「言っとくが緑谷、家庭訪問と同時に軋視先生の顔を覚えてもらおうと言う事も含まれてる。…長くて20分だ、わかったな」
「は、はい!」
これは家庭訪問から地続きの話である。
前回緑谷出久の家庭訪問終盤で爆弾発言を聞いたイレイザーヘッドこと相澤消太と1-A生徒の緑谷出久、相澤は大人しく流して次に行きたかったがそれを緑谷出久は我に返ってしまった為に掘り返してその場で聞いてしまった。
それもしっかりとノートとペンを秒で持ってきてだ。
座り込んでしまった緑谷引子も引くに引けないと察し、立ち上がり新たにコーヒーとカステラを持ってきた。
「すみません、相澤先生…息子が…」
「いえ、どうせ聞けるなら二人同時に聞ける今が合理的です。それとコーヒーとカステラ、ありがとうございます」
「さて、何から言うべきか…」
「…言いづらいと思うが、時間が迫ってる。軋視さん、はよ」
「言いづらい訳じゃないんだが、そうだな、私の誕生から養子の経緯からだ」
極端に言えば、軋視瞳と言う人間は存在しない。
その存在は曖昧だ。
これは人間なのか、人造人間なのか、人型の肉塊なのか。
それは人間元来持つ薄れゆく第六感なのか、“個性”なのか、実験により拡張付属されたものなのか。
軋視瞳とはデザインベイビーである、ヴィランの手により生まれ落ちた、本来ヴィランとなる筈の生体兵器。
彼は未来予知予測実験体
時の狭間と書いてトキマ、時間個性研究所。
ヴィラン
そしてそこにヒーロー達がやって来た、そう、そのメンバーの中に彼女は居た。
その時は彼と言うべきか、彼の名はオールマイト、彼が時間の楽園を壊した。
ここからは私の記憶だ。
私は何度も意識の浮き沈みを覚えている、頭に刺激を与えられて言語、知識と記録を登録した。
目は開けられないが意識はあった、時折私を培養していた入れ物から出された、一度目は焼印を、二度目は数値を測るため、三度目は硝子を割られての強制起動。
私はその時、初めてしっかりと瞳を開けた。
裸の私を冷やさぬようにマントで包み、抱き抱えた彼は、私の意識の確認のため声を掛けた。
「大丈夫か?喋れるかい?」
「…はい」
「君、名前は?」
「…ありません、研究個体名は
「そ、そうか、うぅむ、なんて呼べば…あ、瞳」
「ひとみ?」
「君の瞳はキレイだ、よぉうし!瞳くんと呼ばさせてもらおう!」
それが私の、人としての生の始まりであった。
「もう大丈夫だ、瞳くん。私が来た!」
何度も稼働は停止した、その記憶と記録すらも頭からの刺激により継承されていた研究個体 咲はようやくその道を外れた。
初めて見た世界は数多の子供の腐乱、研究資料爆破の為に焼けて逃げ遅れ死体に溢れていた、だがそこにはまるで太陽のような人が私を掬った、救ったんだ。
その後私はオールマイトの養子となった、第一発見者であり、既にそのナンバーワンの地位にいた彼なら平気という点で私は戸籍に登録された。
「話が逸れるがデザインベイビーとして必要だったのは個性だ、人としての寿命はそう長く設定はされてない。そうわかってからオールマイトは薬の開発をしてくれる所を探し…、緑谷?何故泣いている」
そこには大粒の涙を流しながら鼻水も垂らしている緑谷出久、私が来た!の所からポロポロと涙を流していた。尚緑谷引子も泣いている。
彼は何故、緑谷親子が泣いているか理解が出来ていない。
「サー…サー…!」
「なんだ」
「うっ、うぐっ…僕、オールマイトの代わりにはなれません、だけど僕が来た!って、必ず、必ず言えるぐらいになります!必ず言えるぐらいになります!」
彼はじっと緑谷出久を見つめる、感情に疎くとも頭は悪くない。軋視瞳にもその想いは届いていた、その上で彼は愚行と共に発言をする。
「…元々寿命は短い、その上個性などを使えば使う程細胞の崩壊をする。それを少しでも防ぐ薬はこの前、彼女が死んだと聞いて無意識に流しに溶かして捨ててしまった」
「軋視、お前…!」
「だからこそ、私はこの限りある命で、この運命に少しでも抗いたい。確実にあった過去は消えないからこそ、緑谷出久を育て上げたい。理由は何であれだ…私達は同じ
「…はい!!」
それは確固たる意思、軋視瞳としての、一人の人間の自我。
願わずには要られない、だが願うだけでは変わらないと知っていても、願い想い声に出す。
緑谷出久は、「君は、ヒーローになれる」と。
20分は過ぎた、時はさらに過ぎ、日も過ぎた。
8月中旬、緑谷出久は家を出る、向かうはハイツ・アライアンス、雄英高校敷地内にある建物だ。
そこに皆がいる、彼のクラスメイトの1−Aも、担任のイレイザーヘッドや他の教師達もいる。
オールマイトを除いた皆がそこにいる。
そこで皆は集まりホッとするも爆豪救出の件で爆豪・耳郎・葉隠以外は全員除籍処分の予定だった、オールマイトの死さえなければ。
日本はこれからさらに混乱をする、雄英から人を追い出すわけにはいかないと言うことらしい。
相澤消太は皆に言う、俺達の信頼を裏切ったから正規の手続きを踏み、正規の活躍をして俺達の信頼を取り戻せと。簡単なようで難しい事を皆に伝えた。
そこにチラッとサー・ナイトアイの自己紹介が入り僕らはハイツ・アライアンスに入った。
次の日から僕らは忙しかった、仮免のために必殺技を生み出さなくてはならないと先生は言う。
そんな忙しくも必殺技考案を楽しみながら、皆が切磋琢磨し、仮免試験まで日にちがある今日、朝刊はある見出しを書いた。
『オールマイトの葬儀 本日』『亡骸無き平和の象徴』
『生死不明?性別不明?オールマイトとはなんだったのか!?』
『ホントに憎むべきはオールマイト!』
『平和の象徴よ、安らかに』
『平和の象徴は死して本当の象徴となった‼』
「…巫山戯るな、何が死してだ」
参加するのは喪主サー・ナイトアイ(息子である事は世間にはまだ知られていない)、参加者は友好のあった雄英高校より1-A、イレイザーヘッド、プレゼント・マイク。
外部からのヒーローからナイトアイ事務所、グラントリノ、エンデヴァー、ホークス、他ヒーロー。
他の外部からは警察からの代表で友好のあった塚内直正、何か友好があったのか轟家、軋視瞳の名で手紙で呼ばれた緑谷引子、彼女の親友の娘 メリッサ・シールド、他緑谷出久は知らない人達。
メディア向けと一般参列者向けのスペースには約5000人を超える人達、来れない人たちも色々なことをした。
ある者は個性で空に彼のイメージカラーを空へ。
ある者は灯籠を空へ飛ばし、川へ流し、海へ流し。
ある者はお経を、聖歌を、国家を、歌を、詩を、叫びを。
皆が皆、自分なりにあの人を思い出し、祈り、悲しんだ。
とある人は癒えぬ傷の中独りごちた。
「私より早くに、何故…!友を、息子を、置いて死ぬな。私が愚かな事をしなければ…!ノリカ…!」
葬式の日に限って、秋も間近だというのに夏の陽射しのように太陽はギラギラ、まるであの人みたいだった。
オールマイトの葬儀が、始まる。
次回 オールマイトの葬儀。(多分)
書き手の心が落ち着きません、仮免何処行ったの?!
悲しみの連鎖は断ち切りたい!
悲しみの先はもう無い事を願い!
ネク・プルス・ウルトラ!
ここまで月日掛けて書いときながら実はまだ【八木典花にどの道を歩ませる】かをまだ決めてないので参考にさせてください。
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