た、聞いた、体験したことである。
彼は元より予知を見る事ができる、自信がないのだ、恐れを知ってしまったのだ。あの時からずっと、引きずっている。
過程は変われど結果は変わらず。
そのことを、ずっと引きずっている。
だが今回は彼女が、八木典花がいる。
過程がどうなるか不明でも、結果が変わるかもしれない希望がある。あらましも
「未来が、…結果が変わるかもしれない。私は…」
「それは、良い方にですか?もしかして悪い方に!?」
「いや、わからない。それに私がその原因のもとに間に合うかも…」
「サー!俺と一緒に行ってみよう!」
「ミリオ?」
「な、何言ってるの、ミリオくん!危なかったらどうするの!?」
「サー、さっき言ってたよね、雄英高校が気になるって。なら雄英高校に関連する事なら、俺を雄英高校に送ると思って行ってミリオ!なんて、タハハ!…あ、あれ!?スベったんだよね!!!」
「それいい!サーがいるし雄英高校ならヒーローも居ますし安全!サー立って!はい、バイクの鍵です!この前買ってから此処に置きっぱなしでしたよね!あ、ヘルメットも今持ってきます!」
「…良いのか、私が行っても」
「「行きましょう!」」
ユーモアは少し惜しいがバブルガールの素早い対応、そしてミリオのユーモアに助けられたサー・ナイトアイはバイクのある一階に向かう。既にバブルガールがミリオとナイトアイのヘルメットを準備していた為、あとはエンジンをかけるだけ。一階に降りればセンチピーダーが帰ってきた所だった。
「センチピーダー、すまないが原因のもとへ行ってくる。バブルガールと共に後は任せた」
「そうですか、サー、行ってらっしゃいませ」
「サー!ヘルメット被りました!」
「未来、変えてくださいよ!良い方に!」
「…言われなくても」
ヘルメットを被り、二度エンジン音がナイトアイ事務所一階に響き渡る。この時のために一階はバイクがすぐ発進出来る様、扉が開くよう工事はしておいた。車とて事務所に地下を作り置いてる。
何故地下をわざわざ作ったのか?それはバブルガールとミリオの発案なのでよくわかってないが作って入れてしまった。
それはともかく、プロヒーロー サー・ナイトアイ専用にタンデムや他にもいろいろと出来るようにカスタムされたスーパースポーツバイクK.N.H2に乗りナイトアイとミリオは事務所を飛び出した。
尚ヘルメット内には会話が出来るようになっている!
壊れなければヘルメット外が工事していようとどんなに煩かろうと意思疎通ができるぞ!
「すまないがミリオ、法定速度ギリギリに飛ばすぞ。間違えて透過するなよ!!」
「え?うわァァァ!」
時間と場所は戻りUSJ、未だにヴィランとの戦闘は続いているがオールライトは気付いた。イレイザーヘッドの個性が届いていないと言う事に。ミズーリースマッシュをした後、オールライトは思わず13号達がいる方を見る。
「Missouri Smash!(ヴィランが中々減らないな!ここに集中してきているのか!?それにイレイザーヘッドの抹消がない!まさか、生徒の方に!)」
「何処向いてるんだ?」
「本命か!(か、彼は!)」
「スマッシュか、オールマイトのフォロワーか?」
動揺により、近付いてくるヴィランに拳を向けるも、それは止まってしまった。彼を彼女は知っている。
「…ッ!(死柄木、弔!)」
死柄木に腕を掴まれ、彼女の腕はボロリ、ボロリと崩壊が始まる。それにハッとしたオールライトは、急いで死柄木を少し遠くへ振り払った。
それと同時に、複数のヴィランが纏まって飛び掛かって来るが、直ぐ様腕を掴み纏めて遠くへふっ飛ばした。
「なんで俺を殴らなかったかはわからないけど、その“個性”にその風貌、戦い方までオールマイトそっくりだよなあ。だけどそこまで力が強いなら仲間と共に戦えないよな、だからイレイザーヘッドを呼ばなかった。あんたが得意なのは、あくまで力によるゴリ押しの奇襲、初見殺しというところかな?大きな声でイレイザーヘッドを階段に居させ、真正面から飛び出してきたのは生徒の安心のためか?」
「…そう思うならそう思えばいい、Oklahoma Smash!(今のでだいぶ減ったぞ!このままやれば…)」
「かっこいいなあ、かっこいいなあ…ところでヒーロー、本命は俺じゃない」
オクラホマスマッシュの回転が終わった所を、背後から脳が出ているヴィランが現れ、オールライトは頭と怪我をした腕を捕まれ勢いそれは強く、それはそれは子供がオモチャをフローリングに叩き付ける遊びかのように強く。
「んぐぁ!!」
コンクリートの地面に、捩じ込まれた。
「対平和の象徴 改人“脳無”」
捩じ込まれた上にまた捩じ込みながら押さえつけられ、腕は綿の入った人形のようにひしゃげる、顔をコンクリートに捩じ込まれていて悲鳴はあげられない。
リミッターのない改人の奇襲により、オールライトは動けなくなっていた。
「圧倒的力の前では平和の象徴のフォロワーもただの人形か」
脳無は彼女の掴んでいた腕を持ち上げた、力の調節が出来ないのか更に力が入り、腕からは血がボタリ、ぼたりと滴り落ちる。そしてまた、コンクリートに叩きつけた。
「ッハ!」
近くでは息を潜め生徒が見ていた、緑谷と蛙吹、峰田だ。三人は何も出来ず、息を潜め見守るしかなかった。
一方死柄木弔の名を呼ぶ霧が彼の背後から現れた、そして死柄木言うにはどうやら霧の名は黒霧と言うらしい。黒霧は13号を戦闘不能にし、生徒を1名逃し、イレイザーヘッドがこちらに向かってしまったところで此処に来たようだ。
「は?はー…はあ、黒霧おまえ…おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ」
そう言いながら顔を何度も掻く死柄木、だが彼はそこまで馬鹿ではない。何十人ものプロヒーロー相手に敵わないのはわかっている、
「帰ろっか」
近くで息を潜めていた緑谷たちは安堵した、だがそれはたったの一瞬だ。
気味が悪いと蛙吹は言うが、それは緑谷も同じな様だ。
「(オールマイトを殺したいんじゃないのか!?これで帰ったら雄英高校の危機意識が上がるだけだぞ!それに、ゲームオーバー?何だ…何考えているんだ、こいつら!)」
「けども、その前に平和の象徴としての矜持を少しでも…へし折って帰ろう!」
離れていた筈だ、気付かれても居なかった筈だ。
それが慢心のもとであった。死柄木は一瞬にして、3人の目の前に現れ、蛙吹梅雨に手を伸ばす。
緑谷出久はまるでスローモーションのように、それに気付いた。頭に過るのは、オールライトの腕の一部の崩壊。
だが死柄木弔が触れても崩壊はせず、一人、ヒーローが辿り着いたのだ。
「…かっこいいぜ、イレイザーヘッド」
「生徒から離れろ、ヴィラン」
「雑魚は全滅かあ」
死柄木とイレイザーヘッドの目は交差してた、それでも彼に気付かない筈は無いのだが緑谷はただただ焦っていた。
いつまでイレイザーヘッドの個性が続くかわからない、未だに蛙吹の顔にくっつく手、脳無の下で動かず今またさらに顔を捩じ込まれたオールライト。
何よりこのヴィランは、飛ばされた先で彼らが戦った敵とは明らかに違う。
個性はもちろん、ここに一瞬で来る動き、オールライトに投げられてもやられない受け身、何より統率が取れる。
よい選択が見つからぬまま、緑谷は咄嗟に殴り掛かった。
「手っ…離せえ!!」
「脳無」
「スマッシュ!」
その一言が、脳無と言う一言が緑谷には聞こえなかった。
スマッシュをしたのにも関わらず折れてないという事実に、一瞬思考が向かったからだ。意識を目の前に向ければ、そこには改人 脳無だ。
「いい動きするなあ…それにスマッシュって、またオールマイトのフォロワーか?まあいいや君」
脳無が緑谷の手を掴む、死柄木が蛙吹を崩壊させようとする、蛙吹が舌で緑谷を押す、イレイザーヘッドが脳無の方に回り込んで死柄木を見ようとする、いつの間にか気を失っていたオールライトは脳無にボロボロにされた体で立とうとする。
その濃い情報量の全ては一瞬の出来事だ。
だがそれを打破する男がいる、知っているか?
ヒーローは遅れてやってくる、という事を。
「もう大丈夫」
USJに入るための頑丈なドアが二枚同時に吹っ飛んだ。
砂煙と共に、その異様な存在感は誰もがそちらに意識を向けた。攻撃の手も、それから逃げる為の思考も、全てが止まる。
皆が皆、階段の上に視線が向いた。
「私が、来た」
「あー、コンテニューだ」
今回誤字脱字変換ミス多かったので可笑しかったらすみません、5回は見ましたし完成してからもこの話を一度見直したのでないと思いたい…!
色々おまちしております。
ちなみにサー・ナイトアイ専用カスタムのバイクK.N.H2は実在するバイクの頭文字を取りました。
ここまで月日掛けて書いときながら実はまだ【八木典花にどの道を歩ませる】かをまだ決めてないので参考にさせてください。
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