リンク・スタート!
八幡「あ~、暇だ。小町が持ってきてくれたラノベも読み終わっちゃったし」
何故、俺がこんなにも暇を持て余しているかと言うと…………。俺は高校の入学式の日に『気分が上々!!』、していたのか入学式の時間よりも一時間も早く家を出て学校に向かうと……。途中の交差点で犬の散歩している少女を見かけ、次の瞬間。少女の握っているリードが壊れていたのか散歩している犬がリードから解放され、車道に出てしまったのだ。
そして、そこにちょうど黒い車が迫ってきており、それを俺は捨て身で犬を助け、それにより足を骨折してしまい入院することになった。それにより入学早々からボッチが確定した瞬間である。
八幡「てか、今日はSAOの正式サービスの日じゃんか…………クソッ!」
と待ち望んでいたゲームの正式サービス初日に参加できないことを嘆いていると、病室のドアが開かれた。
小町「やっほー!お兄ちゃん。愛しの愛しの小町ちゃんがやって来ましたよ」
八幡「あざとい」
小町「むかー!そんなことをいうお兄ちゃんにはこれを渡してあげないよ?」
小町の手には大きな段ボール箱があった。
八幡「小町、お前、まさか、それは!?」
小町「フフン!」
八幡「…………」ゴクリ
小町「じゃ~ん!お兄ちゃんが入院してるから取りに行けなかったSAOのソフトとナーヴギアを持ってきてあげました。あっ、小町的に超~ポイント高い!」
八幡「マジで、今回は高いぞ!でかした、小町。流石は我が妹よ」
小町「そうでしょ?だから、ご褒美ちょうだい」
八幡「ほれ、これで下のコンビニでお前が好きな物とマッカンを買ってこい」
俺は財布から英世と100円二枚を小町に渡して、下のコンビニでマッカンを買ってきてもらうよう頼んだ。
小町「わ~い!お兄ちゃん大好き!」
小町は俺の手からかっさらうかの様に英世と100円二枚を持っていった。
八幡「やっとだ、やっとSAOができる。本当なら、去年の11月には正式サービスが始まってるはずだが、システムの不備とかで今日まで延期が続いてたしな。ああ、早くサービスの時間にならないかな」
それから正式サービスの時間になるまで、小町と駄弁りながらマッカンを飲み時間を潰す。
八幡「小町。そろそろ、俺はSAOにログインするが小町はどうする?」
小町「なら、小町は帰ろかな?ここにいても暇なだけだし」
八幡「分かった。親父と母ちゃんによろしくな」
小町「アイアイサー」
小町はあざとく敬礼しながら病室を出て行った。
八幡「それじゃ、準備しますか」
バイクのヘルメットの様なナーヴギアに繋がれているネットワークの配線をベッドの頭の辺りにある差し込み口に差し込み、ナーヴギアをかぶり、ベッドに寝転がる。
そして…………。
八幡「リンク・スタート!」
◇◆◇
ゲームを起動させる言葉を口にした後に一度意識がふわっとした感覚に襲われる。その後は色々なシステムやセキュリティをパスして最後にパスワードを入れる画面になった。俺はベータテスト経験者のため、パスワードを入れる。パスワードを入れ終わると色とりどりの世界に飛び込んで行き視野が暗転する。
そして、次に目を開けると…………。
(ログインしたことにより名前が変わります by作者)
ハチマン「また来たぜ……この世界に!」
一面、西洋のようなコンクリートではなくレンガで作られた街並み。大きな広場に続々とプレイヤーたちがログインしてくる。
ハチマン「まずは……」
???「お~い、ハチマン!」
ハチマン「ん?おう、キリトか」
キリト「よっ!早速、ログインしたんだな」
ハチマン「それはお前もだろうが」
キリト「それじゃ、まずは」
ハチマン「ああ!」
「「武器屋にGO!!」」
俺とキリトは商店街のような色々な店が並ぶ道を抜けて路地裏に入る。そこには表で購入するより、多少は値段が安い武器屋があることをベータテストの時に見つけたのでそこに向かって走る。
武器屋に走っていると後ろから……。
???「お~い!そこの兄ちゃんたち!」
「「ん?」」
キリト「俺たちのことか?」
???「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。ふぅ~」
ハチマン「…………。(こいつ、ゲームの中なんだがら息切れなんてしないのに、演技にも程がある。)」
???「その迷いの無い動きぷっり。アンタら、ベータテスト経験者だろう?」
キリト「ま、まぁ」
ハチマン「同じく」
???「俺、今日が初めてでさ。序盤のコツ、ちょいとレクチャーしてくれよ?」
キリト「ああ……」
ハチマン「…………」
クライン「俺、クライン。よろしくな」
キリト「俺は、キリトだ。こっちがベータの時からの仲間でハチマンだ」
ハチマン「うっす」
クラインの自己紹介のあと。俺たちは武器屋で武器を購入してフィールドに出る。武器の種類だが、俺とキリトは片手直剣。クラインはアバターに似合いそうな曲刀だ。
クライン「ぬおっわ!?」
フィールドに出た俺たちはクラインに始めての戦闘を教えるために、某のゲームで出てくるスライム並みのモンスターをクラインに戦わせみるが、今までのゲームと違い。このSAOは体を動かして遊ぶゲームのため、攻撃や回避もゲームで行うことは全て、自分が動かないといけないのだ。
そのため、回避に失敗した、クラインは股ぐらを押さえながら悶えている。
ゲームの中なのだから痛みも感じないというのに……。
クライン「股……股ぐらを……」
キリト「大袈裟だな……」
ハチマン「ゲームの中なんだがら、痛みなんて感じるはずがないだろう?オーバーリアクションにしてはやり過ぎだぞ」
クライン「あっ、そうか!」
ハチマン「たく、キリト。お手本を見せてやれよ」
キリト「俺がやるのかよ……」
ハチマン「頼んだぞ」
キリト「クライン、さっきも言ったが重要なのは初動のモーションだ」
クライン「ンなこと言ったてよぉ、キリト……アイツ動きやがるしよ」
ハチマン「それがVRMMOの醍醐味だろうが。動かないモンスターなんて面白くないだろう?」
キリト「ちゃんとモーションを起こして……。ソードスキルを発動させれば…………」
キリトは足元に転がっている手のひらサイズの石ころを拾い上げ、そのまま肩くらいまで腕を上げてソードスキルの構えを取る。それにより、システムがソードスキルの発動体勢と認識し、投擲スキルの《シングルシュート》が発動する。
キリト「フッ!」ピキューン
ボア「ぶぎー!」
綺麗に《シングルシュート》がフレンジーボアの尻に命中し、フレンジーボアはこちらを向く。
キリト「あとはシステムが技を命中させてくれるよ」
クライン「モーション……モーション……」
キリト「どう言えばいいのかなぁ……」
ハチマン「クライン、昔の少年漫画の必殺技や格ゲーの溜め技だと認識すればいいさ」
クライン「必殺技に、溜め技……ん!」
クラインは俺の説明で何かを掴んだのか、その場で深呼吸をしてから少し腰を落として、曲刀を右肩に担ぐように構えた。
すると、構えた曲刀にオレンジ色のような光が灯りだす。
ハチマン「キリト!タゲをこっちに向けろ!」
キリト「OK!」
キリトは片手直剣を横にしてフレンジーボアの牙をパリィして隙を作り、蹴りを入れてフレンジーボアのターゲットをクラインに変更させる。
そして、ソードスキルの準備ができた、クラインはシステムに逆らうことなく、システムアシストに体を預けて、曲刀ソードスキルの《リーバー》を放つ。
クライン「ずりゃあっ!」
《リーバー》を喰らったフレンジーボアは『ぷぎー!』と哀れな断末魔と共にガラスが砕け散るようにポリゴンとなり消滅する。
クライン「ほえ?」
クライン「うおっしゃあああ!」
キリト「おめでとう」
ハチマン「お疲れさん」
俺たちはクラインの初勝利にハイタッチを交わす。
キリト「でも、今のイノシン、スライム相当だけどな」
クライン「えっ、マジかよ?俺はてっきり中ボスかなんかだと……」
ハチマン「こんな序盤から中ボスが出て来てたまるかよ!パワーバランスが崩壊してるぞ、それは」
キリト「ハチマンの言うとおり、そんなことしたら運営が大変になるぞ?」
クライン「それもそうだな」
それから数時間、俺たちのはレベリングに勤しんだ。そして、辺りは夕陽に照らされてリアルでは味わえない幻想的な風景を楽しみながら休憩している。
すると突然、クラインが口を開いた。
クライン「しっかしよ……」
キリト「ん?」
クライン「こうして何度も見回しても信じられねぇな」
ハチマン「何がだ?」
クライン「ここがゲームの中だってことだよ」
キリト「中って言うけど、別に魂がゲームの世界に吸い込まれた訳じゃないぞ?」
クライン「それでもだよ。マジ、この時代に産まれてきて良かった」
ハチマン「まったく、本当に大袈裟なやつだな」
クライン「初のフルダイブ体験だもんよ」
キリト「じゃあ、ナーヴギア用のゲームをするのは、これが初めてなのか?」
クライン「つうか、ソードアート・オンラインのために慌てて、ハードも揃えたって感じだな。たった、10000本の初回ロットをゲットできるとは我ながらにラッキーだぜ」
クライン「ま、ベータテストに当選したお前たちの方が10倍はラッキーだけどよ。あれは、限定1000人、ぽっちだからな」
キリト「まぁ、そうなるかな」
ハチマン「俺も産まれて初めて運が良かったと思ったくらいだしな」
キリト「そんなにか……」
ハチマン「おう」
クライン「なぁ、ベータの時はどこまで行けたんだ?」
ハチマン「確か、2ヶ月くらいかけて、8層までしか行けなかったはずだが」
キリト「今度は1ヶ月もあれば、十分だけどな」
クライン「お前ら、相当このゲームハマってるな」
キリト「正直、ベータテスト期間中は寝ても覚めてもSAOのことしか考えてなかったよ。この世界は剣一本で何処までも行けるんだ」
ハチマン「それに仮想空間なのに、現実よりも生きている心地がするんだ」
キリト「さて、もう少し狩りを続けるか?」
クライン「ったりめよ!って言いたい所だけど腹が減ってよ……一度落ちるわ」グゥ~
キリト「こっちの飯は空腹感が紛れるだけだしな」
クライン「えへへ、5時30分に熱々のピザを予約済みよ!」
キリト「用意周到だな?」
クライン「おうよ!ま、飯を食ったら、またログインするけどよ」
キリト「そっか」
クライン「なぁ、この後、俺は他のゲームで知り合った奴らと落ち合う約束をしてるんだが、どうだ?」
ハチマン「俺は遠慮しておく、ボッチには一人でも辛いのに」
キリト「俺も」
クライン「そうか……。まぁ、その内、紹介する時が来るだろう」
キリト「悪いな」
ハチマン「サンキューな」
クライン「おいおい、それはこっちのセリフだぜ?この恩は、その内、すっからよ。精神的にな?」
ハチマン「どんな言い方だよ」
キリト「まったくだ」
クライン「んじゃ、マジ、サンキューな。これからもよろしくな」
ハチマン「おう」
キリト「また、何か聞きたくなったら、いつでも呼んでくれ」
クライン「おう、頼りにしてるぜ!」
クラインと別れの握手をしたあと。クラインはシステムメニューを出してログアウトをしようとするが…………。
クライン「あれ?ログアウトボタンがねぇよ」
ハチマン「ログアウトボタンがない?」
キリト「よく見てみろよ」
クライン「ん?やっぱ、何処にもねぇよ」
キリト「メインメニューの一番下に……」
「「!?」」
俺とキリトはクラインが見間違えたのではないかと自分たちのメインメニューを開き、ログアウトボタンを探すがそこにはあるはずのログアウトボタンの欄には何も書かれていなかった。
クライン「なぁ、ねぇだろ?」
キリト「うん、ない」
ハチマン「俺もだ」
クライン「ま、今日は正式サービス初日だからな。こんな、バグも出るだろう。今頃、運営は半泣きだろうがな」
ハチマン「いや、そんな悠長なことを言ってられないぞ、これは」
キリト「ああ、ハチマンの言うとおりだ」
ハチマン「これは列記とした犯罪と取られても可笑しくないぞ?フルダイブ型VRMMOは脳に直接電気信号を送るから、それなりの安全が保証をされてないと、このゲームは販売されないはずだ」
ハチマン「なのに、ログインしたらゲームから出られないなんてことになったら、それは誘拐や監禁と同じだ」
クライン「なら、俺たちはどうなるんだよ?」
ハチマン「それは…………。」
俺がクラインに続きを話そうとすると……【ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン!】と鐘の音が響いた。
「「「ッ!?」」」
ハチマン「なんだ!?」
クライン「何が起きるんだ!?」
キリト「一体、何が!?」
俺たちはこのログアウトができない事態と不気味な鐘の音が合わさり危機感を覚える。
そして…………。
ハチマン「これはっ!?」
キリト「強制テレポート!?」
クライン「何がどうなんてんだよ!?」
俺たちはいきなり、鮮やかなブルーの光に呑み込まれ。目を開けると、そこのは、はじまりの街の大広場に強制的にテレポートされたようだ。それと、俺たちだけではなく、他のSAOにログインしているであろう。全プレイヤーだと理解する。