仮想と混ざりあったリアル   作:黒牙雷真

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疑惑と重い十字架

 

 

そして、現在。朝早くから平塚先生に呼び出しをくらい、臨時休校の総武高校に、俺、明日奈、和人、理香、直葉、それと海浜中学の教師である施恩と生徒である珪子が呼ばれた。

 

 

八幡「ったく、戦闘があった翌日の朝早くから呼び出すなよな…………。まぁ、俺もあの時は後日、話すとは言ったけどさ………」

 

明日奈「もう、グチグチ言わないで、とっとと終わらせて皆で買い物に行こっ!」

 

八幡「そうだな」

 

 

そして、先日と同じく会議室の前に立ち、扉にノックをして入る。

 

 

八幡「失礼します。比企谷八幡、ならびに先日の化け物騒動の関係者です」

 

 

俺が扉の前でそう口にすると会議室の中から平塚先生の返事が聞こえた。

 

 

平塚「入れ」

 

7人「「「「失礼します」」」」

 

鬼瓦「よく来てくれた。それと初めての人には自己紹介をしないとね。先日付けで『SAO対策隊』の担当になった、鬼瓦だ」

 

八幡「あの、鬼瓦さん。『SAO対策隊』って?」

 

鬼瓦「昨日、比企谷くんが言っていたSAOのことを君たち以外にも知っている人が居てね。それと誰かが昨日の君たちの戦闘をネットにアップしたらしく、その動画のコメントで分かったんだ。それで警察の方であの化け物たちの対策隊を作ることになったんだ」

 

八幡「俺たち以外にもSAOを知ってる奴がいたってことは…………ヤバい!もしかしたら奴等もこの世界に!?」

 

八幡「クソッ!一番有ってほしくないことが有りうるかもしれない可能性が高くなった! 」

 

和人「八幡、さっきから何一人で話してんだよ?」

 

八幡「キリト、今の鬼瓦さんの言葉で分からなかったのか?俺たち以外にSAOのことを知っている人間がこの世界にいた。それにネットにアップされている………。もしそれが奴等、『ラフコフ』のメンバーに見られてたらどうする!?」

 

SAO組「ッ!?」ゾワリ

 

和人「ちょっと待て!ラフコフの奴等がこの世界にいるのか!?」

 

八幡「考えてみれば簡単だ。俺たちがこの世界に居るんだからな」

 

明日奈「そんな…………」

 

理香「うそ…………」

 

平塚「ちょっと、いいか?その『ラフコフ』とはなんだ?」

 

八幡「正式名称はギルド『ラフィンコフィン』、通称『ラフコフ』。そのギルドは人を殺すことを主にした狂った奴等の集まりです 」

 

平塚「なっ!?」

 

八幡「奴等がいる可能性を今の今まで頭から抜けていたなんて…………クソッ!」ダン!

 

 

俺はあまりの自分に対する怒りに机を殴ってしまった。

 

 

平塚「人を殺すことを主にした、だと……」

 

八幡「ええ、俺たちも幾度なくラフコフの奴等に殺されかけましたよ」

 

平塚「比企谷たちがか?」

 

八幡「はい…………。過去にSAOの中でラフコフはあまりにもその勢力が強くなり過ぎたため攻略に支障をきたすとされ、ラフコフを討伐するために3つのトップギルドが同盟を組んで討伐に当たりました。明日奈はそのトップギルドの一つに属していました。もちろん俺と和人もソロとして参加しました」

 

平塚「討伐にか!?」

 

八幡「そうです。そして、その討伐は主にラフコフのメンバーを拘束して監獄送りにする作戦でした。ですが、討伐の作戦はラフコフに筒抜けだったらしく逆に奇襲を受けました。もう、あれは血みどろの戦いと言ってもおかしくありません。何人かのプレイヤーは拘束が出来ずに殺してしまうか、あまりのラフコフの狂気に恐怖し殺されるかでした」

 

平塚「…………」

 

八幡「そして、俺もこの手で、SAOにいる二年間で5人も、この手で人を殺してるんです…………」

 

明日奈「でも、八幡くん!それ全て私を…………守るために」

 

八幡「いいんだ明日奈。これは俺が一生背負わないといけない十字架なんだ」

 

平塚「比企谷…………」

 

八幡「話がそれましたね。なので本当に奴等がこの世界に居るとしたら、今度こそ奴等の息の根を止める覚悟で挑むしかありません。最悪はまた奴等の勢力が増える可能性も考える必要があります」

 

鬼瓦「しかし、君たちが居ると分かっているのに、また同じことを繰り返すと思うかね?」

 

八幡「奴ならやりかねませんね」

 

鬼瓦「奴?」

 

八幡「ラフィンコフィンのギルドマスターにしてSAO史上最悪の男、通称『ジャック・ザ・リッパーのPoH』。それが奴の二つ名です。奴はそのカリスマ性で何十人というプレイヤーの心を狂気に変えて殺戮を楽しむ人間にさせて行ったんです」

 

鬼瓦「そんなことが…………」

 

八幡「これはマジなんです。昨日までモンスターが怖くて安全な街の中に引きこもっていた人がPoHと接触して数時間後には人を殺すことが至福だと思うようになるんですよ」

 

平塚「そんな奴が…………」

 

八幡「正直、俺も、明日奈がいなかったら今頃はラフコフのメンバーになっていたでしょう」

 

平塚「君がか!?」

 

八幡「ええ。当時、PoHは俺に接触して、こう言いました。『この世界は生き辛くはないか?生き辛いよな?何故ならお前は俺と似た感情を持っているのだからな。何もしていないのに、人から蔑まれ、妬まれ、恨まれる。なら、そんな生き辛い世界なら生き安いように世界を変えればいい。そのためなら、力を貸すぜ。殺ろうぜ?俺たちが気にいらない奴等を全員殺して、俺たちが気にいるような楽園にしようぜ。なあ、Brother』とね」

 

平塚「狂ってやがる!」

 

和人「…………」

 

理香「…………」

 

珪子「…………」

 

直葉「…………」

 

施恩「…………」

 

八幡「すみません、気分が悪いのトイレに行ってきます」油汗ダラダラ

 

明日奈「私、八幡くんの付き添いに行ってきます!」タッタッタッタッタッ

 

平塚「頼む、結城」

 

 

 

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