アルゴとの会話のあと、直ぐにキリトとシリカが居る宿の部屋に行こうとすると宿屋の入り口でフードを被った一人のプレイヤーとぶつかってしまった。
ハチマン「あっ、すんま……」
「…………」
しかし、そのプレイヤーは俺の謝罪を聞くことなく宿屋から走り去って行った。
ハチマン「なんなんだ、一体?」
そして、キリトから事前に教えてもらっている部屋に着き、ドアの前でノックする。
【コンコンコン!】
すると中から普段着に着替えているキリトとシリカが出迎えてくれた。
【ガチャ】
キリト「おっ、お帰り」
シリカ「お帰りなさい、ハチマンさん」
ハチマン「ただいま」
キリト「ハチマン、少し聞きたいことがあるんだが」
ハチマン「なんだ?」
キリト「さっき、誰かと鉢合わせなかったか?」
ハチマン「ああ。それなら、宿屋の入り口で走り出るフードを被った一人のプレイヤーとぶつかったぞ?」
キリト「やっぱりか…………」
ハチマン「やっぱり?」
シリカ「さっきほど、キリトさんにミラージュスフィアというアイテムで47層の説明をしてもらっている時に部屋のドアの前で誰かが聞き耳を立てていたんです」
ハチマン「なるほどな。でも、仕方ないんじゃないか?」
シリカ「仕方ない、ですか?」
ハチマン「だってそうだろう?シリカの名前は有名なんだから、俺たちみたいな名も知れない男性プレイヤーといるんだ。そりゃ、聞き耳くらい立てるだろう?」
キリト「それもそうか」
シリカ「なら、いいんですが…………」
ハチマン「心配ならキリトを頼れよ。何とかしてくれるはずだ」
キリト「おい、ハチマン。何故、そこはお前じゃないんだ?」
ハチマン「そりゃ、お前。こんな腐った目を持った俺がシリカと一緒にいたらどうなる?」
キリト「それは………………ごめん」
ハチマン「いや、謝るなよ。悲しくなるだろうが」
それからは俺を加えて、改めて47層の説明をしてから隣の俺たちの部屋へと俺たちは戻った。
部屋に戻ると俺たちは今回の依頼のことを話す。
キリト「で、ハチマン。さっきのは、シリカを怖がらせたくないから嘘を言ったな?」
ハチマン「当たり前だろう?義務教育も、終わってない子供だぞ?そんな奴を下手に怖がらせてどうする?」
キリト「そうだな」
ハチマン「さっきのシリカからの話からするにお前たちの話を《聞き耳》スキルを使って盗み聞きしてた奴と宿屋の入り口でぶつかった奴は間違いなく、タイタンズハンドのメンバーだろうな」
キリト「俺もそう思う」
ハチマン「だから、今回のターゲットは十中八九、俺たちが取りに行く」
キリト「『プネウマの花』だな」
ハチマン「ああ。それと、これはアルゴからだ」
キリト「なんだ?」
ハチマン「"奴らラフコフ"が動き始めてるみたいだ」
キリト「…………」
キリトと今回の俺たちの標的、レッドギルド『タイタンズハンド』の話とアルゴから聞いた話をしてから床に着くことにした。
その際、ジャンケンでベッドの使用権を争ったが運が悪いことにキリトに負けてしまった。だから、俺は背中を壁に預けて、剣を抱える構えで寝ることした。
これはあの時にやっていたものだ。
翌日、設定しているアラームで起きた俺は部屋に備え付けられている洗面器で顔を洗い。アイテムストレージからMAXコーヒー擬きを取り出し、一気に呷る。
ハチマン「あーー、朝一のMAXコーヒー擬きが体に染み渡る……」
口に広がる、まろやかでホッとする甘味で声が漏れるとベッドに寝ているキリトが目を覚ます。
キリト「ん、んん……。おはよう、ハチマン」
ハチマン「おう、おはようさん。取り敢えず、顔を洗ってこい」
キリト「ふああ~、そうする」
まだ、寝ぼけているキリトはユラユラとした足取りで洗面器のある部屋へと行き顔を洗いに行った。
顔を洗って、目が覚めたキリトと共に隣のシリカの部屋の扉へノックをする。
キリト「シリカ。キリトだけど起きてる?」
すると直ぐに防具を見に纏ったシリカが部屋から出てくる。
シリカ「おはようございます。キリトさん、ハチマンさん」
キリト「おはよう」
ハチマン「おはようさん」
朝の挨拶を済ますと宿屋の一階へ降り、NPCが作る朝食を食べてから各自、ポーションなどの必要なアイテムを確認してから転移門広場へと向かう。
転移門広場に向かう途中でシリカが止まり、あることを口にした。
シリカ「あの…………」
キリト「どうした?」
シリカ「実は……私、47層の街の名前を知らないんですが……」
ハチマン「それなら、そこのキリットくんに任せておけばよくね?」
キリト「誰がキリットくんだ、誰が!」
ハチマン「取り敢えずは行こうぜ」
キリト「おい、ハチマン!話はまだ、終わってないぞ!」
キリトが後ろから何か言っているが面倒なので無視して再び、転移門広場へと歩を進める。
転移門広場に到着するとキリトはシリカに手を差し出す。
キリト「俺が指定するから、シリカ。お手を拝借」
シリカ「は、はい!//////」ギュッ
ハチマン「…………」
シリカは、絶対にキリトに惚の字であることは明白だ。
だって、手を握る時に顔が赤いんだもん!
シリカだから何とも感じないが、これが小町だったら…………。
キリト『コマチ、お手を拝借』
コマチ『は、はい!キリトさん。//////』ギュッ
・
・
・
・
ハチマン「ムッコロシテヤル!」ゴゴゴゴ
「「「「ヒッ!?」」」」ビクッ
おっといけない。マイスイートエンジェル小町が俺以外の男と手を繋ぐことを想像したら殺気がもれてしまったようだ。
てか、キリトとシリカに置いてかれるから追いかけないと…………。
ハチマン「転移!フローリア」
キリトたちを追いかけて47層に転移した、俺の最初に映るものは…………。
花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充、花、リア充。
ハチマン「リア充よ、砕け散れ」
キリト「何をテロ紛いなことを言ってるんだ。お前は?」
ハチマン「すまん、心の声が……」
キリト「いや!だったら漏らすなよ!隠せよ!」
ハチマン「取り敢えずはそこで花を見ているシリカを呼んで来いよ」
キリト「ハチマンが自分で行けばいいだろう?」
ハチマン「キリト、お前さん。この、俺の目を見て言うか?」
キリト「あっ………なんか、ごめん」
ハチマン「謝んな!自分で言ってて悲しくなるだろうが………」
まぁ、そんなコントのようなことをしてから『思い出の丘』に続く入り口でシリカに転移結晶を渡して、ゆっくりと進んで行く。途中、シリカが触手責めされたがシリカは自力で何とかした。
また、それとは別に何故かキリトの妹の話が始まり。
キリトの妹は、なんと本当は従妹で義妹らしい。
コイツ……何てエロゲの主人公なのん?
俺も小町と血が繋がってなければ、告白してフラれるな。
フラれちゃうのかよ…………。
でも、小町も実際は家族だから俺に愛情を注いでくれたのかもな…………。
そんなことを考えていると…………
キリト「どうした。ハチマン?」
ハチマン「あ?」
キリト「いや、なんか暗い顔をしてるからさ」
ハチマン「いや、気にするな。大したことじゃない」
キリト「なら、いいけど。前みたいにあまり自分で抱え込むなよ?」
ハチマン「善処する」
キリト「それはしない奴の言葉だ」
ハチマン「かもな」
主街区を出てから約45分くらいだろうか?
そのくらい、《思い出の丘》に繋がる道を歩いていると小川に小さな橋がかかっており、その先には一際小高い丘が見えてきた。
キリト「あれが《思い出の丘》だよ」
シリカ「見たところ、分かれ道はないみたいですね?」
キリト「ああ。ただ登るだけだから道に迷う心配はないけど、モンスターの量は相当らしい」
ハチマン「三人も居れば、なんとかなんだろう?」
キリト「それもそうだな」