仮想と混ざりあったリアル   作:黒牙雷真

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似た者同士と依頼

俺は葉山との話を一方的に終えて、次の授業のために体育館に入り、和人を探す。

 

 

和人「ほれ、八幡!」ポ~イ

 

八幡「うおっ!?」キャッチ

 

和人「ナイスキャッチ」

 

八幡「いきなり竹刀を投げるな、取り損ねたら痛いぞ、多分……」

 

和人「大丈夫だよ。そこんとこは、あの二年間でよく知ってるからな」

 

八幡「ったく」

 

 

和人から投げ渡された竹刀を数回試しに振る。

 

 

八幡「ん~、やっぱり軽いな」ブンブン

 

和人「だよな。俺たちが扱ってる剣と比べちゃうと、そう感じるような」

 

八幡「そろそろ、チャイムが鳴るから整列してようぜ」

 

和人「了解」

 

 

チャイムが鳴り、整列をして体育の教師を待つ。教師がくると点呼を取り、準備運動をしてから授業の開始だ。

 

 

教師「今日は剣道部と剣道経験者が素人の皆に防具の付け方や剣道のやり方等を教えるように」

 

剣道部「「「は~い」」」

 

 

それから剣道部と剣道経験者を筆頭に色々と教えていく。

 

 

八幡「和人、お前、たしか剣道の経験があるんだよな?」

 

和人「ああ。前にも話したがガキの頃にスグと一緒に爺さんに近所の道場に入れられたからな」

 

八幡「なるほどな、なら防具の付け方を教えてくれないか?」

 

和人「それくらいなら全然構わないよ」

 

 

和人から防具の付け方を教えてもらい付ける。

 

 

教師「それじゃ、好きな奴と組んで模擬戦闘みたいにやってくれ。ただし、必ず側に剣道部か経験者がいるように」

 

八幡「俺たちは和人がいるから平気だな」

 

和人「そうだな」

 

???「八幡」

 

八幡「ん?戸塚か、どうした?」

 

戸塚「できれば八幡たちの居るところでやりたいなって思って、一緒にやってもいいかな?」

 

八幡「俺は構わないぜ。和人は?」

 

和人「俺も構わないが……それと八幡、何故ここに女子がいるんだ?」

 

八幡「和人よ。戸塚は歴とした男だ」

 

和人「はぁ?いやいや、こんな可愛い男子がいるか!?」

 

八幡「和人、それはブーメランだぞ。お前も少し仕草とかを変えれば女子に見えるぞ、キリコちゃん」

 

和人「止めてくれ!あれは俺の中でも、トップの黒歴史なんだから!!」

 

八幡「そうか、そうか。なら、何故か分からないがGGOでのお前のアバター写真が俺の携帯とパソコンにあったから、後で理香に渡しておいてやるよ」ゲスニヤリ

 

和人「や、やめろ!あれだけはやめてくれ!頼む!!」

 

八幡「まあ、俺も鬼ではないからな」

 

和人「何が望みだ」

 

八幡「ん?そうだな、マッカン1ダースで手を打とう」

 

和人「分かったよ……その代わりにGGOの俺の写真を消せよな!」

 

八幡「分かってるって、交渉で嘘は付かないさ」ニヤリ

 

和人「クソー、理香といい八幡といい。今月は節約しないと……」

 

戸塚「あははは。取り敢えず、よろしくね、桐ヶ谷くん」

 

和人「ああ、よろしくな、戸塚」

 

 

戸塚を交えて俺たちは和人の指示に従い、剣道の基本的なことからやる。

 

 

和人「戸塚も大分良くなった」

 

戸塚「本当?よかった」

 

和人「戸塚は何かスポーツでもしてるのか?」

 

戸塚「うん。僕、こうみえてテニス部の部長をやってるんだ」

 

和人「なるほどテニスか、だから移動の時のステップが軽かったのか」

 

 

と和人は戸塚のテニスで培った動きを誉めていた。俺は普通に色んな動きをしながら竹刀を振っている。

 

 

和人「八幡、授業の残り時間が20分になったから相手を頼む」

 

八幡「あいよ。で、ルールは?」

 

和人「SAOと同じでいいだろ?」

 

八幡「そうだな」

 

俺と和人、互いに竹刀を構える

 

戸塚「二人とも準備はいい?」

 

「「ああ!」」

 

戸塚「それでは……開始!」

 

 

互いに距離を開けて、竹刀を構える。和人は右手に持っている竹刀は後ろにさげ、左手を前に突き出す構えをする。

逆に俺は、なんの剣の構えを取らずに脱力した感じで構える。

 

 

和人「じゃあ、いくぞ八幡」

 

八幡「ああ」

 

 

和人は俺の返事を聞いた途端に突進をしながら、右下から切り上げを仕掛けてくる。

 

 

和人「セアッ!」

 

八幡「フッ!」バシッ!

 

 

それを俺は竹刀の剣先を下に向けて縦に防ぎ、体を右に回転して和人の胴を狙う。

 

和人「おっと、甘いぜ」

 

八幡「チッ!」

 

和人「バレバレだって。それにまだアレも出してないしな」

 

八幡「アレはやりたくねえんだよ。疲れるから」

 

戸塚「桐ヶ谷くん、アレって?」

 

和人「アレって言うのは、八幡の対人戦での初見殺しみたいな物だよ」

 

戸塚「八幡、そんなことができるの!?」

 

八幡「はぁ~、仕方ない。一度だけだからな」

 

和人「分かってるって」

 

 

俺は深呼吸をして意識を切り替える、それを肌で感じたのか和人も意識を集中し始めた。

 

 

八幡「いくぞ」

 

和人「来い!」

 

八幡「…………」フラフラ

 

和人「…………。(くる!)」

 

八幡「…………」ブン!

 

和人「ッ!!」バシッ!

 

 

俺は体の力を極力抜いて、フラフラしながら相手に揺さぶりをかけながら、和人の視界から外れた一瞬で懐に入り、和人の胴を狙って打ち込んだがやはり和人には止められてしまった。

 

 

八幡「相変わらずの反応速度だな、おい」

 

和人「お褒めに預り光栄だな。だけど、八幡の観察眼も人の事を言えないぞ」

 

 

 

互いに手の読み合いを終えて、剣撃の勢いは増していった。

 

 

八幡「ハアアッ!」バシッ!

 

和人「セラッ!」バシッ!

 

八幡「フッ!」バシッ!

 

和人「ハッ!」バシッ!

 

 

何撃か打ち合った後、一度互いに距離を取る。

 

 

和人「セヤアアアッ!!」ブン!

 

八幡「ハッ!」バシッ!

 

和人「フッ」ニヤリ

 

八幡「ッ!?(これはバーチカル・アーク!?)」

 

和人「アアアア!!」

 

八幡「ヤバッ」

 

 

俺は和人の疑似バーチカル・アークを読み間違え、最初の一撃を弾いたら、そのまま二撃目をくり出してくると思わず、咄嗟に後ろに下がって回避する。

 

 

八幡「はぁ、はぁ、はぁ。まさか、ソードスキルを真似てくるとはな」

 

和人「驚いたろ?」

 

八幡「ああ。ならこっちも遠慮なく、使わせてもらうぜ」

 

和人「いいぜ」

 

 

俺は竹刀を胸元まで上げ、そのまま少し手前に引き、勢いをつけて四連続突きをしかける。

 

 

八幡「セイッ!ハアッ!セヤッ!デリヤッ!」

 

和人「グウッ!(これはカドラプル・ペイン!?。剣道に細剣の技を使うか?普通はフェンシングだろ!)」

 

八幡「どうだ?」

 

和人「驚いたな。八幡もソードスキルを真似てくるとは思ってたが……まさかの細剣ソードスキルのカドラプル・ペインを出してくるとはな。細剣スキルなんか取ってたか?」

 

八幡「いや、明日奈のを見よう見真似でやってみただけだ」

 

和人「マジか………やっぱり八幡の観察眼は侮れないな」

 

八幡「………。」

 

和人「………。」

 

 

親友である二人はお互いに同じことを思っていた、

 

 

「「(ああ…やっぱり、こいつと剣を交えるのは楽しい!))」」ハハハ

 

 

共に疑似ソードスキルを放ってから何分経っただろう……。かなり息が上がり、体が重く感じる。

 

 

八幡「はぁ、はぁ、はぁ。そろそろ疲れてきたから、次でラストな」

 

和人「ああ、いいぜ!」

 

 

俺たち最後の一撃を放つために距離を取り、同じ構えをする。

 

 

八幡「………。(和人も同じ考えか)」

 

和人「………。(やっぱり八幡もヴォーパルストライクでくるか)」

 

「「(でも、負けたくない!)」」

 

 

そして、同じタイミングで動き出す。

 

 

八幡「ハアアアアッ!!」

 

和人「デヤアアアッ!!」

 

 

お互いの竹刀が、なんの因果か同じ部分にぶつかった。それは、竹刀の剣先である。剣先と剣先が勢いよく衝突したことにより二本の竹刀は【バキッ!】と物凄い音を立てながら同時に折れたのである。

 

 

八幡「は?」

 

和人「へ?」

 

「「お、折れた!?」」

 

八幡「マジか……」

 

和人「この勝負は引き分けだな」

 

八幡「だな」

 

 

ふっと気付いたが、俺たちの周りが静かになっていた。少し経つと周りから拍手が飛んできた。

 

 

「凄かったぞ」

 

「手に汗握ったぜ」

 

「まさか、あんなアニメみたいな終わりになるとは」

 

「すげよな~」

 

「流石は化け物を退治したことはあるよな」

 

「比企谷くん、マジぱねっしょ~」

 

「ほんと」

 

「それな」

 

 

周りからの絶賛の声に俺と和人は少し照れくさくなってしまった。そこに少し用事があった体育の教師か帰ってきた。

 

 

教師「な、何があったんだ?」

 

「比企谷くんと桐ヶ谷くんが物凄い模擬戦をして、お互いに最後の一撃で竹刀を二本とも折りました」

 

 

とモブ男が体育教師に説明した。

 

 

教師「どうやったら二本とも折れるんだ……それも綺麗に真っ二つ…………。比企谷、桐ケ谷、二名は昼休みに職員室に来い。竹刀を折った罰として反省文一枚だ」

 

八幡「へ~い」

 

和人「は~い」

 

教師「返事はきちんとせんか!」

 

「「はい!」」

 

 

こうして、三限の体育は終わり、四限の数学へと授業は移行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人との模擬戦で疲れたので数学は睡眠学習をしようとするが家の嫁さんがそれを許してくれないようだ。

 

 

明日奈「ほら、すぐに寝ない」ツネリ

 

八幡「イテテテテ」

 

明日奈「もう、そんなんじゃ成績に影響が出るよ?」

 

八幡「だってよ明日奈さん。俺たちにとっては二年の数学なんて分かりきってるんだぜ?」

 

明日奈「そりゃ、あっちの世界だと私たちは三年生の冬休みまでの授業を終えてるから分からなくもないけど………」

 

八幡「だったら睡眠学習していても………」

 

明日奈「それとは別です。ちゃんと受けてないとお弁当あげないよ?」

 

八幡「それは困る!」バッ!

 

 

俺は明日奈の手作り弁当が人質になったので疲れている体にムチを打ち、数学の授業に取り組む。

 

 

明日奈「よろしい」

 

八幡「早く、昼休みになってくれ……」

 

 

そして、やって来ました昼休み。明日奈の弁当を楽しみに眠い数学の授業を頑張った俺は飲み物を買いに席を立つ。

 

 

明日奈「八幡くん、何処に行くの?」

 

八幡「ちょっと飲み物を買いにな」

 

明日奈「また、あの甘いコーヒーを買うの?あまり飲み過ぎは良くないよ?」

 

八幡「人生は苦いからマッカンだけは甘くていいんだよ」

 

和人「八幡、それ毎回言ってるよな」

 

理香「本当にね」

 

八幡「うるせ」

 

明日奈「そんな八幡くんに私から飲み物の差し入れです」

 

明日奈はバッグが灰色の魔法瓶ポットを取り出して、俺に渡した。

 

 

八幡「これは?」

 

明日奈「まぁ、中身は飲んでからのお楽しみで」ニコ

 

明日奈のことだから由比ヶ浜のような物体Xみたいな物に絶対にならないと確信しているがちょっとだけ度胸がいる。

 

八幡「それでは……」ゴクゴク

 

明日奈「どう?」

 

八幡「……明日奈、これをどうやって再現したんだ?」

 

和人「再現?どいうことだ八幡」

 

八幡「この魔法瓶に入っているのは、俺が初めて明日奈の家にお邪魔した時に出されたお茶とまるっきし同じ味と香りがするお茶なんだ」

 

和人「それって俺と74層の攻略した後の帰りでラグー・ラビットを手に入れて、エギルの店で八幡が明日奈に連行された後の話か?」

 

八幡「ああ」

 

明日奈「でも、あのお茶も元々はリアルにあるお茶を再現してたんだよ?」

 

八幡「ってことは」

 

明日奈「そう。今、八幡くんが飲んでるのが再現する元となったお茶なんだよ」

 

八幡「にしても、美味いなこれ」

 

明日奈「気に入ってもらえて良かった」

 

 

それから、明日奈の手作り弁当で舌太鼓を打ち、体育で竹刀を折った反省文の用紙を貰いに和人と職員室に向かう。

 

 

「「失礼します」」

 

教師「おう、来たか。ほれ、反省文の紙だ」

 

八幡「うっす」

 

和人「はい」

 

教師「次の体育の授業までに提出するように」

 

「「失礼しました」」

 

 

反省文の紙を受け取り職員室を出る。

 

 

八幡「はぁ~、反省文……マジでダルい」

 

和人「本当だよ。てか、あの竹刀の耐久値が悪いんだよ」

 

八幡「ゲーム脳になってるぞ、和人」

 

と愚痴を溢していると平塚先生が俺たちの名前を呼ぶ校内放送が流れた。

 

 

平塚『2年F組、比企谷八幡、結城明日奈、桐ヶ谷和人、篠崎理香、ならびに1年B組、桐ヶ谷直葉は至急、校長室に来るように』

 

八幡「次はなんだ?」

 

和人「至急って言ってたし、取り敢えずは行こぜ」

 

八幡「面倒くさいが行くか」

 

 

面倒くさいことが起きると直感的に分かっているのだが、また放送で呼び出されても嫌なので普通に校長室に向かう。

 

 

八幡「失礼します。2年F組の比企谷八幡です」

 

和人「同じく、桐ヶ谷和人です」

 

校長「入ってください」

 

「「失礼します」」

 

 

校長室に入ると先ほど放送にあったメンバーが既に揃っていた。

 

 

八幡「あの~、俺たち何かやらかしましたかね~?」

 

平塚「そうじゃない、比企谷。例の件だ」

 

 

平塚先生の『例の件』と言う言葉で直ぐに意識を切り変える。

 

 

八幡「で、現状は?」

 

平塚「千葉のとあるショッピングモールの屋上に突如、巨大な青い結晶が出現。そこから巨大な昆虫と樹木と思われる化け物が暴れているそうだ。運良く逃げ延びた人に聞くに、ショッピングモール内がジャングルと化しているようだ」

 

八幡「巨大な昆虫、樹木の化け物、ジャングル………第3層!?」

 

和人「だとなると危ないぞ!第3層には毒を扱うモンスターがいるぞ!」

 

平塚「なに!?」

 

八幡「取り敢えず、現場に向かいます」

 

平塚「分かっている。こちらとしてもそうしてもらいたいからな」

 

校長「授業の方は公欠扱いにするから大丈夫だよ」

 

八幡「ありがとうございます」

 

平塚「既に迎えの車が正門に来ているはずだ行きたまえ」

 

八幡「それでは」

 

 

俺たちは校長室を出て昇降口に向かうと、そこには雪ノ下と由比ヶ浜が居た。

 

 

八幡「雪ノ下、由比ヶ浜」

 

雪乃「比企谷くん、頼みがあるの」

 

八幡「今はその頼みを聞いてる暇はないんだ、悪いな」

 

 

俺は雪ノ下の頼みを聞かずに昇降口を出ようとすると雪ノ下に叫び止められる。

 

 

 

雪乃「比企谷くん、お願い聞いて!」

 

八幡「分かった」

 

明日奈「八幡くん、私たちは先に正門に居るから」

 

八幡「分かった。それで頼みってなんだ?雪ノ下」

 

雪乃「姉さんが今日、友達とショッピングモールに行っているの、もしかしたら今起きている事件に姉さんが……だから」ポロポロ

 

八幡「…………」

 

雪乃「だから、だから、姉さんを………私の家族を助けて!」ポロポロ

 

結衣「ゆきのん…………。ヒッキー、私からもお願い!ゆきのんのお姉さんを助けてあげて!」

 

八幡「それは二人から、俺への依頼でいいのか?」

 

雪乃「!?」

 

結衣「!?」

 

雪乃「比企谷くん………」

 

結衣「ヒッキー………」

 

八幡「任せろ、必ず助け出す!だから、帰ってきたら笑顔で迎えてくれよな」ニコ

 

雪乃「ええ!」

 

結衣「もちろんだよ!」

 

 

俺はお前たちからの依頼を解決する。絶対にあの時の二の舞になんかにさせてたまるか!必ず救いだす!

 

 

 

 

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