「「よっこいしょ!」」
八幡「和人、サンキュー」
和人「いいってこれくらい」
明日奈「八幡くん、キリトくん、次お願い!」
八幡「あいよ」
和人「ふぅ~、やっぱり引っ越しは一苦労だな」
現在、俺たちは先日、ららぽーとで買った家具と元から明日奈の家にあった家具を和人とリアルに協力を仰いで、俺と共に見栄えが良くなるように明日奈の指揮の下、きびきびと働いている。
和人「ゲームの中なら、指一本で楽に動かせるのにな」
八幡「言うな、言うとやる気が失せる」
それから何度も家具をあっちこっち移動させて、やっとの思いで明日奈が納得の行く位置に家具が定着した。
「「つ、疲れた~」」
俺と和人はあまりの重労働に体力が尽き、背中合わせに座り込んでしまう
明日奈「お疲れ様、二人とも」
里香「だらしがないぞ青少年二人」
八幡「なら、お前が……」
和人「代わりにやるか?」
里香「え?わ、私は
八幡「どこだよ」
里香「八幡、アンタね!」
八幡「本当のことだろうが!」
里香「和人、アンタも彼氏なんだが何とか言いなさいよ!」
和人「いや~、八幡に言われて少し納得してしまった自分が居るんだよ」ウンウン
里香「か・ず・と!!」ゴゴゴゴ
和人「へぇ?ひぃぃっ!?」
里香「今度という今度は許さないんだから!!」ダダダダ
和人「うわあああ!?悪かった、本当に悪かったから!?」ダダダダ
里香「ゆるさ~ん!」
と二人は人の家の庭で追いかけっこを始めた。
明日奈「キリトくん、体力が尽きたんじゃなかったっけ?」
八幡「てか、人様の家で暴れるなよ」
和人が庭で逃げ回り里香に捕まった後、現在、引っ越しパーティーということで比企谷家と明日奈、和人、里香、珪子のメンバーでバーベキューをしている。明日奈の家族は仕事が忙しいため、遅れて来るそうだ。
八幡「お~い、こっちも焼けたぞ!」
俺はトングで焼きトウモロコシを掴み上げる。
小町「お兄ちゃん、いつの間に、こんな料理が上手くなったの?」
八幡「小町、料理って言っても、ただ焼くだけじゃねぇか」
小町「それでもだよ」
小町はそんな話しをしていると、視界の端で和人と里香が何やら、こそこそと話しをし、そのまま珪子と直葉に何かを吹き込んだようだ。
里香「八兄、新しいお肉は焼けた?」ニヤニヤ
和人「八兄、俺も肉が足りないぜ!」ニヤニヤ
八幡「まだだ、もう少し待ってろよ。(その手に乗るかっての)」ゴクゴク
俺は和人と里香に、そう返答して近くのテーブルに置いておいたマッカンを飲んでいると珪子と直葉が……。
珪子「八幡お兄さん、私も何かお手伝いします」上目遣い
直葉「八幡お兄さん、私も何か手伝えることはありますか?」上目遣い
八幡「ブフー!?」
珪子「は、八幡さん!?」
直葉「は、八さん!?」
明日奈「は、八幡くん!?」
八幡「ゴホッ、ゲホッ!?」
明日奈「だ、大丈夫?」背中トントン
八幡「あ、ああ、サンキューな、明日奈。珪子に直葉、二人とも今の誰にやれって言われた?」ゼエゼエ
珪子「え、えっと………」チラチラ
直葉「誰って、そりゃ……あははは」チラチラ
珪子と直葉の二人はバレてないつもりなのか、目線が和人と里香、二人の方へチラチラと行っている。
八幡「そうかそうか、アイツらか」ゴゴゴゴ
珪子×直葉「「八幡さん?(八さん?)」」
八幡「久しぶりにこれを使う時が来たか。秘技、ステルスヒッキー!!」シュン!
俺は昔、明日奈と出会う前に使っていたお得意の固有スキルである、ステルスヒッキーを全快にしてクスクスと笑っている和人と里香の二人に背後から近付く。
フフフフ、俺を怒らすとどうなるか思い知らせてやるからな。楽しみしてろよ。
里香「和人、さっきの八幡の顔を見た?」
和人「ああ、あれは傑作だったな、アハハハハ!」
二人は呑気に笑っているので背後から……。
八幡「何が傑作だって?俺にも教えてくれよ」ニヒリ
和人「んぐ!?」
里香「んぐ!?」
和人「ゲホッ、ゴホッ!?」
里香「は、八幡!?」
八幡「どうしたんだよ、そんなに驚いて?」
和人「お、お前、その影の薄さを最近使わないと思ったら……いきなり使うなよ、心臓が止まるかと思っただろ!!」
八幡「誰が、幻のシックスマンだ。んで、お前たち、さっきの続きを教えてくれよ」
和人「え、えっとだな……」ダラダラ
里香「あはは……あはははは」ダラダラ
八幡「まあ、今回は水に流してやるよ。ほれ、追加の肉だ」
和人「さ、サンキュー」
里香「あ、ありがとう」
八幡「礼を言われるほどじゃねぇよ」ニヒリ
二人は何の疑いも無く、俺が持ってきた肉を口に入れた
「「んぐっ!?」」
八幡「どうした?」
「「す、すっぱああああ!?」」
八幡「アハハハハ、さっきの仕返しだ」
和人「八幡、お前!?この肉を何に漬け込んだんだ?」
八幡「漬け込んだのは俺のばあちゃんが昔、作ってた、梅干しのジュレだよ」
里香「どうりで酸っぱいわけよ」
八幡「これに懲りたら、あまり俺をおちょくるなよ?」
里香「そうね、反省してるわ」
和人「それと八幡!本当にいきなりアレを使うなよな、マジで心臓が止まるか思ったわ」
里香「和人、八幡のアレって、初見殺しじゃないの?」
和人「いや、それとは別に八幡は固有スキルみたいなのがあるんだよ」
里香「はぁ?」
和人「八幡曰く、ステルスヒッキーだと。自分の存在感を極限まで薄くして認識されないようにするんだと」
里香「何処のパス回しの達人よ!」
八幡「俺はバスケはしないぞ」
と久しぶりステルスヒッキーを使ったことに和人は心臓が止まる思いをしたようだ。
それから少し時が経つと……。
【ピーンポーン!】と玄関のチャイムが鳴る。
八幡「明日奈、 彰三さんと京子さんが来たんじゃないか?」
明日奈「多分、そうだと思う。ちょっと行ってくるね」
八幡「おう」
明日奈が彰三さんと京子さんを出迎えるために庭から玄関へと小走りで向かって行き、話しながら、こっちへ歩いてきた。
彰三「久しぶりだね、八幡くん」
京子「お久しぶりね、八幡さん」
八幡「ふぇ?なんで、俺の名前を?」
俺は二人がSAOの記憶がないと思っていたら、どうやら違うみたいだ。
彰三「ああ、それはね。私たちも彼方側の記憶があるんだよ」
八幡「ええええ!?」
京子「そうじゃなかったら、明日奈を一人暮らしになんてさせませんよ。アナタが側にいる千葉だからこそ、一人暮らしをさせたんですよ?」
彰三「まあ、それも昨日で最後のようだがね」
八幡「そうでしたか。えっとこんな格好ですが改めて、自分に娘さんをください!」
俺はそう言って頭を下げる。
彰三「君になら、明日奈を任せられる」
京子「娘をよろしくお願いしますね。八幡さん」
八幡「はい」
改めて、彰三さんと京子さんに明日奈との結婚を許しをもらい、少し世間話をした。その後は比企谷家と結城家の大人たちはリビングにて子供たちの話を肴に酒を飲み交わしている。
和人「八幡に明日奈。そろそろ、俺たちは帰るよ」
八幡「もう、そんな時間か?」
直葉「私は明日も朝練があるので」
里香「私も親が心配するだろうから」
八幡「わかった」
明日奈「里香にキリトくん、はいこれ」
明日奈は里香と和人に袋に入れた何かを手渡した。
里香「明日奈、これは?」
明日奈「これは、今リビングでお酒を飲んでる大人たちから少し分けてもらった馬刺しなの。だから、今日来れなかった里香とキリトくんのご両親にお土産にしてあげて」
里香「そういうことなら、有り難く貰っていくわ。ありがとう」
和人「悪いな」
直葉「ご馳走様です」
明日奈「じゃあ、また明日ね」