仮想と混ざりあったリアル   作:黒牙雷真

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システム的ロジック

シュミットと別れて俺たちは広場のベンチに座り、先ほどのことを三人で考えることにした。

 

 

アスナ「さっきの黒いローブ、本当にグリセルダさんの幽霊なのかな?目の前で二度もあんなのを見せられたら、私にもそう思えてくるよ」

 

キリト「そもそも幽霊なら、さっきも転移結晶なんて使わないで消えればいい」

 

ハチマン「転移結晶?」

 

 

もしも、もしもだ、何らかの方法で転移結晶の様な物でカインズやヨルコさんが死んだ風に装ったあとに転移する。

これが出来たとしたら?

けれど、どうやって死んだ風に装う?

 

 

アスナ「ハチマンくん?」

 

ハチマン「いや、何でもない」

 

アスナ「はい」

 

 

アスナは紙で包まれた何かを俺たちに差し出す。

 

 

ハチマン「ん?」

 

キリト「くれるのか?」

 

アスナ「この状況で、それ以外に何があるの?見せびらかしとでも?」

 

ハチマン「荷物持ちかと」

 

アスナ「…………バカ」ボソッ

 

キリト「それじゃ、有り難く」

 

ハチマン「どうも」

 

 

アスナから包まれた物を受け取り、包みを開封していくとそこには美味そうなバスケットサンドが入っていた。

 

 

アスナ「そろそろ、耐久値が切れて消滅しちゃうから急いで食べた方が良いわよ」

 

キリト「え、あ、ああ……」ガブリ

 

ハチマン「いただきます」ガブリ

 

キリト「美味いな」

 

ハチマン「ああ、美味い」

 

キリト「いつ弁当なんて仕入れたんだ?」

 

ハチマン「キリトよ。こんな美味いのが簡単に手に入るか?」

 

キリト「ってことは……」

 

アスナ「私だって料理くらいするわよ」

 

ハチマン「…………。(バカめ)」モグモグ

 

キリト「え、えっと……それは、その、なんと言いますか……いっそのこと、オークションに賭ければ大儲けだったのにな、あはははは」苦笑

 

ハチマン「…………。(本当にバカだ、こいつ)」モグモグ

 

 

キリトの発言でアスナは頭に来たのか、【ドンッ!】と足音を立てる。その音に驚いたのかキリトは手元のバスケットサンドを落っことしてしまう。

 

 

キリト「へ、え?」ポロ、ガシャン

 

キリト「あ、ぁぁぁ……」

 

ハチマン「ご馳走さまでした」合掌

 

アスナ「お粗末様。それと御代わりはありませんからね」

 

キリト「ぁぁぁ……」ガクリ

 

 

キリトは地面に手を着いて動かなくなった。

ん?待てよ?今っての…………

 

 

アスナ「どうしたのよ?」

 

キリト「シッ!」

 

ハチ×キリ「「あああああ!!」」

 

アスナ「こ、今度はどうしたのよ?」

 

キリト「分かったんだよ、今回の手口が!」

 

ハチマン「何で、こんな簡単なことに気が付かなかったんだ!」

 

アスナ「本当なの!?」

 

キリト「ああ。今回の事件で殺された二人は死んでなんかいない!」

 

アスナ「どいうこと?」

 

ハチマン「今回のトリックは装備の耐久値と転移結晶がタネだったんだ」

 

アスナ「もっと分かり安く教えてよ」

 

ハチマン「二人が死んだ風に見えたのは装備の耐久値。それがゼロになればプレイヤーが死んだ時のエフェクトと近い」

 

キリト「そして、耐久値がゼロになったところで転移結晶で転移する。これがあの二人の手口だったんだ」

 

アスナ「でも、なんのために?」

 

ハチマン「十中八九、グリセルダさんを殺した犯人のあぶり出し」

 

キリト「ああ、俺もそう思う」

 

アスナ「けれど、ギルドメンバーの誰が?」

 

ハチマン「そういえば、リアルで夫婦のどちらが死別したら、死んだ方の遺産は結婚相手に渡るんだよな?」

 

アスナ「ええ、遺言書等で遺産相続先が書かれていなければ」

 

ハチマン「だとしたら、このゲームでは?」

 

アスナ「!!」

 

キリト「!!」

 

アスナ「でも、剣士職のグリセルダに生産職のグリムロックが勝てるかしら?」

 

ハチマン「グリムロックは勝てない。けれど、他の奴らなら?」

 

アスナ「それって!?」

 

キリト「まさか、ハチマン?」

 

ハチマン「ああ、奴等だろうよ。そんなことを喜んでやるクソ共は……。ギルド【笑う棺桶】」

 

 

 

 

 

 

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