地に落ちた英雄は諦めない   作:風見 桃李

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これは恐らく番外編。
No.に-(マイナス)がついてたら平行世界の話です。
オールマイト八木典花の居なくなった世界の話。
そこそこ本編とリンクしてます。

とりあえずOFAのせいにしとけ。そうですよね!先生!


番外編 これもまた一つの人生
No.-1 死体の残らない英雄に何を視る


 

神奈川県神野区、オール・フォー・ワンとの死闘から数分後、緑髪に金メッシュ、金縁眼鏡、そしてスーツを着た長身の男は走っていた。

たった一人の憧れヒーロー、たった一人の女性を探すため。

「オールマイトの死体が見当たらない?」

「確かに救急車に乗ったのは我々は見てます、死んだのも確認しました。ですが心電図がゼロになり御臨終を確認した直後、突然消えまして」

 

「スタッフの何名かは車内で半透明な物を見たと」

 

「半透明な物はオールマイトを触って、確かね?」

「そうそう、突然消えたんですよ」

「個性かな」

 

「はぁ、はぁ、死んだ人間が、消える筈、無いんだ。何より私はここで彼女が死ぬのを“視ていない”。視ていないんだ、何故死んだ、それとも本当は、ここで早く死ぬのを私は、目を反らしていたのか?」

「ナイトアイ」

 

そう呼ばれた彼はサー・ナイトアイ、本名不詳38歳、オールマイトの元サイドキックだ。

ナイトアイを呼んだグラントリノは至る所傷だらけだった。ゆっくり歩きながらグラントリノはナイトアイの方に向かう。

「この辺りはもう見たぞ、死体はない」

「何故、オールマイトの死体を移動なんか…」

「黒霧とか言うヴィランの空間移動ではないことは確かだ。あとは他にもそういう個性の持ち主が居た、そうと思うしかない」

「彼女は、いや、彼女が守りたかった世界の最後がこれとは、なんという皮肉なんでしょうか。グラントリノ、彼女は死んでもヒーローを続けることを選んだ。選んだから、死して尚死体が消えることで不滅と?」

「いや、ある筈だ。典花の死体は。ナイトアイ、お前は死体よりも半透明なやつが怪しいと思ってる筈だ」

「半透明…霊体や気体になる個性、ですか。あったとしても聞いたことは」

 

ふと二人の目の前に旋風が起きた、そして半透明な物が現れそれは人の形帯びてきた。

その人物は輸送されている筈の者だった。

「やあ、君に話しかけるの初めてだね。サー・ナイトアイだったかい?」

「お、オール・フォー・ワン!?」

 

外見は傷を負う前のモノだろう、しかしその声を二人は忘れはしなかった。

「いやぁ、使うことはないと僕は思ったんだけど、捨てた筈なのに気付いたら発動しててね。安心してくれよ、この姿だと物理的攻撃は出来やしないから」

「ふざけてるのか、出来るわけ無いだろ」

「だから安心してくれよ、志村の旧友。君たちは知りたいだろう?八木典花の行方を」

 

オール・フォー・ワンの言い分はこうだ。

捨てた筈の個性 分離霊体にオール・フォー・ワン本人も名も忘れてる個性が発動して気を失ったあとすぐに分離していた。

分離した際に意識と目的は違え、オール・フォー・ワンと言えどもはや別の人物になったという。つまり体には戻れない。

 

そんな彼は個性を一つ代償にして生かすことの出来る個性を使い彼女生かし、体力を大量に消耗をする時空転移の個性を使い彼女を平行世界に移した。

霊体では物理的攻撃は出来ないが唯一発動し出来たのが個性 分離霊体、名もわからぬ個性の代償により生かす個性、時空転移の個性だった。

 

そして名も忘れた個性を彼はこう付けた。

 

「個性 願いの力 さ、洒落ているだろう?僕は願わない。現実的じゃないからね。だと言うのにこの個性の発動条件はひとつ、希望を持たないと発動ができない。発動条件はわかったけどそれが有限か無限かはわからなかった、だから彼女にそれをあげたよ。微かにあった彼女のワン・フォー・オールは生かすことによって消えてしまったけれど、この願いの力があれば彼女のイメージで同じ効果を出してくれる筈だろうからね。長年連れ添った仮の個性だ、彼女は言わなければその力をワン・フォー・オールだと思うだろう。それに彼女は一度死んだから激痛を伴うだろうね。一度死ねば臓器は腐る。ハハハ、生きるって痛いみたいだからね、痛みに歪む彼女を見たかったよ」

 

喋り終わるのを見たサー・ナイトアイは物理の効かぬオール・フォー・ワンに超質押印を投げた。

すり抜けた超質押印は後ろの瓦礫を壊し、砂煙を作り出した。

「お前は何度、何回オールマイトを苦しませれば気がすむ!何度!あの笑顔を消させる!?」

「止めろ!ナイトアイ!」

「僕の前に何度彼女は立ちはだかる。諦めない彼女が悪いんじゃないのか?ヒーローなんて愚かなことさえしてなければ僕は彼女を取り籠めて、寵愛したというのに」

「オールマイトを馬鹿にしているのか?」

「してないさ、だからまずは生かした、手の届かぬ彼方へと逝かせるわけにはいかないんだ。それからヒーローにならなくても良いように平行世界に移した。あとは彼方の僕が死ねば行けるんだけどね。この時空転移の個性は条件付きでね、近くに同一人物が居ては行けないんだが性別が違ければ同存在でも別個体認識されるみたいで消えないんだ。サー・ナイトアイ、君は幸薄そうだ、どうだい?その予知の個体を代償にして行ってみたくはないかい?彼女の行った世界に」

 

そう言ったオール・フォー・ワンは既に目の前にいた。

「!?(半透明なものは触ってと、つまり触れられたら最後!)」

 

サー・ナイトアイは避けようと後ろに二歩、その後左に跳躍をした。だが相手はオールマイトがボロボロになりながら戦う相手、ナイトアイは触れられてしまった。

「しまっ!」

「君の死後は安寧されたよ、サー・ナイトアイ。今の君は行けなくても死んだら君は絶対、彼女が行った世界に行けるんだ!僕はまだまだ行けないと言うのに!!先に言っておこう、君は其方の世界では無個性だ。個性が欲しいなら其方の君が死ぬタイミングで会いに行くと良い、其方の君と彼方の君が混ざりあい、新たな君が生まれる筈だ。一つの実験体になってもらうよ、サー・ナイトアイ」

 

声が止んだ後、ナイトアイの頭に耳鳴りのようにキィィンと音が聞こえ彼は頭を抱えた。

そして再び旋毛が起こりオール・フォー・ワンは消えた。

その後霊体のオール・フォー・ワンの消息は不明。

ニュースにはオールマイト死去、オールマイト行方不明、オールマイトヴィランに落ちる?など様々な憶測が行き交った。

 

 

 

時間は、もう止まらない。

 

 

 

雄英もまた再び動き出す。だがその前に。

「…連絡をしてみるか」




個性説明
個性 分離霊体 発動条件不明
現状幽霊になる個性、物理攻撃はできないが生命や転移など干渉はできても攻撃が通らないだけっぽい。害を与えることはできないということか?

個性 個性を代償にして生かす
個性とは身体の一部、強烈なパワーを持っている。
本人の個性を代償にして生かすという個性。もちろんその個性を代償にして生かす個性を代償にして生かしても良いが本来その個性の持ち主には効果がない。使うと消えるから。出来ても気持ち体が軽くなるだけ。
ちなみに生かすだけなので生かす際は激痛が伴う可能もある、激痛で死んでしまったら死んでしまったらなので耐えるしかない。
例え 血がなくて死にかけてるなら一気に血が増える。腕から血が出てるなら腕が生える。内臓が腐りかけてるなら内臓が入れ替り出現か急ピッチで作られる。どれも痛みが伴う。
典花のは臓器がない、腐りかけ、全体的にも怪我があったので空に居るときに全体に怪我、病院にて無い臓器と腐りかけをと二段階だった。本人の体力も使われた。疲労とはそういうこと。
ちなみに無個性は個性がないので生き返らせれないので便利ではない。

個性 条件付き時空間転移
本人の生命力により指定先に送るもの。一度に一人の生命半分ぐらい使うけどオール・フォー・ワンなら平気だよね!←
タイマーみたいにセットすることも可能。
そのタイマーとは送る先に同一人物がいた場合、まずはタイマーセットされた人物が死なないと行けないという死亡タイマー。
サー・ナイトアイの場合複合された、死ぬとそちらに向かい生きるために個性も消される。まぁこれもオール・フォー・ワンなら(ry
体が腐るになるだろうから全身激痛が入る。
ちなみに彼は霊体してるのでこれをスパンなしに最低でも三回すると消える、つまりもうしばらくは使えない。


個性 通称 願いの力 発動条件は希望を持つこと
なんだけども恐らくそれ以外にももうひとつ発動条件はある。
多分今後書く。

願いの力を翻訳するとPower of wishになるんですけど再翻訳すると希望の力になるんですよね。まんまだった。

ちなみにマイナスナンバーは平行世界のサー・ナイトアイが死ぬまでの話。

ここまで月日掛けて書いときながら実はまだ【八木典花にどの道を歩ませる】かをまだ決めてないので参考にさせてください。

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