仮想と混ざりあったリアル   作:黒牙雷真

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ショッピングモール攻略 【中編】

アスナに少しだけ心配をかけたので慰めているとクモ型のモンスターにやられたダメージと毒のダメージがバトルヒーリングスキルのおかげか、いつの間にか回復していた。

 

 

キリト「お~い、ハチマン。そろそろ出れそう………か」

 

ハチマン「あ……」

 

俺を呼びに来たキリトがテントの中に入るとそこには何が見えるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい!正解はアスナが俺の胸に頭を当てて、その頭を撫でる俺でした。

 

 

キリト「お前らな、今がどんな状況なのか分かってるのか?」

 

ハチマン「す、すまん!直ぐに出る」

 

アスナ「ご、ごめんねキリトくん!」

 

キリト「早くしてくれよな」

 

ハチマン「分かってる」

 

 

俺たちはキリトの言葉で我に還り、急いでテントから出る。

 

 

リズ「そんで?こんな緊急事態なのに、二人はテントの中でイチャイチャしていたと?」

 

ハチ×アス「「す、すみません」」正座

 

リズ「これだから、何処でもイチャイチャしてる輩は…」ブツブツ

 

リーファ「そんなこと言ったらリズさんだってお二人と変わりませんよ。私だって、お兄ちゃんと…」ブツブツ

 

キリト「もう、その話はいいから!それでハチマン、ショッピングモールの中の状況は?」

 

ハチマン「ああ。ショッピングモール内でマップを開いたら、ダンジョン扱いにされていた。モンスターは第三層が主だ。だが、もしかしたら、第3層よりも上の階層のモンスターが出る可能性も頭に入れといてくれ」

 

キリト「分かった」

 

 

俺たちは再度、手持ちのアイテムを確認してショッピングモールに突入する準備をする。

 

 

ハチマン「リーファは悪いがここに残ってくれ」

 

リーファ「分かってます。救出された人の中に毒状態の人が居れば、キュアの魔法で治療します」

 

ハチマン「頼む」

 

キリト「だが、ハチマン。救出するのはいいが、どうやって外まで誘導するんだ?ショッピングモールの中にはモンスターがウジャウジャ居るだろ?」

 

ハチマン「はぁ~。キリトよ、少しは頭を使えよ。俺たちはアイテムが使える、ならモンスターに出くわすことなく外に出れるだろ? 」

 

キリト「あっ!そうか、転移結晶!」

 

リズ「違うわよ、転移結晶は持っている本人だけよ。正解は回廊結晶でしょ、ハチマン? 」

 

ハチマン「リズが正解だ。回廊結晶の出口をここに設定して救出した人をゲートを潜らせる」

 

キリト「なるほどな」

 

ハチマン「幸いにも回廊結晶がアイテムストレージに5個もあったしな」

 

アスナ「私も5個あるよ」

 

キリト「俺もだ」

 

リズ「私も」

 

リーファ「私もです」

 

ハチマン「なら、今回は俺、アスナ、キリト、リズの四人で一つずつ回廊結晶を使う。三人は直ぐに回廊結晶のゲート登録をしてくれ」

 

三人「「「了解」」」

 

 

俺たちはそれぞれ回廊結晶の出口を設定する。

 

 

ハチマン「それじゃ、ダンジョン攻略を始める。作戦は前回と同じようにツーマンセルだ。いいな?」

 

キリト「ああ、その方が安全だ」

 

ハチマン「よし、それじゃ突入だ!」

 

「「「おう!(うん!(ええ!)」」」

 

 

ダンジョン化したショッピングモールに突入すると俺はユイに生体反応の情報を三人にも見えるようにしてもらう。

 

 

ハチマン「ユイ」

 

ユイ「なんでしょう、パパ?」

 

ハチマン「三人にも、このダンジョン内に取り残されてた人の生体反応をマップに表示してくれ」

 

ユイ「わかりました!」

 

アスナ「ありがとう、ユイちゃん」

 

キリト「サンキューな、ユイちゃん」

 

ユイ「いえ、お役に立てたなら良かったです」

 

ハチマン「一階フロアはキリトとリズに任せる。二階フロアは俺とアスナ。三階フロアは先に終わったペアで対応だ」

 

キリト「それが一番ベストだな」

 

リズ「そうね、あまり大人数で行くのも効率的じゃないしね」

 

アスナ「それじゃ二人とも、また後でね」

 

リズ「アスナも気をつけてね」

 

アスナ「ありがとう、リズ」

 

ハチマン「それじゃ、行動開始!」

 

 

キリトとリズと別れて俺とアスナは電気が通ってないのか動きが止まっているエスカレーターを駆け上がる。

 

 

アスナ「ハチマンくん、左右から二体!」

 

ハチマン「了解、セヤッ!」

 

クモ「「クギャア!?」ガシャン!

 

 

アスナのサポートで左右から迫りくるクモ型のモンスターを片手剣ソードスキルの《ホリゾンタル》で一掃する。

 

 

ハチマン「アスナ、生体反応はどっちにある?」

 

アスナ「それが二つとも両端なの、ここから近い場所はスポーツ用品店の方みたい」

 

ハチマン「なら、そっちが先だ」

 

アスナ「分かった」

 

 

スポーツ用品店に近付くに連れて鉄が何かにぶつかる音と金属が擦れる、嫌な金属音が大きくなる。

 

 

アスナ「ハチマンくん、スポーツ用品店前にバリケード有り。また、モンスター複数」

 

ハチマン「了解」

 

アスナ「セヤアア!」ガシャン!

 

ハチマン「フッ!」ガシャン

 

ハチマン「クソ、数が多いな」

 

アスナ「ハチマンくん、囲まれたよ」

 

ハチマン「なら、ちょっと本気を出すか」

 

アスナ「そうだね」

 

 

アスナと同じタイミングで走りだし、高速でモンスターたちを斬り刻む。アスナの方を確認するとアスナもこちらを見ていた。するとアスナの背後にモンスターが飛び掛かっていた。また、俺の後ろにもモンスターがいる気配を感じた。

 

 

ハチマン「…………。(後ろは任せた)」アイコンタクト

 

アスナ「…………。(うん、任されたよ)」アイコンタクト

 

 

俺たちはアイコンタクトで互いの背後に迫り来るであろう、モンスターをパートナーに任せ、そのまま向き合う感じで相手の左腕の方に剣を突き伸ばす。

 

 

トレント「「ウオォォ!?」」ガシャン!

 

 

次に右側から二匹ほどモンスターが襲い掛かって来るので互いに右に回転しながら斬り払い、俺はアスナと背中合せになる。

 

 

ハチマン「ハアッ!」ガシャン!

 

アスナ「ヤアッ!」ガシャン!

 

 

俺たちの戦いを見ていたのかスポーツ用品店前のバリケードから何人か顔を覗かせ、色々と呟いている。

 

 

「す、スゲエ……」

 

「綺麗……」

 

「カッコいい……」

 

「踊ってるみたい………」

 

 

辺りを警戒しながらモンスターを倒して行くと、上の方にハチ型のモンスターが居た。それに気づいていないのか、俺とアスナの戦闘に興味を持った人たちがバリケードから顔を覗かせていた。

 

 

ハチマン「バカ、顔を出すな!」

 

「「え?」」

 

 

ハチ型のモンスターはバリケードから顔を覗かせている人たちをターゲットにしたのかお尻の辺りにある毒針をピストルのように5連続で発射した。

 

 

「うわああああ!?」

 

「きゃああああ!?」

 

ハチマン「とどけええええ!!」

 

 

全力でバリケードに走りだし、正面からモンスターの毒針を叩き落とすが、一本だけ叩き落とせずに後ろにも通してしまう。

 

 

ハチマン「クソっ!一本残った」

 

アスナ「セヤアアアッ!」ガキン!

 

ハチマン「アスナ!?」

 

 

アスナは少し離れた所から勢いを着けて、俺の落とし損ねた毒針を細剣ソードの《リニアー》で叩き落とす。

 

 

ハチマン「すまん、助かった」

 

 

アスナのヘルプにより、毒針は何とかなったので投擲スキルの《シングルシュート》でハチを落とし、止めを刺す。

 

 

アスナ「大丈夫だよ。そこにいる人たち!」

 

「「は、はい!」」

 

アスナ「まだ化け物が居るので、私か彼が安全だと認めるまでバリケードの中から体を出さないように!」

 

「「す、すみません!」」

 

ハチマン「アスナ、残り三匹だ」

 

アスナ「やっとね……。思っていたよりもモンスターの数が多かったね?」

 

ハチマン「ああ、やっぱり何処かにコイツらの巣みたいなのがあるんだろう。普通のポップでもこの数は出ないぞ」

 

アスナ「それを叩かないことには数が増える一方ってことね」

 

 

残りの三匹の内、二匹を俺がソードスキルで同時に斬り、アスナもソードスキルで残りの一匹を仕留めた。

 

 

ハチマン「ふぅ~、これで一応全部か」

 

アスナ「そうみたい」

 

 

辺りの安全を確保したのでバリケードの中に入るが索敵スキルは常時発動させる。

 

バリケードの中に入ると大人の男性が8人、女性が9人、他には小学生くらいの子供が4人居た。

 

 

ハチマン「皆さん、自分たちは皆さんを安全にショッピングモールから脱出させるために警察の方と連携している者です」

 

「良かった………」

 

「助かった……」

 

「救援が来てくれた」

 

「これであの化け物ともおさらばだ」

 

「ありがとう、ありがとう」

 

アスナ「この中に、まだ知り合いが近くに隠れているとか、負傷者の情報を知っている方は居ますか?」

 

「いえ、この場に居るのがこの辺りで逃げ遅れた者たちの集まりです」

 

ハチマン「分かりました。それでは、今から所謂ワープゲートの様な物を開きますので、その中に入ってください。ワープゲートの先はショッピングモールの外に繋がっています」

 

「本当かね?」

 

ハチマン「はい。それでは子供は女性の方が付き添ってあげてください」

 

「分かりました」

 

ハチマン「アスナ、頼む」

 

アスナ「うん。コリドー・オープン!」

 

 

スポーツ用品店に避難していた人たちを回廊結晶で脱出させた後、反対側にあるゲームセンターに避難していた人たちも回廊結晶で脱出させていると……一人の女性が話しかけてきた。

 

 

女性「す、すみません!」

 

ハチマン「どうしました?」

 

女性「実は息子と娘が見当たらないんです」

 

ハチマン「なに!?」

 

女性「お願いします!息子と娘を…」ポロポロ

 

 

女性は泣きながらそう俺に頼んできた。

 

 

ハチマン「わかりました。息子さんと娘さんは俺が見つけて助け出します」

 

女性「お願いします。お願いします。」ポロポロ

 

ハチマン「アスナ」

 

アスナ「ん、なに?」

 

ハチマン「最悪のケースだ。ここに居た人の子供が二人、見当たらないんだ」

 

アスナ「そんな!?」

 

ハチマン「だから、俺が探してくるからアスナはここを頼む」

 

アスナ「わか…「待てよ、ハチマン」…キリトくんにリズ!」

 

ハチマン「………キリト」

 

 

アスナにここを任せて子供を探しに行こうとしたら、後ろからキリトに声をかけられた。

 

ハチマン「お前ら、もう終わったのか?」

 

キリト「ああ、人数もそこまで多くなかったから」

 

リズ「だから、ここは私たちに任せて子供たちを探しに行きなさい!」

 

アスナ「リズ……ありがとう。行こう、ハチマンくん!」

 

ハチマン「この借りは後で返す!」

 

キリト「おう、楽しみしてるぜ!」

 

 

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