ハチマン「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「「「「キシャアアアア!!」」」」
「「「「シャアアアア!!」」」
ハチマン「クソッ!マズイぞ!」
俺は今、69層のとあるダンジョンで新撰組の格好をした落武者たちに追われている。
おいそこ、お前も同じとか言わない!
俺は目は腐っているが、ちゃんと生きてるんだからな!
ハチマン「この先道がなかったはずだ。まずった!」
このダンジョンの中は炭鉱の様になっており、橋がある所は渡れるが橋がないと道と道の間は谷となっているのだ。だが、渡れる方法は無い訳ではない。
ハチマン「あまり、使いたくないんだよなっ!」シュピーン
走りながらアイテムストレージからロープと、運動会とか虎柄ロープを通してグラウンドに打ち込むデカい釘みたいな特注品のアイアンピックを取り出し、ロープを輪っかに通してからきつく結ぶ。結んだらアイアンピックを投擲スキルで天井に投擲し、深く刺さり込んだら、そのままロープを掴み、ターザンのようにロープで向こう側の道へ飛ぶ。
ハチマン「ウオオオオッ!!」
しかし、こんな使い方をするとアイテムの耐久値の減りが普通よりも早いため…………。
─────ブチッ!
ハチマン「へ?」( ゜o゜)
ハチマン「ああああああっ!!」
耐久値が切れてロープが千切れる。それにより、俺はあと少しのところで落下する。
しかし、伊達にソロで攻略組をやっていないので、何とか壁に足を付ける。次に背中の鞘から『リースンモンスター』を引き抜き、ソードスキルのヴォーパルストライクで飛翔する。
それにより、向こう側の道の縁に手が届くので俺が出せる全開のSTRでよじ登る。
ハチマン「はぁ、はぁ、はぁ、死ぬかと思った」
ハチマン「やっぱり、働くものじゃないな。やはり、俺が働くのはまちがっている」
と一人虚しく愚痴をこぼす。
何故、俺が最前線でもない、こんな下の層のダンジョンにいるのかはキリトが原因だ。
なんでも、55層のレアモンスターから手に入れた鉱石で『エリシュデータ』と勝るとも劣らない剣を作ったらしい。
なので、俺もちょうど欲しかったからアルゴに聞いて、キリトが手に入れた鉱石と同等の質の鉱石で手に入る場所は無いかと聞いてたら、ここのダンジョンだった訳だ。
ハチマン「えっと……目的地までは……」
マッカン擬きを飲みながらマップを開く。マップを見るに目的地まではまだ少しあるようだ。
ハチマン「はぁ~。怠い」
文句をたらたらと流しながら目的地へと足を進め、愚痴をこぼしながら歩けど歩けど、ゴールに着かない。
ハチマン「まさかとは思うけど床が動いてたりしないだろうな?」
とあるジャンプアニメのように必死に足を進めてるのに床が動いているので進んでいないなんてことはなかった。
しかし…………目の前に見慣れた奴が倒れていた。
それも仰向けで。
ハチマン「…………。(うん、見なかったことにしよう)」
俺は何も見なかった。
しかし、その見慣れた奴にコートの端を掴まれた。
???「いやいや、待てよ!」
ハチマン「どちら様ですか?俺の知り合いにこんな場所で堂々と仰向けで寝てるバカ野郎は知りませんが」
???「ひでぇな~。知り合いが道端で倒れてるんだから心配してくれてもいいじゃんか?」
ハチマン「で、なんでこんな所で寝てるんだよ。ソロクロボッチ」
キリト「誰がソロクロボッチだ!俺はキ・リ・トだ!」
ハチマン「で、そのキリットくんが何で道端で寝てたんだよ」
キリト「もうそれでいいです。で、俺が倒れていたはお前が来るのを待ってたんだよ」
ハチマン「はぁ?」(。・´_`・。)
キリト「いやー、ハチマンが鉱石を探してるって聞いたからさ」
ハチマン「アルゴか」
キリト「で、前に俺が作ってもらった新しい剣の鍛治師に聞いたら69層に市場に出てない鉱石があるって聞いたからさ」
ハチマン「なるほど、それで俺の方へアルゴから聞いたわけか」
キリト「そうそう」
ハチマン「なんで、こんな面倒なことを?」
キリト「正直、ドッキリをしたかったんだけど……」
ハチマン「キリトが倒れてるから慌てて駆けつけるとでも考えた訳か」
キリト「その通り」
ハチマン「本当に面倒なことをしたな」
キリト「全くその通りで……」
ハチマン「お前も付いてくるのか?」
キリト「ああ!ハチマンが作ってもらう武器がどんな物になるか見てみたいし。どんなレアアイテムが手に入るのか興味がある」
ハチマン「本当に筋金入りのゲーマーだな。キリト」
キリト「お前だって変わらないだろう?」
ハチマン「そうだな。こんなデスゲームでも、楽しんでいる俺がいるよ」