仮想と混ざりあったリアル   作:黒牙雷真

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青眼の悪魔と隠し事

 

 

キリトと共にボス部屋の鉄扉を押すとゴゴゴゴッと鉄扉が地面を引き摺る、重量感ある音と共にゆっくりと扉は開いて行く。

 

完全に開き切ると臨戦態勢のままで入り口から6歩ほどの距離で構え。部屋の中を確認する。しかし、中は真っ暗である。

 

 

キリト「なにも…………ないな」

 

ハチマン「そうみたいだな………」

 

アスナ「ちょっと、二人とも!」

 

キリト「大丈夫だよ。奥には入らないから。それにさっき、ハチマンが言ってた様に、ボスを確認しないことには攻略方法も足れないだろう?」

 

アスナ「それは、そうだけど………」

 

ハチマン「おいっ!」

 

 

俺は本能的に部屋の変化に気付き、キリトとアスナの会話を止めると奥の灯火台から青い焔がボボボボッと連続音と共に灯り。その青い焔の明かりで部屋の中央にいるフロアボスの姿を確認することができた。

 

 

ハチマン「…………」

 

キリト「…………」

 

アスナ「…………」

 

 

ボスの姿は見ただけで分かる様な盛り上がった強靭な筋肉と、その強靭な筋肉があってこそ扱えるような巨大な剣を肩に担ぐように右手で持っている。そして、最もボスモンスターだと理解できる点は、ボスモンスターの顔は羊で身体は人間。そして、尻尾のような物は蛇であること。

 

これらを踏まえて、今回のフロアボスは初の悪魔型モンスターであるということだ。

 

俺たちは、目の前にいる悪魔に驚きのあまり動けないであるとボスモンスターである。《グリームアイズ》の咆哮により我に返り…………。

 

 

グリーム「グォォォォ!!」

 

 

キリト「うあああああ!」

 

ハチマン「うおおおおお!」

 

アスナ「きゃあああああ!」

 

 

脱兎の如く、回れ右をして逃げる。その際、何故か知らんがいつの間にかアスナにコートを掴まれていた所為か無意識にアスナをお姫様抱っこで抱えて逃げていた。

 

そして、安全エリアまで逃げ切るとアスナを降ろし。キリトと共に地べたに大の字で横たわる。

 

 

ハチマン「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

キリト「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

アスナ「///////」ポケー

 

ハチマン「あれは、苦労しそうだな」

 

キリト「だな。パッと見た感じだとメイン武器は大型剣だけだけど…………」

 

ハチマン「特殊攻撃ありだな。ああいうタイプはブレス系の特殊攻撃だろうな」

 

キリト「だよな………」

 

ハチマン「あれ、アスナ?おい、アスナ」

 

 

さっきから俺とキリトがボスのことについて話してるのに《攻略の鬼》が参加してこないことを疑問に思い。アスナに声をかけると頬を赤くしてポケーとしていた。

 

 

アスナ「な、なにかなハチマンくん!?」

 

ハチマン「なにかな、じゃねぇよ。今回のボス攻略の立案者はアスナなんだろ?だったら、ちゃんと聞いてくれよ」

 

アスナ「ご、ごめん……」

 

ハチマン「じゃあ、最初からな。今回のボスはメイン武器は大型剣、特殊攻撃はブレス系の物と推定。HPバー四段。多分、攻撃系だろう」

 

 

 

このSAOにはボスモンスターには種族以外にもタイプがある。攻撃特化系と耐久特化系、他には特殊特化系。攻撃特化はそのまま、耐久特化はHPとまたは防御力が高い奴、特殊特化は多重デバフを使ってくる奴。

で、今回は攻撃特化型だと推測。

 

 

アスナ「だとなると、前衛に硬い人を集めてどんどんスイッチして行くしかないね」

 

キリト「盾持ちの奴が十人は欲しいな……。アタッカーはデバフを与えられる奴で攻めたいな」

 

アスナ「盾持ち、ねぇ」

 

 

キリトの発言でアスナは意味ありげな視線というよりも疑っているような視線を向ける。

 

 

キリト「な、なんだよ」

 

アスナ「キリトくん。君、何か隠してるでしょ」

 

キリト「いきなり何を………」

 

アスナ「だっておかしいもの。普通、片手剣の最大のメリットって盾が持てることじゃない。でも、キリトくんが盾持ってるの見たことがない」

 

ハチマン「…………。(ここは影に、空気に徹しよう)」ステルスヒッキーon

 

アスナ「私の場合はレイピアのスピードが落ちるからだし。スタイル優先で持たないって人もいるけど、君の場合はどちらでもないよね?」

 

キリト「そ、そんなことを言ったらハチマンはどうなんだよ!?」

 

アスナ「君、ハチマンくんと組んでるなら分かってるでしょ?ハチマンくんが盾を持たない理由を」

 

キリト「ですよね…………」

 

アスナ「それに、リズに作らせた剣も使ってないみたいだし。あやしいなぁ……?」

 

キリト「…………」

 

アスナ「まぁ、いいわ。スキルの詮索はマナー違反だもんね」

 

 

アスナのその言葉に、キリトと俺は息を吐く。アスナに限ってはないは思うが、何かの拍子で俺とキリトのエクストラスキルである《二刀流》が流れて面倒事に巻き込まれるか分かった物ではないから話す訳にはいかない。

 

しかし、既に三人は知ってるんだよなぁ…………。特に一人だけ非常に面倒な奴が入ってるけど。

 

 

アスナ「遅くなっちゃったけど、お昼にしましょうか」

キリト「もう、こんな時間か………。ハチマン、例の物を頼む」

 

ハチマン「今回は?」

 

キリト「インフェルノで頼む」

 

アスナ「インフェルノ?」

 

ハチマン「まぁ、見とけって」

 

 

システムメニューを出して、簡易調理器具を出して一人用鍋に水を入れて、お湯にする。そして、あらかじめ容器に完成間近の料理を二つ、アイテムストレージから取り出す。

 

 

ハチマン「よし、沸いたな」

 

アスナ「ねぇ、ハチマンくん。まさかとは思うけど、これって…………」

 

ハチマン「ん?カップラーメンだが?」

 

アスナ「やっぱり…………」

 

キリト「ハチマン、早く!」

 

ハチマン「分かってるっての」

 

 

俺は鍋からお湯を完成前の料理の器に流して込み。蓋をして一つをキリトの前に箸と一緒に置く。

 

 

ハチマン「三分、ちゃんと待てよ」

 

キリト「おう!」

 

アスナ「調理時間もカップラーメンと同じなんだ…………」

 

ハチマン「アスナは弁当か何か持ってきてるのか?」

 

アスナ「あっ、うん……でも……」

 

キリト「えっ、まさかとは思うけど………俺たちに?」

 

アスナ「うん………」シュン

 

ハチマン「それは悪いことをしたな」

 

キリト「なら、シェアして食べれば良い」

 

 

 

 

 

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